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J・J

初夜

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「ロイも気が利く。記念すべきこの夜を、二人きりにしてくれるとはな」

今すぐにでも抱きたい。
草むらに連れ込んで、押し倒したいくらい興奮している。


リヒトを抱き上げたまま家に帰り。
扉を開けるまで耐えたのを褒めて欲しいくらいだ。

中に入ってすぐ、リヒトの唇を味わう。

「んん、」
リヒトは俺の手をぺしぺし叩き。

玄関先では嫌だと示した。
唇だけでも、もう少し味わいたいのだが。

あまりがっついて嫌われるのは困るので、何とか唇を解放し。


「……は、」
了解、という代わりに、額に口づけた。


†‡†‡†


階段を駆け上がり、寝室へ急ぐ。
リヒトをそっと寝台に寝かせ。自分の服を全て脱ぐ。

リヒトは俺の身体を眺めるのが好きなようだ。
自分が細いから、憧れるのだと言うが。


視線を感じ。
更にそそり立ってしまう。

寝台に乗り上げ、リヒトの眼鏡を外し、棚に置き。服を脱がしていく。

いっそ、引き裂いてしまいたい。
だが、怖がらせたくはない。なるべく優しく、一糸纏わぬ姿にしていく。


至近距離で目が合う。

この距離なら良く見えると言っていた。
口づけて、リヒトの顔を見ていると。

リヒトは静かに目を閉じた。

初めて出逢った時は、その行為の意味を知らずにしてしまったリヒト。
だが、今はもう知っている。

あえて、そうしてくれたのだ。過ちを赦すために。
求婚あのときのやり直しを。


ああ、俺はこの世界で一番、幸福な男だ。


リヒトの首筋に、軽く歯を立てた。
今度は血が出るほどではなく、あくまでも軽く。

儀式でもあるが、これは愛撫である。


†‡†‡†


「あっ、……ん、」
リヒトはぶるっと身体を震わせた。

噛んだだけで、感じているのだ。

まだ未成熟な身体に見えるが。
充分熟して、摘み取られるのを待っている。


「見た目は幼いが。成熟した、甘い果実のような匂いがした」
細い首、鎖骨の辺りに舌を這わせる。

「は、……あ、」
リヒトの乳首は、触れる前からツンと立ち上がっていた。
愛撫を待ち望んでいるように。

「今は更に、全身から芳香を放っているようだ。……狂おしいほど、甘い」
今すぐに、全てを喰らい尽くしてしまいたくなるほど。


「え、」
片足を抱え上げ、愛らしい性器を、袋ごと口に含む。

「ひ、……や、やぁ、」
裏筋を、舌先でごりごりと刺激してやるのが気持ち良いようだ。

ぴちゃぴちゃと、わざと大きな音を立てた。
その方が感じるようだ。


「やっ、だめ……、そんなとこ、」
口ではそう言うが。

腰が愛撫を求めるように揺れている。

ちゅっ、と吸うようにしたら。
すぐに精を吐き出した。


「……甘い」

何故だろう。
匂いだけでなく、肌も、精も甘く感じる。

全身が蜂蜜ミエルで出来てるんじゃないだろうな?


「嘘、また……?」
管に残っている精をも吸い取る勢いで吸い上げてやる。

「やぁ、そんなに吸っちゃ、」

俺の頭に置かれた手は、子猫シャトンが乳をまさぐるように動いている。
可愛らしい。もっと鳴かせたい。


†‡†‡†


「もう、出ないって、」

先端の孔を抉るように舐めてみるが、本当に出ないようだ。
では、こちらの孔はどうだ?

舌を、後ろの孔へ這わせる。

「え、……今度はそっち!? ちょ、待っ、」

もうすでに蜜液でびしょびしょになっているそこに舌を差し入れる。
文字通りの蜜液だ。花の蜜のように甘い。

ツガイになると、求められればここが性器のように濡れるのだ。
受け入れる側もその気にならなくてはこうはならない。


「やぁだ、って……、ジャン、……ひっ、」

じゅぷじゅぷと、わざと音が鳴るように舌を抜き差ししてやる。

身体は確かに感じていて、気持ち良いと言っているのだが。
嫌がってみせるのは、本来リヒトにとって禁忌な場所を舌で愛撫される羞恥心からか。


「ジャン……、もう、お願いだから……、」
泣きそうな声に。

これ以上の愛撫は良くないと感じた。
もっとリヒトの中を味わいたかったが。

膝を擦り合わせるような動きをしている。
舌ではなく、他のモノが欲しいのだと気付いた。

なら、すぐにくれてやろう。


「ん、」
舌を引き抜いて。

身体を起こし、リヒトの顔をじっと見る。

「リヒト、」

リヒトは潤んだ目で俺を見返した。
その表情に、嫌悪感は無い。

幼く見える、愛らしい顔。それが、情欲で蕩けている。


†‡†‡†


「リヒト、愛している」

俺は、森で。
俺を真っすぐに見ていたお前にひと目で惹かれた。

気づけばお前を噛んで、無理矢理ツガイにしてしまっていた。
二度と元の世界には戻れない身体に。

可哀想なことをした。
だが。

俺はお前だけを一生愛し続け、大切にする。

何があっても絶対に、離さない。
俺は一生、お前のものだ。そして。


「お前は一生、俺のものだ。俺の傍にいろ」

「……ん、」
リヒトは、こくりと頷いた。

その瞳に、情欲の色を感じて。
たまらず、舌と指で慣らしたそこに己をあてがった。


「……っ、う、」
リヒトは俺の腕に爪を立てた。

充分に慣らしたとはいえ、俺のものは指や舌よりも太く長い。
ツガイ化した身体とはいえ、さすがに受け入れるのは苦しそうだ。

しかし。
リヒトの中が、こんなに悦いとは。


入り口は狭く、きゅうきゅうと締め付け。
中は柔らかくあたたかく包み込まれる。

気を抜くと、激しく腰を振って己の快楽だけを追ってしまいそうだ。


手加減なしで抱いたら、リヒトを傷つけてしまう。
それは駄目だ。

眩暈がするほど激しい肉欲と戦いながら。
少しずつ、腰を進めた。
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