人生に絶望した俺が異世界で龍のツガイにされるなんてこれはきっと悪い夢に違いない。

篠崎笙

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登山していたら赤龍王のツガイにされました。

愛情表現

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「ひっ、」
朱赫の手が、胸とか内股を撫でて。

ぞくぞくするっていうか。
触り方が、いちいちエロいんだよ!


『……怖がらないで。ひどいことはしないから』
声はとても優しいし。

朱赫が俺にひどいことをするなんて、思わない。
でも。

「わかってる、けど。怖いのは、仕方ないと思う。……は、初めてだし」

ぴたりと動きが止まって。

『………っ、……あっぶな、危うく暴発するところだった……』
早鐘のような鼓動が伝わる。

そんな可愛いことを言う口は塞いでしまおう、と言われて。
キスされながら、身体を弄られた。


のぼせる寸前までされて、ぐったりしていたら。
お姫様抱っこの状態で、ベッドまで運ばれてしまった。


*****


ベッドにも花びらが撒かれていた。

掃除大変じゃね?
などと思うが、ひたすら恥ずかしい。


「んく、」
口移しに、何か飲まされた。

甘い。……なにこれ。

『身体の緊張を解く、媚薬だよ』

媚薬って。
ガラナチョコとか赤マムシとかそういう、アレなやつか?


『慣らすから。力抜いて、俺の肩に掴まってて』

と。
枕元に置いてあった瓶の中身を手に出している。

いい匂いがする。
何だろう。

『これ? 香油だよ』

微笑んで。
ああ、いつ見てもいい男だなあ、と思う。


「ひゃ、」
朱赫の指が、とんでもないところを探っている。

ここに、入れるんだ。
朱赫のを。

指も、俺のより太くて長い。


指輪交換の時にも思ったけど、男らしいかっこいい手だった。
指の先までイケメンとか、ズルくね?


*****


「ん、」
キスされながら、後ろを解されてる。

朱赫のが入るくらい。……いや無理だろあれは。


媚薬が効いてきたのか。身体が熱い。
思わず股間に触れようとした手を取られて。朱赫はにっこり笑った。

『……そこは、後で』

えええ。
ひどい。イきたいのに。


「はぅ、……んんっ、」

指を、抜き差ししてる。
うわ、何か、ぐちゅぐちゅって、エロい音が聞こえるんだけど。

中、指で弄られるのが、気持ち良くなってきて。

「ん、……は、あっ、あ、」

もっと、して欲しくなってしまう。
これ、媚薬のせいだよな?


『……可愛い、朔也。そろそろ、いいかな?』

「ぁん、」
指を引き抜かれて。

朱赫は、俺の胸の傷痕にキスをした。
愛おしそうに。


足を抱え上げられて。
『朔也、从心底心の底から我爱你君を愛している

額にも。
優しくキスをされて。

不是いや、……爱你这些愛している话都不足なんていう言葉では以表达我对足りないくらいに你的喜欢君が好きだ

熱烈な告白。
心臓が、爆発するかと思った。


*****


「ん、……あ、あっ、あ、」

腰を、ぐいぐいと押し込まれて。
固くて熱いものが、どんどん奥まで入ってくる。

それが、気持ちいいのは。
媚薬のせいか?

痛いよりは勿論いいけど。何か恥ずかしい。


愛してる、と何度も言われて。
熱烈すぎる愛情表現に、くらくらする。

目と目が合った瞬間、お互い両想いだと確信したからって理由でプロポーズの言葉もなかったくらい、言葉が足りないくせに。
こんな時ばっかり、ズルい。


『……朔也、』

何て顔して見るんだよ。
もう、好きだっていうのは充分わかったから。

『鱗、つけていい?』


鱗。
望ちゃんが言ってたな。

龍は、ツガイに逆鱗をつけるとか。

オスの龍の場合はツガイ同士で触れれば発情するけど、ツガイじゃない男に触れられたら普通に急所だし、激怒するとか。
まさに逆鱗だ。

でもつけられたほう、たいがいメスは、単なる発情スイッチになるなんて。
めちゃくちゃ不利じゃね?


*****


見れば、朱赫の喉にも確かに赤い鱗があった。……滅多に見えない場所だから、別にいいかな。

俺が逆鱗を覗き込んでるのを見て、朱赫は微笑んだ。
『ああ、そう。これだよ。でも、慣れないうちは、俺のにはまだ触らないほうがいいかな』

慣れない内は、って。何か怖いけど。
ずっと着けたがってたみたいだし、いいか。

『いい?』
いいよ、と頷くと。嬉しそうに笑った。

この笑顔に、俺は弱いんだ。


朱赫は首の後ろに手をやって、ごそごそして。
プチッ、って音がした。

……今、どこから毟った!?

もう鱗をつまんでいた。一部を龍化したという。
あんまり見目のいいものじゃないから、見えないところでしたんだそうだ。器用だな。

俺も慣れれば出来るようになるのかな。
いや、あんまりしたくはないけど。


鱗を、俺の喉元に置いた。

ほんわりと、熱を感じる。……もう、着いたのかな?


『……どう?』

鱗を撫でている。
触れられると、ゾクゾクして。

何だこれ。
……触られたら、発情するんだっけ?

おいおい、めちゃくちゃ触られてるんだけど!


*****


性器が、睾丸が。
パンパンに腫れてる気がする。

放出したくてたまらない。

それに。
入ってるこれで、めちゃくちゃに、中を擦って欲しい。


「朱赫、……これ、どうにか、して……?」
涙目で朱赫を見上げる。

『うん。お望み通りに、して・・あげるね』
凄くいい笑顔だった。


「は、あ、あっ、あっ、……ん、」

腰を掴まれて。
後ろから、ガンガン腰を叩きつけられて。

それでも、気持ちいいんだから困る。

『朔也、朔也、俺だけのものだよ。もう、離さないからね』
声は優しいのに。激しい。

こうやって、ずっと繋がっていたい、とか囁かれて。
いやそれは無理。マジで無理。


本当は、初めてここに来たとき。
気を失ってる俺に鱗をつけて、すぐにでも抱きたかったけど、我慢したっていうが。

褒めろとばかりに言われても。


そんなの当たり前だろ!
いくら両想いだって確信していても、無理矢理はよくない。

何でも、先例がかなりこじれたのを見て、学習したという。

先例って。
……もしかして、望ちゃん……? だよな。
だいぶ悩んだって言ってたし。

龍の男とは、だいぶ倫理観とかが違うようだ。
これは苦労しそうだ。


まあ、待てが出来たので賢い。
褒めてやろう。

式までに数日あったのに耐えたんだ。
自室とはいえ皇宮でするのは躊躇ったのかもしれないけど。


*****


腰を捻って、手招きして。
よしよし、と頭を撫でてやる。

すると、朱赫は、にこーっ、と笑った。
何だその可愛い笑顔は。

きゅんとしてしまっただろ!


『朔也、ああもう、大好き……!』

ぎゅっと抱き締められて。
めちゃくちゃに腰を穿たれた。

「あ、……そんなしちゃ、や、あっ、」


俺が疲れ果てて、眠ってしまうまで。
行為は終わらなかった。
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