人生に絶望した俺が異世界で龍のツガイにされるなんてこれはきっと悪い夢に違いない。

篠崎笙

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黄龍大帝のツガイ

ツガイと龍気

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「……なに? 死なせてくれるの?」

『莫迦な。誰が己のツガイをむざむざと死なせるというのか』
雷音はそう言うと。

俺の着物を脱がせようとしてきた。


……結局、無理矢理精を注ぐ気かよ?
あんなこと言っておいて。

俺は後悔してないし。
あんたなんかの精が欲しいなんて、絶対に言わないからな。


「やめろ、放っておいてくれ」
手を払う気力もない。

雷音は、むっとした顔で。
『では、わたしでなければ良いのか? 朱赫か青峰の精であれば、大人しく受け入れると?』

って。
朱赫か、青峰の精?

どっちかに抱かれるってことか?


やめろ。
考えただけでぞわっとしたじゃないか。


*****


「いや、誰がいいとかじゃなく、無理。男に抱かれたくない」
答えると。

大きく溜め息を吐いた。
『ならば、それはもう諦めてもらう。龍気を与えられるのは、我ら龍族の男のみ。……わたしは、そなたを死なせたくはないのだ。絶対に』


もしも自分より他の誰かの方を望むなら、その誰かに譲ってもかまわないと思うほど、俺のことを死なせなくないという。

何でそこまで、俺に執着するんだ?
俺は、元白にとっては恩人かもしれないけど。雷音には、関係ないだろうに。


『助けて欲しいと元白に頼まれはしたが。乗り気ではなかった。しかし、そなたをこの腕に抱いた時に、そなたこそがわたしの、唯一のツガイであると確信した』

唇を、そっと寄せてくる。
額に、頬に触れて。

何故か、それは嫌な感じがしなかった。

前の職場の上司だったら、傍に寄って来られるだけでも気色悪くてぞわっとしたのに。
何でだろう?


『確かに、この匂いはわたしの……龍帝のツガイである証である。まさか、異世界に産まれ落ちているとは思わず、探したぞ』


匂いって。

まさか。
散々男を誘うって言われた、俺の体臭のことか?

何でそんなものが俺から出ちゃってるの?


本来は、龍帝のツガイとしてこの世界に生まれてくるはずが。何かの間違いで、あっち・・・で生まれたってこと?
俺がずっと不運続きだったのも、そのせいだったり?


いやいや、そんなバカな話があってたまるか。


*****


『愛しい。わたしは、そなたがどうしようもなく愛しいのだ』
哀願するように、手を取られる。


『そなたには死ぬほどの屈辱であろうが。命を繋ぐため。……いや、元白や青峰らを泣かせぬためと、我慢してはくれぬか?』

そこまで言われて。
死んでも嫌だ、とは言えなくなってしまった。

雷音にしてみれば、やっと見つけた運命の相手を、純粋な好意で助けたのに。
本当は死にたかった、気持ち悪いなどと言われて、かなりショックだっただろう。


思えば、ここでの暮らしは、悪くなかった。
というか。元の世界に比べれば、ここは天国みたいなものだ。

死にたいと思ったのは、将来に絶望したからだ。

今はもう、前ほど積極的に死にたいとは思わなくなっていた。
本の整理も途中だし。


『わたしも、この世界で、そなたに生きていて欲しいのだ。どうか、わたしに龍気を注がせてはくれないか?』
こいねがわれて。

しかたなく、こくりと頷いてみせたら。

『良かった……、これでそなたを助けられる』
ぎゅっと抱き締められた。


*****


香油をたっぷり使って、慣らされていく。

指を抜き差しされると、くぷくぷと音がして。
妙に気恥ずかしい。


しかし、指で慣らしたくらいで、あんな長大な物体が入るのだろうか?

いや、一度は入ってたんだから可能なんだろうけど。
事後も、別に痛くはなかったし。緩んでもいなかったから、魔法的なものでも使ったのだろうか?

「んん、」

ちょっと。
乳首とか、舐める必要はあるのか?

他に気を逸らさせるためか?
俺の性器にノータッチなのは、身体が弱っているので、余計な体力を使わせないためだというけど。

つらい。
もういい加減、イかせて欲しい。


「雷音、……もう、」

『望、……良いか?』
囁かれて、頷く。


もういいから。
とっとと終わらせてくれ。


*****


こっちの方が楽だというので。
うつ伏せで、腰を上げた格好で受け入れる。


「ん……あ、ああっ、」

熱い塊が。
ずぶずぶと肉を割り開きながら、入ってくる。

受け入れるだけじゃなく。
これが、激しく動くのかと思うと。

時の感覚を思い出して、ぞくぞくする。


『……くっ、そのように、締めつけるでない』

「は……、あぅ、」
つい逃げそうになる腰を、ぐい、と引き戻される。


『ああ、望、……望』

硬くて大きなものを、腹の奥まで突き入れられて。

ずるりと引き抜かれて。

また突き入れられる。

それを、何度も繰り返される。


「ひ、あ、あっ、ああ、あ、ん、やぁっ、」
じゅぷじゅぷと音がするくらい、お腹の中を掻き回されて。

『わたしの、可愛いツガイ。……っく、』

「ひっ、あ、あ……、出てる……、」

ごぷごぷと。
精を注がれているのがわかる。

そして。
お腹から、全身に。力が満ちてくるのを感じた。


……これが。
っていうものか。

あたたかい。


*****


ぬるり、と引き抜かれて。
雷音の顔を見た。

よほど名残惜しい顔をしていたのだろうか。


『もう一度、……良いか?』
問われて。

ついうっかり、頷いてしまったら。

足を抱え上げられて。
正面から、挿入された。

出したばかりだというのに、もう硬くなっている。
回復早すぎる。


「ひぁ、あ、」

『望……、どの角度が悦いのだ? ここか?』
問われながら、突き上げられて。

「んむ、……は、」
何度もキスをされて。

「や、あ、……あっ、雷音、」

めちゃくちゃ揺さぶられて。
必死に、雷音の背にしがみついた。

しっかりした筋肉で覆われた身体。
固い腹筋で、俺のが擦れて。

……気持ち良い。


『 い。何と愛いのだ。ああ、望。もう、そなたを片時も離したくない……!』


愛している、と。
何度も愛を囁かれながら、何度も中に注がれてしまった。
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