68 / 71
幕間Ⅷ
惜しみない愛を、君に捧ぐ。
しおりを挟む
「ふふ、可愛いな」
可愛いリンの、色っぽい泣き黒子にキスを落とす。
「しっかり掴まっていて」
リンの手を、私の首に回させて。腰を突き上げた。
「あうっ、」
上がった声は、痛みではなく。快楽を示していた。
「……そろそろ、気持ち良くなってきた?」
「っていうか、腰のあたりが、何だかぞくぞくするけど。どうして?」
快楽に蕩けた顔で問われる。
「この世界の人間はたまに、魔力酔いを起こすことがあるらしい。私は特に魔力が高いからね」
魔力の高い者の体液には媚薬のような効果があるというが。さて。
他に試したことがないので、知らないが。リンが感じてくれるならそれでいい。
*****
「あっ、ん、あぅ、……ひぁ、」
腰を打ち付けるたび、ぐちゅぐちゅと生々しい音がする。リンはそのいやらしい水音にまで感じている。
「ウィル、」
キスを乞われ。
「ん、……愛してるよ、リン」
望み通りにキスをする。
「……そろそろ、一緒にいこうか?」
リンの性器を握る。
「あっ、や、それだめ、」
リンはすぐに達し。きつく締め付けられ、私もリンの中に放った。
愛しい相手との行為は、これほどまでに気持ち良いものなのか。
これまで、私は本当の愛を知らなかった。リンのおかげで、人を愛することを知ったのだ。
「このまま、もう一回、いい?」
まだまだ足らなかったが。
寝室のドアの向こうから、シロの鳴き声とドアをカリカリする音がした。
「あっ、シロの朝ご飯!」
リンが起き上がろうとした。
時計を見れば、朝の8時過ぎだった。
リンとシロは普段、朝食を毎日6時半から7時に摂っているそうだ。規則正しい生活をしている。
*****
「私が行ってくるよ。いい子で横になって待ってなさい」
リンの頬にキスを落とし。
綺麗好きなリンのために、一度シーツ、自分とリンの全身に”浄化”を掛け。
バスローブを羽織り、ドアを開けると。
「ワフン!」
子犬姿のシロが部屋の中に飛び込んで来ようとしていたのをキャッチする。
「君のご主人様は、今日から私のものだからね。覚えておきなさい。……結婚式は派手にしたいけど、どんなのがいいかな?」
シロは首を傾げた。
ご主人様の相手が私で、不満ではないのか? しっぽをぶんぶん振っている。
メイヤー師に対しては、たまにリンに近づきすぎた時などに威嚇するのだが。私は威嚇されたことがないな。たまに餌をやってるからか?
シロに肉を食べさせてから、リンの朝食を作った。
私も軽く食事をし、寝室に食事を持っていき、食べさせた後、もう一度愛し合った。
流星のファンだったから、私の想いを受け入れてくれたのかと妬心を起こし。つい詰問口調で問うてしまった私に、リンは、今の私が好きなのだと言ってくれた。
流星であり、ウィリアムである私を。
そして、リンが昨夜大好き、と言って私に抱き着いてきたのを、愛の告白を受け入れてくれたものと思っていたのは間違いだったと知った。
勘違いで強姦してしまったのかと青ざめたが。
リンは、私に抱かれたことで、私への想いが、間違いなく恋であることに気づいたという。隠し事をしたくなかったので、それは正直に話しておきたかったようだ。
つまり。
私たちは、ほぼ出逢った時から両想いだったのである。
「つい、気持ちが急いてしまった。そういえば、まだ言ってなかったね」
リンの手を取り。
「……リン、君を愛している。どうか私と結婚してください」
「あ、……はい」
不器用過ぎた私のプロポーズを、リンは受けてくれた。
*****
ずっと傍に居たいから、リズリーからロチェスターへ来て欲しい、という無茶な要望にも応えてくれた。
あまりの喜びで、舞い上がりそうだった。
魔法で作った鳥に、求婚成功、城へ戻るという報せを持たせ、ロチェスターへ飛ばした。
いつかリンを迎え入れるためにと、城も大改装した。
少しでも快適に過ごして欲しい。
これからは、ずっと一緒に居られると思うと、心が沸き立つ。
リンのこれからの長い人生を預かるのだ。必ず、幸せにしてみせる。そのための努力は惜しまないつもりだ。
愛想を尽かされないよう、善き王、善き夫でいたいと思う。
全身全霊で。惜しみない愛を、君に捧げよう。
可愛いリンの、色っぽい泣き黒子にキスを落とす。
「しっかり掴まっていて」
リンの手を、私の首に回させて。腰を突き上げた。
「あうっ、」
上がった声は、痛みではなく。快楽を示していた。
「……そろそろ、気持ち良くなってきた?」
「っていうか、腰のあたりが、何だかぞくぞくするけど。どうして?」
快楽に蕩けた顔で問われる。
「この世界の人間はたまに、魔力酔いを起こすことがあるらしい。私は特に魔力が高いからね」
魔力の高い者の体液には媚薬のような効果があるというが。さて。
他に試したことがないので、知らないが。リンが感じてくれるならそれでいい。
*****
「あっ、ん、あぅ、……ひぁ、」
腰を打ち付けるたび、ぐちゅぐちゅと生々しい音がする。リンはそのいやらしい水音にまで感じている。
「ウィル、」
キスを乞われ。
「ん、……愛してるよ、リン」
望み通りにキスをする。
「……そろそろ、一緒にいこうか?」
リンの性器を握る。
「あっ、や、それだめ、」
リンはすぐに達し。きつく締め付けられ、私もリンの中に放った。
愛しい相手との行為は、これほどまでに気持ち良いものなのか。
これまで、私は本当の愛を知らなかった。リンのおかげで、人を愛することを知ったのだ。
「このまま、もう一回、いい?」
まだまだ足らなかったが。
寝室のドアの向こうから、シロの鳴き声とドアをカリカリする音がした。
「あっ、シロの朝ご飯!」
リンが起き上がろうとした。
時計を見れば、朝の8時過ぎだった。
リンとシロは普段、朝食を毎日6時半から7時に摂っているそうだ。規則正しい生活をしている。
*****
「私が行ってくるよ。いい子で横になって待ってなさい」
リンの頬にキスを落とし。
綺麗好きなリンのために、一度シーツ、自分とリンの全身に”浄化”を掛け。
バスローブを羽織り、ドアを開けると。
「ワフン!」
子犬姿のシロが部屋の中に飛び込んで来ようとしていたのをキャッチする。
「君のご主人様は、今日から私のものだからね。覚えておきなさい。……結婚式は派手にしたいけど、どんなのがいいかな?」
シロは首を傾げた。
ご主人様の相手が私で、不満ではないのか? しっぽをぶんぶん振っている。
メイヤー師に対しては、たまにリンに近づきすぎた時などに威嚇するのだが。私は威嚇されたことがないな。たまに餌をやってるからか?
シロに肉を食べさせてから、リンの朝食を作った。
私も軽く食事をし、寝室に食事を持っていき、食べさせた後、もう一度愛し合った。
流星のファンだったから、私の想いを受け入れてくれたのかと妬心を起こし。つい詰問口調で問うてしまった私に、リンは、今の私が好きなのだと言ってくれた。
流星であり、ウィリアムである私を。
そして、リンが昨夜大好き、と言って私に抱き着いてきたのを、愛の告白を受け入れてくれたものと思っていたのは間違いだったと知った。
勘違いで強姦してしまったのかと青ざめたが。
リンは、私に抱かれたことで、私への想いが、間違いなく恋であることに気づいたという。隠し事をしたくなかったので、それは正直に話しておきたかったようだ。
つまり。
私たちは、ほぼ出逢った時から両想いだったのである。
「つい、気持ちが急いてしまった。そういえば、まだ言ってなかったね」
リンの手を取り。
「……リン、君を愛している。どうか私と結婚してください」
「あ、……はい」
不器用過ぎた私のプロポーズを、リンは受けてくれた。
*****
ずっと傍に居たいから、リズリーからロチェスターへ来て欲しい、という無茶な要望にも応えてくれた。
あまりの喜びで、舞い上がりそうだった。
魔法で作った鳥に、求婚成功、城へ戻るという報せを持たせ、ロチェスターへ飛ばした。
いつかリンを迎え入れるためにと、城も大改装した。
少しでも快適に過ごして欲しい。
これからは、ずっと一緒に居られると思うと、心が沸き立つ。
リンのこれからの長い人生を預かるのだ。必ず、幸せにしてみせる。そのための努力は惜しまないつもりだ。
愛想を尽かされないよう、善き王、善き夫でいたいと思う。
全身全霊で。惜しみない愛を、君に捧げよう。
30
お気に入りに追加
1,827
あなたにおすすめの小説
【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話
匠野ワカ
BL
日本画家を目指していた清野優希はある冬の日、海に身を投じた。
目覚めた時は見知らぬ砂漠。――異世界だった。
獣人、魔法使い、魔人、精霊、あらゆる種類の生き物がアーキュス神の慈悲のもと暮らすオアシス。
年間10人ほどの地球人がこぼれ落ちてくるらしい。
親切な獣人に助けられ、連れて行かれた地球人保護施設で渡されたのは、いまいち使えない魔法の本で――!?
言葉の通じない異世界で、本と赤ペンを握りしめ、二度目の人生を始めます。
入水自殺スタートですが、異世界で大切にされて愛されて、いっぱい幸せになるお話です。
胸キュン、ちょっと泣けて、ハッピーエンド。
本編、完結しました!!
小話番外編を投稿しました!
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
天涯孤独な天才科学者、憧れの異世界ゲートを開発して騎士団長に溺愛される。
竜鳴躍
BL
年下イケメン騎士団長×自力で異世界に行く系天然不遇美人天才科学者のはわはわラブ。
天涯孤独な天才科学者・須藤嵐は子どもの頃から憧れた異世界に行くため、別次元を開くゲートを開発した。
チートなし、チート級の頭脳はあり!?実は美人らしい主人公は保護した騎士団長に溺愛される。
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
異世界転移したら何故か獣化してたし、俺を拾った貴族はめちゃくちゃ犬好きだった
綾里 ハスミ
BL
高校生の室谷 光彰(むろやみつあき)は、登校中に異世界転移されてしまった。転移した先で何故か光彰は獣化していた。化物扱いされ、死にかけていたところを貴族の男に拾われる。しかし、その男は重度の犬好きだった。(貴族×獣化主人公)モフモフ要素多め。
☆……エッチ警報。背後注意。
普通の男子高校生ですが異世界転生したらイケメンに口説かれてますが誰を選べば良いですか?
サクラギ
BL
【BL18禁】高校生男子、幼馴染も彼女もいる。それなりに楽しい生活をしていたけど、俺には誰にも言えない秘密がある。秘密を抱えているのが苦しくて、大学は地元を離れようと思っていたら、もっと離れた場所に行ってしまったよ? しかも秘密にしていたのに、それが許される世界? しかも俺が美形だと? なんかモテてるんですけど? 美形が俺を誘って来るんですけど、どうしたら良いですか?
(夢で言い寄られる場面を見て書きたくなって書きました。切ない気持ちだったのに、書いたらずいぶん違う感じになってしまいました)
完結済み 全30話
番外編 1話
誤字脱字すみません。お手柔らかにお願いします。
悪役令嬢の兄に転生した俺、なぜか現実世界の義弟にプロポーズされてます。
ちんすこう
BL
現代日本で男子高校生だった羽白ゆう(はじろゆう)は、日本で絶賛放送中のアニメ『婚約破棄されたけど悪役令嬢の恋人にプロポーズされましたっ!?』に登場する悪役令嬢の兄・ユーリに転生してしまう。
悪役令息として処罰されそうになったとき、物語のヒーローであるカイに助けられるが――
『助けてくれた王子様は現実世界の義弟でした!?
しかもヒロインにプロポーズするはずなのに悪役令息の俺が求婚されちゃって!?』
な、高校生義兄弟の大プロポーズ劇から始まる異世界転生悪役令息ハッピーゴールイン短編小説(予定)。
現実では幼いころに新しい家族になった兄・ゆう(平凡一般人)、弟・奏(美形で強火オタクでお兄ちゃん過激派)のドタバタコメディ※たまにちょっとエロ※なお話をどうぞお楽しみに!!
異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます
野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。
得た職は冒険者ギルドの職員だった。
金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。
マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。
夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。
以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる