神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙

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幕間Ⅷ

記念すべき朝

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「……リン?」

声を掛けても起きない。
覗き込んでみれば、幸せそうな顔をしてすやすやと寝入っている。

酒も入っていたし、時間も遅かったため、眠さの限界が来たのだろう。
この辺りは10歳の頃とあまり変わっていないな。

残念だが、今夜はここまでか。
寝ている相手を抱くのは強姦と変わらないからな。

……しかし、抜いてしまうのも勿体ない気もする。
私も、このまま寝るとするか。


続きは、リンが目を覚ましてからにしよう。

まったく。
次はもう、寝かせないからな?


*****


うとうとしていたら、腕の中のリンが身じろいだ気配がしたので私も覚醒した。
私の可愛い恋人は、ようやくお目覚めのようだ。

「……ん、起きたのかい?」
耳元で囁いて、リンの首筋にキスをする。

「ひゃ、」
くすぐったそうに首を竦めた。


「はじめてだったから、しょうがないけど。一人だけ気持ち良くなって、先に寝てしまうなんてずるいと思わない?」
リンの腰を引き寄せる。

「ウィル、何、……あぅ、」
びくりと肩を震わせ。

まるで、戸惑っているような反応をみせる。

まだ寝ぼけているのだろうか?
まさか、昨夜のことを忘れた訳ではないだろうな?

「ん? 覚えてないかな? 君は、私のを受け入れた時点で、寝てしまったんだよ。はやく、その先を味わいたかったけど。いくら恋人でも、寝ているところを犯すわけにはいかないからね、」
繋がっている部分に香油を継ぎ足し。

少しずつ、腰を押し込む。

「ん、……は、」
リンはあえかな声を上げ。

挿入した先端が、きゅうきゅうと締め付けられる。
やはり、反応があった方が良い。

「入り口付近は、もう、慣れたね?」
慣らすためにも、挿入したまま寝たのだ。萎えていても、拡張プラグの代わりにはなっただろう。


「私も、君が大好きだよ。……愛してる、私の可愛いリン」
告げると。

リンは身体をびくびくと震わせ、達した。
昨夜、あんなにいっぱい出したのに。若い身体は快楽に弱いようだ。

入り口はきつく、奥の方はやわらかく締め付けてくる。
もっと味わいたい。


*****


「ひゃ、」
肩甲骨にある黒子にキスを落とす。

泣き黒子といい、リンの黒子はどうしてこう、色っぽく見えるのだろうか? 位置か?

にも黒子がある……性感帯のしるしかな?」
背の黒子にキスをするために背を屈めた拍子に、私の性器でぐりっと中を抉られたせいか、リンの中がきゅっと締まった。

「ふふ、締まった。やはりそうみたいだね」


シーツを掴んでるリンの手を覆うように握り込む。
逆向きだが、恋人繋ぎというやつだ。こんなことすら心が躍る。

「……シーツじゃなく、私にしがみついて欲しいのだけど。はじめては、こっちのほうが、楽だというから、」

念入りに慣らしたので痛みはなさそうだが。
圧迫感がひどいのか、リンは口をはくはくさせている。

私としては、正面から、リンの表情を確認しながら抱きたかったが。男同士の場合、身体の構造上、後ろから挿入する方が比較的楽なのだという話はよく聞く。
初めてで、痛い思いはさせたくない。


「香油を使っているのに、こんなにきついなんて、」

体格差もあるだろう。
こちらでは風呂に入る習慣がないので、他人と比較する機会はないが。私のものが平均よりも太く長いサイズだろうことは前世からの知識で理解している。

「そういえば。あちらの倫理で考えたら、22歳の男が、15歳の少年を抱くのは、犯罪だよね?」

ここが、15歳で成人になる異世界で良かった。
これ以上は、もう待てなかっただろうから。


「ウィル……、」

「ん? 苦しい?」
焦り過ぎたか。

腰を引こうと、上半身を起こそうとした私の腕を、リンが掴んだ。

「ちが、……後ろからじゃなくて、」
後ろからされるのは、ただ貪られるようで怖いのだろうか?

「でも、後ろからのほうが楽だというよ?」


「大きいから……苦しいだけで。痛くはないから」
リンは。

耳まで赤くなりながら、そう言った。


*****


恥ずかしがりなリンが。
恥ずかしさを堪えて、あえて言うほど。

初めての行為は、私と顔を見合わせたまま、したいと言うのだ。
そんなの、嬉しくない筈がない。


リンの中が気持ち良すぎるせいもあるが。
リンがあまりに健気で。可愛くて、愛おしくて。

「っく、」

これまでどうにか耐えていたのに。堪え切れず、達してしまった。
……やけに量が多いのは。ずっと耐えていたからだろう。この日をどれほど待ちわびていたことか。

リンとの記念すべき初めての行為が、こんな形に終わるのは納得いかない。


「リン、」
リンの華奢な肩を掴む。

「さっきのは、イレギュラーだからね? ……では、仕切り直しと行こうか?」

そのままリンの身体をひっくり返し、仰向けにさせ。
ほっそりした足を抱え上げ、挿入した。

「ああっ、」
リンは、そんなにすぐ挿入可能なほど回復するとは思っていなかったようだ。驚いたように結合部を見ている。


好みの相手をほぼ確実に落としてきた王族の精力を舐めてはいけない。


「ん、……さっき出したので、滑りが良くなってる、ね」
笑みを浮かべて告げると、リンは真っ赤になった。

ありがたいことに、リンは私のこの顔がお気に入りなのである。
ならば最大限、活用すべきである。


「うぁ、また、おっき、」

……大きくなったって?
好きな相手の、そんな可愛らしい表情を間近で見て。大きくならない訳がないだろう。
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