突然見知らぬイタリアの伊達男に拉致監禁され、脅されてHされた上に何故か結婚を迫られてしまいました。

篠崎笙

文字の大きさ
上 下
17 / 56

永遠の愛なんて信じられません。

しおりを挟む
ヴィットーリオのキスを、当たり前のように受け入れてしまうのは、何故なのか。


後ろを慣らされながら、ヴィットーリオのものを頬張って。
喉の奥を突かれるのにも、苦しいだけじゃなく、感じてしまうようになってしまった。

身体は、ヴィットーリオに抱かれるのにすっかり慣らされた。

こんなの、普通じゃないのに。
合意でもなかった筈なのに。


もう、ジョルジョのことで脅されてるわけじゃないのに。

拒もうとしないのは。
どうして。


*****


「ん、……う、」
「もう、に欲しい?」

入れたままの中指を、ぐりぐりと動かされる。
抜き差しされると、ローションがぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。

見上げると、口の中のものを引き抜かれて。


「ああっ!?」
仰向けに押し倒されて、一気に貫かれた。

「っ、随分と、美味そうに、飲み込んでいるが。上も下も、私のが好き?」
ぐい、と腰を突き上げられる。


「ひぁ、あ、あっ、」
ヴィットーリオの背にしがみついて。

揺さぶられるのを軽減しようとしているのに。
強靭な腰使いがそれを許さない。


これで童貞だったなんて、嘘だろ。
想像だけで、こんな風に抱けるものだろうか。

ヴィットーリオの大きな手は、僕の腰をしっかりと掴みながらも、親指で乳首をぐりぐりと刺激してくる。
更に、硬い腹筋で勃起したのを擦られて。

頭がおかしくなりそうなほど、気持ち良い。


*****


「そら、正直に言わないと、抜いてしまうぞ?」
いいところに当たっていたのが、ずるり、と抜けていってしまう。

「やぁ、抜いちゃ、や、」

に、ぐっと力を入れると。
ヴィットーリオは嬉しそうに目を細めて笑った。


「では、言いなさい。私に抱かれるのが嬉しい、私の陰茎ペネに貫かれるのが好きなのだと」
命じるように言われて。

鸚鵡返しに、答えた。


「……いい子だ、carinoカリーノ Tu seiトゥ セイ  mio perミオ ペル  sempreセンプレ

食いつかれるようなキスをされて。
腰を強く、突き上げられた。

……、って。僕より年下のくせに!
悲しいことに、そういう風には見えないけど。

carinoカリーノは”可愛い人”、Tu seiトゥ セイ  mio perミオ ペル  sempreセンプレ、は”君は永遠に私のもの”だ。


Niente èニエンテ エ troppo トロッポ  per teペル テIl mioイルミオ amoreアモーレ è perエペル sempreセンプレ tuoトゥオ
僕をぎゅっと抱きしめて、囁かれる甘い言葉。


Niente èニエンテ エ troppo トロッポ  per teペル テは”君のためなら何も惜しくはない”で。
Il mioイルミオ amoreアモーレ è perエペル sempreセンプレ tuoトゥオは”私の愛は永遠に君のもの”。


イタリアに15年住んでるせいで、通常イタリア語で思考してるため。感極まると、つい、イタリア語になってしまうと言っていた。

本音はイタリア語?
もし僕がイタリア語を理解してなかったら、色々こじれてただろうな。


*****


5歳の時にした約束に、何でそこまで思い入れがあるのかって思うけど。

きっと、過酷な生活の中、日本にいた時が一番いい思い出だったんだ。
それで、僕と交わした約束に固執することで、現実逃避というか。重圧とかに耐えていたのかもしれない。


今は、約束を果たすことに夢中で、それしか考えてなかったんだろうけど。

いつか、正気に戻るというか。我に返った時。
ヴィットーリオは、どう思うんだろう?

若かった時の過ちとして、切り捨てる?
過ちだと認めずに、自分を誤魔化して生きていく?


愛してるって言われたけど。
愛なんて感情、そう長く続くとは思えない。いつかは冷めるものだ。

ましてや僕なんて、特に何の能力も無い、つまらない、ただの大学生なんだから。
特に魅力がある訳でもない。


このまま数年経って。
愛してると思ったのは勘違いだった、って。突然放り出されたら、と考えると。ぞっとする。

口封じで消されたり……はしないかな。


幼馴染みとしての情で、地下室で死ぬまで飼い殺しにはなるかも。
それはそれでつらい。


*****


翌日になって。
ヴィットーリオは、露骨なほど上機嫌だった。

昨夜、僕が自分の思い通りになったからだと思う。

そのご褒美なのかしらないけど。
今日は地下室から出ることを許されて、客間に案内された。

仕事をしている間、ここで子犬と遊んでいていいと言われた。
食事の時間になったら、また顔を出すらしい。

ドアの外に警備の者をつけてあるので、用があれば呼ぶように言って仕事部屋に行った。


子犬たちは人懐っこいし、ころころしていて。
とても可愛かった。

でも、育ったら、不審者の喉笛に噛み付く教育を受けて。
番犬として庭に放たれるんだろうな、と思うと。

少々複雑だ……。


しばらくして。
辺りを窺うような様子で、ジョルジョが部屋に入って来た。


『こないだは、あまり話せなくてごめんね?』

ふわりとした金色の髪。
天使のような微笑みを浮かべて、こちらへ歩いてくる。

『僕には小さい頃の記憶はないけど。君を見ていると、何だか懐かしい気がするんだ……』


僕と彼が過去逢ったことのある可能性はゼロだし。
それは気のせいじゃないかな、と思ったけど。

この子も、僕みたいに幽閉同然の扱いを受けてるなら。仲間が欲しいのかな、と思ったので。
その言葉は呑み込んだ。


『君が探していたのは、僕だと思うんだ』
そっと手を取られた。

白くて、綺麗な手だ。
労働を知らない、貴族の手に見える。

ジョルジョは僕を真っ直ぐに見て。

『僕と一緒に、ここから逃げよう?』
などと言い出した。


「……は?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

処理中です...