従姉妹の身代わりで茶会に行ったらヤマトナデシコ扱いされてアラブ系の王子様に砂漠の王国へ攫われてしまいました。

篠崎笙

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大和撫子、砂漠の王子に攫われる

コスチューム・プレイ

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俺も男である。
そして、せっかく新婚だし、裸エプロンプレイをしたいという少年の夢、わからなくもない。

したいとは思っていても、自重して、買わなかったんだろう。
あるのがわかったら、そりゃやりたくなるわな。

俺だって、愛する夫のためなら、切なる願いを叶えてやりたいところだが。


「今日はもう、無理。お尻、痛いから」
ローションを使わなくて、ハードだったし。

「そうか、」
すると、アスランは諦めたように、俺の手を解放した。


本当に駄目だという場合は空気を読んで、待てができるいい子である。
大好き。

しかし、さすがにこんなギンギンに勃起した状態でお預けは可哀想だ。


「……ここ・・じゃ、だめかな?」
自分の太股の内側に手を当てて示す。

アスランはごくり、と生唾を呑み込んだ。


†††


「無理を強いてすまない。……ユキヤ、」
愛してる、と囁かれ。

アスランは俺の足を抱きかかえて。
閉じた足の間に、熱い肉塊がひたりと当てられた。

ぬち、ぬち、とやけに生々しい音を立てながら、性器が太股の間を抜き差しされている。

……挟んだ状態で先端が見えるってどうよ。

あれ? このままアスランが射精したら、俺の顔に掛からないか?
やだなそれ。


しかし、こんな長くて太いの突っ込まれて、毎回よく切れないよな。
切れないように、ちゃんと慣らされてるんだろう。優しい。

これが奥まで来た時、胃を圧迫される感じで、苦しいんだけど。
アスランの気持ち良さそうな顔を見てると、こっちも満たされた気持ちになるんだ。


しかし、太股で、気持ち良いのかね? 眉間に皺寄ってるけど。
ひとまず、抜くことに専念してるっぽい。

性欲過多も大変だな。
満足するまで付き合ってやれなくて、ちょっと申し訳ない。


「アスラン、」
俺の足を抱えてるアスランの手をぺちぺち叩いて。

「……どうした、内腿が擦れて、痛くなったのか?」
心配そうな顔をして、俺の足を離した。

「いや。大丈夫そうだから、入れていいよ?」
足を軽く開いて、そこを示す。


うん、と頷いて。
カウパーを塗り込むようにして、先端を押し付けてくる。

嬉しそうだな。

よし。
それじゃあ大人な俺が、夢見る性少年にひとつ大サービスをしてやるか。


新婚さんのエプロンプレイっていったら、お決まりのセリフがあるだろ。
本来は玄関先で聞くものなので、少しアレンジしよう。


エプロンの肩紐をずらして。

腫れた乳首をチラ見せし。
上目使いでアスランを見上げながら言ってやる。

「ごはんよりお風呂より先に、俺を食べて? ……あ・な・た?」


「!?」
あ。

まだナカに入れてないのに、イっちゃったんだ……。


「お疲れー」
愕然としているアスランの腕をぺちんと叩いて、シャワーを浴びに行く。

إبليسصغير悪魔……!」
悔しげな呟きが聞こえた。


魔王に悪魔呼ばわりされる覚えは無いんだけど。


†††


あんまりハイスペックなもんで、時々忘れそうになるけど。
アスランって、まだ18歳なんだよな。


正装したり、仕事をしてる姿を見ると、8つも年下とは思えない。

でも、たまに年相応な部分が見えると、可愛いな、と思ってしまう。
アスランは、そんなまだ青い所があるのを俺に見られるの、嫌みたいだけど。

お互いの弱みも見せて支えあってこそ、パートナーじゃないかと思うんだ。
俺は弱くて駄目なとこばっかり見せてるけどな!


「一応、次代国王として誇り高くあるべし、と育てられてますので。プライドだけは人一倍高いのでしょう」
拗ねてツンツンしているアスランに対するシャオフーのコメントがこれである。

シャオフーは、主人にも辛辣だよね……。


側近として、贔屓で目が曇っていてはいざという時にあるじのためになる判断が下せないから、一歩離れた距離で公平に見てるだけって言うけど。
秘書よりも近くて、兄弟よりも結びつきが強そうだ。

アスランについてって、同じ大学も入ってるし。
アスランのアシストをするために、英語もフランス語もドイツ語も中国語も日本語も話せるとかすごい。
俺より年下なのに。


ちょっとジェラシー。


†††


「もう子供じゃないのに、まったく大人げない……」
シャオフーは呆れたようにアスランを見た。


拗ねてるだけで、人や物に八つ当たりしないだけ大人だと思うよ。
いや、子供か? 我慢きかなくて暴走するし。

そこが可愛げがあって年相応って感じかね。

完全に理性で欲望抑えるアスランとか、つまんないし。
俺はMじゃないけど。


「いや、俺、もしかしてマゾなのかもしれない……」

「!?」
アスランが驚いてこっちを見た。

シャオフーもびっくりしてる。
毎度寝床にSM道具仕込むのは、単なるイタズラだったのかな?


「女装するのは不本意だって常々言ってるのに、仕事が終わって疲れてるところにアスランの希望通り、女装ファッションショーはしてやるし、挙句に暴走して襲い掛かってきても受け入れてやるし。更に無茶なおねだりされて、それも受け入れた上に大サービスしたけど、お礼言われるどころか逆ギレされても怒ってないもんなー。俺、ドMかもしれないなー」

「……大変申し訳なかった。全面的に私が悪かった。すまない」
アスランは自分の非を認めて、素直に謝罪した。

俺はとても優しいので、快く許してあげよう。


シャオフーには甘すぎですよ、もっと反省させるべきですって言われるけど。

仲が悪いより良い方がいいし。
精神衛生的にも仲直りは早めにするべきだと思うんだ。


「ごめんなさい」
さらに、アスランは殊勝に日本風に、深々と頭を下げたのだった。

……やっぱりアスラン、かわいいな。
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