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大和撫子、砂漠の王子に攫われる
王子の忍耐力
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作家としての名が売れて。
出版社経由で、もっといい条件での執筆依頼が殺到したが。
俺はそんなに筆の早い作家ではない。
専門契約してるってことで、断って欲しい。
今まであまり売れないのに、エッセイの仕事を回してくれたり本を出してもらった恩もある。こっちの仕事を優先したい。
という風なメールを送った。
担当さんは。
自分は先生の書かれる文章に惚れて、もっと知って欲しいと思って仕事を取ってきたし、いつかは他の人もわかってくれるだろう、読んでもらいさえすれば絶対に売れると思っていた。
仕事が来るうちに、無理をしてでも書いたほうがいいと言う人もいるだろうけど。
無理して量産し、才能を切り売りして使い潰されるより、今まで通りマイペースで書いて欲しい。
と返信してきた。
泣いた。
†††
ノックの音がして。
「仕事はまだ忙しいのか、ユキヤ」
仕事で部屋に籠っていた俺に痺れを切らしたアスランが、ご機嫌伺いに来た。
「ああ、あともうちょっとだけど。入って来ていいよ?」
しかし、何故か俺が自室にいると、いいって言っても頑なに入って来ないのだった。
シャオフーに、そんなに脅かされたのかな?
しょうがないな。
「あったかいお茶とか持って来てくれたら嬉しいな!」
「用意しよう」
ダッシュでお茶を淹れに行ったようだ。
足音が聞こえる。
誰かに頼めばいいのに。いじらしい王子様である。
「茶を持ってきたぞ。……失礼する」
お茶を持って、緊張した面持ちで入ってくる。
別に部屋に入られたくらいで、ストレスで死なないっつーの。
どうやらシャオフーは、俺の作品傾向から、小動物のような繊細な神経の人間だと思っているようで。
それで、アスランにそう伝えたわけだ。
まあ、最初の頃はそれでかなり助かったけど。
作品と作家は別物! 別物です!
殺人事件書いてる作家が人殺しじゃないのと同じ!
エッセイだって、私生活を全てそのまま書いてるノンフィクションって訳じゃないんだからな。
商業用に、ある程度は装飾するもんだ。
†††
アスランは、おとなしく俺のベッドに座って、俺が仕事をしているのを見ている。
何か、不思議な感じだ。
あの時は、アスランとこんな風に、穏やかに過ごす関係になるなんて思いもしなかった。
ベッドとパソコン机と本棚、クローゼットでいっぱいな、狭い部屋。
アスランがいる部分だけ、相変わらず別世界のようだ。
アラビアンファンタジー的な。
懐かしいな。
あれからまだ、一年も経ってないのに。
仕事がひと段落したので、アスランの横に座る。
「こうしてると、思い出すな?」
アスランがうちに押しかけてきた、あの日のこと。
「ユキヤの匂いのするこの部屋で、大胆にも上着を脱ぎ出したので、あれには困惑した」
腹の減ってる獣の前に、いい匂いを漂わせたご馳走を差し出すようなものだ、と言う。
確かに。
今考えればそうだった。
「背に口付けながら。このまま押し倒し、すぐにでも自分のものにしてしまいたい欲望と戦うので必死であった」
俺は着ていたTシャツを脱ぎ、アスランに背を向けた。
そして、俺の背にキスをした。
あの時のように。
「じゃあさ、あの時、どうしたかったのか教えてくれよ。……うひゃ、」
背筋を、ぺろりと舐め上げられて。
次の瞬間にはもう、俺の上に覆いかぶさっていた。
教訓。
獣には、決して隙を見せてはいけない。
†††
うわあ。
俺を見下ろしてる顔、めちゃくちゃ欲情してるのがわかる。
あの時、こんな事されてたら、パニック起こしてただろうな。
まさか、アラブ系の王子様が自分に欲情しているとは、想像もしてなかった。
宗教上の問題で禁止されてるだろう、女装してなければ問題ないって思ってた。
「んぅ、」
噛み付くみたいにキスをされて。
左手は俺の乳首を弄りながら、右手でキュロットを脱がされる。
当時はジーパンだったけど、それは実家だ。
アスランは器用にも、もう全裸になっている。早いな!
いや、4秒で脱げるとか自慢されても。
「は、……あ、」
ちゅっ、と首に吸い付かれて。
所有の痕をつけられたのがわかった。
右手は、俺の性器を扱いている。
上手すぎるんだよ。
全くもう。
身を捩っても、動けない。
がっちり抱き込まれてしまっている。
「んむ、」
左の人差し指と中指を、口の中に突っ込まれて。
濡れた指を、お尻の間に。
†††
「……好きだ。愛している、ユキヤ。そなたが欲しい」
ぐちゅぐちゅと、指で犯しながら、懇願される。
ひたり、と腹に王子の勃起が当たる。
熱くて、大きい。
「や、やだ……、」
それから逃げるように身を捩ると。
指が引き抜かれて。
強引に、腰を引き寄せられて。
後ろから。
熱いものが入ってくる。
「ひっ!? ……ああっ、や、あっ、あっ、」
ぐいぐいと、腰を押し付けられて。
奥まで貫かれてしまう。
肉を打つ音と、パイプベッドがギシギシと軋む音が響く。
一瞬、一階の住人に聞かれたりしたらどうしよう、と思って。
錯覚に、苦笑いする。
ここは、外国で。
下に音が響くような安普請じゃないのに。
「……中に、射精するぞ?」
興奮しきった声で囁かれて。
「や、やだぁ、」
逃げようとする腰を、掴まれる。
王子は、容赦なく奥まで貫いて。
俺をぎゅっと抱き締めた状態で射精した。
どくどくと、流し込まれる熱いものの感覚。
「これで、ユキヤは私のものになった……もう離さぬ」
耳元で囁かれる。
†††
「…いやいや、ないわ。普通に強姦だよこれ」
後ろのアスランを振り返って、文句を言ってやる。
あの時、こんなエロ妄想をしていたのかよ。
この性春真っ盛り小僧め。
「だから、実際は我慢したではないか。本当に危ないところだったのだぞ?」
拗ねるアスランに。
はいはいよく出来ました、と頭を撫でてやる。
さっきの異様なまでの興奮状態を見れば、あの時は相当我慢したんだなってわかったよ。
そして。
愛あるやり直しを要求したのだった。
出版社経由で、もっといい条件での執筆依頼が殺到したが。
俺はそんなに筆の早い作家ではない。
専門契約してるってことで、断って欲しい。
今まであまり売れないのに、エッセイの仕事を回してくれたり本を出してもらった恩もある。こっちの仕事を優先したい。
という風なメールを送った。
担当さんは。
自分は先生の書かれる文章に惚れて、もっと知って欲しいと思って仕事を取ってきたし、いつかは他の人もわかってくれるだろう、読んでもらいさえすれば絶対に売れると思っていた。
仕事が来るうちに、無理をしてでも書いたほうがいいと言う人もいるだろうけど。
無理して量産し、才能を切り売りして使い潰されるより、今まで通りマイペースで書いて欲しい。
と返信してきた。
泣いた。
†††
ノックの音がして。
「仕事はまだ忙しいのか、ユキヤ」
仕事で部屋に籠っていた俺に痺れを切らしたアスランが、ご機嫌伺いに来た。
「ああ、あともうちょっとだけど。入って来ていいよ?」
しかし、何故か俺が自室にいると、いいって言っても頑なに入って来ないのだった。
シャオフーに、そんなに脅かされたのかな?
しょうがないな。
「あったかいお茶とか持って来てくれたら嬉しいな!」
「用意しよう」
ダッシュでお茶を淹れに行ったようだ。
足音が聞こえる。
誰かに頼めばいいのに。いじらしい王子様である。
「茶を持ってきたぞ。……失礼する」
お茶を持って、緊張した面持ちで入ってくる。
別に部屋に入られたくらいで、ストレスで死なないっつーの。
どうやらシャオフーは、俺の作品傾向から、小動物のような繊細な神経の人間だと思っているようで。
それで、アスランにそう伝えたわけだ。
まあ、最初の頃はそれでかなり助かったけど。
作品と作家は別物! 別物です!
殺人事件書いてる作家が人殺しじゃないのと同じ!
エッセイだって、私生活を全てそのまま書いてるノンフィクションって訳じゃないんだからな。
商業用に、ある程度は装飾するもんだ。
†††
アスランは、おとなしく俺のベッドに座って、俺が仕事をしているのを見ている。
何か、不思議な感じだ。
あの時は、アスランとこんな風に、穏やかに過ごす関係になるなんて思いもしなかった。
ベッドとパソコン机と本棚、クローゼットでいっぱいな、狭い部屋。
アスランがいる部分だけ、相変わらず別世界のようだ。
アラビアンファンタジー的な。
懐かしいな。
あれからまだ、一年も経ってないのに。
仕事がひと段落したので、アスランの横に座る。
「こうしてると、思い出すな?」
アスランがうちに押しかけてきた、あの日のこと。
「ユキヤの匂いのするこの部屋で、大胆にも上着を脱ぎ出したので、あれには困惑した」
腹の減ってる獣の前に、いい匂いを漂わせたご馳走を差し出すようなものだ、と言う。
確かに。
今考えればそうだった。
「背に口付けながら。このまま押し倒し、すぐにでも自分のものにしてしまいたい欲望と戦うので必死であった」
俺は着ていたTシャツを脱ぎ、アスランに背を向けた。
そして、俺の背にキスをした。
あの時のように。
「じゃあさ、あの時、どうしたかったのか教えてくれよ。……うひゃ、」
背筋を、ぺろりと舐め上げられて。
次の瞬間にはもう、俺の上に覆いかぶさっていた。
教訓。
獣には、決して隙を見せてはいけない。
†††
うわあ。
俺を見下ろしてる顔、めちゃくちゃ欲情してるのがわかる。
あの時、こんな事されてたら、パニック起こしてただろうな。
まさか、アラブ系の王子様が自分に欲情しているとは、想像もしてなかった。
宗教上の問題で禁止されてるだろう、女装してなければ問題ないって思ってた。
「んぅ、」
噛み付くみたいにキスをされて。
左手は俺の乳首を弄りながら、右手でキュロットを脱がされる。
当時はジーパンだったけど、それは実家だ。
アスランは器用にも、もう全裸になっている。早いな!
いや、4秒で脱げるとか自慢されても。
「は、……あ、」
ちゅっ、と首に吸い付かれて。
所有の痕をつけられたのがわかった。
右手は、俺の性器を扱いている。
上手すぎるんだよ。
全くもう。
身を捩っても、動けない。
がっちり抱き込まれてしまっている。
「んむ、」
左の人差し指と中指を、口の中に突っ込まれて。
濡れた指を、お尻の間に。
†††
「……好きだ。愛している、ユキヤ。そなたが欲しい」
ぐちゅぐちゅと、指で犯しながら、懇願される。
ひたり、と腹に王子の勃起が当たる。
熱くて、大きい。
「や、やだ……、」
それから逃げるように身を捩ると。
指が引き抜かれて。
強引に、腰を引き寄せられて。
後ろから。
熱いものが入ってくる。
「ひっ!? ……ああっ、や、あっ、あっ、」
ぐいぐいと、腰を押し付けられて。
奥まで貫かれてしまう。
肉を打つ音と、パイプベッドがギシギシと軋む音が響く。
一瞬、一階の住人に聞かれたりしたらどうしよう、と思って。
錯覚に、苦笑いする。
ここは、外国で。
下に音が響くような安普請じゃないのに。
「……中に、射精するぞ?」
興奮しきった声で囁かれて。
「や、やだぁ、」
逃げようとする腰を、掴まれる。
王子は、容赦なく奥まで貫いて。
俺をぎゅっと抱き締めた状態で射精した。
どくどくと、流し込まれる熱いものの感覚。
「これで、ユキヤは私のものになった……もう離さぬ」
耳元で囁かれる。
†††
「…いやいや、ないわ。普通に強姦だよこれ」
後ろのアスランを振り返って、文句を言ってやる。
あの時、こんなエロ妄想をしていたのかよ。
この性春真っ盛り小僧め。
「だから、実際は我慢したではないか。本当に危ないところだったのだぞ?」
拗ねるアスランに。
はいはいよく出来ました、と頭を撫でてやる。
さっきの異様なまでの興奮状態を見れば、あの時は相当我慢したんだなってわかったよ。
そして。
愛あるやり直しを要求したのだった。
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