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大和撫子、砂漠の王子に攫われる

愛が大暴走

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「や、じゃない。……嫌なら、死ぬ気で抵抗するし」


考えてみれば、アスランに対しては最初から、死ぬ気で抵抗したくなるほどの生理的嫌悪は覚えなかったんだよな。

本当に嫌だったら。
いやらしい目で見られただけでも鳥肌が立つんだって。

それはもう、身を持って知った。


「ふ、そうだったな」

ペットボトルの武器を思い出したのか、笑ってる。
余裕ぶった表情カオ、してんなよな。

生意気だぞ。
8つも年下のくせに。

俺の威厳がないだけかもだが。
何かむかつく。

アスランの首に、吸い付いてやる。


†††


……何だ。
キスマークって、そう簡単につかないんだな。

けっこうきつく吸い付いたつもりなんだけど。
肺活量が必要なのかな?

いいやもう、噛んじゃえ。


「っ、」
鎖骨に、歯を立てると。アスランが痛そうな顔をした。

「俺のもの、ってしるしだな?」
ついた歯形に触れて。

甘えるように、斜め角度から見上げたりして。


年上の威厳もへったくれもねえ。
でも、今はべったべたに甘えたい気持ちなんだよ。

嫌な目に遭ったからってだけでなく。
思いっきり抱き締められたい。

愛されたいと、強く思う。


「……くっ、あまり、挑発してくれるな。それほど、理性に自信は、ないのだぞ、」
その手を取られ。

熱いのを握らされてしまった。

泡で見えないけど。
相当、興奮しているのがわかる。


挑発というか。誘惑してんだよ。
わかれよ。

こんな、ガチガチにしてるくせに。

我慢する余裕なんて、なくしてやりたい。
もっと、本能むき出しにして。全部取っ払って。

俺に、必死になる様子を見せて欲しい。


王子の張り詰めているものを両手で掴んで。
撫で擦ったり、先端の孔を、ぐりぐりと刺激してやる。

お湯の中でも、カウパーが滲んできたのがわかる。

「……ぬるついてきた。気持ち良い?」
「ユキヤ、頼むから、」

苦しげに、眉根を寄せて。
辛そうだ。

我慢しないで、射精しちゃえばいいのに。


「いいよ、イっても。……それとも、」
俺のでイきたい? と。

耳元で囁いてやる。


†††


……熱い。

「やっ、やぁ、あっ、あ、あっ、」
ぐぼっ、ぐぼっ、と。

大きくて熱いのが、容赦なく、奥を穿っている。


足を大きく開かされた状態で。
親指で膝裏を、残りで背を掴まれて。

身体ごと上下に持ち上げられて、王子の剛直を内臓で擦らされている感じだ。

ざばざばとお湯が波立って。
身体が前後左右に揺らされるのも眼中に無い様子で。

湯の中で多少浮力があるからって、凄い腕力だ。


俺から誘ったらろくなことにならないからもうしない、と心に誓ったはずなのに。
恐らく俺には学習能力がないのだろう。


「あぅ、あっ、や、あっ、あ、あっ、」

ただ、ナカを擦られてるだけじゃ、イけないのだと知った。
なのに、まるで快楽に喘いでいるような声が出てしまうのは、内側から内臓を押されて、ポンプのように空気が出てしまうせいだ。

まさに、人間オナホ状態。
俺という肉筒で、オナニーしてる感じか?


王子に抱かれるのは、最初から、気持ちよかった。

それは、今までずっと。
自分の快楽よりも、俺の快楽を優先してたからだったんだな。あれでも。


8つも年下のくせに。
側近からも淫獣呼ばわりされるほど絶倫なくせに。

何だよもう。


これ以上惚れさせて、どうしようっていうんだよ!?


†††


「ひっ、あ、ああっ、」

ぎゅうっと抱き締められて。
一際奥を、ズン、と突き上げられる。

……お腹、破れてしまうかと思った。


「……うっ、」
ナカに射精された感覚と。

はぁはぁと、荒い息が首にかかって。

「ん、」
ぞくぞくして。

ナカのまだ硬いのを、きゅうっと締め付けてしまう。


なのに。
王子は俺を抱き締めたまま、動かない。

つい暴走して、乱暴にしてしまったことを反省してるんだろうか。
そんなに落ち込まなくていいのに。

だって、わざとそう・・させたんだし。


「アスラン、……きもちよかった……?」

アスランの、艶のある真っ黒な癖っ毛をくようにして。
答えがわかっているのに、訊いてみる。

予想通り、アスランはふるふると頭を横に振った。


「ユキヤの悦い顔を見ながらでないと、身体は欲望を得たとしても。……精神は満たされぬ」

しょんぼりしちゃって。
全く。

どこまで俺が大好きなんだよ、この王子様は。


超美形で、背も高くて逞しくて。
王子様で。16歳で大学卒業するような天才で。

この若さで独立して仕事していてその稼ぎで豪邸建てちゃうような完全無欠、現実離れした超絶ハイスペックな男なのに。

可愛くて、愛おしい。
こんな気持ちは初めてだ。


何だか嬉しくなってしまい、笑ってしまった。


†††


「……何故笑う? 私に暴行されたというのに」
むっとしたような様子だけど。

アスランが怒ってるのは、自分自身に対してだとわかってる。
とても優しい男だと知ってるから。


「暴行っていうのは、嫌がってるのを無理矢理することだから。今のは暴行じゃないよ。ただの暴走」

「……?」
どう違うのだろう、とでも言いたげな怪訝そうな顔をして。


「お互い童貞だったのに、俺だけ好き放題喘がされるのって、わりと腹立つんだよ。だから、珍しく余裕の無いアスランが見られて嬉しかった」

「……私はいつでも余裕など無いぞ? 取り繕えているならば、それはユキヤを愛しているが故。己の快楽など二の次で良い」
真顔で言っちゃうんだもんな。


「それじゃフェアじゃないじゃん。夫婦なんだから、お互い気持ち良くなったほうがよくね? 俺も頑張るから、最高てっぺん目指そうぜ!」

肩を叩いてやると。
アスランは、驚いたように目を瞬かせた。

「真理である」
「だろ?」


「これ以上、私を惚れさせてどうしようというのだ。全く、罪作りな」
苦笑した顔も、また魅力的だ。

「それはお互い様。……ウヒッブカ愛してるよ、アスラン」
抱きついて。


俺の最愛の夫に、噛み付くようなキスをしてやった。
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