35 / 51
大和撫子、砂漠の王子に攫われる
愛が大暴走
しおりを挟む
「や、じゃない。……嫌なら、死ぬ気で抵抗するし」
考えてみれば、アスランに対しては最初から、死ぬ気で抵抗したくなるほどの生理的嫌悪は覚えなかったんだよな。
本当に嫌だったら。
いやらしい目で見られただけでも鳥肌が立つんだって。
それはもう、身を持って知った。
「ふ、そうだったな」
ペットボトルの武器を思い出したのか、笑ってる。
余裕ぶった表情、してんなよな。
生意気だぞ。
8つも年下のくせに。
俺の威厳がないだけかもだが。
何かむかつく。
アスランの首に、吸い付いてやる。
†††
……何だ。
キスマークって、そう簡単につかないんだな。
けっこうきつく吸い付いたつもりなんだけど。
肺活量が必要なのかな?
いいやもう、噛んじゃえ。
「っ、」
鎖骨に、歯を立てると。アスランが痛そうな顔をした。
「俺のもの、ってしるしだな?」
ついた歯形に触れて。
甘えるように、斜め角度から見上げたりして。
年上の威厳もへったくれもねえ。
でも、今はべったべたに甘えたい気持ちなんだよ。
嫌な目に遭ったからってだけでなく。
思いっきり抱き締められたい。
愛されたいと、強く思う。
「……くっ、あまり、挑発してくれるな。それほど、理性に自信は、ないのだぞ、」
その手を取られ。
熱いのを握らされてしまった。
泡で見えないけど。
相当、興奮しているのがわかる。
挑発というか。誘惑してんだよ。
わかれよ。
こんな、ガチガチにしてるくせに。
我慢する余裕なんて、なくしてやりたい。
もっと、本能むき出しにして。全部取っ払って。
俺に、必死になる様子を見せて欲しい。
王子の張り詰めているものを両手で掴んで。
撫で擦ったり、先端の孔を、ぐりぐりと刺激してやる。
お湯の中でも、カウパーが滲んできたのがわかる。
「……ぬるついてきた。気持ち良い?」
「ユキヤ、頼むから、」
苦しげに、眉根を寄せて。
辛そうだ。
我慢しないで、射精しちゃえばいいのに。
「いいよ、イっても。……それとも、」
俺のナカでイきたい? と。
耳元で囁いてやる。
†††
……熱い。
「やっ、やぁ、あっ、あ、あっ、」
ぐぼっ、ぐぼっ、と。
大きくて熱いのが、容赦なく、奥を穿っている。
足を大きく開かされた状態で。
親指で膝裏を、残りで背を掴まれて。
身体ごと上下に持ち上げられて、王子の剛直を内臓で擦らされている感じだ。
ざばざばとお湯が波立って。
身体が前後左右に揺らされるのも眼中に無い様子で。
湯の中で多少浮力があるからって、凄い腕力だ。
俺から誘ったらろくなことにならないからもうしない、と心に誓ったはずなのに。
恐らく俺には学習能力がないのだろう。
「あぅ、あっ、や、あっ、あ、あっ、」
ただ、ナカを擦られてるだけじゃ、イけないのだと知った。
なのに、まるで快楽に喘いでいるような声が出てしまうのは、内側から内臓を押されて、ポンプのように空気が出てしまうせいだ。
まさに、人間オナホ状態。
俺という肉筒で、オナニーしてる感じか?
王子に抱かれるのは、最初から、気持ちよかった。
それは、今までずっと。
自分の快楽よりも、俺の快楽を優先してたからだったんだな。あれでも。
8つも年下のくせに。
側近からも淫獣呼ばわりされるほど絶倫なくせに。
何だよもう。
これ以上惚れさせて、どうしようっていうんだよ!?
†††
「ひっ、あ、ああっ、」
ぎゅうっと抱き締められて。
一際奥を、ズン、と突き上げられる。
……お腹、破れてしまうかと思った。
「……うっ、」
ナカに射精された感覚と。
はぁはぁと、荒い息が首にかかって。
「ん、」
ぞくぞくして。
ナカのまだ硬いのを、きゅうっと締め付けてしまう。
なのに。
王子は俺を抱き締めたまま、動かない。
つい暴走して、乱暴にしてしまったことを反省してるんだろうか。
そんなに落ち込まなくていいのに。
だって、わざとそうさせたんだし。
「アスラン、……きもちよかった……?」
アスランの、艶のある真っ黒な癖っ毛を梳くようにして。
答えがわかっているのに、訊いてみる。
予想通り、アスランはふるふると頭を横に振った。
「ユキヤの悦い顔を見ながらでないと、身体は欲望を得たとしても。……精神は満たされぬ」
しょんぼりしちゃって。
全く。
どこまで俺が大好きなんだよ、この王子様は。
超美形で、背も高くて逞しくて。
王子様で。16歳で大学卒業するような天才で。
この若さで独立して仕事していてその稼ぎで豪邸建てちゃうような完全無欠、現実離れした超絶ハイスペックな男なのに。
可愛くて、愛おしい。
こんな気持ちは初めてだ。
何だか嬉しくなってしまい、笑ってしまった。
†††
「……何故笑う? 私に暴行されたというのに」
むっとしたような様子だけど。
アスランが怒ってるのは、自分自身に対してだとわかってる。
とても優しい男だと知ってるから。
「暴行っていうのは、嫌がってるのを無理矢理することだから。今のは暴行じゃないよ。ただの暴走」
「……?」
どう違うのだろう、とでも言いたげな怪訝そうな顔をして。
「お互い童貞だったのに、俺だけ好き放題喘がされるのって、わりと腹立つんだよ。だから、珍しく余裕の無いアスランが見られて嬉しかった」
「……私はいつでも余裕など無いぞ? 取り繕えているならば、それはユキヤを愛しているが故。己の快楽など二の次で良い」
真顔で言っちゃうんだもんな。
「それじゃフェアじゃないじゃん。夫婦なんだから、お互い気持ち良くなったほうがよくね? 俺も頑張るから、最高目指そうぜ!」
肩を叩いてやると。
アスランは、驚いたように目を瞬かせた。
「真理である」
「だろ?」
「これ以上、私を惚れさせてどうしようというのだ。全く、罪作りな」
苦笑した顔も、また魅力的だ。
「それはお互い様。……ウヒッブカ、アスラン」
抱きついて。
俺の最愛の夫に、噛み付くようなキスをしてやった。
考えてみれば、アスランに対しては最初から、死ぬ気で抵抗したくなるほどの生理的嫌悪は覚えなかったんだよな。
本当に嫌だったら。
いやらしい目で見られただけでも鳥肌が立つんだって。
それはもう、身を持って知った。
「ふ、そうだったな」
ペットボトルの武器を思い出したのか、笑ってる。
余裕ぶった表情、してんなよな。
生意気だぞ。
8つも年下のくせに。
俺の威厳がないだけかもだが。
何かむかつく。
アスランの首に、吸い付いてやる。
†††
……何だ。
キスマークって、そう簡単につかないんだな。
けっこうきつく吸い付いたつもりなんだけど。
肺活量が必要なのかな?
いいやもう、噛んじゃえ。
「っ、」
鎖骨に、歯を立てると。アスランが痛そうな顔をした。
「俺のもの、ってしるしだな?」
ついた歯形に触れて。
甘えるように、斜め角度から見上げたりして。
年上の威厳もへったくれもねえ。
でも、今はべったべたに甘えたい気持ちなんだよ。
嫌な目に遭ったからってだけでなく。
思いっきり抱き締められたい。
愛されたいと、強く思う。
「……くっ、あまり、挑発してくれるな。それほど、理性に自信は、ないのだぞ、」
その手を取られ。
熱いのを握らされてしまった。
泡で見えないけど。
相当、興奮しているのがわかる。
挑発というか。誘惑してんだよ。
わかれよ。
こんな、ガチガチにしてるくせに。
我慢する余裕なんて、なくしてやりたい。
もっと、本能むき出しにして。全部取っ払って。
俺に、必死になる様子を見せて欲しい。
王子の張り詰めているものを両手で掴んで。
撫で擦ったり、先端の孔を、ぐりぐりと刺激してやる。
お湯の中でも、カウパーが滲んできたのがわかる。
「……ぬるついてきた。気持ち良い?」
「ユキヤ、頼むから、」
苦しげに、眉根を寄せて。
辛そうだ。
我慢しないで、射精しちゃえばいいのに。
「いいよ、イっても。……それとも、」
俺のナカでイきたい? と。
耳元で囁いてやる。
†††
……熱い。
「やっ、やぁ、あっ、あ、あっ、」
ぐぼっ、ぐぼっ、と。
大きくて熱いのが、容赦なく、奥を穿っている。
足を大きく開かされた状態で。
親指で膝裏を、残りで背を掴まれて。
身体ごと上下に持ち上げられて、王子の剛直を内臓で擦らされている感じだ。
ざばざばとお湯が波立って。
身体が前後左右に揺らされるのも眼中に無い様子で。
湯の中で多少浮力があるからって、凄い腕力だ。
俺から誘ったらろくなことにならないからもうしない、と心に誓ったはずなのに。
恐らく俺には学習能力がないのだろう。
「あぅ、あっ、や、あっ、あ、あっ、」
ただ、ナカを擦られてるだけじゃ、イけないのだと知った。
なのに、まるで快楽に喘いでいるような声が出てしまうのは、内側から内臓を押されて、ポンプのように空気が出てしまうせいだ。
まさに、人間オナホ状態。
俺という肉筒で、オナニーしてる感じか?
王子に抱かれるのは、最初から、気持ちよかった。
それは、今までずっと。
自分の快楽よりも、俺の快楽を優先してたからだったんだな。あれでも。
8つも年下のくせに。
側近からも淫獣呼ばわりされるほど絶倫なくせに。
何だよもう。
これ以上惚れさせて、どうしようっていうんだよ!?
†††
「ひっ、あ、ああっ、」
ぎゅうっと抱き締められて。
一際奥を、ズン、と突き上げられる。
……お腹、破れてしまうかと思った。
「……うっ、」
ナカに射精された感覚と。
はぁはぁと、荒い息が首にかかって。
「ん、」
ぞくぞくして。
ナカのまだ硬いのを、きゅうっと締め付けてしまう。
なのに。
王子は俺を抱き締めたまま、動かない。
つい暴走して、乱暴にしてしまったことを反省してるんだろうか。
そんなに落ち込まなくていいのに。
だって、わざとそうさせたんだし。
「アスラン、……きもちよかった……?」
アスランの、艶のある真っ黒な癖っ毛を梳くようにして。
答えがわかっているのに、訊いてみる。
予想通り、アスランはふるふると頭を横に振った。
「ユキヤの悦い顔を見ながらでないと、身体は欲望を得たとしても。……精神は満たされぬ」
しょんぼりしちゃって。
全く。
どこまで俺が大好きなんだよ、この王子様は。
超美形で、背も高くて逞しくて。
王子様で。16歳で大学卒業するような天才で。
この若さで独立して仕事していてその稼ぎで豪邸建てちゃうような完全無欠、現実離れした超絶ハイスペックな男なのに。
可愛くて、愛おしい。
こんな気持ちは初めてだ。
何だか嬉しくなってしまい、笑ってしまった。
†††
「……何故笑う? 私に暴行されたというのに」
むっとしたような様子だけど。
アスランが怒ってるのは、自分自身に対してだとわかってる。
とても優しい男だと知ってるから。
「暴行っていうのは、嫌がってるのを無理矢理することだから。今のは暴行じゃないよ。ただの暴走」
「……?」
どう違うのだろう、とでも言いたげな怪訝そうな顔をして。
「お互い童貞だったのに、俺だけ好き放題喘がされるのって、わりと腹立つんだよ。だから、珍しく余裕の無いアスランが見られて嬉しかった」
「……私はいつでも余裕など無いぞ? 取り繕えているならば、それはユキヤを愛しているが故。己の快楽など二の次で良い」
真顔で言っちゃうんだもんな。
「それじゃフェアじゃないじゃん。夫婦なんだから、お互い気持ち良くなったほうがよくね? 俺も頑張るから、最高目指そうぜ!」
肩を叩いてやると。
アスランは、驚いたように目を瞬かせた。
「真理である」
「だろ?」
「これ以上、私を惚れさせてどうしようというのだ。全く、罪作りな」
苦笑した顔も、また魅力的だ。
「それはお互い様。……ウヒッブカ、アスラン」
抱きついて。
俺の最愛の夫に、噛み付くようなキスをしてやった。
10
お気に入りに追加
855
あなたにおすすめの小説
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
【完結】僕の大事な魔王様
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
母竜と眠っていた幼いドラゴンは、なぜか人間が住む都市へ召喚された。意味が分からず本能のままに隠れたが発見され、引きずり出されて兵士に殺されそうになる。
「お母さん、お父さん、助けて! 魔王様!!」
魔族の守護者であった魔王様がいない世界で、神様に縋る人間のように叫ぶ。必死の嘆願は幼ドラゴンの魔力を得て、遠くまで響いた。そう、隣接する別の世界から魔王を召喚するほどに……。
俺様魔王×いたいけな幼ドラゴン――成長するまで見守ると決めた魔王は、徐々に真剣な想いを抱くようになる。彼の想いは幼過ぎる竜に届くのか。ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/11……完結
2023/09/28……カクヨム、週間恋愛 57位
2023/09/23……エブリスタ、トレンドBL 5位
2023/09/23……小説家になろう、日間ファンタジー 39位
2023/09/21……連載開始
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
魔術師の卵は憧れの騎士に告白したい
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
魔術学院に通うクーノは小さい頃助けてくれた騎士ザイハムに恋をしている。毎年バレンタインの日にチョコを渡しているものの、ザイハムは「いまだにお礼なんて律儀な子だな」としか思っていない。ザイハムの弟で重度のブラコンでもあるファルスの邪魔を躱しながら、今年は別の想いも胸にチョコを渡そうと考えるクーノだが……。
[名家の騎士×魔術師の卵 / BL]
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる