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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生
Je t’aimerai toute ma vie.(永遠の愛をあなたに)
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「日本語で話してる方が、本当のあんたって感じがしていいな。……うん、すごくいい」
アンリも、素で話しているようで、生き生きとしている。
それに。
「こっちの言葉は、だいたいアンドレに教わったんだろ? これから二人でいる時は、できるだけ日本語で話して欲しい」
アンドレには通じない言葉が、俺にはわかる。
この世界で、二人だけ。
それだけでも幸せな気持ちになる。
[別にいいけど……。そっちは、日本語だとやたら丁寧だよな? どっちが素のしゃべりに近いんだ?]
アンリは素直に日本語で話してくれた。可愛すぎる。
「丁寧なのは、日本で仕事をするために会話を習ったからだろう。でも日本人だって、仕事と私事で話し方が変わるだろ?」
ほとんどの日本人の話す英語は、教科書みたいにガチガチの構文か、発音が微妙なものばかりだったからな。
アンリの英語は可愛かった。
たどたどしいのが最高だ。
*****
[考えてみれば、”日本語”と”英語”、母国語の違う二人がこうして同じ異世界の言葉で話してるのって面白いな]
アンリは笑みを浮かべている。
異世界にまで追いかけてきたストーカーに対して、その感想は大らかすぎて少々心配になる。
だが、俺が守ってみせる。
アンリにとって一番危険なのは自分だという現実から目を背けつつ。
「日本語といえば……、ああ、そうだったのか」
そういえば、前から疑問に思っていたことがあったが。
やっとわかった。
[何?]
「あんたが”イヤ”とか”イイ”って言ってたの、日本語だったんだな?」
俺は喘ぎ声とか聞きなれないから、そんなものなのかと思ってたが。
思い返してみれば。
あれは確かに日本語だった。
「あと、”スゴイ”とか。……思わずこっちの言葉を忘れるほど、悦かったんだ?」
囁いてやると、アンリの肌が朱に染まる。
アンリが”英司”だったから、俺を受け入れてくれたのかもしれない。
前世の記憶を思い出さず、こちらの世界の人間のままだったら。この恋は実らなかったかもしれない。
アンリがアンリでよかった。
*****
俺の舐めるような視線に反応して。
アンリの可愛い乳首がぷくりと勃ち上がっている。
このまま押し倒して、めちゃくちゃにしてやりたくなるが。
ベッドサイドに置いた懐中時計を見て、時間を確認する。
非常に残念なことに、時間切れだ。
「……おっと、今すぐ押し倒してあんたの可愛い声を聴きたいとこだが。そろそろあいつが乱入しそうだ」
もう朝食の時間を過ぎてる。
しびれを切らしたアンドレが扉を蹴破って入って来かねない。
アンリの肌はもう二度と誰にも見せないと決めたからには、手早く服を着せなければ。
「夜まで待ってろ。色々思い出した分、17歳の俺よりもめちゃくちゃ可愛がってやるから」
尻を撫でてそう言うと。
[うっせえ、このエロエロ大魔神!]
容赦なくその手を叩き落とされた。キレッキレのツッコミだ。
「ははは、やっぱりこっちがいい」
そうやって、本音が言えるのはいいことだ。
こちらの言葉を話しているアンリは、少々無理をしているように見えるから。
大人のテクニックを披露するのを、とても楽しみにしていたのだが。
残念ながら、この夜からアンリとの”お楽しみ”はしばらくお預けになってしまったのだった。
*****
神は何故、数多の人類の中から英司の魂を選んで、この世界へ連れてきたのか。
死ぬ運命の魂を救済するならともかく、助かる可能性のあった運命を捻じ曲げてまで。
英司の趣味、その人生などの背景を知っていく内に気が付いた。
ただ神を信じ、心身を潔斎している、綺麗なだけの人間では駄目だったのだ。
親に捨てられ、偏った趣味を持ち。
この世の善悪を知った上で、それでも善良な精神を失わなかった。
清濁併せ吞む強い心を持った英司を選んだのだ。
アンリも、素で話しているようで、生き生きとしている。
それに。
「こっちの言葉は、だいたいアンドレに教わったんだろ? これから二人でいる時は、できるだけ日本語で話して欲しい」
アンドレには通じない言葉が、俺にはわかる。
この世界で、二人だけ。
それだけでも幸せな気持ちになる。
[別にいいけど……。そっちは、日本語だとやたら丁寧だよな? どっちが素のしゃべりに近いんだ?]
アンリは素直に日本語で話してくれた。可愛すぎる。
「丁寧なのは、日本で仕事をするために会話を習ったからだろう。でも日本人だって、仕事と私事で話し方が変わるだろ?」
ほとんどの日本人の話す英語は、教科書みたいにガチガチの構文か、発音が微妙なものばかりだったからな。
アンリの英語は可愛かった。
たどたどしいのが最高だ。
*****
[考えてみれば、”日本語”と”英語”、母国語の違う二人がこうして同じ異世界の言葉で話してるのって面白いな]
アンリは笑みを浮かべている。
異世界にまで追いかけてきたストーカーに対して、その感想は大らかすぎて少々心配になる。
だが、俺が守ってみせる。
アンリにとって一番危険なのは自分だという現実から目を背けつつ。
「日本語といえば……、ああ、そうだったのか」
そういえば、前から疑問に思っていたことがあったが。
やっとわかった。
[何?]
「あんたが”イヤ”とか”イイ”って言ってたの、日本語だったんだな?」
俺は喘ぎ声とか聞きなれないから、そんなものなのかと思ってたが。
思い返してみれば。
あれは確かに日本語だった。
「あと、”スゴイ”とか。……思わずこっちの言葉を忘れるほど、悦かったんだ?」
囁いてやると、アンリの肌が朱に染まる。
アンリが”英司”だったから、俺を受け入れてくれたのかもしれない。
前世の記憶を思い出さず、こちらの世界の人間のままだったら。この恋は実らなかったかもしれない。
アンリがアンリでよかった。
*****
俺の舐めるような視線に反応して。
アンリの可愛い乳首がぷくりと勃ち上がっている。
このまま押し倒して、めちゃくちゃにしてやりたくなるが。
ベッドサイドに置いた懐中時計を見て、時間を確認する。
非常に残念なことに、時間切れだ。
「……おっと、今すぐ押し倒してあんたの可愛い声を聴きたいとこだが。そろそろあいつが乱入しそうだ」
もう朝食の時間を過ぎてる。
しびれを切らしたアンドレが扉を蹴破って入って来かねない。
アンリの肌はもう二度と誰にも見せないと決めたからには、手早く服を着せなければ。
「夜まで待ってろ。色々思い出した分、17歳の俺よりもめちゃくちゃ可愛がってやるから」
尻を撫でてそう言うと。
[うっせえ、このエロエロ大魔神!]
容赦なくその手を叩き落とされた。キレッキレのツッコミだ。
「ははは、やっぱりこっちがいい」
そうやって、本音が言えるのはいいことだ。
こちらの言葉を話しているアンリは、少々無理をしているように見えるから。
大人のテクニックを披露するのを、とても楽しみにしていたのだが。
残念ながら、この夜からアンリとの”お楽しみ”はしばらくお預けになってしまったのだった。
*****
神は何故、数多の人類の中から英司の魂を選んで、この世界へ連れてきたのか。
死ぬ運命の魂を救済するならともかく、助かる可能性のあった運命を捻じ曲げてまで。
英司の趣味、その人生などの背景を知っていく内に気が付いた。
ただ神を信じ、心身を潔斎している、綺麗なだけの人間では駄目だったのだ。
親に捨てられ、偏った趣味を持ち。
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清濁併せ吞む強い心を持った英司を選んだのだ。
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