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ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェの人生
Et c'est là que je me réveille.(目覚めの時)
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「いいから、いい加減、抜け」
思案していた俺の腰を、ぺちりと叩かれた。
ああ、心地好いと思ったら、アンリに挿入したままだった。
道理で。
見下ろすと、頬を染めているアンリ。
ツンと立ち上がった乳首に、精の散った白い腹。
煽情的な眺めに、下腹が重くなる感覚。
更にもぞもぞ動かれると。刺激されて、大きくなってしまう。
「無理。あんたのことが欲しくてたまらない。……ほら、」
勃起したもので、アンリの腹を突き上げてやる。
「ん、」
突き上げると、内側から押し上げられ。薄い腹がぽこりと膨らむ。
アンリはそれに、自分で触れて。
ぼんやりと、自分の腹を見ている。
「……お前の子を孕んだら、こんな感じなのだろうか?」
*****
アンリが完全体だと知り。
孕ませれば俺のものになるのなら、孕ませたいと思った。だが。
「孕ませない」
「え?」
「結婚式を挙げた夜に、あんたの処女膜ぶち抜いて孕ませたかったけど、やめた。俺以外の誰かがあんたの胎の中に入るなんて、我慢できない……!」
アンリの心が、俺に傾いているなら。
俺以外の誰かに分けたくない。独占していたい。それが、たとえ我が子であっても。
「自分の子だろうが、俺がここまで育てた胸を吸わせるのも嫌だ。これは俺だけのものだ」
少しだけ膨らんだ乳房を揉みしだく。
「この白い胸も、淡紅色の乳首も。髪の一筋だって、俺だけのものだ……!」
激しく腰を打ち付けてやる。
「や、ああっ、」
甘い声で鳴いている。
腹を濡らすものが、アンリが感じているのが、快楽だと教えている。
もう、すっかり行為にも慣れたものだ。
「女の部分を使わなくても、こっちで充分だろ? 物足りなくなんかないな?」
問うと、アンリはこくこくと頷いた。
愛している。
こうして繋がったまま、一つに溶け合ってしまいたい。
俺のアンリ。
俺だけに、許してくれた身体。
アンリのこんな姿を見られるのは俺だけだ。
白く美しい手が俺の背に回って。爪を立てられる痛みすら甘美に思える。
たとえ年老いて、死に別れても。
次の世も共にしたい。
いや、絶対に追いかけて、捕まえてみせる。何度でも。
*****
浅い眠りにたゆたっている。
昔から、眠りが浅い。
油断して寝ていられるような環境ではなかったせいもあるが。
回復魔法がなければ、消耗していただろう。
最近、ようやく少しだけでも眠れるようになったのは、アンリと床を共にしてからだ。
腕の中にある心地好いあたたかさが、俺に安心感を与えてくれているのだろうと予測する。
腕の中のアンリが、もぞもぞと動いている。
じっと俺の顔を見ている気配。
顔にかかった髪を避けられ、頭を撫でられている。
そういうことは是非、起きている時にして欲しいが。
アンリは極度の恥ずかしがりなので仕方ない。嬉しさで頬が緩みそうになるのを我慢する。
「アイ・ラブ・ユー」
アンリの呟いた言葉。
やけに発音が平坦だったが。確かに、聴いたことがある言葉だった。
ここの言葉ではないのに、何故わかるのか。
”I LOVE YOU”。
その意味は。
”私は、あなたを愛している”。
何故、知らないはずの言語を理解している?
俺は。
俺の名は。
ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェ。ルミエール王国、トロー領の伯爵だ。
この記憶には、間違いない。
それなのに。
何故、違う名で呼ばれた記憶がある?
俺は。……どうして、他の記憶があるんだ?
*****
「うう……っ、」
突然、頭が割れるような痛みに襲われた。
片頭痛ではない。
凄まじい情報量が、一気に脳内に溢れたため。一時的に、キャパシティを超えたのだ。
それも当然のことだろう。
今。
一人の人間の人生を、すべて。思い出したのだから。
思案していた俺の腰を、ぺちりと叩かれた。
ああ、心地好いと思ったら、アンリに挿入したままだった。
道理で。
見下ろすと、頬を染めているアンリ。
ツンと立ち上がった乳首に、精の散った白い腹。
煽情的な眺めに、下腹が重くなる感覚。
更にもぞもぞ動かれると。刺激されて、大きくなってしまう。
「無理。あんたのことが欲しくてたまらない。……ほら、」
勃起したもので、アンリの腹を突き上げてやる。
「ん、」
突き上げると、内側から押し上げられ。薄い腹がぽこりと膨らむ。
アンリはそれに、自分で触れて。
ぼんやりと、自分の腹を見ている。
「……お前の子を孕んだら、こんな感じなのだろうか?」
*****
アンリが完全体だと知り。
孕ませれば俺のものになるのなら、孕ませたいと思った。だが。
「孕ませない」
「え?」
「結婚式を挙げた夜に、あんたの処女膜ぶち抜いて孕ませたかったけど、やめた。俺以外の誰かがあんたの胎の中に入るなんて、我慢できない……!」
アンリの心が、俺に傾いているなら。
俺以外の誰かに分けたくない。独占していたい。それが、たとえ我が子であっても。
「自分の子だろうが、俺がここまで育てた胸を吸わせるのも嫌だ。これは俺だけのものだ」
少しだけ膨らんだ乳房を揉みしだく。
「この白い胸も、淡紅色の乳首も。髪の一筋だって、俺だけのものだ……!」
激しく腰を打ち付けてやる。
「や、ああっ、」
甘い声で鳴いている。
腹を濡らすものが、アンリが感じているのが、快楽だと教えている。
もう、すっかり行為にも慣れたものだ。
「女の部分を使わなくても、こっちで充分だろ? 物足りなくなんかないな?」
問うと、アンリはこくこくと頷いた。
愛している。
こうして繋がったまま、一つに溶け合ってしまいたい。
俺のアンリ。
俺だけに、許してくれた身体。
アンリのこんな姿を見られるのは俺だけだ。
白く美しい手が俺の背に回って。爪を立てられる痛みすら甘美に思える。
たとえ年老いて、死に別れても。
次の世も共にしたい。
いや、絶対に追いかけて、捕まえてみせる。何度でも。
*****
浅い眠りにたゆたっている。
昔から、眠りが浅い。
油断して寝ていられるような環境ではなかったせいもあるが。
回復魔法がなければ、消耗していただろう。
最近、ようやく少しだけでも眠れるようになったのは、アンリと床を共にしてからだ。
腕の中にある心地好いあたたかさが、俺に安心感を与えてくれているのだろうと予測する。
腕の中のアンリが、もぞもぞと動いている。
じっと俺の顔を見ている気配。
顔にかかった髪を避けられ、頭を撫でられている。
そういうことは是非、起きている時にして欲しいが。
アンリは極度の恥ずかしがりなので仕方ない。嬉しさで頬が緩みそうになるのを我慢する。
「アイ・ラブ・ユー」
アンリの呟いた言葉。
やけに発音が平坦だったが。確かに、聴いたことがある言葉だった。
ここの言葉ではないのに、何故わかるのか。
”I LOVE YOU”。
その意味は。
”私は、あなたを愛している”。
何故、知らないはずの言語を理解している?
俺は。
俺の名は。
ローラン・ロートレック・ド・デュランベルジェ。ルミエール王国、トロー領の伯爵だ。
この記憶には、間違いない。
それなのに。
何故、違う名で呼ばれた記憶がある?
俺は。……どうして、他の記憶があるんだ?
*****
「うう……っ、」
突然、頭が割れるような痛みに襲われた。
片頭痛ではない。
凄まじい情報量が、一気に脳内に溢れたため。一時的に、キャパシティを超えたのだ。
それも当然のことだろう。
今。
一人の人間の人生を、すべて。思い出したのだから。
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