底辺オタクがチート性能ガチ盛りなフタナリ美形に転生~魔法王国の王様に俺はなる!

篠崎笙

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美しき伯爵、動揺する

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ロロ少年12歳の次の夢は。

王佐になるだけではなく。
”国王になったアンリと結婚して、王配になる”ことが加わったのだった。


そして、国王が退位を表明した今。
満を持して、こうしてプロポーズに来たという訳だ。

絶対に否とは言わせない、という意気込みを感じる。
その目的のために、申し出を断られるような要素は極力排除して。


まさに人生をかけた、壮大な計画だ。


*****


ヤバい。
どうしよう。

……嬉しい、かもしんない。


頭の隅では、いやいやこいつ、ガチストーカーやんけ。逃げて、俺ちゃん全力で逃げてー! と思いつつ。
そこまで想われてるのが嬉しいなんて。

どうかしてるに違いない。


だって。前世ではずっと底辺で。じめじめとリア充を羨みながら見上げてたようなスライム的存在が、ですよ? こんなハイスペックなイケメンから一途に想われるとか。想像もしないって。
男同士だとジャンルが違っちゃうのは置いといて。

生まれ変わった俺は、中世……じゃなかった中性的な美形だけど。世間的には男だと思われてるので、次期国王との声も多い立派な伯爵さまである。

普通、寄ってくるのは権力や、希少価値の高い見た目だけが目当てのヤカラだと思うじゃん?
実際に、俺の外側、スペックだけしか見てないようなのばっかりでさ。


それが。
最初こそ、一目惚れだそうだけど。

知り合って、もう9年になるし、人となりも知ってるはずだ。
それでも俺のことが好きで、ずっと傍にいたいと思ったから。そのために相応しい能力を身に着けようと、今まで必死に努力してきた、とか言われちゃって。

何だか、ふわふわと浮き立つような気持ちになっちゃってる。
なにこれ。


*****


もしかして、俺ってめっちゃチョロくね?
行ったことないけど。もしキャバクラとか行って、サービストークの一つでも言われたら嬢に全財産貢いじゃうレベルでチョロくない?

ん?
でも、パーティーとかで女の子から声を掛けられてお世辞を言われても、そんなに嬉しくなかったな……。
義理で、ダンスとかをするようになったのは、16歳になってからだ。

その頃にはもう自分がフタナリだって知ってたし。
気づかない内に、女性目線で相手を見てたのだろうか?

女が俺に、過剰に媚を売るような態度が鼻につくように感じた。
美少女っぽい容姿をエロい目で見てくるオッサン貴族にはキモいなって思ったし。

男女両方の悪いところに気が付くようになったのかな?

国王陛下を筆頭に、老若男女からモッテモテだったというのに。モテても嬉しく思えなかった。
他の誰にも、こんな気持ちにはならなかったのに。


……いや、こんな気持ちって。
どんな気持ちだよ!?


うわあ、我ながら自分の思考がめちゃくちゃ気持ち悪い!!

だって、こんな風に正面から告白されたの、生まれて初めてなんだもん。
男相手だろうが、浮かれちゃうのもしょうがないじゃん!


*****


……あれ?

目の前に、ロロの端整な顔が。
どんどん近づいてくるんですけど。

チューされそうに近い。


「……?」

思わず、顔を横に向けてしまった。
……ここ、どこだ?

なんで俺、ベッドっぽいところに横たわってるの? しかも、ロロに押し倒されてるような体勢で。
鉄壁の守護神ガーディアン・アンドレはどこ行った!?

見慣れない部屋。寝室っぽい。
うちじゃない、どこかの城にいるようだ。


ここ、もしかして、トロー領にある城か?
いつの間に移動してたんだ?

オロオロしている俺に、ロロは苦笑して言った。


、結婚するまでには挿れないし、乱暴にはしない。そんな不安がらなくていい」
「!?」

はあ? 女の部分には、って。
じゃ、他の部分には挿入するの!?

いつ、そんな約束を?
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