長身美形なイタリアマフィアになってた、美少女みたいに小さくて可愛かった幼馴染から売り専と間違われて監禁Ｈされた上に求婚されてしまいました。

やり直しを要求される

「あ、そろそろ予約してたホテルにチェックインしとかないと……」

大きな荷物は、ホテルの方に送っておいたんだ。
今、何時だろ？

携帯の時計は日本時間だし。イタリアの時間に合わせとこうかな。


「ああ、奏太が予約していたアルベルゴホテルはCancellato……Ebbeneええと、断っておいたよ。荷物もこちらに送らせる。ここにいて欲しい」
カンチェッラート、はイタリア語でキャンセルを意味する言葉だっけ。

久しぶりだから、単語が出て来なくなってるみたいだ。
もうイタリア語が基本になってるわけだし、日本語で話すのは大変なのかも。


「ありがとう。……すごく訛なまってたり専門的な言葉じゃなければイタリア語、だいたいわかるから。イタリア語で普通に話しても丈夫だよ。話す方はまだまだだけど。崇に会うために、頑張って勉強したんだ」

『……奏太……。そんなに、努力してくれたとは。とても嬉しい』
崇にぎゅっと抱きしめられた。


＊*＊*＊


ふわりと漂う、官能的な香水の匂い。

さっき、この腕に抱かれて。
あれこれされてしまったのを思うと、身体が逃げそうになっちゃうけど。

これ・・は。この腕は。
知らない男じゃない。幼馴染みの崇なんだ。怖くない。

さっきのは、不幸な事故だったんだ。


「僕も、会えて嬉しいよ」
すっかり広く逞しくなった背中に、手を回した。

『……同じ気持ちだと、思っていいのだろうか？』
「？」


『知らなかったとはいえ。大切な奏太に、酷いことをしてしまった。償いがしたい』

うわあ。
そんな至近距離で見詰めないで欲しい。

憂いを帯びた眼差しがもう、凶悪に色っぽいんだけど！
もうこれ犯罪では？　エロすぎる！

「え、いいよ、もう。崇が悪いんじゃないし……」
直視しないよう、目を背けてみたりして。


『だから、bacioからやり直しをしてもいいだろうか？』
「バーチョ？」

崇はふふ、と笑って。
僕にキスをした。

僕の口に、崇の唇が触れた……？


『これのことだ』
そう言って微笑むと。

もう一度。
唇に。


＊*＊*＊


……え？
やり直しって。

そういう・・・・そういう意味で！？


『carezzaはわかる？』

カレッツァ？
知らない、と首を横に振る。

『さっきはしてあげられなかった分、たくさん教えてあげよう』


崇は僕の服を脱がせて。
首にキスをした。

大きな手で、あちこち撫で回される。暖かい手、気持ちいいけど。

……これが、カレッツァ？
え、何？　いわゆるＡＢＣでいうＢのこと！？

そんな言葉、女性の家庭教師から教わるわけないだろ！
僕、まだ高校生なんだからな！


『可愛いcapezzoloだ……』
と、崇がぺろりと舐めたのは乳首だった。

へえ、乳首って、カペッツォロって言うんだ。

……じゃなくて！
何で唐突にオトナのイタリア語教室が始まってんの！？

陰茎がペネとか、睾丸がテスティコロとか、知りたくなかったよそんなイタリア語！！


イタリアで人に「あの、」と声を掛けちゃいけない理由もわかった。
肛門の俗称がanoアノだからだ。

「あの、ちょっと待って、」って言ったら、笑いを噛み殺しながら教えてくれた。
恥ずかしい。


突然のことにあわあわしているうちに。

気付けば、いつの間にかお互い素っ裸になっていて。
正面から、崇を受け入れている状態だった。

また、抱かれちゃってるんだけど……。
どういうこと！？


＊*＊*＊


『どうだ？　全部入ったが……。痛くないか？』

ぐい、と腰を引かれて。
腰骨が、お尻に当たってるのがわかる。

……崇の、全部、入ってるんだ。

痛くはない。
最初の時も、違和感というか、変な感じはしたけど。痛い思いはしなかった。

こんなおっきいの突っ込まれたら、裂けちゃいそうなのに。


どうしてだろう、って思ったら。

最初見た時、すごく好みの顔だなって思って。
抱いたら好きになっちゃいそうだから、後ろを向かせて。

わざと冷たくして突き放そうとしたけど。
途中で僕のことを思い出して。大切な幼馴染と重なってしまって。どうしても乱暴には出来なかったんだって。


『では、Siスィ senteセンテ beneベネ？』

ええと。
良く、聞こえる？

「……きもちいい？　って意味」
崇は日本語で囁いた。

ぞくっとして。
思わず中のを締め付けてしまう。

何これ。こんなの知らない。


「はじめのは、間違いだと思って、忘れて欲しい。……これが、二人の初・め・て・だって、覚えていて」
至近距離で、真剣な顔をして。日本語でそう言われて。

思わず、こくこくと頷くしかなかった。


＊*＊*＊


朝。
崇の腕の中で目覚めて。混乱してしまう。


また、崇に抱かれちゃったんですけど……。
ちょっと、どういうことなのか意味がわかんない。

……ええと。
昨夜、崇が合間に言ってた告白を総合すると……。


日本で普通の子供として暮らしていたのに、無理矢理ヴァレンティーノに連れて来られた崇は。
生活習慣や言葉の違いもあるし、マフィアのしきたりとか。護身術とかで身体も鍛えたり、僕にも言えない苦労も色々あったようだ。
よく見れば身体、あちこち傷だらけだったもんな。

早く大人になって、権力を得て。
自由に動けるようになったら日本へ行って、大人になった僕を迎えに行く希望だけを胸に。
大変だったけど、ずっと頑張ってきたんだって。

それは、素直に嬉しかったけど。


崇の初恋の相手は僕で。
淡い初恋は、いつの間にか、触れたい、抱きたいっていう欲になっていて。

僕を抱く夢で精通して。
どうすることもできないので、仕方なく東洋系の男娼を買って、身代わりにして抱いてた、って。

昨日はバッチリ好みの子が来て。情が移ったら困るな、と思ってたら、本人で。まさか本人がここまで探しに来ていたとは思いもしなかった、って話だった。


で。
このsessoセッソが二人の初めてだと思ってやり直しさせて欲しい、とか言われて、もう一回抱かれてしまったわけだけど。


いやいや、忘れられるわけないじゃん！
あんな強烈な記憶。


昨日は。
幼馴染みを探しにやっと念願のシチリアに着いたら。

運悪く売春組織のブローカーに捕まってしまって。
銃で脅されて、売春を強要されて。

売られた相手が、マフィアのボスになっていた、12年振りに再会する、探していた幼馴染み本人だった、とか。


とんでもない一日だ。
拳銃で脅されるとか、マフィアとか。アクション映画とかの主人公じゃないんだから。


美少女みたいだった幼馴染が、ファッションモデルも羨むようなスタイル抜群な超イケメンイタリア紳士になっちゃっただけでも、相当びっくりなのに。

最初は男娼と間違えられて抱かれて。
次は、やり直しだって。

結局、二回もエッチされちゃった。


……すごく気持ち良かった。
本当、困る。


＊*＊*＊


僕はただ、もう一度、崇に会いたくて。
それだけで。

性的にどうとか、抱きたかったとか。決して、そんなつもりは無かったのに。

崇は僕のこと、そういう意味でずっと好きだったんだって知って。
すごく混乱してる。


やり直すって、普通、告白からじゃないの！？

いや、それでも、困るのには変わりがないけど。
だって。

僕には他に、好きな人がいるんだから。


家庭教師の愛理えりさんっていう、心に決めた女性が……！


それにしても、崇ってば、エッチが相当上手いんだろうな。
キスも嫌悪感なく受け入れてしまった……。

それに、抵抗する気も起きないくらい、カレッツァだっけ？　触られるのも気持ちよかったし。

何もかも未経験だった童貞に太刀打ち出来る訳がない。
これまでプロの男娼相手にテクニックを磨いたのかと思うと、色々複雑だけど。


……ああもう。
色々なことがありすぎて、頭パンクしそうなんだけど！！