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永遠
人生を変えた出来事
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東条はやれやれ、という風に肩を竦めた。
「全く。見つからないはずだ。あの時君は眼鏡を壊してしまい、素顔だったが。それ以降ずっとその愛らしい顔を隠して生活していたんだからな」
責められる筋合いはない。
別に隠れようと思って素顔を出してなかった訳じゃないし。
ただ単に、身だしなみに気を配らなかっただけだし。
「そして去年、偶然、大学祭の時の写真を目にした俺は、思い出の相手を見つけ、帰国を決意したわけだ」
*****
見たの!?
あの、調子こいてやらかした、アイドルごっこの黒歴史写真を!?
あれで僕だって確信したのか。
それも凄いけど。
できれば、忘れて欲しい。
東条は。ずっと探していた”TOWA”を見つけて。名前と顔を隠して同じ大学に入るまでして。
講義も追っかけて、一緒に受けたりして。
でも、どうやって声を掛けようか、ずっと悩んでいたらしい。
悩んだ末に、やっと思いついた方法がアレだったのか。
観察させてほしい、って?
東条としても。
美化された思い出なのかもしれない、という可能性を考えて。自分の正体は隠して近づこうとしたんだ。
速攻素顔見られちゃったけど。
自分の素顔を見ても、公園でのことを思い出してもらえなかったのは、やっぱりちょっと、ショックだったようだ。
「合コンに参加したあの晩、改めて恋に落ちた。アプローチしまくって、絶対に手に入れようと決心し、どうにかスケジュール調整をして一週間の休暇をもぎ取り、期間中に君を落とそうと思ったんだが……」
高級ホテルのディナーに招待しても、高価な贈り物をしても。
喜ぶどころか困らせただけに終わったのは、完全に予想外だったようだ。
今までこの作戦で喜ばれなかったことは無かったので、東条もどうアプローチしていいのかわからなくなったそうだ。
それは周囲の人間に問題があると思うよ……。
「だが、一緒に食事をしてるだけで嬉しそうな顔をしてくれた。遊んで軽そうに見えるのは全部演技で。俺の裸を見たくらいで真っ赤になるほど純真で。家事全般得意な上料理上手だし、毎回きちんと挨拶やお礼を言われるのも初めてだった。惚れさせるどころか、ますます好きになってしまった」
真顔で。
そんな恥ずかしいことを言うの、やめて欲しい。
*****
「触れたくて仕方なかった。マッサージという名目で君の肌に触れながら。何度、脳内で君を犯したことか」
意味深な視線を送られる。
マッサージする時、やたらエロい声で「気持ち良い?」って聞いてたの。
僕に「気持ち良い」って言わせたかったのか。
「そんなこと考えてたんだ。エッチ」
「男というものは全てエッチな生き物だ」
堂々と言い切った。
僕も男なんだけど。まあいいか。
「今日で触れるのも最後になるかもしれない、と思ったら。どこまでなら許されるか、ギリギリまで試してみようと思った」
それで、際どい場所まで触って。
僕が特に抵抗もせず、反応したから。つい、暴走しちゃったのか。
だって、気持ち良かったんだもん。
あの快楽に逆らえる男がいたら、見てみたいくらいだ。
「あの日、君に出逢わなかったら。俺は親の金だけで放蕩しまくるろくでなしになっていたに違いない。君は俺の運命の女神だ」
頬を撫でられて。
触れる寸前まで、唇を寄せられる。
「今すぐにでも籍を入れたいところだが。二十歳の誕生日……いや、卒業まで待とうか」
「え、」
「できれば早々に、君が俺のものになったことを全世界に知らしめたいが。マスコミなどから追いかけられ、在学中はいたたまれない思いをするだろう。……学生結婚は諦めよう」
苦渋の決断みたいに言ってるけど。
全世界に知らしめるのはやめて欲しい。
*****
「何か結婚するのが確定みたいになってるけど。い、一回したくらいで結婚なんかしないし。責任とか、取らなくても……」
男だし。
貞操を奪われたとも思わない。
東条は、ニヤリと笑った。
「なら、俺でしかイけない身体にしようか。大丈夫。その責任は必ず取る」
「ちょ、え? ……あっ、」
抱き寄せられて。
あっという間に、挿入されてた。
「OKを貰うまではやめないからな。俺の溢れんばかりの愛を、全身で受け止めて欲しい」
「ひゃ、あ、ああっ、」
激しく揺さぶられて。
気持ち良すぎても、それは拷問みたいなものだと知った。
知りたくなかった、そんなこと。
*****
根負けして、結婚を承諾してからも。
まだまだ足らない、とか言われて抱かれてしまった。
OKを貰うまではやめないって、普通は、貰ったらやめるって意味じゃないの?
何でそんなに元気が有り余っているのか知りたい。いや、知りたくない。
絶対、ろくでもない理由に違いない。
「はぁ、永遠。可愛い。どうされたいか言って? 叶えよう」
もう恥ずかしいとか言ってられない。
すっかり性感帯にされてしまった胸の先を示して、ねだる。
「ここ、ぐにぐにしながら、いっぱい突いてぇ、」
「御意、君のお気に召すままに」
僕のおねだりを、東条はとても嬉しそうに聞いて。
その通りにしてくれた。
「全く。見つからないはずだ。あの時君は眼鏡を壊してしまい、素顔だったが。それ以降ずっとその愛らしい顔を隠して生活していたんだからな」
責められる筋合いはない。
別に隠れようと思って素顔を出してなかった訳じゃないし。
ただ単に、身だしなみに気を配らなかっただけだし。
「そして去年、偶然、大学祭の時の写真を目にした俺は、思い出の相手を見つけ、帰国を決意したわけだ」
*****
見たの!?
あの、調子こいてやらかした、アイドルごっこの黒歴史写真を!?
あれで僕だって確信したのか。
それも凄いけど。
できれば、忘れて欲しい。
東条は。ずっと探していた”TOWA”を見つけて。名前と顔を隠して同じ大学に入るまでして。
講義も追っかけて、一緒に受けたりして。
でも、どうやって声を掛けようか、ずっと悩んでいたらしい。
悩んだ末に、やっと思いついた方法がアレだったのか。
観察させてほしい、って?
東条としても。
美化された思い出なのかもしれない、という可能性を考えて。自分の正体は隠して近づこうとしたんだ。
速攻素顔見られちゃったけど。
自分の素顔を見ても、公園でのことを思い出してもらえなかったのは、やっぱりちょっと、ショックだったようだ。
「合コンに参加したあの晩、改めて恋に落ちた。アプローチしまくって、絶対に手に入れようと決心し、どうにかスケジュール調整をして一週間の休暇をもぎ取り、期間中に君を落とそうと思ったんだが……」
高級ホテルのディナーに招待しても、高価な贈り物をしても。
喜ぶどころか困らせただけに終わったのは、完全に予想外だったようだ。
今までこの作戦で喜ばれなかったことは無かったので、東条もどうアプローチしていいのかわからなくなったそうだ。
それは周囲の人間に問題があると思うよ……。
「だが、一緒に食事をしてるだけで嬉しそうな顔をしてくれた。遊んで軽そうに見えるのは全部演技で。俺の裸を見たくらいで真っ赤になるほど純真で。家事全般得意な上料理上手だし、毎回きちんと挨拶やお礼を言われるのも初めてだった。惚れさせるどころか、ますます好きになってしまった」
真顔で。
そんな恥ずかしいことを言うの、やめて欲しい。
*****
「触れたくて仕方なかった。マッサージという名目で君の肌に触れながら。何度、脳内で君を犯したことか」
意味深な視線を送られる。
マッサージする時、やたらエロい声で「気持ち良い?」って聞いてたの。
僕に「気持ち良い」って言わせたかったのか。
「そんなこと考えてたんだ。エッチ」
「男というものは全てエッチな生き物だ」
堂々と言い切った。
僕も男なんだけど。まあいいか。
「今日で触れるのも最後になるかもしれない、と思ったら。どこまでなら許されるか、ギリギリまで試してみようと思った」
それで、際どい場所まで触って。
僕が特に抵抗もせず、反応したから。つい、暴走しちゃったのか。
だって、気持ち良かったんだもん。
あの快楽に逆らえる男がいたら、見てみたいくらいだ。
「あの日、君に出逢わなかったら。俺は親の金だけで放蕩しまくるろくでなしになっていたに違いない。君は俺の運命の女神だ」
頬を撫でられて。
触れる寸前まで、唇を寄せられる。
「今すぐにでも籍を入れたいところだが。二十歳の誕生日……いや、卒業まで待とうか」
「え、」
「できれば早々に、君が俺のものになったことを全世界に知らしめたいが。マスコミなどから追いかけられ、在学中はいたたまれない思いをするだろう。……学生結婚は諦めよう」
苦渋の決断みたいに言ってるけど。
全世界に知らしめるのはやめて欲しい。
*****
「何か結婚するのが確定みたいになってるけど。い、一回したくらいで結婚なんかしないし。責任とか、取らなくても……」
男だし。
貞操を奪われたとも思わない。
東条は、ニヤリと笑った。
「なら、俺でしかイけない身体にしようか。大丈夫。その責任は必ず取る」
「ちょ、え? ……あっ、」
抱き寄せられて。
あっという間に、挿入されてた。
「OKを貰うまではやめないからな。俺の溢れんばかりの愛を、全身で受け止めて欲しい」
「ひゃ、あ、ああっ、」
激しく揺さぶられて。
気持ち良すぎても、それは拷問みたいなものだと知った。
知りたくなかった、そんなこと。
*****
根負けして、結婚を承諾してからも。
まだまだ足らない、とか言われて抱かれてしまった。
OKを貰うまではやめないって、普通は、貰ったらやめるって意味じゃないの?
何でそんなに元気が有り余っているのか知りたい。いや、知りたくない。
絶対、ろくでもない理由に違いない。
「はぁ、永遠。可愛い。どうされたいか言って? 叶えよう」
もう恥ずかしいとか言ってられない。
すっかり性感帯にされてしまった胸の先を示して、ねだる。
「ここ、ぐにぐにしながら、いっぱい突いてぇ、」
「御意、君のお気に召すままに」
僕のおねだりを、東条はとても嬉しそうに聞いて。
その通りにしてくれた。
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