眼鏡オタクが脱オタ目指してアイドルキャラを演じていたら忠実な下僕が出来ました?

篠崎笙

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永遠

最終日、急展開

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あっという間に、火曜日。

宮島に誘われて、合コンに参加したのが先週で。
火曜日の夜だったけど。

それはカウントしないで、水曜日から一週間、という話だった。


もう、一週間経つのか。あっという間だったな。
明日の朝、帰ることになるんだ。

ちょっと、というか。
実のところ、かなり寂しい気がしてきた。

だって。
一緒に食事を作って食べたりするの、わりと楽しかったし。


スマホを見る時間も減って。メールのチェックもおろそかになって。
母さんからのメールにも、しばらく気づかなかったくらいだ。

曽根が泊りに来てる、と書いたら。
兄さんの部屋譲っていいからずっと居て貰ったら? なんて返事が来た。


そういう訳にはいかないよ。
短期限定だってわかってるからこそ、楽しかったんだろう。

曽根も。
そろそろ僕の欠点とか、目に付いてきた頃だろうし。


……そう思ってたんだけど。


*****


どうして、こんな事になったんだろう。


曽根に、恒例になったマッサージをされて。
それがすごく気持ち良くて。

つい、下半身が反応しちゃったのがバレてしまった。

そしたら。
「ご奉仕する」とか言われて。

を握られちゃって。手で擦るだけじゃなく。
口でも、されてしまったんだ。

何故か指を後ろに入れられて、抜き差しされたけど。
それも気持ち良くて。

いつの間にかうつ伏せで腰を上げる格好をさせられたと思ったら。
指で慣らされた場所に、指よりも大きくて長いのが入って来たんだ。

これって。


「……永遠とわ。気持ち良い?」
耳元で、色気のある声で名前を囁かれて、ゾクゾクしてしまう。

耳はくすぐったいから駄目だって、もう何度も言ったのに。

僕の下僕だとか言っておいて。
何で言うこと聞いてくれないんだって文句を言ったら。

本当は嫌じゃなさそうだから、って返された。
エスパーか。


「すごい。根こそぎ搾り取られそうなくらいに締め付けてくる。永遠はが大好きなんだね。気に入ってくれて、とても嬉しいよ」

曽根が腰を動かす度に、ぐちゅぐちゅと音がする。

お腹の中を、硬いもので、ゴリゴリ掻き回されてる。


その、圧倒的な質量を。リアルに感じる。
これは、夢でも何でもないんだって。


*****


……信じたくないけど。

僕の中に、曽根の性器が入ってるんだ。
男同士のセックスは、後ろを使うことくらいは知ってる。

滅多にいないけど。男女でも、そこでする人がいるらしいことも。


つまり。
僕は曽根と、セックスしてるんだ。

決して、合意じゃなかった。それは確かだ。けど、強姦だとは言いきれないかもしれない。
だって。ここまで、曽根がすることを、本気で拒まなかった。

その理由は。

気持ち良かったから。うっかり流されちゃって、受け入れてしまったんだ。

でも、いくら気持ち良かったからって。
好きでもない男とセックスすることになるなんて。自分がわからない。

女の子とも、まだなのに。


どうしよう。
こんなことしちゃって。取り返しがつかない。

だいたい、曽根はどうして、こんなことをするんだ?
ゲイじゃないって言ってたのに。

嘘だったの?


「ひ、……やぁ、」
ズン、と突き上げられて。
後ろからきつく抱き締められる。

「永遠。これ以上ないくらいぴったり繋がってるの、わかるかい?」
熱い吐息が、耳にかかって。

「……ナカに射精すから。全部、受け止めてくれるね?」
「え?」

中に出すって。
まさか、精液のこと?


「や、やだ、何で、……ああっ!?」


*****


どくどくと、脈動を感じて。
宣言通りに曽根の精液が、お腹の中に注ぎ込まれたのを感じて。

ナマでされてたのを知った。

いくら男同士で、妊娠しないからって。コンドームくらいつけろよ。
最低限のマナーだろ!

僕はそんなもの、持ち歩いてないけど。


嘘だろ。
……何で、こんなことになっちゃったんだ?

曽根は、中に出した精液をまんべんなく擦り付けるみたいな動きをしている。
まるで、マーキングみたいに。


「これでもう、のものだ」

嬉しそうに呟いてるのが聞こえた。
やっぱりマーキングのつもりだったんだ。……動物じゃあるまいし。

……今、自分のこと、って言った?

曽根も、一人称を変えてたのか。
学校ではオレって言ってる僕とは逆だなあ、と。ぼんやりと思う。


「君も、一緒にイってくれたんだ。嬉しいな」

自分の精液に濡れた、もう萎えてしまった性器を。
大きな手で弄ばれる。

「や、もう、触んな、」
「初めて男に抱かれたのに、前を弄らないで後ろだけでイってしまうなんて。こんないやらしい身体では、もう女は抱けないね?」
嬉しそうな声で呟いて。

脱力した身体をひっくり返されて。
正面から抱き締められた。


「お婿に行けない身体にしてしまった責任を取らないと。……結婚しよう、永遠」


*****


教会の通路をバージンロードと言うのは和製英語で日本だけだから、花嫁はバージンじゃなくても大丈夫なので安心して歩いて欲しい、とか言われたけど。
今時、正真正銘の処女の花嫁なんか滅多にいないだろうし。そんなこと、どうでもいい。

って。……花嫁って。まさか、僕のこと?


今、もしかして。
曽根に、求婚されたの?

結婚しようって?


嘘だろ?
本当に、本気で言ったの!? 冗談だって言ってよ!
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