黒髪黒目が希少な異世界で神使になって、四人の王様から求愛されました。

篠崎笙

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おまけ/そして、10年後。

愛ある日々

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そろそろ帰る、というので。
おやつを食べて、リュシエルの腕ですやすや爆睡中のウリエルを、名残惜しそうに渡される。


「ありがとう、レイト。きみのお陰で、我が国の民にも希望が生まれ、活気が戻った」
リュシエルが優雅に腰を折った。

「そんな、お礼なんて……」

俺は、プランを示しただけで。
実際に行動したのは王達や、国民だ。


「神の塔の増築も進み、砂漠は減少しつつある。皆、レイトに感謝してるよ?」
相変わらず、天使のような顔で微笑んで。

リュシエルは、南の国から買ったという竜馬に乗り、去って行った。
自分で飛ぶより楽なんだそうだ。


†††


すっかり寝入った子供たちを、ベッドに寝かせてやる。


「もう少ししたら。また子供作ろっか?」
隣で子供たちを見ていたのアレクに言うと。

「私は今からでもかまわないが?」

その微笑みは。
しまった。

エロわんこのスイッチが入ってしまったようだ。


「だめ。ウリもミカも、まだ目が離せない時期だもん」

「ナーサルに任せればよい」
後ろから抱き締められて。硬くなってるのを押し付けられる。

十年経ってるのに、全然衰えなしだよ!


俺を抱えて、もうベッドまで移動してるとか。素早すぎる。

「んもー、」
しょうがないな、と諦めて。目を閉じようとしたら。


「あ~ん、」
子供の泣き声がしたので。

慌てて様子を見に行くと。
寝ぼけたミカエルに蹴飛ばされたウリエルが泣いていた。


またか。


†††


「よしよし、……それでも二人でくっついてないと寝ないんだからもう……」
抱き上げてあやしてると。

アレクがこちらを見て。
「……レイトも、母君や父君より、そうして愛情深く育てられたのだろうな。尊き黒い御姿だけではなく、皆がレイトを好くのは、内面の美しさゆえだ。だから、人々に希望をも与える救世主となったのだろう」


「大袈裟だよ」
苦笑して、落ち着いたウリエルを、再びベッドに戻してやる。

「アレクが俺を愛してくれるから、俺も、こうして子供達を愛せるようになったんだ。……愛は、世界を巡るんだよ?」


愛ばかりの世界じゃないと、わかっているけど。
愛して愛される喜びを、できるだけ多くの人に知って欲しいな。

「……博愛も大事だ。だが、今夜は伴侶だけを愛したいのだけど?」
アレクの腕が、腰に回された。


それには俺も異議なかった。




おわり
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