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砂漠の獅子は幼き寵姫を愛す
戦火燃ゆる
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淡い色をした可愛らしい乳首を指先で撫でてやっていると、少しずつ凝ってくる。
「ひゃ、あ、」
初めはくすぐったそうにしていたが、感じているようだ。
もぞもぞと身悶えている。
色づいてきた果実を齧り、味わいたい衝動にかられる。
新は自らわたしの性器を掴み、自分の太股で挟んだ。
「くっ、……新、」
子供だからだろうか。
快楽の誘惑に弱く、このように無邪気に誘うのは。
この行為だけでなく、その先も教わっただろうに。
いいのか、相手がわたしで。
嫌だと言っても、止められそうにないが。
†††
新の小さな身体を抱き締め、腰を動かした。
「熱い、……アサドの、おっきい、」
あどけない顔で、そのようなことを。
たまらず、腰を振りたくる。
「ひゃ、あ、あ、」
わたしのもので、性器や陰嚢を擦られるのが悦いようだ。
柔らかく滑らかな肌。
全身にわたしのものだという証を刻み付けたくなる。
うなじに噛み付いて、めちゃくちゃに犯し尽くしたい。
快楽に泣き乱れるそなたの姿を見てみたい。
ああ、新。
わたしは欲望に負け、そのような酷いことを考えているのに。
わたしを受け入れたいから、早く大人になりたいなどと。
なんと健気なことだろう。
……愛している。
わたしは、新を。
心から、愛しているのだと思い知った。
†††
新との至福の触れ合いに、ずっと耽溺していたかったが。
どうやら周辺諸国で、きな臭い動きがあるようだ。
隣国のペトラの発明品を狙い、不満を抱えていた諸国や水の仲介者どもが連合軍を作り、ペトラに宣戦布告したという。
我が国はペトラの友好国であり、ペトラ王とも顔見知りである。
工場の開発に出資もしている関係上、捨て置けぬ。
いかな辺境の国であろうと、それを知らぬわけでもなかろうに。
命知らずにもほどがあろう。
確かに工場を独占すれば、莫大な利益を生むだろう。
だが、命は金などでは賄えぬものだというのがわからないのだろうか。これが金に目が眩むということか。愚かなことだ。
向こうの戦力は、総数8千ほどか。
ペトラの軍は、総数1万弱。では、我が国は3万の兵をペトラに派遣し、わたし自ら指揮をとろう。
それで戦意を失い、去ればよいのだが。
我が国に睨まれる危険をおかすほど水を欲するのであれば、ペトラの工場があれば、解決する話なのだが。
運搬の手間賃という名で多額の金を懐に入れている性根の腐りきった水の仲介業者に唆されでもしたのだろうか?
一国の王ともあろう者が、死地だとわかりきっている戦いに大切な民を向かわせようとは。
王の資格なしである。
†††
「では、行って来る」
新の額に、口付けを落とした。
「無事に帰ってきてね、アサド」
新は潤んだような大きな黒い瞳で、心配そうに、わたしを見上げている。
この腕に抱き締め、口付けたくなる。
「ああ、」
可愛い新が、わたしの帰りを待っているのだから。
必ずや、勝利を手に戻らねば。
「ラース、留守の間、新を頼むぞ」
「……この命にかえましても、お守りいたします」
ラースは深々と礼をした。
「いや、命はかけるな。そなたが傷付けば、新が悲しむ。無論、わたしもだ。戦わず、新を連れて逃げてくれ」
ラースは虚をつかれた顔をした。
「陛下……、御意。いざという時は変化して背中に乗せますが、お赦しくださいね」
「よい、任せる」
わたしのいない間は、ラースに護衛を頼んである。
万が一、こちらに刺客が向かったとしても。
ラースなら、無事わたしの大切な珠玉を逃がしてくれるだろう。
†††
神に、武運を祈る。
何か、ちりちりと。
鬣が騒ぐというか、嫌な予感がするのだ。
我が国の援軍も加わり、圧倒的な兵力である。
このペトラ国が負けはしないだろうに。
こちらの戦力に対抗できる算段があったからこその、宣戦布告か?
まさか。
”禁忌”を使用するつもりではなかろうな。
数多の国が、火薬を戦いに持ち込んだ咎で、砂に沈んだというのに。
争いで、大地を傷付けることなかれ。
便利な道具で人を殺めることなかれ。
それが”禁忌”である。
命の重さは、相手と向き合ってこそ、感じるものである。
己の手を汚した血を。
命を奪った記憶を、忘れてはいけない。
生きるためには、不殺ではいられない。
食肉、草、魚。何らかの命を奪い、争いながら生きている。
故に、神は争いを禁じない。
しかし、使用するのは刃物までで、己の身ひとつで戦うのがこの世界の決まりである。
それを破る愚か者が、いるのであろうか。
どのみち、油断は禁物だ。
何があるとも知れぬ。慎重にいかなくては。
†††
「ペトラ王、我が国は此度の戦に3万の兵を貸そう。とこしえの友好の証に」
「おお、ゲヘト王。その申し出、ありがたく受けましょう」
ペトラ王は、茶色の目を細め、わたしの差し出した手を握り返した。
あたたかく、力強い手である。
長い間、敵対し、争ったこともある国だったが。
この王ならば信頼できる、と友好を交わしたのである。
国民を思えばこそ、無用な争いは好まぬものだ。軍費よりも、国を豊かにする開発に回したいと言っていた。
その志は、息子も受け継いでいるようだ。
長く、友好国でありたいものだ。
「ひゃ、あ、」
初めはくすぐったそうにしていたが、感じているようだ。
もぞもぞと身悶えている。
色づいてきた果実を齧り、味わいたい衝動にかられる。
新は自らわたしの性器を掴み、自分の太股で挟んだ。
「くっ、……新、」
子供だからだろうか。
快楽の誘惑に弱く、このように無邪気に誘うのは。
この行為だけでなく、その先も教わっただろうに。
いいのか、相手がわたしで。
嫌だと言っても、止められそうにないが。
†††
新の小さな身体を抱き締め、腰を動かした。
「熱い、……アサドの、おっきい、」
あどけない顔で、そのようなことを。
たまらず、腰を振りたくる。
「ひゃ、あ、あ、」
わたしのもので、性器や陰嚢を擦られるのが悦いようだ。
柔らかく滑らかな肌。
全身にわたしのものだという証を刻み付けたくなる。
うなじに噛み付いて、めちゃくちゃに犯し尽くしたい。
快楽に泣き乱れるそなたの姿を見てみたい。
ああ、新。
わたしは欲望に負け、そのような酷いことを考えているのに。
わたしを受け入れたいから、早く大人になりたいなどと。
なんと健気なことだろう。
……愛している。
わたしは、新を。
心から、愛しているのだと思い知った。
†††
新との至福の触れ合いに、ずっと耽溺していたかったが。
どうやら周辺諸国で、きな臭い動きがあるようだ。
隣国のペトラの発明品を狙い、不満を抱えていた諸国や水の仲介者どもが連合軍を作り、ペトラに宣戦布告したという。
我が国はペトラの友好国であり、ペトラ王とも顔見知りである。
工場の開発に出資もしている関係上、捨て置けぬ。
いかな辺境の国であろうと、それを知らぬわけでもなかろうに。
命知らずにもほどがあろう。
確かに工場を独占すれば、莫大な利益を生むだろう。
だが、命は金などでは賄えぬものだというのがわからないのだろうか。これが金に目が眩むということか。愚かなことだ。
向こうの戦力は、総数8千ほどか。
ペトラの軍は、総数1万弱。では、我が国は3万の兵をペトラに派遣し、わたし自ら指揮をとろう。
それで戦意を失い、去ればよいのだが。
我が国に睨まれる危険をおかすほど水を欲するのであれば、ペトラの工場があれば、解決する話なのだが。
運搬の手間賃という名で多額の金を懐に入れている性根の腐りきった水の仲介業者に唆されでもしたのだろうか?
一国の王ともあろう者が、死地だとわかりきっている戦いに大切な民を向かわせようとは。
王の資格なしである。
†††
「では、行って来る」
新の額に、口付けを落とした。
「無事に帰ってきてね、アサド」
新は潤んだような大きな黒い瞳で、心配そうに、わたしを見上げている。
この腕に抱き締め、口付けたくなる。
「ああ、」
可愛い新が、わたしの帰りを待っているのだから。
必ずや、勝利を手に戻らねば。
「ラース、留守の間、新を頼むぞ」
「……この命にかえましても、お守りいたします」
ラースは深々と礼をした。
「いや、命はかけるな。そなたが傷付けば、新が悲しむ。無論、わたしもだ。戦わず、新を連れて逃げてくれ」
ラースは虚をつかれた顔をした。
「陛下……、御意。いざという時は変化して背中に乗せますが、お赦しくださいね」
「よい、任せる」
わたしのいない間は、ラースに護衛を頼んである。
万が一、こちらに刺客が向かったとしても。
ラースなら、無事わたしの大切な珠玉を逃がしてくれるだろう。
†††
神に、武運を祈る。
何か、ちりちりと。
鬣が騒ぐというか、嫌な予感がするのだ。
我が国の援軍も加わり、圧倒的な兵力である。
このペトラ国が負けはしないだろうに。
こちらの戦力に対抗できる算段があったからこその、宣戦布告か?
まさか。
”禁忌”を使用するつもりではなかろうな。
数多の国が、火薬を戦いに持ち込んだ咎で、砂に沈んだというのに。
争いで、大地を傷付けることなかれ。
便利な道具で人を殺めることなかれ。
それが”禁忌”である。
命の重さは、相手と向き合ってこそ、感じるものである。
己の手を汚した血を。
命を奪った記憶を、忘れてはいけない。
生きるためには、不殺ではいられない。
食肉、草、魚。何らかの命を奪い、争いながら生きている。
故に、神は争いを禁じない。
しかし、使用するのは刃物までで、己の身ひとつで戦うのがこの世界の決まりである。
それを破る愚か者が、いるのであろうか。
どのみち、油断は禁物だ。
何があるとも知れぬ。慎重にいかなくては。
†††
「ペトラ王、我が国は此度の戦に3万の兵を貸そう。とこしえの友好の証に」
「おお、ゲヘト王。その申し出、ありがたく受けましょう」
ペトラ王は、茶色の目を細め、わたしの差し出した手を握り返した。
あたたかく、力強い手である。
長い間、敵対し、争ったこともある国だったが。
この王ならば信頼できる、と友好を交わしたのである。
国民を思えばこそ、無用な争いは好まぬものだ。軍費よりも、国を豊かにする開発に回したいと言っていた。
その志は、息子も受け継いでいるようだ。
長く、友好国でありたいものだ。
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