砂漠の異世界で獣人の王に囚われる~王様はホワイトタイガー

篠崎笙

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獅子の王の寵愛

触れ合いと、争いの火蓋

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ラース先生は、花とか植物が増えていく理屈や、人間の身体のつくりとか。
動物や人間がどうやって増えるか、という話をしてくれた。

それで。
ぼくとアサドが出したのは、精子っていって。
女の人のお腹の中で作られる卵子と一緒になったら、子供ができるんだって。

すごい。
人間って、そうやって増えるんだ?

女の人の身体って、不思議だね。生命って神秘的だ。


それと。
男同士でも、愛し合えるという話。

……そんな場所使うの!? 汚くない?
あ、洗うんだ。

あと、避妊具を被せるの? 男同士じゃ妊娠しないのに?
病気を防ぐのにもいいの?

みたいな話をした。
すごく、勉強になった。


色々知って。
ぼくは昨日より、大人になったと思う。


†††


その夜。
アサドは、ラース先生からめちゃくちゃ叱られた、としょげていた。

「ごめんなさい。話しちゃいけないことだったの?」
内緒の話だって教えてくれれば、黙ってたのに。

『いや、我慢できずにいたわたしが悪かったんだ。子供にすることではなかった』


もうしないって、頭を撫でられたけど。
あれがどういう行為なのか、教えてもらって、もうわかってる。

気持ちよかったし。
アサドに触られるの、好きだし。
いいのに。


「もう先生には話さないから。して欲しい。あれ、素股っていうんでしょ?」
ラース先生が言ってた。

『!?』
何てことを教えてるんだラースは、と。アサドは頭を抱えた。

ラース先生も、同じ格好して悩んでた。
大人だからかな?


「ね、……して?」
寝間着の裾を持ち上げたら。

次の瞬間。
アサドに、ベッドに押し倒されてた。


†††


口に、ちゅーされてる。

「ん、んう、」
アサドの舌が、口の中に入って来て。
舌を吸われたり、口の中を舌でぐりぐりと舐められて。

何でだか、それが気持ちいい。


アサドのおちんちんが、お腹に当たってる。
おっきくて、熱い。

昨日は、暗かったし。よく見えなかったけど。
あらためてじっくり見たら、血管が浮き出てて。

形とか色とか、ぜんぜん、ぼくのと違うんだけど。
これ、本当に、ぼくのと同じおちんちんなの?

ぼくのはふにゃふにゃしてるのに、アサドのは固かったし。
それはアサドが大人だから? ぼくも大人になったら、こうなるのかな?


アサドは、ぼくの平らなおっぱいも触ってる。
指の腹で乳首をくにくにされると。くすぐったくて、ぞくぞくしてくる。

アサドの手、大好き。
だから、もっと、触って欲しい。


『くっ、……新、』

アサドの大きなおちんちんを掴んで。ぼくの太股で挟んだ。
早く、して欲しいから。

ぎゅっと抱き締められて。

アサドは腰を動かした。
熱くて大きいのが、ぼくのおちんちんの裏側や袋、お尻を擦ってる。

それが、すごく気持ちいい。
アサドも気持ちいいと、嬉しいな。


男同士でも、ちゃんと愛し合えるんだって。ラース先生が言ってた。

アサドはぼくのお尻を見て。さすがに無理か、って呟いてた。
何を望んでるのか、もうわかってる。

ほんとは、アサドも太ももを擦るだけじゃなくて、ぼくのお尻の穴に入れて、擦りたいんだよね?

でも、こんな大きいの、入らないから。
ぼくがアサドのぜんぶ、受け入れることができるくらい大きくなるまで、待っててね。


早く、大人になりたいな。
そしたら、アサドと愛し合えるから。いっぱい愛して欲しい。


†††


何だか、周りがざわざわしてる。
戦争になりそうだって。


隣国のペトラの発明品、海水を真水に換える工場を狙って。
小さな国々や水を売って利益を得ている仲介者たちが連合軍を作ってペトラに戦争を仕掛けてるんだって。

ゲヘトはペトラの友好国だし。
工場の開発に出資してる関係で、一緒に戦うんじゃないかって話だ。


工場の仕組みを独り占めすれば、莫大な利益を得られるし、水を好きな値段で売れるから。
そんな理由で、戦争をしようだなんて。

どうして、仲良く分け合おうとしないんだろう。
何で、独り占めしようとするんだろう。


アサドはしばらくの間、ここには帰ってこれないから。留守の間は、ラース先生がついていてくれるらしい。

ラース先生は細いのに、すごく強いんだって。
いざというときは護衛になるから安心して欲しいって言ってた。
先生になるために、色々な勉強をしたのは聞いたけど。王様の養い子の先生になるには、格闘術まで身につけないといけないんだ。


ここでの戦いは、主に白兵戦で。
刀や槍、斧などの武器や自分の肉体を使って戦うんだそうだ。

火薬を使っての戦いは、神が禁じている。

それは、”禁忌”と呼ばれていて。
過去に、猟銃や大砲を戦争に持ち出した国が、その罰として、一夜で砂に沈められたとか。


†††


「神様がいるのに。どうして戦争自体を禁止しないのかな?」
ぼくが神様なら、ケンカは駄目だよって言うのに。

『それがヒトの業なのでしょう。ヒトが増えれば、どうしても格差が生じ、欲を持ちます。生き物であれば、争いは必ず生まれるものなのです』


動物にだって、縄張り争いや生存競争がある。
むしろ、動物の方が熾烈だろう。それこそ弱肉強食の世界だから。

争わないと、死んでしまう。

種の保存のために、生き物は争う。
より住み良い場所を。食べ物の豊富な場所を求めて。
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