12 / 91
砂漠の王との結婚
プレ蜜月?
しおりを挟む
他人からは厄病神扱いされて、忌み嫌われて。
不幸だった人生を終えて。
新たにやり直すチャンスを与えられて。
異世界で。
みんなから感謝される人生を送りたいと思ってたのに。
俺、アーディルだけのものにされちゃった……。
こんな”新しい人生”、思ってたのと全然違う。
想定外すぎる。
そりゃ、大金持ちの王様に囲われたら、生涯安泰かもしれないけど。
そういう人生は望んでない。
……そういえば神様、一回だけリセットをしてもいいって言ってたっけ?
いつ、聞きに来てくれるのかはわからないけど。そのチャンスに賭けるしかないか。
リセットできるのは、また死んだ時だけ、とか言わないよな!?
クーリングオフは早めにお願いしたい。
†††
「ああ、スルタン、何ということを……!」
悲痛な叫び声に、目を覚ました。
いつの間にか、気を失うかして寝てしまっていたようだ。
……あれから、何時間経ったんだろう?
気が付いたら、ベッドの上で。
アーディルに、後ろから抱き締められている状態だった。裸のままで。
いくら天蓋付きベッドで、布越しとはいえ。
他人にこんな姿を見られるのが嫌で、思わず上掛けを頭から被りたくなったけど。決して離すものかとばかりに腕ごとしっかりと抱き締められてるから、動けない。
腰から下は上掛けがかかってるから、辛うじてセーフ?
……俺的にはアウトだけどな!
「神聖なるマラークを穢し、地に堕とされるとは……」
「いかなスルタンとはいえ、天罰が下されますぞ……!」
口々に嘆いているのは、魔法使いみたいな恰好の人たちだった。
服は白いけど、フード付きのローブみたいなのを羽織っていて、木の杖を持っている。
騒ぎに駆けつけたらしい集団の中には、オアシスに来てた人もいた。
彼らはすでに諦めきった顔をしてる。
この何様俺様な王様がゴーイングマイウェイなのは毎度のことらしい。
「これが他国にも恩恵を齎すのが役目だと言うので、資格を奪ったまで。かのイスハークまでも富ませるわけにはいかぬ。この手で只人に堕としたからには、責を負わねばなるまい?」
アーディルの手は、俺の頭を撫でている。
これって俺のことか? 物扱いすんなっての。
「来週、式を挙げる。イムラーン、ラシッド、それまでに支度を済ませよ」
「はっ、」
名を呼ばれた二人は最敬礼をした。
「式まで、私は寵姫と蜜月を味わうとしよう。これを二度と天へは還れぬ身にせねばならぬのでな」
「……承知致しました」
やたらと上機嫌なアーディルに、しっしっ、と手を振って追いやられて。
魔法使いみたいな人たちも、不承不承下がって行った。
†††
「……さて。では、そなたをじっくりと味わおうか」
「ひっ!?」
アーディルが身じろぎして、気付いた。
まだ、中にアーディルが入ったままだったことに。
天蓋から下がった薄布越しで下半身は上掛けで隠れてて、他の人には見えなかったとはいえ。こんな状態で臣下と話すとか、大胆過ぎる。
王様には、羞恥心というものが存在しないのだろうか。
まあそういう繊細な感情を持ってたら、最初からこんなことしないか。
繋がったままだったのは、他の人にはバレてなかったことを祈ろう。
わからなかった……よな?
「式までに、この肉鞘に私の剣を納めながらでないと達せぬ身体にしてやろう」
やたらエロい声で囁かれて、ぞくぞくする。
声まで良いとか卑怯すぎ。
……式って。
お披露目式? まさか、結婚式?
本当に、男の嫁を貰う気なのか、この王様は? その上、結婚式まで挙げちゃうの?
愛人じゃなく、正妃だとか言ってたけど。
跡取りとか、どうするんだよ?
いや、そんなこと、俺が心配してやる必要なんかないだろうけど。
†††
「や、……も、動かすなぁ、」
記憶しているだけで、今朝からもう4回ほど中に出された気がするけど。
昨日から合計したら、どれだけ精液で中を濡らされたのかはさすがに記憶にない。
アーディルが腰を少し揺するだけで、くちゅくちゅと恥ずかしい音がする。
「ん、」
溢れ出たのが、太股を伝わる感触に、ぞくっとした。
「やぁ、あん、」
乳首をつままれて、変な声が出てしまう。
女の子じゃないのに。
こんなところで感じるようにされてしまった。
「ああ、愛い。何と愛いのか。もう離さぬぞ。私の可愛い小鳥、ミズキ」
腰を掴まれ、強く打ち付けられる。
「あっ、やっ、ああっ、」
どうしてか、アーディルので中を擦られるの、すごく気持ち良い。
魔法とかで、そういう身体にされちゃったのかな?
「この艶やかな宵闇の髪、泉の如き涼やかな瞳……。あのワーハでそなたをひと目見た時から、心を奪われた。……誰の目にも触れさせぬ。私だけのものだ」
うっとりとしたような囁きと共に、ぎゅっと抱き締められて。
中に、いっぱい注がれているのを感じて。
ぞくぞくしてしまう。
初めて会った時、俺を見て驚いていたのは。
一目惚れしちゃったから、だって?
嘘みたいだ。
ハーレムとかに、俺よりもっと綺麗な人はいるだろうに。
他人から顔は整ってると言われたけど。日本人らしく、掘りは深くない。
あっさりした顔だと思う。
こんな俺の、どこにそんな惹かれたんだろう。
この世界では珍しいらしい黒髪に? 新しく変わった、この不思議な目の色?
ここでは、俺って、それほど魅力的な顔立ちに見えるのだろうか?
この砂漠の世界では何よりも大切なはずの水源……オアシスを作る能力があるのに。
それを失わせてでも。
そこまでして、俺が欲しかったなんて。
信じられないよ。
不幸だった人生を終えて。
新たにやり直すチャンスを与えられて。
異世界で。
みんなから感謝される人生を送りたいと思ってたのに。
俺、アーディルだけのものにされちゃった……。
こんな”新しい人生”、思ってたのと全然違う。
想定外すぎる。
そりゃ、大金持ちの王様に囲われたら、生涯安泰かもしれないけど。
そういう人生は望んでない。
……そういえば神様、一回だけリセットをしてもいいって言ってたっけ?
いつ、聞きに来てくれるのかはわからないけど。そのチャンスに賭けるしかないか。
リセットできるのは、また死んだ時だけ、とか言わないよな!?
クーリングオフは早めにお願いしたい。
†††
「ああ、スルタン、何ということを……!」
悲痛な叫び声に、目を覚ました。
いつの間にか、気を失うかして寝てしまっていたようだ。
……あれから、何時間経ったんだろう?
気が付いたら、ベッドの上で。
アーディルに、後ろから抱き締められている状態だった。裸のままで。
いくら天蓋付きベッドで、布越しとはいえ。
他人にこんな姿を見られるのが嫌で、思わず上掛けを頭から被りたくなったけど。決して離すものかとばかりに腕ごとしっかりと抱き締められてるから、動けない。
腰から下は上掛けがかかってるから、辛うじてセーフ?
……俺的にはアウトだけどな!
「神聖なるマラークを穢し、地に堕とされるとは……」
「いかなスルタンとはいえ、天罰が下されますぞ……!」
口々に嘆いているのは、魔法使いみたいな恰好の人たちだった。
服は白いけど、フード付きのローブみたいなのを羽織っていて、木の杖を持っている。
騒ぎに駆けつけたらしい集団の中には、オアシスに来てた人もいた。
彼らはすでに諦めきった顔をしてる。
この何様俺様な王様がゴーイングマイウェイなのは毎度のことらしい。
「これが他国にも恩恵を齎すのが役目だと言うので、資格を奪ったまで。かのイスハークまでも富ませるわけにはいかぬ。この手で只人に堕としたからには、責を負わねばなるまい?」
アーディルの手は、俺の頭を撫でている。
これって俺のことか? 物扱いすんなっての。
「来週、式を挙げる。イムラーン、ラシッド、それまでに支度を済ませよ」
「はっ、」
名を呼ばれた二人は最敬礼をした。
「式まで、私は寵姫と蜜月を味わうとしよう。これを二度と天へは還れぬ身にせねばならぬのでな」
「……承知致しました」
やたらと上機嫌なアーディルに、しっしっ、と手を振って追いやられて。
魔法使いみたいな人たちも、不承不承下がって行った。
†††
「……さて。では、そなたをじっくりと味わおうか」
「ひっ!?」
アーディルが身じろぎして、気付いた。
まだ、中にアーディルが入ったままだったことに。
天蓋から下がった薄布越しで下半身は上掛けで隠れてて、他の人には見えなかったとはいえ。こんな状態で臣下と話すとか、大胆過ぎる。
王様には、羞恥心というものが存在しないのだろうか。
まあそういう繊細な感情を持ってたら、最初からこんなことしないか。
繋がったままだったのは、他の人にはバレてなかったことを祈ろう。
わからなかった……よな?
「式までに、この肉鞘に私の剣を納めながらでないと達せぬ身体にしてやろう」
やたらエロい声で囁かれて、ぞくぞくする。
声まで良いとか卑怯すぎ。
……式って。
お披露目式? まさか、結婚式?
本当に、男の嫁を貰う気なのか、この王様は? その上、結婚式まで挙げちゃうの?
愛人じゃなく、正妃だとか言ってたけど。
跡取りとか、どうするんだよ?
いや、そんなこと、俺が心配してやる必要なんかないだろうけど。
†††
「や、……も、動かすなぁ、」
記憶しているだけで、今朝からもう4回ほど中に出された気がするけど。
昨日から合計したら、どれだけ精液で中を濡らされたのかはさすがに記憶にない。
アーディルが腰を少し揺するだけで、くちゅくちゅと恥ずかしい音がする。
「ん、」
溢れ出たのが、太股を伝わる感触に、ぞくっとした。
「やぁ、あん、」
乳首をつままれて、変な声が出てしまう。
女の子じゃないのに。
こんなところで感じるようにされてしまった。
「ああ、愛い。何と愛いのか。もう離さぬぞ。私の可愛い小鳥、ミズキ」
腰を掴まれ、強く打ち付けられる。
「あっ、やっ、ああっ、」
どうしてか、アーディルので中を擦られるの、すごく気持ち良い。
魔法とかで、そういう身体にされちゃったのかな?
「この艶やかな宵闇の髪、泉の如き涼やかな瞳……。あのワーハでそなたをひと目見た時から、心を奪われた。……誰の目にも触れさせぬ。私だけのものだ」
うっとりとしたような囁きと共に、ぎゅっと抱き締められて。
中に、いっぱい注がれているのを感じて。
ぞくぞくしてしまう。
初めて会った時、俺を見て驚いていたのは。
一目惚れしちゃったから、だって?
嘘みたいだ。
ハーレムとかに、俺よりもっと綺麗な人はいるだろうに。
他人から顔は整ってると言われたけど。日本人らしく、掘りは深くない。
あっさりした顔だと思う。
こんな俺の、どこにそんな惹かれたんだろう。
この世界では珍しいらしい黒髪に? 新しく変わった、この不思議な目の色?
ここでは、俺って、それほど魅力的な顔立ちに見えるのだろうか?
この砂漠の世界では何よりも大切なはずの水源……オアシスを作る能力があるのに。
それを失わせてでも。
そこまでして、俺が欲しかったなんて。
信じられないよ。
36
お気に入りに追加
1,696
あなたにおすすめの小説
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる