神様の手違いで幸運値ゼロだったお詫びに異世界で救世主に転生するはずだった俺が砂漠の王様に攫われて寵妃にされてしまいました。

篠崎笙

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砂漠の王との結婚

プレ蜜月?

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他人からは厄病神扱いされて、忌み嫌われて。

不幸だった人生を終えて。

新たにやり直すチャンスを与えられて。

異世界で。
みんなから感謝される人生を送りたいと思ってたのに。

俺、アーディルだけのものにされちゃった……。


こんな”新しい人生”、思ってたのと全然違う。
想定外すぎる。

そりゃ、大金持ちの王様に囲われたら、生涯安泰かもしれないけど。
そういう人生は望んでない。


……そういえば神様、一回だけリセットをしてもいいって言ってたっけ?
いつ、聞きに来てくれるのかはわからないけど。そのチャンスに賭けるしかないか。

リセットできるのは、また死んだ時だけ、とか言わないよな!?
クーリングオフは早めにお願いしたい。


†††


「ああ、スルタン、何ということを……!」


悲痛な叫び声に、目を覚ました。
いつの間にか、気を失うかして寝てしまっていたようだ。

……あれから、何時間経ったんだろう?

気が付いたら、ベッドの上で。
アーディルに、後ろから抱き締められている状態だった。裸のままで。

いくら天蓋付きベッドで、布越しとはいえ。
他人にこんな姿を見られるのが嫌で、思わず上掛けを頭から被りたくなったけど。決して離すものかとばかりに腕ごとしっかりと抱き締められてるから、動けない。

腰から下は上掛けがかかってるから、辛うじてセーフ?
……俺的にはアウトだけどな!


「神聖なるマラークをけがし、地に堕とされるとは……」
「いかなスルタンとはいえ、天罰バラーが下されますぞ……!」

口々に嘆いているのは、魔法使いみたいな恰好の人たちだった。
服は白いけど、フード付きのローブみたいなのを羽織っていて、木の杖を持っている。

騒ぎに駆けつけたらしい集団の中には、オアシスに来てた人もいた。
彼らはすでに諦めきった顔をしてる。

この何様俺様な王様がゴーイングマイウェイなのは毎度のことらしい。


が他国にも恩恵をもたらすのが役目だと言うので、資格を奪ったまで。かのイスハークまでも富ませるわけにはいかぬ。この手で只人に堕としたからには、責を負わねばなるまい?」
アーディルの手は、俺の頭を撫でている。

って俺のことか? 物扱いすんなっての。


「来週、式を挙げる。イムラーン、ラシッド、それまでに支度を済ませよ」
「はっ、」
名を呼ばれた二人は最敬礼をした。

「式まで、私は寵姫と蜜月を味わうとしよう。を二度と天へは還れぬ身にせねばならぬのでな」
「……承知致しました」

やたらと上機嫌なアーディルに、しっしっ、と手を振って追いやられて。
魔法使いみたいな人たちも、不承不承下がって行った。


†††


「……さて。では、そなたをじっくりと味わおうか」
「ひっ!?」

アーディルが身じろぎして、気付いた。
まだ、にアーディルが入ったままだったことに。

天蓋から下がった薄布越しで下半身は上掛けで隠れてて、他の人には見えなかったとはいえ。こんな状態で臣下と話すとか、大胆過ぎる。
王様には、羞恥心というものが存在しないのだろうか。

まあそういう繊細な感情を持ってたら、最初からこんなことしないか。

繋がったままだったのは、他の人にはバレてなかったことを祈ろう。
わからなかった……よな?

「式までに、この肉鞘に私の剣を納めながらでないと達せぬ身体にしてやろう」

やたらエロい声で囁かれて、ぞくぞくする。
声まで良いとか卑怯すぎ。


……式って。
お披露目式? まさか、結婚式?

本当に、男の嫁を貰う気なのか、この王様は? その上、結婚式まで挙げちゃうの?

愛人じゃなく、正妃だとか言ってたけど。
跡取りとか、どうするんだよ?

いや、そんなこと、俺が心配してやる必要なんかないだろうけど。


†††


「や、……も、動かすなぁ、」

記憶しているだけで、今朝からもう4回ほど中に出された気がするけど。
昨日から合計したら、どれだけ精液で中を濡らされたのかはさすがに記憶にない。

アーディルが腰を少し揺するだけで、くちゅくちゅと恥ずかしい音がする。

「ん、」
溢れ出たのが、太股を伝わる感触に、ぞくっとした。

「やぁ、あん、」
乳首をつままれて、変な声が出てしまう。

女の子じゃないのに。
こんなところで感じるようにされてしまった。

「ああ、い。何と愛いのか。もう離さぬぞ。私の可愛い小鳥、ミズキ」
腰を掴まれ、強く打ち付けられる。

「あっ、やっ、ああっ、」

どうしてか、アーディルので中を擦られるの、すごく気持ち良い。
魔法とかで、そういう身体にされちゃったのかな?

「この艶やかな宵闇の髪、泉の如き涼やかな瞳……。あのワーハでそなたをひと目見た時から、心を奪われた。……誰の目にも触れさせぬ。私だけのものだ」
うっとりとしたような囁きと共に、ぎゅっと抱き締められて。

中に、いっぱい注がれているのを感じて。
ぞくぞくしてしまう。


初めて会った時、俺を見て驚いていたのは。
一目惚れしちゃったから、だって?

嘘みたいだ。
ハーレムとかに、俺よりもっと綺麗な人はいるだろうに。

他人から顔は整ってると言われたけど。日本人らしく、掘りは深くない。
あっさりした顔だと思う。

こんな俺の、どこにそんな惹かれたんだろう。
この世界では珍しいらしい黒髪に? 新しく変わった、この不思議な目の色?

ここでは、俺って、それほど魅力的な顔立ちに見えるのだろうか?


この砂漠の世界では何よりも大切なはずの水源……オアシスを作る能力があるのに。
それを失わせてでも。

そこまでして、が欲しかったなんて。
信じられないよ。
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