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近衛騎士、勇者になる
愛撫
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香油を纏った指を、双丘の狭間に差し入れ。
固く閉じた蕾を割り開き。
中指で、そのやわらかくあたたかな腸を探る。
「ひっ!?」
花嫁の身体が、びくりと震えた。
「……痛みますか?」
私の問いに。
花嫁は気丈にも首を横に振ってみせた。
性に関する知識はあろうと、身体は無垢である。
同じ性である男の性器を受け入れるのは、未知の恐怖と覚悟が必要だろう。
それを耐えて、私を受け入れようとしてくれている。
優しくし、気持ち良い思いだけをして戴きたい。
私自身の快楽など擲ってもいい。
*****
「確か、この辺りに……」
指を動かし、慎重に中を探る。
蜜袋の、裏側だったか。
「うわ、」
あからさまに反応が違った。
ここか。
「男の身体には”快楽の泉”と呼ばれる場所があると書物で見ましたが。真実だったようですね」
子種を作るための睾丸から陰茎を通って射精するが。
その間に、快楽を感じる場所があるという。
中からそこを刺激してやれば、射精と同様の快楽を得ると記されていた。
他で試す訳にもいかず。
自分で研究しようとも考えなかったので、実践は初めてだが。
書かれていたことは真実だったようだ。
「……ん、はぁ、あっ、」
そこを撫でるように刺激する度に、悩ましくも甘い声が上がる。
ぬちゅ、ぬちゅ、と。
淫らな音を立てながら指を出し入れする。
びくびくと震え、私の愛撫に感じている姿。
たまらなく色っぽい。
指などでなく、己の分身を捩じ込んでしまいたい衝動を堪え。
香油を足しつつ。
痛みを与えないよう、少しづつじっくりと慣らしていった。
*****
「イイ……っ、それ、キモチイイ……」
焦点の合わぬ瞳で。
快楽に溺れているからだろうか。
花嫁は、不思議な響きの言葉で鳴いている。
思考は異世界語である故、お国言葉が出てしまうのだろう。
それは、私に気を許しているしるしでもあって、嬉しくなる。
いつかは私も同じ言葉で会話をしてみたいと思っている。
「ん、……あぁ、スゴイ、キモチイイ……、」
たっぷりと香油を使ったので、抜き差しする度にぐちゅぐちゅと音がする。
中を慣らす指は、二本から三本に増えている。
そろそろ、頃合いだろうか?
指に感じる抵抗も減ってきた。
性指南の書物には、三本楽に抜き差しできるようになれば挿入可能である、とのことだが。
その調査には、何人の被検体を使ったのだろうか。実地調査だろうか。
相手が初めてであるとか慣れているとか。性器の大小も考察しているのだろうか。
……などとどうでもいい余所事を考えていなければ、今すぐにでも襲い掛かって、思うさま犯してしまいそうだ。
その声も姿も煽情的過ぎる。
花嫁は、自ら膝裏を支え、脚を開いて私に秘部をさらしているのだ。
その姿勢の方が慣らすのに楽だと書物にあったと嘯いて、させたのだが。
ただその姿を見たかった、という理由もあった。
しかし、それはある意味逆効果であった。
どうにも刺激的過ぎて、興奮を煽ってしまうのだ。
限界まで張りつめた性器は痛いほどである。
*****
「ア、アルベルト。お前も一回、出しておいた方が、良くないか?」
花嫁は私の股間を見て、心配そうな声を出した。
また、太股を貸して下さる様子である。
そのお気持ちは、大変嬉しいのだが。
「……貴方の中で、出したいのですが」
ここまで我慢したのは。
花嫁の体内に精をたっぷり注ぎ込みたいからである。
私の匂いをつけ、私のものだという証を全身に刻み込みたいという、身勝手な願いだ。
しかし。
そんな勝手な夫に対し、寛大なる私の花嫁は。
「もう、慣らすのはいい」
と首を横に振り。
自ら膝裏を抱えていた手を、私の方へ伸ばし。
「来い、アルベルト」
国王らしく。
凛とした、威厳を感じさせる態度で命じられたのだった。
そう、私の可愛い最愛の花嫁は、国王陛下でもあらせられるのだから。
もちろん、陛下の仰せのままに。
*****
「あぅ、」
挿入可能なまでに拡げていた指を、蕾から引き抜き。
今からこれが貴方の中に入るのだと見せつけるように、己の勃起した性器全体に香油を塗り付ける。
花嫁は油にまみれた私の陰茎を、まじまじと見入っている。
その視線には嫌悪など、負の感情は見られない。
ただ、形も大きさも違うのが珍しいご様子だ。
花嫁の性器はほっそりとしてくびれも少なく、愛らしい。
口の中にすっぽり入る。
花茎、という表現がぴったり合うが。
私の性器は、我ながら凶器のようだと思う。
先端は大きくえらが張り、陰茎は太く、血管が浮き出ている。
このような悍ましいものを受け入れる覚悟など難しいだろう。
だが、男に二言は無い、と仰った。
私の花嫁は実に男らしい。
しかし。
じっくり慣らしたものの、傷つけてしまわないか心配になる。
「後ろからの方が楽だと聞きますが……、」
それはいくつかの書物にあったので、真実なのだろう。
だが、花嫁といえど、国王陛下を獣の交尾のような体位で抱くのは気が咎める。
今更だが。
かといって、騎乗の体位など初心者には向かない。
受け入れる側がまだ性行為に慣れていない場合、つらいと聞く。
「いい。このままで」
「わかりました」
少しでも受け入れやすい体勢になるよう、花嫁の腰の下に枕を入れた。
そして花嫁を見下ろすような形で乗り上げ。
足を抱え上げる。
まだ少々不安そうに見上げる花嫁の唇に、触れるだけの口づけを落とし。
「では、貴方を私のものにします。……愛しています、クリス。私の可愛い花嫁」
心からの愛を告げて。
愛撫でほころびかけた蕾に、期待と欲望にぬめる性器の先端をあてがった。
固く閉じた蕾を割り開き。
中指で、そのやわらかくあたたかな腸を探る。
「ひっ!?」
花嫁の身体が、びくりと震えた。
「……痛みますか?」
私の問いに。
花嫁は気丈にも首を横に振ってみせた。
性に関する知識はあろうと、身体は無垢である。
同じ性である男の性器を受け入れるのは、未知の恐怖と覚悟が必要だろう。
それを耐えて、私を受け入れようとしてくれている。
優しくし、気持ち良い思いだけをして戴きたい。
私自身の快楽など擲ってもいい。
*****
「確か、この辺りに……」
指を動かし、慎重に中を探る。
蜜袋の、裏側だったか。
「うわ、」
あからさまに反応が違った。
ここか。
「男の身体には”快楽の泉”と呼ばれる場所があると書物で見ましたが。真実だったようですね」
子種を作るための睾丸から陰茎を通って射精するが。
その間に、快楽を感じる場所があるという。
中からそこを刺激してやれば、射精と同様の快楽を得ると記されていた。
他で試す訳にもいかず。
自分で研究しようとも考えなかったので、実践は初めてだが。
書かれていたことは真実だったようだ。
「……ん、はぁ、あっ、」
そこを撫でるように刺激する度に、悩ましくも甘い声が上がる。
ぬちゅ、ぬちゅ、と。
淫らな音を立てながら指を出し入れする。
びくびくと震え、私の愛撫に感じている姿。
たまらなく色っぽい。
指などでなく、己の分身を捩じ込んでしまいたい衝動を堪え。
香油を足しつつ。
痛みを与えないよう、少しづつじっくりと慣らしていった。
*****
「イイ……っ、それ、キモチイイ……」
焦点の合わぬ瞳で。
快楽に溺れているからだろうか。
花嫁は、不思議な響きの言葉で鳴いている。
思考は異世界語である故、お国言葉が出てしまうのだろう。
それは、私に気を許しているしるしでもあって、嬉しくなる。
いつかは私も同じ言葉で会話をしてみたいと思っている。
「ん、……あぁ、スゴイ、キモチイイ……、」
たっぷりと香油を使ったので、抜き差しする度にぐちゅぐちゅと音がする。
中を慣らす指は、二本から三本に増えている。
そろそろ、頃合いだろうか?
指に感じる抵抗も減ってきた。
性指南の書物には、三本楽に抜き差しできるようになれば挿入可能である、とのことだが。
その調査には、何人の被検体を使ったのだろうか。実地調査だろうか。
相手が初めてであるとか慣れているとか。性器の大小も考察しているのだろうか。
……などとどうでもいい余所事を考えていなければ、今すぐにでも襲い掛かって、思うさま犯してしまいそうだ。
その声も姿も煽情的過ぎる。
花嫁は、自ら膝裏を支え、脚を開いて私に秘部をさらしているのだ。
その姿勢の方が慣らすのに楽だと書物にあったと嘯いて、させたのだが。
ただその姿を見たかった、という理由もあった。
しかし、それはある意味逆効果であった。
どうにも刺激的過ぎて、興奮を煽ってしまうのだ。
限界まで張りつめた性器は痛いほどである。
*****
「ア、アルベルト。お前も一回、出しておいた方が、良くないか?」
花嫁は私の股間を見て、心配そうな声を出した。
また、太股を貸して下さる様子である。
そのお気持ちは、大変嬉しいのだが。
「……貴方の中で、出したいのですが」
ここまで我慢したのは。
花嫁の体内に精をたっぷり注ぎ込みたいからである。
私の匂いをつけ、私のものだという証を全身に刻み込みたいという、身勝手な願いだ。
しかし。
そんな勝手な夫に対し、寛大なる私の花嫁は。
「もう、慣らすのはいい」
と首を横に振り。
自ら膝裏を抱えていた手を、私の方へ伸ばし。
「来い、アルベルト」
国王らしく。
凛とした、威厳を感じさせる態度で命じられたのだった。
そう、私の可愛い最愛の花嫁は、国王陛下でもあらせられるのだから。
もちろん、陛下の仰せのままに。
*****
「あぅ、」
挿入可能なまでに拡げていた指を、蕾から引き抜き。
今からこれが貴方の中に入るのだと見せつけるように、己の勃起した性器全体に香油を塗り付ける。
花嫁は油にまみれた私の陰茎を、まじまじと見入っている。
その視線には嫌悪など、負の感情は見られない。
ただ、形も大きさも違うのが珍しいご様子だ。
花嫁の性器はほっそりとしてくびれも少なく、愛らしい。
口の中にすっぽり入る。
花茎、という表現がぴったり合うが。
私の性器は、我ながら凶器のようだと思う。
先端は大きくえらが張り、陰茎は太く、血管が浮き出ている。
このような悍ましいものを受け入れる覚悟など難しいだろう。
だが、男に二言は無い、と仰った。
私の花嫁は実に男らしい。
しかし。
じっくり慣らしたものの、傷つけてしまわないか心配になる。
「後ろからの方が楽だと聞きますが……、」
それはいくつかの書物にあったので、真実なのだろう。
だが、花嫁といえど、国王陛下を獣の交尾のような体位で抱くのは気が咎める。
今更だが。
かといって、騎乗の体位など初心者には向かない。
受け入れる側がまだ性行為に慣れていない場合、つらいと聞く。
「いい。このままで」
「わかりました」
少しでも受け入れやすい体勢になるよう、花嫁の腰の下に枕を入れた。
そして花嫁を見下ろすような形で乗り上げ。
足を抱え上げる。
まだ少々不安そうに見上げる花嫁の唇に、触れるだけの口づけを落とし。
「では、貴方を私のものにします。……愛しています、クリス。私の可愛い花嫁」
心からの愛を告げて。
愛撫でほころびかけた蕾に、期待と欲望にぬめる性器の先端をあてがった。
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