限界オタクだった俺が異世界に転生して王様になったら、何故か聖剣を抜いて勇者にクラスチェンジした元近衛騎士に娶られました。

篠崎笙

文字の大きさ
上 下
18 / 61
華麗なる少年王の半生

美貌の勇者の特殊な遊戯

しおりを挟む
アルベルトは、俺が寝入った頃に寝室に来ては、俺のモノにしゃぶりついて毎晩”ご奉仕”していたという。


嘘だろ。
後始末はきっちりされていたからか、全然気づかなかった……。

毎晩搾り取られてスッキリしたんじゃ、そりゃ性欲もわいて来なくて当然……か?


ああ。
だからアルベルトがしばらく旅に出ていた間、物足りなくて、夢精しちゃったんだな。

でも、まさか忠実な近衛騎士にそんなことをされてたなんて考えもしなかった。

だって、そんな素振り少しも見せなかったし。
……見せなかったよな?


*****


ああ、そうか。
父上が房中指南役を向かわせなかったのは。

毎晩忍んで来ていたアルベルトと鉢合わせをする可能性もあったからか。
そりゃ大惨事だ。


普通、貴族は14歳になれば指南役が寄越されるものだが。
アルベルトは、先王が俺に結婚までは清い身体でいるよう指示したのを聞いて、ほっとしたらしい。

もし女を寄越されたら、俺に触れる前に無礼を働いたことにして、斬り捨てて処分するつもりだったとか。
予想通りじゃん。

……コワー。


アルベルトは俺の頬を撫でながら、静かに言った。
に気付かれて、戻った時には貴方から軽蔑されていることも覚悟していたのですが。……陛下は、私の身を純粋に心配してくださった」

いや、そんなの全然気づいてなかったし。
馴染みの人間があんな大怪我をしてたら、誰だって心配するに決まってるだろ。

たとえ、毎晩そんなことをされてたと知っていても、だ。
いや、知ってたら余計かも。
自分のためにあんな大怪我をしたなんて。心苦しい。


「皆、私の顔にしか興味がないというのに。陛下は顔に傷を負った私に微笑んでくださった」
アルベルトは苦笑を浮かべ、指で自分の顔に残った傷痕をなぞった。

傷があってもアルベルトの美しさは損なわれないと思うが。
皆は違うのか?

アルベルトの傷が気持ち悪い、だなんて思わなかった。


何でそんな酷い傷を負ってまで、必死になって戦うのか。
誰も反対しないだろう、リーゼロッテとの結婚がそこまでして叶えたい望みだったのか、疑問に思ったくらいで。

まさか、国王であるを花嫁にすることが目的だとは、思いもしなかったけどな!


皆がアルベルトの顔にしか興味ないとか、そんなことはないだろうと思ったが。
人垣は出来てたけど。誰も、手当てに飛び出す者はいなかったっけ。

アルベルトは、あんなに酷い怪我を負っていたのに。
俺の神聖魔法ほどじゃなくとも、回復魔法くらいなら使える者は多いはずなのに。


*****


アルベルトが、自分が誰よりも早く聖剣を抜いて勇者にならなければと思ったのは。

ご褒美に俺ができる、何でも願いを叶えると聞いて。
もし、不埒なヤカラが俺の身体を好きにしたいなどと願われたら、と不安になったからだという。

そんな不埒なお願いを一国の王に向かって直接言えるの、お前くらいだよ!


「勇者になれたのはいいのですが。救世の勇者になると、もう近衛騎士には戻れないのかと思い、私が望むのは勇者の座など捨て、陛下の近衛騎士に戻ることにしよう、と考えていました。……しかし、私は浅ましくも欲を抱いてしまった。触れるだけではなく、貴方をこの腕に抱きたい、奥まで貫き、欲望を注ぎ込みたいと」

アルベルトは、素っ裸同然にまで剥いた俺の身体を。
なぞるように触れて。

片足を、抱え上げられた。


「うう~!?」
足の間に、アッシュブロンドの頭が沈んでいくのを、信じられない気持ちで見た。

「う、ぐぅ……っ、」
あたたかいものに包まれる感触。

アルベルトは躊躇なく、俺のものにしゃぶりついたのだ。


男の口だとわかっているのに。
さしたる嫌悪感もなく、呆気なくイかされてしまった。


いや違う、これは男の生理なんです!
男なら誰だって、あんなことされたらそうなるって!


睾丸ごと、あたたかい口内に含まれて。舌先で裏筋をゴリゴリされて。
竿に絡む舌も、気持ち良くて。
美味しそうにチュパチュパ吸われちゃって。
精道に残ってたのも全部、精子の一つたりとも残さずに吸い取られてしまった感じだ。


バキュームフェラって、きっとああいうことを言うんだ。
ファンタジー用語じゃなかったんだ……。

あんな凄いの知ったら、自家発電じゃイけなくなっちゃうだろ!

うう、物凄く気持ち良かった……! そのまま天国にイってしまいそうだった。
ていうか何度もイった。

お前、何でこんなに上手いんだよ!?
俺の扱いに慣れているからか? 4年も、こんなことしてたっていうし。


*****


「美味でした」
アルベルトは俺が出したのを飲み込んで、満足そうに微笑んだ。


何でそんな、嬉しそうな顔をするんだ。
意味がわからん。

精液が美味しいなんてことある訳ないだろ。
リップサービスか、ファンタジー世界じゃあるまいし。

あ、ここ、ファンタジー世界だった。
なら、アリなのか?


「一度だけ、お床に出されたとの報告はありましたが……」

げっ。
何故それを、という視線を向けたら、苦笑して。

「使用人からも聞いております。ヴァルターに見張りを命じていたので、大事ないとは思いましたが。私の居ない間、誰も貴方には触れなかったようですね?」


おいおい、でわかる、とか言うなよ?
濃さでわかったとか? ソムリエかよ!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている

香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。 異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。 途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。 「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...