限界オタクだった俺が異世界に転生して王様になったら、何故か聖剣を抜いて勇者にクラスチェンジした元近衛騎士に娶られました。

篠崎笙

文字の大きさ

大中小

17 / 61

華麗なる少年王の半生

美貌の勇者の異常な愛情

しおりを挟む

アルベルトにお姫様抱っこされたまま、俺の寝室まで運ばれた。

護衛の兵に、しばらく誰も近づかないように、と言って。
俺を抱えていて両手が塞がっているので、アルベルトは魔法で扉を開けた。

わあ、自動ドアみたいだー。
じゃねえ。

まさか、結婚前にす・る・つもりじゃないだろうな！？

俺にえっちな真似をする気！？
エロ同人みたいに！

えっちいのは駄目です！　全部脳内妄想だけで済ませてください！

＊*＊*＊

「うく、」
扉が閉まったのと同時に、またチューされてしまう。

舌が入る、ディープなやつ。

うう。
男にベロチューされるのは、もう何度目だろうか。

何故だ。男にベロチューされて。
唾液も呑み込んじゃってるっていうのに。

全然、気持ち悪くならないなんて……！

驚いたくらいで。
吐くほど気持ち悪いとは思わなかった。

これがイケメン無罪という奴か。
顔面偏差値の高さで、受ける嫌悪感は変わるのだろうか。勇者がこわいので、他を試したいとは思わないが。いのちだいじに。

口の中に舌を突っ込まれても、舌に噛みついてやろうとか思わない。
だって痛いの嫌だし。他人が痛い目に遭ってるのを見るのも嫌だ。

リョナは二次元だけに限るのでござる。

「…うう。…は、」
やっと口を解放されて。

息を吸い込もうとしたら。

「うぐ、……！？」
開いた口に、拘束具っぽい革のベルトがついた、丸いボール状のものを押し込まれ、装着された。

これって。
もしや、ボールギャグってやつか？

小さな空気穴の開いた、ボール状の口枷。
ＳＭ道具の。

こっちの世界にも、こういう小道具が存在するのか？
人類皆、考えることは同じなのか。

ははは、こやつめ。
エロ道具は万国共通だな！

でも、美少年に鼻フックだけはやめてくだち！

＊*＊*＊

ベッドに寝かされて。
両腕もバンザイ状態にされて、革のベルトで拘束されてしまった。

何でこんなものを着けるんだ、と。
アルベルトを見上げたら。

アルベルトは今にも泣きだしそうな、何だか悲しそうな顔をして俺を見ていた。
いや、今にも犯されそうな状況で両腕を拘束されて。

口にはこんな物まで咬まされて。
泣きたいのは俺の方だからな？　泣かないけど。

口を塞がれたから、魔法は使えないが。
護身用の指輪をつけている。

父上から譲り受けたものなので、アルベルトはこの指輪を、形見だとしか知らないだろうが。
いざという時には攻撃したり、瞬間移動して逃げる事が可能だ。

実際に形見だし。滅茶苦茶貴重品な上、一回使えば壊れるので、いわば最後の手段だ。なるべく使いたくない。

アルベルトが、何でこんなことをするのか、理由が知りたい。
ギリギリまで、見極めたいんだ。

深窓の姫君じゃあるまいし、チューされたくらいで世を儚んだりはしないしな。

＊*＊*＊

しゅる、と上着の紐を外されて。
ブラウスをはだけられ、薄い胸板が晒される。

いやあ、我ながらミルク色の肌に薄ピンク色で可愛らしい乳首だなあ。ちっぱいの女の子みたいだ。

「……10日以上もお一人でお床とこにつかれて。大丈夫でしたか？　ご自分で処・理・なさったのですか？」

え？
処理って。何の話だ？

男に突かれる……じゃなかった。今はその誤変換、シャレにならん。

ベッドで一人で寝るのは、子供の頃からずっとだぞ？　今更だ。
首を傾げていると。

股間をまさぐられた。
ひええ。
どこ触ってるんだ。

いや、ちんこっすね。わかってます。

あっ。
処理って、コッチの処・理・のことか。性欲処理。

自分がいない間、俺がシコってたかって聞いたのか。
ヤダー、アルベルトさんのエッチ！

そんな性欲とか超越したような綺麗な顔でそんな卑猥なことを言うキャラだったっけ？
いや直接は言ってなかったわ。セフセフ。

されてることは少しもセーフじゃないけど。

＊*＊*＊

アルベルトは憂い顔だ。
「そのご様子では、まだお気づきになってはおられなかったのですか？　今まで私が陛下に対して行ってきた罪・に……」

……罪？

今現在している監禁拘束など、相手の望まない行為は犯罪だ。当たり前だろ。
ただちにやめるように。

っていうか。
俺はちゃんと望み通りアルベルトとの結婚に合意したのに。

何で口にギャグかませて、腕を拘束までするんだよ！？
ＳＭ趣味はお互い合意のもとでしないと、ただの犯罪だからな！？

「陛下が、初めて床に子種を散らされたのは。忘れもしない４年前、７の月のことでした」
アルベルトは俺の衣服を手際よく脱がしながら言った。

腕を拘束されてるから、シャツは脱げないが。

……子種を散らすって。
つまり精子……射精することだよな？

４年前ってことは。
この前のが初めてじゃなくて、12歳でとっくに精通してたってことか？

じゃあ、何で今までシーツを汚したりしなかったんだ？

「当時は殿下ですね。殿下が大・人・に・な・ら・れ・た・ことを他の者に知られたら、指南役を送られると思い、誰にも知られぬよう始末しました」

アルベルトは、俺が夢精していたのに気付いて。
汚れた下肢を綺麗に拭って、シーツを交換し、寝間着を着替えさせてくれたようだ。

それはありがとうだが。
ナニしてくれてんの。言えよ！

「それから毎夜、私が寝室へ通い殿下のお・大・事・をお慰めして、その精を頂戴しておりました」

……何だって？

しおりを挟む