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三章 一陽来復

尊尚親愛

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「見守る愛ってのも、あるんだよ」
崔公苦笑を浮かべ。

「じゃ、お邪魔みたいなんで、オレも仕事に戻るわ。アディオス!」

人差し指と中指を立てた手を振り、出口へと向かった。
意外に空気の読める男である。見直した。


「アディオス、アミーゴ」

陛下がそう言うと。
崔公は、嬉しそうに笑った。


「ほんともー、陛下愛してる!」


*****


黄央殿へ行き。
気になっていたことを問う。

「最後の、崔公は何と言ったのですか?」

「アディオス?」
「ええ。外国の言語ですよね?」

陛下は愛らしく小首を傾げた。
「アディオスはじゃあまたね、くらいの軽い別れの言葉で、アミーゴは友達だけど」

別れの言葉?
友人への。随分と親しそうであったが。

「友達? 何故それで、愛してる、に?」
知らず、眉間に皺が寄るのがわかる。


「伯裕はマイナー……ええと、あまり知られてない言葉を話すけど、俺には通じるから嬉しいんだって。ほら俺、天才だから物知りだし?」

「確かに。皇帝の儀式もほぼ記憶されてますし、驚嘆すべき記憶力です」

成程。
諳んじた詩が、百人に一人くらいしか知らないものだったが、偶然知っている人に会えば仲間意識が芽生えるような、そのような感じか。


「しかし、恋人が他の男と自分に通じない言語で話すのは、妬けます。狭量なものですから」
正直に自分の心を吐露すると。

陛下は、嬉しそうに笑った。


*****


「……身体、きつかった?」
囁くと。
頬を染め、びくりと身体を震わせた。

「ん、でも、信季が治してくれたから大丈夫」

「ここも?」
小さな尻を、撫でて問うと。

真っ赤になりながら、こくこくと頷いている。

あれほど愛した証が、消えてしまったのか。
それは、少々残念であるが。


「では、もう一度、誰のものか、教えないといけませんね?」
囁いて。

寝台へ、導いた。


「ん、」
甘い唇を味わって。

一糸纏わぬ姿にする。
今は皇帝ではなく、可愛い私の恋人だ。


「耀、”亮”って呼び方、変えて欲しいんだけど……何か、愛称とかない?」

前の陛下のいみなは亮。こちらの陛下も、亮である。
別人であると認識しているとはいえ、同じ名で呼ばれるのは複雑な気持ちになるようだ。

「愛称……亮亮とか、小亮シャオリョウとか阿亮ですかね? しかし、失礼では」
古来は女性に、今は小さな子供を呼ぶのにも使われるものだ。

「いい、気にしない。呼びやすいやつで呼んでくれればいいよ」


私が、貴方一人だけを呼ぶ、特別な呼び方が欲しいのか。
その気持ちが嬉しい。


*****


「では……、私の可愛い小亮。貴方を、愛しています」

想いを告げると。
とても幸せそうに微笑むのを見て。

私も、満たされた気持ちになる。


今回は、初めから感じて頂きたい。
香油をたっぷり使い、小亮の性器を擦りながら、慎ましく閉ざされてしまった蕾を慣らしてゆく。

「あ、……ん、耀、イきたい、」
私にしがみつきながら、腰を揺らしている。

「先に達したら、辛くなるので。もう少し我慢して?」

根元を締め付けるように掴み。
後ろを弄る指を増やして。三本受け入れて、抜き差しに問題なくなれば、頃合である。

可愛い恋人の脚を抱え上げ、確認する。
「小亮、……私を、受け入れてくれますね?」

小亮は両手を広げ。私を招いた。
「ああ、耀。……いいから、お前の全部、受け止めてやるから。……来い!」


たまらず、その身体を抱き締め。

「んんっ、」
奥まで、貫いた。


こんな、どうしようもない私を。
全て受け止めて。受け入れてくれた。

かけがえのないひと。
愛という言葉では足りないくらい、愛している。



*****


「……あまりの包容力に、亮先生、と呼びたくなりました」

「俺はまだ、二十歳になったばっかだぞ。28歳のオッサンに先生呼ばれるトシじゃな……ああっ、」
突き上げて、揺さぶって。愛らしい声を上げさせる。


「そうですね。可愛い小亮は、まだまだ初心者でした」

腰を穿つように動かすと。
ぐぷっ、ぐぷっ、と音がする。

たっぷり香油を使い慣らしたので、痛みはないはずだ。
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