上 下
67 / 84
三章 一陽来復

誨淫導欲

しおりを挟む
「……という訳で、宗元の私室で持ち出し禁止のデータを見せてもらってただけで、宗元とは何もないよ」

何ともない、と?


「もう、皇帝兼探偵と名乗るべきでは?」
李公は感心している。

回復が必要なほど疲れてない、と言う陛下に姜蜂蜜牛奶ジンジャーハニーミルクを淹れ、茶請けに馬拉糕マーラーカオを出していた。

「お疲れのようでしたら甘いものが良いでしょう」
「やった、俺、これ好きなんだよ」

「それはよかった。あ、広陵丞相もよかったらどうぞ」
「いや、私は結構。私の分は、陛下に差し上げてください」

「わーい、やったー」
子供のようにはしゃいでみせている。


李公は、気付かないのか?
気付いていて、そ知らぬふりをしているだけなのか。

陛下の首のに。


*****


安全が確認された黄央殿に戻ったが。

宦官に、二人も国家反逆の大罪人を出したため、宦官の再選考をするので。
本日いっぱいは私が世話係を続行することをお伝えした。


陛下の冠を外し、紳と大帯を解いて。
「……陛下、武公に何もされなかった、というのは。偽りですね?」

陛下はびくりと肩を震わせた。
嘘の吐けないお方だ。

「え、いや、別に大したことは……」

視線が泳いでいる。
何故、こちらを見ないのか。のせいなのか。


「ひゃ、」
「ここ、痕がついてますよ」

うなじに付けられた痕。その場所を、指で示す。

「ここにも、」
もう一つ、首にも。

「着付けた服が、乱れてますね。……どこまでされました?」

私が着付けて差し上げたのだ。
それに気付かぬはずがないだろう。


「いや、だから、首に吸いつかれたくらいで、他には何も……」

何もないのなら。何故、私の目を見て話せないのか。
疚しいことがあるからではないのか?

李公に回復を頼まれなかったのだ。
ならばまだ、痕跡は他にも残っているだろう。

正直に仰らないのなら。強引にでも、検めさせていただこう。


*****


「うわ、」
寝台に、うつ伏せた格好で押し倒した。

「な、何、」

下裳を捲り上げ、下帯を毟り取る。
「ぎゃあ、何するんだエッチ!」


ここには、痕を付けられていないようだ。
白い尻を左右に開くようにぐい、と拡げ。腫れはないか、観察する。

「やだ、やめろって、耀!」

耳まで、赤く染まっている。
恥ずかしいのだろうか。愛する人に散らされた場所を、他人に確認されるのが?

それとも。


「綺麗なものですね。……桜色の、蕾のようで」

腫れてはいない。
乱暴には散らされていないようだ。慎ましやかな襞に触れて。

「濡れてはいないけど、拭ったのかもしれない」

中を、確かめなければ。
この身体を良く知った私になら、がわかる。


懐に入れていたままの香油を取り出し。
既に怒張している己の魔羅と、可愛らしい蕾に、たっぷりと蜜を与える。


細腰を掴み、尻たぶを開かせ。

「ひっ、」

一気に、貫いた。


*****


まだ男を知らぬ身体だというのは、挿入してすぐにわかった。
狭すぎて、半ばまでしか入れられなかったのだ。

きつく、痛いほどに締めつけてくる。

これでは、交接で愉しまれることは無理だろう。
力の抜き方を教えて差し上げなければ。


「い、痛い、……耀、やめ、」
「そんな、ぎゅうぎゅうと力任せに締め付けないで。いきむようにして、受け入れなさい」

無理、と。頑是無い子供のように、首をふるふると振っている。

「あう、」
うなじに噛み付いて。

愛らしい性器を握り、擦ってやる。


どこが悦いかは、知り尽くしている。
ずっとをしてきたのだ。貴方を絶頂へ導けるのは、私しかいない。

そうでしょう? 亮。


「ひっ、……いや、あ、」
力が抜ける度に、奥へと腰を進ませてゆく。

耳朶を舐め、耳の穴を舐る。
……ここが弱いのは、わかっている。

ほら。緩んできた。


「いっ、……ああっ、やだぁ、深い、こわい、」
怯えてこちらを振り向く目から零れる涙を、唇で吸い取る。

ああ、何故だろう。こんなにも、甘いのは。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。 地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!? 異世界国家サバイバル、ここに爆誕!

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

迷子の僕の異世界生活

クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。 通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。 その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。 冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。 神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。 2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

処理中です...