高校受験失敗してから引きこもりニートな俺が中華風異世界で皇帝にされて、部下からモテモテ逆ハーレム状態なんですが。

二章 図南鵬翼

百尺竿頭に一歩を進む

『広陵丞相、毎晩そんなに励んでるのか……回復してあげてないよね？』

『するわけないじゃないですか』
伯裕に聞かれて、信季は口を尖らせた。


伯裕は椅子をこっちに持ってきて、興味津々の様子だ。
『具体的に、何回？　どんなもん？』

……聞くのか、それを。


信季も、興味津々な様子で寄って来た。
まあいいか。


＊*＊*＊


声を潜めて、話してやる。
「俺は記憶にないから、耀だけでいい？　まず後ろから一回、前から抜かずに三回、対面座位で一回、もう一度後ろで一回、それから背面座位で一回、その辺りで記憶があやふやに……」

身体に覚えさせる、といって。
だいたい毎回パターンが決まっている。


『えぐい……丞相えぐいわ……』
『えええ、そ、それを毎日……？　それはつらい……』
二人は顔を覆った。

「うん。マジつらい……」


信季は、顔を上げて。俺の背後を見上げた。
『そういうことで。今後は回数、自重してくださいね。主治医からの注意』

『……申し訳ない……』


あ、耀、居たんだ。
耳まで真っ赤になっている。

用事があるって、都の方に行ってたのに。いつの間に戻ってきたんだろ。


＊*＊*＊


省とかの名称改変は、国民投票で決めることにした。

このままがいいか、わかりやすく改名するか。
票数が過半数を占めれば可決である。

通常、王制や君主制ではありえない発想だったようで。
かなり驚かれ、海外でもこの事がニュースになったそうだ。


国のあらゆる制度を利用するのは、皇帝ではなく、民である。

清すぎる水には魚は棲まないというが、汚泥も然り、だ。
出来る限りクリアにしたい。


まず、当事者である官僚や王からアンケートを取ってみたところ。
やはりややこしくてわかりにくいと思っていたが、伝統なので我慢していた、という。

伝統か。
それもないがしろにしてはいけないよな。

建物の名前くらいは旧名を残しておくか。


国民投票の方法は、携帯で投票、だった。
この国、携帯普及率200％以上で、生まれた時点で支給されるので、一人二台は持っているのが当たり前なんだそうだ。

俺、持ってないけど……。

まあいいか。
いつも誰か側にいるし。


投票結果は、圧倒的大多数が名称改変で決まった。


＊*＊*＊


諸公はとりあえず置いといて。

省庁の名称は、中国共産党では部だったけど。これまで通り庁ではなく、省とする。
州を県だと考えて。
各省から、州ごとの役所へ仕事を割り振りする形でいいんだよな？


とりあえず、仮に日本の行政機関で考えて当てはめてみよう。

丞相・御史大夫・太尉は内閣。尚書省・吏部尚書は内閣府へ。
九寺のうち、伯太常寺・光禄寺卿・宗正寺と門下省・中書省・殿中省・内侍省など皇宮関係はみんな宮内省だな。

衛尉寺・太僕寺・大理寺と戸部尚書は法務省。
理藩院尚書、礼部尚書は外務省。戸部尚書は大蔵省。

太府寺、工部尚書は農林水産省。秘書省は文部科学省。
兵部尚書は防衛省。刑部尚書は警察省だ。


でもって、省庁の整理だ。中国の内閣は国務院って名称だっけ。

民政部……総務省は消防・防災、公務員制度、選挙などを司る。
司法部・公安部・国家安全部……法務省は主に検察・公安。司法制度、民事行政、刑事・民事制度の立案、検察、出入国管理など。

中国語では財政部、金融庁・消費者庁・財務省改め大蔵省は国庫の管理から造幣、国税庁などの仕事を司る。
郵政省は郵便、情報通信など。これは名称は同じ。
教育部・科学技術部……文部科学省は図書の管理とか学校教育関係。

人力資源社会保障部……厚生労働省は健康・医療、子育て、福祉・介護、雇用・労働、年金を管轄。

水利部・農業部……農林水産省は、林野や水産など受け持って。農地の生産量の管理とか？
商務部……経済産業省は要るのかな……。資源エネルギーや特許、中小企業庁関係だ。要相談。

国土資源部……国土交通省。鉄道などの機関や国土地理、観光庁、気象庁あたりの仕事。海上保安庁は防衛省に移動しとこう。
環境保護部……環境省。公害対策とか何とか。これも要相談。

外交部……外務省のする内容は太尉の管轄だったから、防衛省のカテゴリーに入れておこう。
国防部……防衛省はそのまんまだ。公安とも被ってる部分あるけど。その辺は追々。