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一章 華胥の夢
前門の虎を拒ぎて、後門の狼を進ましむ
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これでひとまず一件落着、と刑部尚書に送迎されて皇宮に戻った俺を、耀と信季が正門前で待ち受けていた。
この大変なときに丞相何やってんだ仕事しろ、と思ったが。
宗元から連絡があって、一時的に丞相の権限を御史大夫に委任して、俺が戻るのを待っていたそうだ。
信季は涙目だし、耀は青い顔をして。
『散々泣かせてしまったから、付き添って慰めてやれ、と言われたのですが……』
とか言うもんだから。
これこれこういう訳だったんだよ、と。
事件の説明をしたところである。
やれやれだ。
*****
話を聞き終わった信季は、真顔で言った。
『もう、皇帝兼探偵と名乗るべきでは?』
高校生探偵みたいに言うな。
じっちゃんの名にかけて、真実はいつもひとつ!
そんなことを言いながら。
信季はお疲れのようでしたら甘いものが良いでしょう、とジンジャーハニーミルクを淹れてくれた。
そういうとハイカラな感じがするが、温かい蜂蜜生姜牛乳である。
お茶請けは馬拉糕か。
「やった、俺、これ好きなんだよ」
『それはよかった。あ、広陵丞相も。よかったらどうぞ』
『いや、私は結構。私の分は、陛下に差し上げてください』
「わーい、やったー」
ありがたくいただこう。
頭を使った後は、甘いものが欲しくなるのだ。
耀、何か思い悩んでいる様子だが。
どうしたんだろう?
*****
宦官が二人も不祥事を起こしたため、宦官の再選考をするので。
今日いっぱいは、耀が世話係を続行するらしい。
冠を外して。
紳と大帯を解かれる。
『……陛下、武公に何もされなかった、というのは。偽りですね?』
うわ。
平坦な声なのが逆にこわい。
「え、いや、別に大したことは……」
脱がされて、押し倒されたけど。
やめてくれたし。
昨夜耀にされたことに比べりゃ、何も無かったようなもんだ。
「ひゃ、」
『ここ、痕がついてますよ』
と、うなじを撫でられる。
『ここにも、』
げっ、吸い付かれたの、痕になってたのか。
『着付けた服が、乱れてますね。……どこまで、されました?』
綺麗な顔をしているだけに、無表情だとやたらこわい。
「いや、だから、首に吸いつかれたくらいで、他には何も……」
太股撫でられたけど。それくらいは、まあ。
*****
「うわ、」
ひょい、と持ち上げられたと思ったら。
ベッドに、うつ伏せの格好で押し倒された。
「な、何、」
下裳をめくられて。下着代わりの下帯が乱暴に毟り取られた。
「ぎゃあ、何するんだエッチ!」
尻たぶを、左右に開くみたいに。
ぐい、と拡げられている。
「や、やだ、やめろって、耀!」
そんなとこ。他人に見られるのは、初めてだ。恥ずかしくて、顔が熱くなってるのを感じる。
俺が宗元に犯されたと思って、確かめてるのか?
されてないっての!
というか。見て、わかるもんなのか?
『綺麗なものですね。……桜色の、蕾のようで』
何に譬えてるんだよ。
そんな、じっくり見るなよ。
指で、襞を確かめるように、触れている。
『濡れてはいないけど。拭ったのかもしれない』
何を?
いったい、何を言ってるんだ?
「ひっ、」
冷たい。
とろりとした、油? ……これ、香油か。
何で?
*****
次の瞬間。
後ろから、大きなものに、尻を貫かれていた。
「…………っ!?」
どうしよう。
あまりのことに、頭の中、真っ白で。
何も考えられない。
「んっ、い、やぁっ、」
腰だけ上げさせられた格好で、押さえつけられていて。
後ろから、耀の熱くて大きいので、尻の中を、めちゃくちゃに掻き回されている。
肩とかうなじに吸い付かれたり、噛みつかれたりしながら、腰を叩きつけられてるとか。
何もかも、信じられない。
「く、くるし、……やっ、うう、」
宗元が言ってたみたいに。
お腹の中、突かれて。
中で、ゴリゴリ動いてるのが、目に見えてわかるなんて。
『亮……、』
荒い息。
熱い身体に、圧し掛かられて。
腰を押し付けられる。
……犯されてるんだ、俺。
何で? 朱亮と間違えてるのか?
そんなの。
「う、……くっ、ああ、」
香油をたっぷり使われているせいか。腰を叩きつけられる度に、ぱちゅんぱちゅんと音がする。
この大変なときに丞相何やってんだ仕事しろ、と思ったが。
宗元から連絡があって、一時的に丞相の権限を御史大夫に委任して、俺が戻るのを待っていたそうだ。
信季は涙目だし、耀は青い顔をして。
『散々泣かせてしまったから、付き添って慰めてやれ、と言われたのですが……』
とか言うもんだから。
これこれこういう訳だったんだよ、と。
事件の説明をしたところである。
やれやれだ。
*****
話を聞き終わった信季は、真顔で言った。
『もう、皇帝兼探偵と名乗るべきでは?』
高校生探偵みたいに言うな。
じっちゃんの名にかけて、真実はいつもひとつ!
そんなことを言いながら。
信季はお疲れのようでしたら甘いものが良いでしょう、とジンジャーハニーミルクを淹れてくれた。
そういうとハイカラな感じがするが、温かい蜂蜜生姜牛乳である。
お茶請けは馬拉糕か。
「やった、俺、これ好きなんだよ」
『それはよかった。あ、広陵丞相も。よかったらどうぞ』
『いや、私は結構。私の分は、陛下に差し上げてください』
「わーい、やったー」
ありがたくいただこう。
頭を使った後は、甘いものが欲しくなるのだ。
耀、何か思い悩んでいる様子だが。
どうしたんだろう?
*****
宦官が二人も不祥事を起こしたため、宦官の再選考をするので。
今日いっぱいは、耀が世話係を続行するらしい。
冠を外して。
紳と大帯を解かれる。
『……陛下、武公に何もされなかった、というのは。偽りですね?』
うわ。
平坦な声なのが逆にこわい。
「え、いや、別に大したことは……」
脱がされて、押し倒されたけど。
やめてくれたし。
昨夜耀にされたことに比べりゃ、何も無かったようなもんだ。
「ひゃ、」
『ここ、痕がついてますよ』
と、うなじを撫でられる。
『ここにも、』
げっ、吸い付かれたの、痕になってたのか。
『着付けた服が、乱れてますね。……どこまで、されました?』
綺麗な顔をしているだけに、無表情だとやたらこわい。
「いや、だから、首に吸いつかれたくらいで、他には何も……」
太股撫でられたけど。それくらいは、まあ。
*****
「うわ、」
ひょい、と持ち上げられたと思ったら。
ベッドに、うつ伏せの格好で押し倒された。
「な、何、」
下裳をめくられて。下着代わりの下帯が乱暴に毟り取られた。
「ぎゃあ、何するんだエッチ!」
尻たぶを、左右に開くみたいに。
ぐい、と拡げられている。
「や、やだ、やめろって、耀!」
そんなとこ。他人に見られるのは、初めてだ。恥ずかしくて、顔が熱くなってるのを感じる。
俺が宗元に犯されたと思って、確かめてるのか?
されてないっての!
というか。見て、わかるもんなのか?
『綺麗なものですね。……桜色の、蕾のようで』
何に譬えてるんだよ。
そんな、じっくり見るなよ。
指で、襞を確かめるように、触れている。
『濡れてはいないけど。拭ったのかもしれない』
何を?
いったい、何を言ってるんだ?
「ひっ、」
冷たい。
とろりとした、油? ……これ、香油か。
何で?
*****
次の瞬間。
後ろから、大きなものに、尻を貫かれていた。
「…………っ!?」
どうしよう。
あまりのことに、頭の中、真っ白で。
何も考えられない。
「んっ、い、やぁっ、」
腰だけ上げさせられた格好で、押さえつけられていて。
後ろから、耀の熱くて大きいので、尻の中を、めちゃくちゃに掻き回されている。
肩とかうなじに吸い付かれたり、噛みつかれたりしながら、腰を叩きつけられてるとか。
何もかも、信じられない。
「く、くるし、……やっ、うう、」
宗元が言ってたみたいに。
お腹の中、突かれて。
中で、ゴリゴリ動いてるのが、目に見えてわかるなんて。
『亮……、』
荒い息。
熱い身体に、圧し掛かられて。
腰を押し付けられる。
……犯されてるんだ、俺。
何で? 朱亮と間違えてるのか?
そんなの。
「う、……くっ、ああ、」
香油をたっぷり使われているせいか。腰を叩きつけられる度に、ぱちゅんぱちゅんと音がする。
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