禍祓師・天羽翼の事件簿 ~半妖のヤンデレ弟子は夜毎師匠に精を注ぐ~

篠崎笙

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序章

翼の呪いについて

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「翼様、おやすみですか?」

「ああ、」
ベッドに横になっていたら、義哉が靴を脱がしに来た。


義哉の趣味で、面倒な靴を履かされている。
すっかり着せ替え人形だ。

昔は義哉も半ズボンの似合う、愛らしい少年だったというのに。
何故こうなったのか。

忌々しい呪いめ。


僕は現在、定期的に怪異や呪いをこの身に取り込まなければ、身体が若返ってしまう呪いにかかっている。
いつどのように、何に呪われてそうなったのか、記憶はない。

職業柄、多少呪いに耐性があるとはいえ。
何もしないでいれば、恐らく赤子になり、消滅してしまうのだろう。試したことはないが。

できればこれ以上、縮みたくはないものだ。


‡*‡*‡


の修行のために譲らずとも、よろしかったのでは?」

「所長としては、かわいい新人所員の成長を促すのも仕事のうちだろ?」
実際、いい勉強になっただろう。

それに、あの程度の弱い呪いでは、ほとんど効果が無いの同然だ。
今から与えられるものと比べたら。


「わたしが受けた修行より、手心を加えてるような気がしますが?」
「多少厳しくとも大丈夫なら、そうしてる。今は、スパルタの時代ではないからな」

靴下留めを外して。
ベストを脱がされ、サスペンダーを外し。ハーフパンツを脱がされる。

下着に手をかけられて。その手を止める。
「……おい、義哉」

「なんでしょう」
「何で、シャツか靴下が先じゃないんだ?」
シャツに靴下だけというのは、あまりに変態的ではないだろうか。


「わたしの、純然たる趣味です」
真顔で言い切った。


「おまえ、前々からそうじゃないかと思っていたが。ショタコンというやつだろう!?」

正太郎コンプレックス。
半ズボンの少年に興奮する性癖のことだ。

義哉は、大袈裟に溜め息を吐いてみせた。

「翼様。実際の年齢はショタとは程遠いじゃないですか。わたしよりずっと年上の癖してショタとかおこがましい」
おこがましいとまで言うか。

しかし、僕の肉体年齢は、間違いなく子供である。


「うわ、」
無理矢理、下着を剥ぎ取られた。

「わたしは貴方が少年の姿だから・・・・・・・興奮しているのではありません。中身が・・・貴方だから、いいのです」
それはそれで、色々問題がありそうだが。

「ああ……、ほら、こうして、わたしなどに簡単に押し倒されるほど非力になってしまった貴方に、とても興奮します」
そんなことで鼻息を荒げるな。


やはり、変態ではないか!


‡*‡*‡


若返る呪いの進行を止めるには、怪異や呪いをこの身に取り込む必要があるが。

今はほぼ、義哉のを取り込むことで賄われている。
というか、無理矢理注がれている。

こうなったのには、理由がある。


義哉はエクソシストになるための修行中。ミズキちゃんから、僕が呪われたとの連絡を受け。
どうやら怪異や呪いを身に取り込むことで呪いの進行が止まるようだと聞いて。
僕が受けた呪いの進行を止めるため、冥界に行ったという。

……一度死んで、黄泉返よみがえったのだ。


善哉はその身に妖魔を取り込み。半妖の身体になってしまった。
僕に、妖魔の精を与えれば、呪いの進行を止められると考えたのだ。

そのため、神父だった義哉は、破門された。
優秀なエクソシストだったのが、魔道に堕ちたようなものだ。


そして。
義哉が日本へ戻ったその日に、無理矢理精を注ぎ込まれてしまった。

若返っていたとはいえ、20歳くらいだったというのに。抵抗も出来なかった。
それだけ弟子の半妖化がショックだったのだと思いたい。

それと。
直腸に義哉の精液を直接流し込まれるという方法が、あまりに想定外すぎた。

そんなの、まるっきり性行為と同じではないか。


呪術者の家系に生まれ。
子供の頃から修行や研究ばかりで。恋愛などしたこともないし、知識としては知っていたが。

人と素肌を合わせるのは、初めてだったのだ。
僕にしてみれば、愛弟子に犯されたようなものだった。

どうしていいかわからなくなって。
義哉から精気を貰うのを拒否して逃げ回っていたら。タイミングの悪いことに、しばらく依頼が来なかった。
結果、今の……子供の姿になってしまった。

呪いを進行させてしまったことに怒った義哉に捕まり、精を注ぎ込まれた。
無駄に足掻いたせいで、自分で自分の首を絞めたようなものだった。


以来、仕事があろうが無かろうが関係なく。定期的に、半ば無理矢理、精を注ぎ込まれている。
おかげで呪いの進行は現状のまま、止まっているのだが。


‡*‡*‡


「……ひ、あ、あっ、」
腰を叩きつけられる度に、声が上がってしまう。


何故だろう。
義哉に精を注がれるのは、とても気持ちがいい。

の力を抜かせるために、身体や性器に触れられるのも。


呪いの進行を止めるために精を注ぐ、というより。
普通に……まるで、男女がする行為のように抱かれてるような気がして、恥ずかしくなる。

義哉は僕の呪いの進行を止めるために、そうしてくれているのに。
この行為に、それ以上の意味なんてないだろうに。


「これ以上、犯罪者の気分になりたくないので。ちゃんと、取り込んでくださいね?」
そう言うと。

僕のことをぎゅっと抱き締めて。
中に、精を注がれた。


一応、どう見ても自分が犯罪者にしか見えないという自覚はあったようである。
なら、靴下にシャツ一枚という格好はどうかと思うが。
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