幼馴染みと。

mahime

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3人の日常

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「ユキちゃーん帰ろー。」
俺の名前は 羽城由貴(はしろ よしたか)。高校2年生。
友達からは?ユキちゃん?なんて呼ばれてる。今俺の名前を呼んだのは 糸成唯緒(いとな ゆい)。幼馴染で俺の好きな人。
「おう、今日は憐はいないのか?」
柊憐(ひいらぎ れん)。憐も俺の幼馴染。俺ら3人は家が近い。だから毎日一緒に帰っていた。
「そうなの、憐ってば成績優秀者の特別授業受けるんだって。」
「あー、またか、まぁ、いつものことだもんな。」
そう、俺たちの通う高校ではテストの度に成績優秀者上位20人が発表されるのだ。そしてそれに選ばれた者は特別授業を受けることが出来る。憐はその常連。アイツは頭がよく、顔もいいし、運動もできる。女子にも当たり前だが人気がある。それなのに憐ときたら見向きもしない。無愛想で無口。俺と結緒以外とは必要最低限しか話さない。なんでこんなヤツがモテるのか俺には理解出来ない。それでも女子は?クールでかっこいい☆?とか?大人だよね☆?だとかなんでもいい方に言いやがる。ムカつくヤツだ。
「そうそう、ユキちゃんテストどうだった?」
「あー、俺?まぁいつも通りだったな」
俺は昔から普通だった。中学の時は【ザ,平均値】なんて裏では呼ばれていたらしい。
「だよねー…あたしまた赤点だったよぉ…」
そう、こいつは天才的に頭が悪いだから毎回追試を受けている。
「まぁ、だろうな結緒が赤点じゃないとかありえないよな」
「お願いユキちゃん!!今回も追試の勉強手伝ってぇ…憐は今の時期無理だし…」
俺はテストが好きだ。この瞬間のために俺は平均値を保っていれて良かったと思う。憐が特別授業でいないから俺が結緒に勉強を教えることが出来る。
「またかよ。いい加減自分で勉強しろよな。まぁ、付き合うけど。」
本心はさすがに言えない。だからわざとこうしてめんどくさそうに言ってみる。
「ありがとぉ!ユキちゃんはやっぱり優しい!!」
そんな事いいながら俺の腕を掴んでくる。
「ちょ、結緒っ!!やめろって。」
なんなんだ。俺はそろそろ死ぬのか?こんな事が現実にあっていいのか?
「ダメだろ…」
「ん?どうしたの?ユキちゃん」
どうやら声が出ていたようだ。ここはうまくごまかす他ないだろう。
「ん?あ?なんでもない。独り言。つか、勉強いつやるんだ?」
「ちょうど明日土曜日じゃん?明日は?」
「悪ぃ、俺部活だわ」
俺は 演劇部に所属している。
「そっかぁ…何時までなの?部活」
「あぁ、だいたい4時ぐらいだろ」
「じゃあ、4時30分にあたしの家来て!!決定ね!じゃーね!」
「ちょ、待てよおい!結緒!」
おいおい本当かよ。そんな早く帰れるわけないだろ?片付けとかあるのに…
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