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第1章
美希との出会い
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俺が美希と出会ったのは、病が見つかってから半年が経った雪の日のことだった。
「なにしてるの?」
俺は屋上のベンチに座っていると急に後ろから声をかけられた。
「どうしてここに…」
「雪が降っているのが見えたから。あなたもそうなの?」
「そう、だけど…」
そう言って俺は顔をそらした。
「あなたって愛想悪いんだね」
「余計なお世話だ。というか、ここは俺の秘密の場所だったのに…」
「それはごめんね。でも、ここは私もよく来るから秘密の場所じゃないよ?」
それから俺達は少し話した。
彼女は佐藤美希。高校1年生。入学してからまだ2回しか学校に行ってないそうだ。
小さい頃からずっと病院暮らしをしてきて、この病院については知らないことはない、と言っていた。
「だんだん冷えてきたねー。そろそろ中に入りましょうか」
「…勝手に入れば」
「だめだよ。寒いところにいると体に毒だよ?」
「もうこんだけの時間いたら一緒だろ」
「だーめ!ほら、早く!」
「ったく…なんなんだよ。ひとりで入ればいいだろ!」
「よくないの!私、まだあなたのこと何も聞いてない!私が1人で話してただけじゃない!ほら、早く!」
「わかった、わかったから!痛いって!首締まる…!」
「あ、ごめん」
「げほっ…はぁ…」
「なに?そのため息は」
「なんでもねぇよ…」
どうしてこんなやつに出会ったんだろう?と思いつつ、俺はその後も美希と話していた。
そして、明日も屋上で待ち合わせをした。
「なにしてるの?」
俺は屋上のベンチに座っていると急に後ろから声をかけられた。
「どうしてここに…」
「雪が降っているのが見えたから。あなたもそうなの?」
「そう、だけど…」
そう言って俺は顔をそらした。
「あなたって愛想悪いんだね」
「余計なお世話だ。というか、ここは俺の秘密の場所だったのに…」
「それはごめんね。でも、ここは私もよく来るから秘密の場所じゃないよ?」
それから俺達は少し話した。
彼女は佐藤美希。高校1年生。入学してからまだ2回しか学校に行ってないそうだ。
小さい頃からずっと病院暮らしをしてきて、この病院については知らないことはない、と言っていた。
「だんだん冷えてきたねー。そろそろ中に入りましょうか」
「…勝手に入れば」
「だめだよ。寒いところにいると体に毒だよ?」
「もうこんだけの時間いたら一緒だろ」
「だーめ!ほら、早く!」
「ったく…なんなんだよ。ひとりで入ればいいだろ!」
「よくないの!私、まだあなたのこと何も聞いてない!私が1人で話してただけじゃない!ほら、早く!」
「わかった、わかったから!痛いって!首締まる…!」
「あ、ごめん」
「げほっ…はぁ…」
「なに?そのため息は」
「なんでもねぇよ…」
どうしてこんなやつに出会ったんだろう?と思いつつ、俺はその後も美希と話していた。
そして、明日も屋上で待ち合わせをした。
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