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【作戦実行 再開】本編

隠れ鬼 最後①

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すぐに顔を見ようとしたが、生憎あいにく…カーテンが閉まっており、部屋が真っ暗。

暗くて顔を見ることができなかった…。


ここは逃げるしか…ない!

俺はドアらしき所に向かって走…

が、腕をつかまれた。


「は、はなっ…むぅ!?」

1人に腕をつかまれ、もう1人に手で口を塞がれた。

どうやらこの部屋には2人いるらしい。

逃げられない…


「んん~~~~!!?」

俺は必死に抵抗しようと暴れた。

嫌だ嫌だ!!!
パシリはやだ!やだよーーーーーーーっ(泣)

俺の瞳からポロポロと涙が零れた。

「「!?」」

俺の身動きを封じていた2人が何やらおろおろとしている。

それから、す…っと2人は俺から手を離してくれた。

(今がチャンスだ!!)


「な、なんだ!お前ら…や、やんのか?!!」

俺は拳を前に向けて構え、ファイティングポーズをとった。

(どこからでもかかってこいやぁぁぁ!)




「りょう…落ち着け、俺だ」

「ま、まって~!僕だよ」

(…こ、この声は)


聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「波瑠…と、流星…なの??」

俺は恐る恐る聞いた。

すると、カーテンを誰かが開いた。

(眩し…!)


確かに、そこには波瑠と流星がいた。



「まったく…驚かさないでよ…」

俺は安心したせいかぺたん…と床に座り込んでしまった。

「悪かった…が、元はと言えば…りょうが悪いんだぞ。」

と流星が言った。

(えぇぇぇ…俺のせいなの…)

「ごめんごめん、でも勝手にいなくなったのはりょうくんだよねぇ~??」

と波瑠も先に謝るが後から俺のことを言った。


「うっ…それはそうだけど…で、でも人の群れが…」

って、ダメだ。今、何を言っても言い訳にしかならないということを俺は悟った。

「ご、ごめんなさい…」

確かに…はぐれたのは俺の責任だから謝る。

と、足音が聞こえてきた。

「おい、誰か来るぞ…」

「まずいね…あ!あそこに隠れよう」

「う、うん」

そういうと俺たちは音を立てないように中に隠れた。









「「「…」」」

(せまくね?)

俺たちが隠れたのロッカーの中だった。

普通のロッカーに比べたら少しは大きかったが…なんせ3人も男が入ってるものだから超狭かった。

中々身動きがとりずらい…。

それにしても…

波瑠のアレが俺のお尻に当たってるのは気のせいだろうか?

うん、気のせいだよね…きっと。

グリッ…

「あっ…」

アレでグリッとされたため、俺の口から変な声が漏れてしまった。

「っ…にすんだよ!波瑠」((ボソッ))

人に気づかれないためにも、もちろん小声で怒る。

「いや~なんとなく?…てへ☆」

〝てへ☆〟じゃ、ねーわ!!!ボケェェェ!

「…バカ!」

俺はぷく~と頬を膨らませ拗ねる。

波瑠は「ごめん~」と謝ってくるが無視だ無視。

知らない!



それにしても…気まづい…。

なんてたって俺の今の状況を見てくれ。

流星と抱き合ってるんだもの。

そして後ろからは波瑠に抱きつかれていたため、さっきの事が起きたのだ…。

(流星の体…しっかりしてるなぁ…)

服の上からでも筋肉があるんだなって分かる。

べ、別に羨ましいとか思ってないしぃ!?俺もあと数年したらムキムキのゴリゴリになってるから!

てか…

温かくて安心する…包まれてるみたい。

(気持ちいい…)

ん?なにか当たって…

俺はそ~…っと下を見た。

「…」

うん、お前もか。

なに…2人ともそんな性欲溜まってんの?お前らモテんだろ!女の子とシないのかよ?俺はシタことないけどねっ!!!あ、ここ男子校だった…

「お、おい…流星、その当たってる…」

俺は恥ずかしいが言った。偉いぞ!俺!

「…あぁ」

え?〝あぁ〟で終わり?

しかも離れてくれないし!狭いのは分かるけどさ…離れようとする行動ぐらいは見せてくれよ…。

「これ、わざとだから」

へ?わざと…?

「わざとって?」

「わざとりょうに当ててんの。」

流星はニヤッと笑いながら言った。

グリグリ…

流星のアレが俺のを刺激する。

「え…ちょ、ん…やめっ…」

「気持ちいいか?」

「…ちょっと、僕も混ぜてよ~!僕だけ仲間はずれとかひどくない!!」

今はそれどころじゃねぇんだよ!


                     続く



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