実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華

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【作戦実行】本編

敵がたくさん 邪魔者いっぱい

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〈りょう以外の視点〉

りょうが忘れ物を取りに行ったため…その場は不穏な空気に変わっていた。

この不穏な空気を先に破ったのは幸だった。

「はぁ……。」

冷たいため息が幸の口から漏れる。


「…みなさんっての事が好きなんですか…??」

冷たいため息に続き、口から出たのは同様なくらいに冷たい言葉だった。


その場にいた全員が息を飲む。


そこには…
ついさっきりょうがいた時まで〝りょう兄〟と呼んでいた可愛らしい(?)弟の姿はなかった。

そこにいたのは…
誰にも渡さない…といわんばかりの獣の目をした男の姿があった…。


ここにりょうがいたら…

ひぇ~~~~ッ!!??

となるぐらいの迫力だった。


「好きだよ、りょうくんのこと」

波瑠が真剣な顔で言う。

「俺も好きだ」

「私も好きです」

「俺も好き」

波瑠に続きみんながそれぞれ想いを告げる。

幸の顔色がだんだんと曇っていく。




と、さっきまで黙り込んでいた有が口を開く。






「ふざけんじゃねぇ…!たちのほうがずっと…ずぅーっと前からのことが好きなんだよ!!両親が死んだのはもちろん悲しかった…俺たちこれからどうなるんだろうって…けど、りょうとまた一緒に居られることになって近くにりょうを感じられる事が本当に嬉しかった…!そ、それなのに…!」





はぁ…はぁ…と酸素が足りなくなり言葉を続けられなくなった有。

それに熱くなりすぎていつも〝僕〟なのに「俺」に変わっており、男らしくなっている…。




「急に出てきたお前らなんかに俺らのりょうを渡すわけにはいかねぇんだよ。」

と、幸が有の言葉に付け足した。




「で?だから何?別にりょうくんは君たちの物って訳じゃないよね??」


「「っ…」」


りょうは別に君たちの物じゃない、という言葉に兄弟2人は言葉を詰まらせた。


「だな。」

と、肯定する流星。

他の2人もうんうんと頷く。


「つまり、誰にでもチャンスはあるって訳ですよね」

蓮がニヤリと笑う。
(真面目そうに見えて変態という…ギャップ(?))


「おう!年下には負けてられないな~!!他の奴らにもだけど…なんかやる気出てきた~!!!」

豊は兄弟2人を見ながら言うと、パワーがみなぎってきたらしくやる気に満ちていた。


「ふん。俺のほうがりょうとの距離近いし、勝利は近いよな…なんてたってハグしたし。」

「は?それなら僕のほうが大勝利じゃん。だって…りょうのちくび触ったもん。可愛かったな~♪」


「「「「「…は?」」」」」


一気に静まり返り、その場が凍る。

有以外のみんなの口から自然のは?が飛び出た。


「有…おまえ…。」

怖い顔をした幸。

その他もみんな有を睨みつけている。

「別にいいじゃん、まだ誰のものでもないんでしょ?じゃあ好きにしてもいいじゃん。文句言われる筋合いないよ」

そういうと有も睨み返す。


その場が激しい火花を散らしていると、

そこへ…

「はぁ…はぁ……。みんなー!お待たせ~!!!(ニコッ)はぁ…疲れた~、ってどったの?」

何も知らないりょうが息を切らせながら走ってきた。

天使の登場だ。

『吐息がえ…えろい…、可愛い…最後のどったの?って何…天使?天使なのか…』

みんなの頭の中は全く同じことを考えており、りょうの可愛さに忘れてしまった。


彼らの勝負は続くようです…。













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