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【作戦実行】本編
ちょ、みんな近いんですけど
しおりを挟む学校から出ると校門の前に2つの人影が見えた。
あ…そういえば、幸と有と帰る約束をしてたんだった。。忘れてた!すまない…弟達よ。
「ごめんっ!みんな…そういえば弟達と帰る約束をしてたのすっかり忘れてた…。」
「え!りょうくん弟いたの?」
「そうなんだ。色々と事情があって…」
「へ~。僕、りょうくんの弟くん達見てみたいなぁ…」
波瑠が何やらにっこり笑顔で言ってきた。
「?」
これは…!!…もしかしたら幸も有もイケメンだから波瑠が恋に落ちちゃうかもしれない。そしたら俺も何かと邪魔をしやすくなる…好都合だ。
「わかった!ちょっと待ってて」
❋❋┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❋❋
俺は先に2人の元に行き、みんなが後からゆっくり来る流れになった。
「あ!りょう兄だ、もう遅いよー?」
「来たか、遅いぞ…まさか居眠りしてて怒られたとか??(笑)」
ドッキーンッ!
す、するどいな…。恐ろしや、、幸様。
「ち、ちが…わないけど…。まぁ、色々とありまして…」
「「??」」
2人は?という顔をしていた。
「とにかく待ってたんだからねー」((ギュッ!
そう言うと有は俺に抱きついてきた。
「あ、こら!人前で抱きつくんじゃないっ!」
全く…人前で恥ずかしいだろ!すぐそこにはみんなもいるんだから…。
弟に舐められているってバレたらもう学校に行けない!
兄の姿を晒すのは絶対にダメだ。
そう言うと有はぷくーっと頬をふくらませた。
ん?さっきも同じような光景を見たような…
「え…じゃあ、2人っきりだったらいいの??((小声」
有が俺の耳元でぼそっと呟く。イジワルな顔をして。
いや、そういう意味じゃないからっ!馬鹿なの??
お兄ちゃんは心配だよ。やっぱりお前もSなのかっ!
「ちが…」
ちがう、と言いかけたところで周りの視線に気づいた。
あ…ヒロインと攻略者達いるのすっかり忘れてた!
やばい、全部見られてたよな…
俺が弟達に舐められている姿を。。
かっこ悪いなぁ…俺。
そんな事を考えていると幸が口を開いた。
「りょう兄、誰?この人達…」
何やら顔が怖いぞ…?どしたどした…
「あ!紹介するな…みんな俺の友達だ!」
俺は一人ひとり紹介するのが面倒くさくて、それぞれ自己紹介を頼んだ。
「園田 波瑠っていいまーす。好きな物は可愛いもので…」
チラッと波瑠は俺を見ると俺の腕を引っ張り抱きしめた。
「お兄さんとは仲良くさせてもらってまーす♪」
え、ちょ?何!?
てか…近っ!!波瑠の顔がすぐそばにあり、胸がドキドキとした。
___グイッ!
流星が俺のことを引っ張って助けてくれた。助かったが…次は流星に抱きしめられてるんだよなぁ。
「俺は、大月 流星だ。そのまぁ…りょうとはこれから仲良くなるつもりだ。」
…ハッ!
そういうと流星はやっと自分が抱きしめていたことに気づいたらしく顔を真っ赤にさせ、ぷしゅ~とさせた。
は?え…可愛いかよ。
なにこのギャップ…俺様かと思いきや照れも忘れていないとか…。
ふぅ…抜け出せたと思いきや次は蓮が俺の肩に手をのせるとグイッと寄せられた。
「私は、江上 蓮 といいます。りょうくんとは仲良くさせてもらっています。これからも…ね」
だから近いって!
陰キャの俺じゃ耐えきれないってえぇぇ…
仲良くさせてもらいますけどぉ。嬉しいのに複雑だ。
___グイッ!
もたもや俺は腕を引っ張られる。
次は豊か。俺はもう諦めていた。
「俺は、慶島 豊 。りょうとは初めて会った時から仲良くなりたいと思ってたんだ、これからもよろしくー!」
なんて良い奴!
めっちゃ近いけど…ここまでくるともう慣れてくるよな。慣れって怖いわー
「と、いうわけだ。」
2人を見ると何やら不機嫌だった。かと思いきや笑顔に戻った。
「よかったな、りょう兄。こんな優しそうな友達がたくさん出来て…でも気をつけろよ??」
「そうそう…りょう兄ちょっと抜けてるところあるからすぐ付け込まれそうだもん」
「?」
2人が何を言っているのかよく分からなかったがみんなを紹介できたし…良かった良かった。
「あ!やばい!!」
みんなが何事かと俺の方を見る。
「明日までに提出しないといけない課題…机の中に忘れてきちゃった…ごめん!ちょっと取ってくるから待ってて、、」
俺はそう言うと全速力で来た道を戻っていった。
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