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【作戦実行】本編
顔が赤いのは夕日のせい?
しおりを挟む俺は職員室から出ると自分のクラスへと急いだ。
やばい!時間大丈夫かな…?結構、色々とあって長引いちゃったからなぁ…。
時間見てから出て来れば良かったな…
(てか、俺がみんなの前で明日説明するんなら先生に言う必要ってあったのか?先生も話聞くの面倒だっただろうに…そこは「明日よろしくな!」だけで良かっただろっ!)
なんか妙にニコニコしてたし…この小説の中の人みんなちょっと?いや、かなり変なのかもしれない。うん。
あぁ!もうっ!!まず、なんで俺はこんな目に合ってるんだっけ…?
あ、そっかHR中に寝たからか…。
はぁ…時間が巻き戻ったりしないかなぁ
秘密の道具やら何とかで………うん、無理か。
俺はそんな叶うこともない妄想を考えながら廊下を走った。
1年5組の教室の前に着くと俺はガラガラと扉を開けた。
開けるとそこには夕日をバックにヒロインと攻略者達が楽しそうに話をしていた。
な、なんと美しい背景・・・
さすがはこの小説の登場人物達…キラキラしてんなぁ…。
ってそんなこと考えてる場合じゃなかった!なんでみんながまだ教室に残ってんだ?もしやこれってイベントか何かか?俺、知らないぞ。。記憶にございません。
てか、妹(前世の)から聞いていたとしても絶対に忘れてる…。
あぁ…俺のバカ。覚えていたのなら邪魔することが出来たのに…!俺が邪魔することによってヒロインと攻略者達の仲が深まる…せっかくのチャンスを…俺は…。
〝悪役〟失格じゃん…(泣)
それよりもう帰ろ…
俺は自分の席に置いてあるかばんを手に持つと教室から出ようとした。
「あ!待って待って~」
「え?」
「ひどいな~!みんなでりょうくんのこと待ってたのにー」
波瑠はそう言うとぷぅ~と頬を膨らませた。
「え!そうなの!?」
「あぁ」
「はい」
「そうだぞー」
マジか!何この青春みたいなやつ…
前世の俺にはこんな俺の事を待ってくれるような優しい友達はいなかった。
俺は嬉しくなりみんなの元に駆け寄ると「ありがとう!」と笑顔で感謝を伝えた。
「「「「~~~~ッ///!!!!」」」」
4人とも顔が赤い…きっと夕日のせいかな?
「りょうくんってほんと…///、はぁ…」
とため息をこぼす波瑠。
「くっ…ほんと厄介だな…///」
と流星。
「ほんと危険です…///」
と蓮。
「天使だぁ…((ボソ…」
何やら、ぼそっと呟く豊。
「?」
4人が何を言っているのか全く分からない俺は?マークを浮かべた。
ってそれより…
「帰ろう!」
とみんなに言うニコニコ笑顔の俺。
(こりゃ、ニヤニヤしてて気持ち悪いだろうな)
4人の手を引きながら教室を出ようとするがピクリとも動かない。
あれ?いきなり馴れ馴れしかったかな?それとも…そんなに俺の顔気持ち悪かった…??
俺は4人から手を離すと下を向いた。
「ご、ごめん…気持ち悪かったよな。ほんとごめん!」
頭を下げて謝った。
「「「「え?」」」」
その声に俺は顔を上げるとみんなキョトン…とした顔をしている。
「「「「ちがう!そんなことないっ」」」」
と言ってくれた。
え?ちがうの…??よ、よかった!
「よかったぁ…!」
と言うと何故かみんなにため息をつかれた。
俺は4人と一緒に靴箱を出た。
そういえば…何かを忘れているような…なんだっけ??
❋❋┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❋❋
〈ヒロイン&攻略者達視点〉
「みんな帰っていいよ~?」
と、嫌そうに3人に問いかける波瑠。
「断る(抜け駆けは許さない)」
「嫌です(抜け駆けなんて絶対にさせません…)」
「やだねー(天使を独り占めにはさせない!)」
チッ…という舌打ちが聞こえた気がするがスルーで。
「もしかして…みんなりょうくんを狙ってるの…?」
ギクリ…
3人の動きが固まる。
(図星か…まぁ、薄々感じてはいたけど…)
「僕、負けないから」
と笑顔で言う波瑠。
「ふん、俺もだ」
「望むところです。」
「俺だって!泣いても知らないから~」
4人の間に火花がバチバチと散る…。
この光景がりょうには楽しそうに会話をしていると見えたらしい…。
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