実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華

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【作戦実行】本編

「お、俺…やりまふっ!」

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「…であって…」


着々と俺ら1年生に今回の新入生歓迎会に何をするのか副会長が説明してくれた。


俺は副会長の話を真面目に聞いた。


・・・何やら前から視線を感じる…。

ちらっと副会長の横を見ると宝井会長が俺をニコニコしながら見ていた。

な、なんで俺を見てるんだ?あ、そっか!さっきの俺が言った〝鬼教師〟って言葉をまだ引きずってるな。そんなに面白かったのかな。。?

それとも俺のこのブサイク顔が珍しいのか…??なるほどなるほど。

悪かったな!こんなブサイクで(泣)
イケメンだからって…ひどいぞっ!

もしや…俺の事を…?なんてことを考えてた俺。めっちゃ恥ずかしいわ~

自意識過剰!マジないわ~…




そんなことは置いておき…

新入生歓迎会は主に次の2つをするらしい。

まず1つ目は…


隠れ鬼!


かくれんぼと鬼ごっこを混ぜた遊び。

逃げる人→隠れていて見つかっても鬼からタッチされるまで負けたってことにはならない。

鬼→ひたすら見つけては追いかける。体力勝負だ。


わー!隠れ鬼か~!!
懐かしいなぁ…小学生ぶり…?かな。よく前世で小さい頃、近所のみんなと遊んでいた時を思い出す。


そして2つ目は…


パーティ!


学校のグラウンドでちょっとしたパーティを開く予定らしい。食事をしたり…踊ったり…ゲーム(後に決めるそうだ)なんかもあったりしてとても楽しそうだ。


俺は自分でもうきうきと心が踊るのを感じた…

なんてたって前世の俺では考えられないような〝青春〟を今、体験できそうだったからだ。

最初はこの説明を聞くのも面倒くさかったが…今ではめちゃくちゃやる気が出てきた…!


「2週間後に開催の予定なんだけど…この代表者の1年生の中から3人、準備を手伝って欲しいんだ。生徒会だけじゃ人手が足りなくてね…」

と、宝井会長が俺らにお願いをしてきた。



だが、みんな自分から『やります!』と言う者はいなかった…。


みんな面倒くさいことはお断りなのだろう。


えー。せっかくの青春なのに…勿体ない!しかし俺もあまり目立つようなことは…極力避けたい。

でも…!ちょっとやってみたい、前世の俺(陰キャ)ならば絶対にやらなかっただろうが…今の俺なら何だかんだ行けそうな気がした。


え、でもここで俺が
「やります!」って言って…
は?お前が…?みたいな雰囲気になったらどうしよう…。じゅうぶん有り得る…

え…やめようかな(泣)


でも、やってみたい…!
えーい、言っちゃえ!!

俺はバッ!っと右手を上げ…

「お、俺…やりまふっ!」

か、噛んだ~~~~~~////っ!!
えー?ここで!?ここで噛んじゃうの俺!

終わった俺。ばいばい…恥ずかしくて死ぬ。

俺は顔を真っ赤に染めその場に俯く。


『…』
((え、なにこの可愛い天使…))


この時、天使りょうの可愛いさにみんなの時間が止まってしまった。


___ハッ!

みんなの止まっていた時間が再び動き始める。


「ありがとう!りょうくん、君がやってくれるなんて嬉しいよ。助かった」

「い、いえいえ…」

俺は顔を上げると、あはは…と笑いながら言った。

「それであと2人…」

と言いかけたところで…みんなの手が勢いよく上がった。


___!?


え!みんなそんなにやりたかったの??

も、申し訳ないな…今からでも変わろうか?と申し出てみたが、


『か、変わらなくていい!』

と、みんなから言われた。


そんな勢いよく言われたら…「はい。」としか答えられなかった。



結局、、
中々決まらず…くじ引きで、という形になった。


どうやら決まったようだ。

ハズレが出て泣き崩れる人もいれば…アタリが出て嬉し泣きする人もいた。

え?そんなに…?と俺は若干引いてしまった。



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