30 / 53
【作戦実行】本編
「お、俺…やりまふっ!」
しおりを挟む「…であって…」
着々と俺ら1年生に今回の新入生歓迎会に何をするのか副会長が説明してくれた。
俺は副会長の話を真面目に聞いた。
・・・何やら前から視線を感じる…。
ちらっと副会長の横を見ると宝井会長が俺をニコニコしながら見ていた。
な、なんで俺を見てるんだ?あ、そっか!さっきの俺が言った〝鬼教師〟って言葉をまだ引きずってるな。そんなに面白かったのかな。。?
それとも俺のこのブサイク顔が珍しいのか…??なるほどなるほど。
悪かったな!こんなブサイクで(泣)
イケメンだからって…ひどいぞっ!
もしや…俺の事を…?なんてことを考えてた俺。めっちゃ恥ずかしいわ~
自意識過剰!マジないわ~…
そんなことは置いておき…
新入生歓迎会は主に次の2つをするらしい。
まず1つ目は…
隠れ鬼!
かくれんぼと鬼ごっこを混ぜた遊び。
逃げる人→隠れていて見つかっても鬼からタッチされるまで負けたってことにはならない。
鬼→ひたすら見つけては追いかける。体力勝負だ。
わー!隠れ鬼か~!!
懐かしいなぁ…小学生ぶり…?かな。よく前世で小さい頃、近所のみんなと遊んでいた時を思い出す。
そして2つ目は…
パーティ!
学校のグラウンドでちょっとしたパーティを開く予定らしい。食事をしたり…踊ったり…ゲーム(後に決めるそうだ)なんかもあったりしてとても楽しそうだ。
俺は自分でもうきうきと心が踊るのを感じた…
なんてたって前世の俺では考えられないような〝青春〟を今、体験できそうだったからだ。
最初はこの説明を聞くのも面倒くさかったが…今ではめちゃくちゃやる気が出てきた…!
「2週間後に開催の予定なんだけど…この代表者の1年生の中から3人、準備を手伝って欲しいんだ。生徒会だけじゃ人手が足りなくてね…」
と、宝井会長が俺らにお願いをしてきた。
だが、みんな自分から『やります!』と言う者はいなかった…。
みんな面倒くさいことはお断りなのだろう。
えー。せっかくの青春なのに…勿体ない!しかし俺もあまり目立つようなことは…極力避けたい。
でも…!ちょっとやってみたい、前世の俺(陰キャ)ならば絶対にやらなかっただろうが…今の俺なら何だかんだ行けそうな気がした。
え、でもここで俺が
「やります!」って言って…
は?お前が…?みたいな雰囲気になったらどうしよう…。じゅうぶん有り得る…
え…やめようかな(泣)
でも、やってみたい…!
えーい、言っちゃえ!!
俺はバッ!っと右手を上げ…
「お、俺…やりまふっ!」
か、噛んだ~~~~~~////っ!!
えー?ここで!?ここで噛んじゃうの俺!
終わった俺。ばいばい…恥ずかしくて死ぬ。
俺は顔を真っ赤に染めその場に俯く。
『…』
((え、なにこの可愛い天使…))
この時、天使の可愛いさにみんなの時間が止まってしまった。
___ハッ!
みんなの止まっていた時間が再び動き始める。
「ありがとう!りょうくん、君がやってくれるなんて嬉しいよ。助かった」
「い、いえいえ…」
俺は顔を上げると、あはは…と笑いながら言った。
「それであと2人…」
と言いかけたところで…みんなの手が勢いよく上がった。
___!?
え!みんなそんなにやりたかったの??
も、申し訳ないな…今からでも変わろうか?と申し出てみたが、
『か、変わらなくていい!』
と、みんなから言われた。
そんな勢いよく言われたら…「はい。」としか答えられなかった。
結局、、
中々決まらず…くじ引きで、という形になった。
どうやら決まったようだ。
ハズレが出て泣き崩れる人もいれば…アタリが出て嬉し泣きする人もいた。
え?そんなに…?と俺は若干引いてしまった。
303
お気に入りに追加
2,366
あなたにおすすめの小説

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

転生先がBLの世界とか…俺、聞いてないんですけどぉ〜?
彩ノ華
BL
何も知らないままBLの世界へと転生させられた主人公…。
彼の言動によって知らないうちに皆の好感度を爆上げしていってしまう…。
主人公総受けの話です!((ちなみに無自覚…

BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
はるはう
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる