実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華

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【作戦実行】本編

スルースキル発動!

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「はぁ。。」

と、俺は深いため息をつくと椅子に座り直した。

周りから俺を笑う笑い声が聞こえてきた。

笑っている犯人を紹介しよう。

俺の左隣の席に座っているヒロイン、波瑠だ。

「ふふふ、君は本当に可愛いね…まぁそのせいでまた1人邪魔者が増えちゃったけど…((ボソ…」


ん?邪魔者って??まぁ、いっか!それよりも今はあの苦手な担任の雑用係になってしまったということが大事だ。


ていうか…

「なんで起こしてくれなかったんだよ…みんな」

友達になったんだろ?俺たち…。


と、周りを見ると…

あ…笑ってやがる…。
余裕がなく、さっきまで見ていなくて気づかなかった。

よく見ると…肩を震わせ口を手で抑えては、笑いを堪えようと頑張っているが…全く隠しきれてないぞ。むしろバレバレ。

たく…ヒロインだけじゃなくお前ら攻略者達まで!!


「いやぁ…りょうくんの寝顔が可愛くて、つい…」

と波瑠。

「起こすのが可哀想だったから…」

と流星。

「あまりに気持ち良さそうだったもので…すみません」

と蓮。

「寝顔も可愛いって…ズルすぎるだろー」

と豊。


は?何言ってんだコイツらは…。


「もう、知らないっ!」

と言って俺は机に突っ伏した。

「ご、ごめんね~!」

「悪かった」

「すみません」

「マジ、ごめん!」

とみんなが謝ってきた。が、もちろん俺は反応なんてしない。


ふんっ!もっとみんなには反省してもらわないと!!まぁ…寝てた自分が悪いんだけどさ…。知らない知らない!!だって俺…悪役だもーん。


そこで俺は良い作戦を思いついた。



これチャンスじゃん!このまま攻略者達も含め無視をし続けたら俺、悪者じゃん。

ヒロインが泣いちゃう、つまり…




『こんなに波瑠ヒロインが謝っているというのに…なんて冷たい奴なんだ』

『最低ですね…』

『マジ、ありえねー』

と言って、泣いているヒロインを庇う攻略者達。



いける!いけるぞ…これ!!

俺は無視を続けた。


「りょうくーん。いい加減、機嫌直してよ~」

「…」

反応しない俺。


はぁ…とため息を漏らすと、ヒロインが俺の耳に顔を近づけ話し始めた。

「いいの?りょうくんの弱点をみんなにバラしても~??」

俺の弱点…??はてさて、、
あ!そうだった…コイツにバレてたんだった。俺の弱点…俺が耳に弱いということに…。


悪役(俺)の弱点を攻略者達にバレる訳にはいかないっ!


それだけは…!

と思い、俺はガバッ!っと顔を上げた。


焦って顔を上げた俺を波瑠はニコニコしながら見ている。



お前…ヒロインより悪役のほうが向いてるんじゃない?




俺の作戦は失敗に終わった。。




この後なんだかんだみんなと仲直りをした。

後から攻略者達から波瑠になんと言われたのかめちゃくちゃ聞かれたが…俺は「NO!」としか言わなかった。
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