上 下
16 / 51
本編

どっちが悪役か分かんねーよ。。

しおりを挟む








ピッピピピ……




スマホのアラーム音が部屋中に鳴り響く。





手を伸ばしアラームを止めると、俺はまだ眠い目をこじ開けベッドから起きた。






《今日は昨日考えた作戦を実行する初めての日・・・やべ、緊張してきたあああぁぁぁ!!》





こんな作戦で本当に成功するのかな??そんな不安を胸に閉じ込め俺は制服に着替え、身支度を整える。





階段を降り…リビングへ行くと母の作った朝食があった。父と母は朝早くから仕事に行っているため朝食はいつも1人で食べる。





目玉焼きにウィンナー、トースト…コーンスープ。





うまうま…俺は次々と頬張っていく。
今日はしっかり食べておかなくちゃっ!!

なんてたって…


〝腹が減っては戦ができぬ〟


っていうしな☆







すべて完食し「ごちそうさま!」と手を合わせ俺は家を出た。バスに乗って学校へと向かう。






学校に着いた。学校に着いただけで俺の心臓はもう…バックンバックン!!心臓飛び出そう…





どうしよう…家に帰ろっかな。ダメかぁ……。
自分とヒロインの幸せのためだもんな!





俺は勇気を振り絞って学校の正門の門をまたいだ。
1年5組の教室の前まで来たが、、中々入る勇気が出てこない。どこにいったんだ!さっきの勇気は・・・(泣)





俺が1人くよくよとしていると耳元で声をかけられた。





「ひゃっ!?」




俺は突然のことにびっくりして変な声が出てしまった。






「ふふふ~♪」






俺の事をびっくりさせた犯人は俺の反応に笑っている。






「何すんだよっ!」







俺は昨日助けてもらったことも忘れ…を睨みつけて怒鳴った。



そう…犯人は…この小説のヒロインである〝波瑠〟だった。






「ごめんごめん…(笑)いつまで経っても教室に入らないからさ~、つい~」






「〝つい~〟じゃなああああい!!」






「いやぁ、それよりも…りょうくんって耳弱いんだね~(ニャッ)」






ヒロインは悪い顔をしながら俺にぐいぐいと近づいてきた。




俺は何だ何だ??と思いながら後ろに下がろうとするが生憎、壁があって無理だった。






「りょうくんの弱点ゲット~♪」






そんな事を言いながら俺に近づいてきて…もしや!?
こいつ俺の弱点につけこんで何か脅してくるつもりか??



くっ…ヒロインに弱点がバレるなんて、、あれ?普通、悪役がヒロインの弱点を握って脅したりイジメたりするんじゃないの??おいおい…これじゃどっちが悪役なのか分かんねーよ。。






「何考えてんの~」






「___っ!?」




気がつけばヒロインの顔が俺の目の前にドアップであった…



顔が可愛すぎて心臓に悪いな、、、



そんなことを思っていると突然耳にふーっと息をかけられた。






「ひゃんっ」






またもや俺は変な声を出してしまった。





「っ、ほんと…りょうくんって可愛いね~♡」





俺は恥ずかしくなりヒロインから逃げるように教室の中へと入っていった。

しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!

彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。 何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!? 俺どうなっちゃうの~~ッ?! イケメンヤンキー×平凡

顔だけが取り柄の俺、それさえもひたすら隠し通してみせる!!

彩ノ華
BL
顔だけが取り柄の俺だけど… …平凡に暮らしたいので隠し通してみせる!! 登場人物×恋には無自覚な主人公 ※溺愛 ❀気ままに投稿 ❀ゆるゆる更新 ❀文字数が多い時もあれば少ない時もある、それが人生や。知らんけど。

どうやら手懐けてしまったようだ...さて、どうしよう。

彩ノ華
BL
ある日BLゲームの中に転生した俺は義弟と主人公(ヒロイン)をくっつけようと決意する。 だが、義弟からも主人公からも…ましてや攻略対象者たちからも気に入れられる始末…。 どうやら手懐けてしまったようだ…さて、どうしよう。

結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい

オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。 今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時――― 「ちょっと待ったー!」 乱入者の声が響き渡った。 これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、 白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい そんなお話 ※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り) ※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります ※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください ※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています ※小説家になろうさんでも同時公開中

案外、悪役ポジも悪くない…かもです?

彩ノ華
BL
BLゲームの悪役として転生した僕はBADエンドを回避しようと日々励んでいます、、 たけど…思いのほか全然上手くいきません! ていうか主人公も攻略対象者たちも僕に甘すぎません? 案外、悪役ポジも悪くない…かもです? ※ゆるゆる更新 ※素人なので文章おかしいです!

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

非力な守護騎士は幻想料理で聖獣様をお支えします

muku
BL
聖なる山に住む聖獣のもとへ守護騎士として送られた、伯爵令息イリス。 非力で成人しているのに子供にしか見えないイリスは、前世の記憶と山の幻想的な食材を使い、食事を拒む聖獣セフィドリーフに料理を作ることに。 両親に疎まれて居場所がないながらも、健気に生きるイリスにセフィドリーフは心動かされ始めていた。 そして人間嫌いのセフィドリーフには隠された過去があることに、イリスは気づいていく。 非力な青年×人間嫌いの人外の、料理と癒しの物語。 ※全年齢向け作品です。

処理中です...