実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華

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本編

どっちが悪役か分かんねーよ。。

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ピッピピピ……




スマホのアラーム音が部屋中に鳴り響く。





手を伸ばしアラームを止めると、俺はまだ眠い目をこじ開けベッドから起きた。






《今日は昨日考えた作戦を実行する初めての日・・・やべ、緊張してきたあああぁぁぁ!!》





こんな作戦で本当に成功するのかな??そんな不安を胸に閉じ込め俺は制服に着替え、身支度を整える。





階段を降り…リビングへ行くと母の作った朝食があった。父と母は朝早くから仕事に行っているため朝食はいつも1人で食べる。





目玉焼きにウィンナー、トースト…コーンスープ。





うまうま…俺は次々と頬張っていく。
今日はしっかり食べておかなくちゃっ!!

なんてたって…


〝腹が減っては戦ができぬ〟


っていうしな☆







すべて完食し「ごちそうさま!」と手を合わせ俺は家を出た。バスに乗って学校へと向かう。






学校に着いた。学校に着いただけで俺の心臓はもう…バックンバックン!!心臓飛び出そう…





どうしよう…家に帰ろっかな。ダメかぁ……。
自分とヒロインの幸せのためだもんな!





俺は勇気を振り絞って学校の正門の門をまたいだ。
1年5組の教室の前まで来たが、、中々入る勇気が出てこない。どこにいったんだ!さっきの勇気は・・・(泣)





俺が1人くよくよとしていると耳元で声をかけられた。





「ひゃっ!?」




俺は突然のことにびっくりして変な声が出てしまった。






「ふふふ~♪」






俺の事をびっくりさせた犯人は俺の反応に笑っている。






「何すんだよっ!」







俺は昨日助けてもらったことも忘れ…を睨みつけて怒鳴った。



そう…犯人は…この小説のヒロインである〝波瑠〟だった。






「ごめんごめん…(笑)いつまで経っても教室に入らないからさ~、つい~」






「〝つい~〟じゃなああああい!!」






「いやぁ、それよりも…りょうくんって耳弱いんだね~(ニャッ)」






ヒロインは悪い顔をしながら俺にぐいぐいと近づいてきた。




俺は何だ何だ??と思いながら後ろに下がろうとするが生憎、壁があって無理だった。






「りょうくんの弱点ゲット~♪」






そんな事を言いながら俺に近づいてきて…もしや!?
こいつ俺の弱点につけこんで何か脅してくるつもりか??



くっ…ヒロインに弱点がバレるなんて、、あれ?普通、悪役がヒロインの弱点を握って脅したりイジメたりするんじゃないの??おいおい…これじゃどっちが悪役なのか分かんねーよ。。






「何考えてんの~」






「___っ!?」




気がつけばヒロインの顔が俺の目の前にドアップであった…



顔が可愛すぎて心臓に悪いな、、、



そんなことを思っていると突然耳にふーっと息をかけられた。






「ひゃんっ」






またもや俺は変な声を出してしまった。





「っ、ほんと…りょうくんって可愛いね~♡」





俺は恥ずかしくなりヒロインから逃げるように教室の中へと入っていった。

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