料理屋おやぶん

千川冬

文字の大きさ
表紙へ
上 下
35 / 48
まんぷく竹の子ご飯

まんぷく竹の子ご飯-3

しおりを挟む
「それで、みと屋はどうなの。お客は来るようになった?」
「ううん、なかなか」
「相変わらずねえ」

 加代は次の団子に手を伸ばす。

「あ、でもそういえば変わったことがあったの」

 三太の次第をひとしきり説明すると、加代はあきれた声を出した。

「ほんと、お客は来ないのに厄介なことだけはやって来る店ねえ」

 あまりにも加代の言う通りで、お鈴は苦笑いするしかない。

「でも、それはお鈴ちゃんも大変だったわねえ」
「ううん、あたしは大丈夫なんだけど、なんだか驚いちゃって」

 手に持った団子を見つめながら、言葉を続けた。

「あんなに小さい子が、誰にも助けてもらえずに一人で生き抜いてるなんて、考えもしなかった。色んなわけがあるんだろうけど、せめて近くの大人とか大家さんとか、誰かが助けてくれると思ってた」
「人の面倒なんて、余裕がないと見れないもんよ」

 加代がぴしゃりと言った。

「子どもだとしても、食い扶持ぶちが増えるのは大変なことよ。同情だけでそう容易たやすく育てられないわ」

 大店おおだなのお嬢様から現実的な話が出ると思っていなかったお鈴は、目を丸くした。

「そう、だけど」
「あたしは大店おおだなの娘だから、貧しいと思ったことはないし、そんな子達の苦労も分からない。でもね、あたしの知らない貧しい人達がたくさんいることは、おとっつあんから口すっぱく教えられてきたの」

 加代は「だからね」と続ける。

「あたしはいっぱいお金を使うことにしてるの」
「どういうこと」
「おとっつあんに言われたのよ。金を使いすぎるのはよくないが、ちゃんと使いなさい。金は天下の回り物だからって」

 ぽかんとしていると、加代が言葉を補ってくれた。

「たとえばね。あたしが呉服屋で着物を買うじゃない。そうしたら呉服屋にお金の余裕ができるから、その金で呉服屋の奉公人がうなぎを食べられるようになる。そしたらその金でうなぎ屋の人が子どもにいいものを食べさせてあげられるかもしれない。金ってそうやって回っていくものだから、みんなで使わなきゃみんな幸せにならないし、そのきっかけは、あたし達大店おおだなが作るべきことなのよ」
「そっか。加代さんがみと屋でご飯を食べてくれるから、あたしが団子を食べることができるんだものね」
「そうそう、そういうこと」
「そんなこと考えてるなんて、加代さんは凄いね」

 無邪気なお嬢様だと思っていたが、今日の加代は大人びて見えた。

「偉そうなこと言ったけど、全部おとっつあんの受け売り。ほんとはあたしが欲しいから着物やかんざしを買ってるんだけだけどね」

 加代は冗談っぽく舌を出してみせた。
 加代のように余裕のある暮らしをしたことがないので、金を使ったほうがいいという言葉はよく分からないけど、金が回ってみんなが幸せになる、ということは腑に落ちた。色んな人が使った金が、三太のところまで巡ってくれることを心から願う。

「さ、そういうわけで金を天下に回しましょう。お婆さん、団子おかわり」

 そう言って、加代は手を高く上げた。



   四


 天気のいい朝で、雀の鳴き声が耳朶みみたぶをそよがせる。
 身支度を調ととのえたお鈴は厨房に入った。
 仕込みにかかる前に、壁際の小窓に近づく。みと屋のくりやには煙を逃がすための小窓があり、閉じられるようにもなっているが、今は開いたままだ。そして窓枠には何も載っていない皿が置いてあった。それを見て口元をほころばせる。
 三太のことが気がかりで、どうにかしてやりたかった。考えた末、余った食材が出た日は、それを小窓に置いてやることにしたのだ。
 客が来ないみと屋に余裕などほとんどない。食材の余りが出たとしても十日に一度くらいで、それも少ない量だが、試しに干物を置いてみたところ、次の朝には綺麗になくなっていた。
 昨晩も大根を半分置いておいたが、今朝にはなくなっていた。三太の仕業かどうかは見当がつかないけれど、困っている誰かの助けになるのであれば嬉しい。
 心が明るくなり、鼻歌を歌いながら仕込みを始める。まずは今日使う分の漬物を取り出して、ぬか床の手入れだ。
 柔らかなぬか床に手を入れて掻き回していると、こつりと音がした。風で小石でも当たったのだろうと思ったら、再びこつり。
 くろが悪戯いたずらでもしているのかと、閉じた小窓を開けてみた。
 そこから見えるのはみと屋の裏側だ。生い茂る草木と井戸がある。いつもと変わらぬ光景に、ただの気のせいかと窓を閉めようとした瞬間。
 眼前に、にゅっと顔が飛び出してきた。
 きゃっ、と後ずさりして、体勢を崩しそうになる。
 柱に手をついておそるおそる確かめると、子どもの顔が三つ並んでいた。年は五、六歳だろうか。男の子が二人に女の子が一人。顔は薄汚れているが、きらきらした目をしている。窓の下から足を伸ばして顔を出しているのだろう。

「お野菜くれるの、お姉ちゃんなんでしょ」

 女の子が無邪気な声を出した。呆気にとられていると、男の子が「三太の兄ちゃんが言ってた」と続ける。

「あ、あなた達、三太ちゃんの知り合いなの」

 三人揃って「うん」と首を縦に振る。

「兄ちゃん、俺達のためにご飯作ってくれるんだ」
「兄ちゃんの作るご飯、うまいんだぞ」
「ねー」

 ということは、この子達のために料理をくすねていたのか。飄々ひょうひょうとしていた三太に、そんな優しさがあったのかと驚いた。
 そこへ「お前ら!」と叫び声が飛んでくる。
「まずい」と三人が首を引っ込めて、その代わりに道の先から駆けてくる三太が見えた。

「お姉ちゃん、ありがとう」

 そう言い残して、三人の子どもは散り散りに逃げ出した。入れ違いに三太が息を荒らげてやって来る。

「あいつら、しょうもないこと、しやがって」

 両膝に手をついて、肩を荒く上下させている。

「あの、水いる?」

 見かねてかめから水を汲んで渡してやった。三太は一息で飲み干し、ふうと息をつく。

「三太ちゃん、偉いのね。兄妹の面倒を見てるんでしょう」

 一人で生きていくのも大変だろうに、子ども達の世話までしているなんて、本当に凄い。その年で親代わりまでになうとは、お鈴には見当もつかないほど重いものを背負っているのだろう。
 そう思って素直に褒めたつもりだったが、三太は顔をしかめた。

「へっ、関係ねえや」

 そう言い捨てて、その場を去っていったのだった。


   *


「そんなことがあったのねえ」

 銀次郎と弥七が店にやって来てから、三太と子ども達の騒動を話した。

「あたし、何か怒らせるようなことを言ってしまったんでしょうか」

 去り際の三太の表情が頭に焼きついている。むっとした目の奥にちろりと怒りの炎が見えたのだ。

「分からねえか」
「はい」

 銀次郎は煙管キセルを一口吸い、吐き出した。白い煙がみと屋に広がっていく。

「おめえのやったことが悪いとは言わねえ。手を差し伸べることは間違っちゃいねえ」

 だったらどうして、と言いかけて、目で制された。

「だがな、おめえのやったことは施しだ」

 脳天を殴られた気がした。

「どんなに貧しくても、誇りを持って生きている奴もいる。同じ大根一本だとしても、自分の手で勝ち取ることと、憐れみで渡されるんじゃあ意味が違う。たとえ勝ち取る方法が正しくないやり方だったとしてもだ」

 憐れんでなんかいない、と思ったが、銀次郎の言葉を否定することはできなかった。

「おめえにそんなつもりはなかったとしても、おめえの中にある憐れみの心に感づいちまったんだろうよ」

 きっと、銀次郎の言う通りだ。
 お鈴は首を垂れて、着物の裾を握り締める。

「ま、お鈴ちゃんのそういう優しさはいいことよ」

 弥七が背中に手を当ててくれた。

「それにしても、あの子なかなかやるわねえ。この前ね、後を追おうとしたんだけど、綺麗に撒かれちゃった。よほど勘と目端が利かなきゃあ、この弥七さんからは逃げ切れないわよ」
「調べたのか」
「ちょいと気になってね」

 どうやら弥七が自ら調べていたようだ。事件があった時には銀次郎の指示で動くことが多いので、珍しい。

「やっぱり親がろくでもない奴だったらしくてね。飯を与えないどころか殴る蹴るも当たり前で逃げ出したみたい。どこに住んでるかは突き止められなかったから、転々としてるんじゃないかしら。兄妹がいたって話は聞かなかったし、同じような境遇の子の面倒を見てやってるのかもねえ」
「なんとかしてやりてえな」
「あれだけ聡い子だしね。まっすぐな道に戻れる機会を見つけてあげたいものだけど」

 弥七がぽつりと呟いた。



   五


 くつくつと音がして、厨房に甘辛い香りがただよう。
 かまどにかかった鍋を覗くと、茶に色づいたはまぐりがごろごろ煮込まれていた。
 今日の定食は時雨しぐれはまぐりだ。時雨しぐれはまぐりとは佃煮のようなもので、下茹でしたはまぐりのむき身を醤油や酒と刻んだしょうがで煮込む。ひたひたに漬かっていた汁が煮詰まり、汁気が飛べば出来上がり。
 よく煮込んで一晩置くと味が染み込むし、保存食にもなる。しかし煮込みすぎて身が固くなったものより、ぷりぷりした食感を楽しんでほしいので、みと屋では作り立てを出している。
 鍋を外し、器に盛りつける。三つ葉を置いて、彩り鮮やかに。
 汁と飯を添えて盆に載せ、店に入る。

「はああああ」
「もう、さっきからため息ばっかりじゃない」
辛気臭しんきくせえ奴がいたら客が逃げちまう。とっとと帰れ」
「親分ったら、逃げてく客なんてどこにもいやしないじゃない」
「うるせえばかやろう」

 そこでは、みと屋らしい賑やかなやりとりが繰り広げられていた。
 小上がりで煙管キセルをふかす銀次郎に、腰かける弥七。そして床几しょうぎに座って深くため息をつくのは新之助だ。がっくりうな垂れて、時折「はああ」と息を吐く。
 近寄って、新之助の横に盆を置いた。

「お待たせしました」
「ああ、お鈴さん」

 新之助がのろのろと顔を上げる。

「飯は道を開く、ですよ。どうにもならない時こそ、しっかり食べてください」

 覇気がない新之助は箸を重たそうに持ち、はまぐりを口に運んだ。しかし一口噛むと、目を見開いた。噛みしめるごとに背筋がしゃんとしていく。

「これはうまい」
「よかったです」
「ほどよく甘じょっぱくて飯が進みますね。そして身がふわふわだ」

 先ほどまでの憔悴しょうすいぶりが嘘のようだ。はまぐりと飯を交互にかき込む様を見て、お鈴は微笑んだ。

「あら、はまぐりね。なかなか立派じゃない」
「そうなんです。いいはまぐりが入ったと棒手振ぼてふりの人がわざわざ持ってきてくれて。だから今日は時雨しぐれを作ってみました」
「そうだ、今度みんなで潮干狩りに行きましょうよ。それで、いっぱいはまぐりを取りましょう」
「いいですね、行きましょう」

 弥七とそんなことを話しているうちに、新之助はあっという間に飯を平らげて箸を置いた。今度はため息ではなく、満足げな息をふうと吐く。

「いやあ、一気に食べてしまいましたが、おかげで力が湧きました」
「それなら安心しました。それにしても、いったいどうしたんですか」

 尋ねると、新之助はおもてを曇らせた。

「実は、例のご隠居の人捜しがいっこうに進んでおらず、上役から厳しく叱責を受けまして」

 まだ見つからないのかとご隠居から上役に連絡が入り、巡り巡って新之助に火の粉が降りかかったらしい。

「手がかりの一つも見つけられていないとはどういうことか、と四半刻に渡って叱責を受け、疲れ果てていたのです」

 下手な言い訳をすると上役の怒りに火を注ぐし、お鉢が自分に回ってきたら大変だから、同僚達も見て見ぬふりをするだけだ。

「あと十日のうちになんとしても手がかりを見つけてこいと言われ、果たしてどうしたものかと。妙案も浮かばず、自在に使える手下も足りておらず。どうにも手詰まりで」

 そもそも他の手練てだれ同心でも成果が得られなかったものを、若輩がどうやって見つければいいのか。またしてもため息をつき始めた新之助になんと声をかけたらいいか分からず、おろおろしながら見守っていると、弥七が「そうだわ」と声を上げた。

「江戸の町に詳しい人がいるといいのよね」
「まあ、そういう者がいると、ずいぶん助かりますね」
「あの子よ、三太に力を借りるのよ」
「どういうことですか」
「あの子はしたたかに生きてるから、江戸の町の裏通りまで知り尽くしてるはず」
「はあ」
「この間ね、ねぐらを突き止めようとしたら、綺麗に逃げられちゃったの。あたしを撒くくらいだから頭も回るわよ」
「いや、弥七殿の言うことも分かりますが、さすがにあの子は。なんと申しますか、そもそもまだ子どもですし」
「あら、子どもが同心を手伝っちゃいけないなんて道理はないはずよ。それに新之助さんには手立てを選んでる余裕はないでしょう」
「まあそうなのですが、それはさすがに武士として」

「ふん」と銀次郎が鼻を鳴らした。

「悪くねえな」
「ぎ、銀次郎殿までそんなことを」
「ガキには心を許しやすいから、聞き込みもはかどるかもしれねえ。下手な小者よりよっぽど使えるかもな」
「いや、そうは申しましても」
「ほら、これで決まり。お鈴ちゃん、時々余った大根とかあげてたわよね。それに文をつけて呼び出しましょう。あ、でも文字が読めないかもしれないわね。馬の絵でも描いておけばうまの刻って分かるかしら」

 勝手に話を進めていく弥七。新之助は観念したのか、「お任せします」と言い残してみと屋を去っていった。
 それにしても、弥七はずいぶん三太を気にかけているようだ。
 銀次郎に言われたわけでもないのに、様子を調べに行っていたことを思い出す。確かに三太は目端の利く子どもだが、新之助の助けになりそうな人物なら他にも心当たりはありそうなものだ。弥七はあえて三太を推したのだろうか。

「三太ちゃんのこと、気になりますか」

 弥七はお鈴の問いに、「そうね」と薄く笑った。

「なんだかね。つい、昔のあたしと重なっちゃってね」
「昔の自分、ですか」
「あたしもね。まあ色々あって、あんなふうに生きてた時があったのよ。面倒を見ずに捨てた親を恨み、助けてくれない大人に怒り、身体中に針を纏って生きてた時があったのよ」

 弥七は柔らかな口調のまま続けた。

「でもね、その針は周りだけじゃなく、自分の心まで刺すの。だんだんね、心から血が流れていくのが分かるの。そうやってからっぽになった心に、よからぬ気持ちが巣くったり、つけ入るやからが出てきたりする。そうなっちゃうとね、元の道には戻れなくなっちゃう。だから、そうなる前になんとかしてあげたいのよ」
「そう、だったんですか」

 思えば弥七の過去を聞いたことがなかった。それ以上詳しくは語らなかったけれど、おそらく大変な苦労があったのだろう。だからこそ、三太が戻れるうちに正しい道に誘ってあげたい、という弥七の願いが伝わってきた。

「三太ちゃんにとって、いいきっかけになるといいですね」
「ええ」

 銀次郎が煙管キセルを吸い、深く息を吐く。白い煙がたなびいた。



   六


「やーなこったい」

 床几しょうぎの上で胡坐あぐらをかいた三太は、ぷいと顔をそむけた。

「あんたを見込んでのことよ。それにちゃんと手間賃も弾んでくれるのよ」
「へん、お上の手伝いなんてまっぴらごめんだね。金を積まれてもお断りだい」

 大根に文をつけたところ、三太は三日後にやって来た。
 折よく新之助も居合わせており、弥七も加わって事情を話したが、にべもない返事である。
 三太は新之助を睨み、指さした。

「お前らはいつだってそうだ。俺達がどれだけ苦しんでも米粒一つくれやしない。だってのにちょっと困った時には手を貸せ、なんて言う。俺達つまはじきもんを都合のいい時だけいいように使うんじゃねえよ」
「三太ちゃん、新之助さんはそんな人じゃないの」

 見かねて口を挟むが、三太は目を尖らせるばかりだ。


しおりを挟む
表紙へ

あなたにおすすめの小説

懴悔(さんげ)

蒼あかり
歴史・時代
嵐のような晩だった。 銀次は押し込み強盗「おかめ盗賊」の一味だった。「金は盗っても命は取らぬ」と誓っていたのに、仲間が失態をおかし、人殺し盗賊に成り下がってしまう。銀次は何の因果かその家の一人娘を連れ去ることに。 そして、おかめ強盗に命を散らされた女中、鈴の兄源助は、妹の敵を討つために一人、旅に出るのだった。 追われ、追いかけ、過去を悔い、そんな人生の長い旅路を過ごす者達の物語。 ※ 地名などは全て架空のものです。 ※ 詳しい下調べはおこなっておりません。作者のつたない記憶の中から絞り出しましたので、歴史の中の史実と違うこともあるかと思います。その辺をご理解のほど、よろしくお願いいたします。

猫縁日和

景綱
ライト文芸
 猫を介していろんな人たちと繋がるほっこりストーリー。 (*改稿版)  はじまりは777の数字。  小城梨花。二十五歳独身、ちょっとめんどくさがり屋のダメな女子。  仕事を辞めて数か月。  このままだと、家賃も光熱費も食費もままならない状況に陥ってしまうと、気が焦り仕事を探そうと思い始めた。  梨花は、状況打破しようと動き始めようとする。  そんなとき、一匹のサバトラ猫が現れて後を追う。行き着く先は、老夫婦の経営する花屋だった。  猫のおかげというべきか、その花屋で働くことに。しかも、その老夫婦は梨花の住むアパートの大家でもあった。そんな偶然ってあるのだろうか。梨花は感謝しつつも、花屋で頑張ることにする。  お金のためなら、いや、好きな人のためなら、いやいや、そうじゃない。  信頼してくれる老婦人のためなら仕事も頑張れる。その花屋で出会った素敵な男性のことも気にかかり妄想もしてしまう。  恋の予感?  それは勝手な思い込み?  もしかして、運気上昇している?  不思議な縁ってあるものだ。  梨花は、そこでいろんな人と出会い成長していく。

お父さんがゆく異世界旅物語

はなまる
ファンタジー
 この小説は、常識も良識もある普通のお父さんが、転移という不思議現象と、獣の耳と尻尾を持つ人たちの世界で、真っ向勝負で戦うお話です。  武器は誠実さと、家族への愛情。  それが、取るに足りない、つまらないものだと思うなら、ぜひ、このお話を読んでもらいたい。  戦う相手がモンスターでなくとも、武器が聖剣でなくても、世界を救う戦いでなくても。  地球という舞台で、今日も色々なものと戦うお父さんと同じように、主人公は戦います。  全てのお父さんとお母さん、そして君に、この物語を贈ります。 2019年、3月7日完結しました。  本作は「小説家になろう」にて連載中の「おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記〜」を大幅に改稿・加筆したものです。同じものを「小説家になろう」にも投稿しています。

開国横浜・弁天堂奇譚

山田あとり
歴史・時代
村の鎮守の弁天ちゃん meets 黒船! 幕末の神奈川・横濵。 黒船ペリー艦隊により鎖国が終わり、西洋の文化に右往左往する人々の喧騒をよそに楽しげなのは、横濵村の総鎮守である弁天ちゃんだ。 港が開かれ異人さんがやって来る。 商機を求めて日本全国から人が押し寄せる。町ができていく。 弁天ちゃんの暮らしていた寺が黒船に関わることになったり、外国人墓地になったりも。 物珍しさに興味津々の弁天ちゃんと渋々お供する宇賀くんが、開港場となった横濵を歩きます。 日の本の神仏が、持ち込まれた異国の文物にはしゃぐ! 変わりゆく町をながめる! そして人々は暮らしてゆく! そんな感じのお話です。 ※史実をベースにしておりますが、弁財天さま、宇賀神さま、薬師如来さまなど神仏がメインキャラクターです。 ※歴史上の人物も登場しますが、性格や人間性については創作上のものであり、ご本人とは無関係です。 ※当時の神道・仏教・政治に関してはあやふやな描写に終始します。制度的なことを主役が気にしていないからです。 ※資料の少なさ・散逸・矛盾により史実が不明な事柄などは創作させていただきました。 ※神仏の皆さま、関係者の皆さまには伏してお詫びを申し上げます。 ※この作品は〈カクヨム〉にも掲載していますが、カクヨム版には一章ごとに解説エッセイが挟まっています。

マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜

かむら
ファンタジー
 身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。  そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。  これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。

【本編完結】捨てられ聖女は契約結婚を満喫中。後悔してる?だから何?

miniko
恋愛
「孤児の癖に筆頭聖女を名乗るとは、何様のつもりだ? お前のような女は、王太子であるこの僕の婚約者として相応しくないっっ!」 私を罵った婚約者は、その腕に美しい女性を抱き寄せていた。 別に自分から筆頭聖女を名乗った事など無いのだけれど……。 夜会の最中に婚約破棄を宣言されてしまった私は、王命によって『好色侯爵』と呼ばれる男の元へ嫁ぐ事になってしまう。 しかし、夫となるはずの侯爵は、私に視線を向ける事さえせずに、こう宣った。 「王命だから仕方なく結婚するが、お前を愛する事は無い」 「気が合いますね。私も王命だから仕方無くここに来ました」 「……は?」 愛して欲しいなんて思っていなかった私は、これ幸いと自由な生活を謳歌する。 懐いてくれた可愛い義理の息子や使用人達と、毎日楽しく過ごしていると……おや? 『お前を愛する事は無い』と宣った旦那様が、仲間になりたそうにこちらを見ている!? 一方、私を捨てた元婚約者には、婚約破棄を後悔するような出来事が次々と襲い掛かっていた。 ※完結しましたが、今後も番外編を不定期で更新予定です。 ※ご都合主義な部分は、笑って許して頂けると有難いです。 ※予告無く他者視点が入ります。主人公視点は一人称、他視点は三人称で書いています。読みにくかったら申し訳ありません。 ※感想欄はネタバレ配慮をしていませんのでご注意下さい。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。