210 / 251
4
しおりを挟む非常に珍しい光景だ。
鼻に真っ赤になったティッシュを詰めた状態のイケメンに自分のモン舐められてるとか、もう俺の人生どうしてこうなった。
「はぁ…に、匂いが分からない」
「――あ…ぅ、喋んなっ」
こんな色気もないただの変態発言にうっかりイかされそうになる。
濡れた口内の感触に、ゾクゾクと身震いしながら耐える。
別にこの行為自体は初めてじゃないが、相手も心境も全てが違いすぎて、なんというか居た堪れない。
だが完全に俺を気持ちよくさせるための動きをされて、奏志の頭を掴んで必死に耐える。
初めて知ったが男同士だとポイントが分かっているのか、かなり気持ちいい。
それじゃなくても好きな奴に舐められているだけで心苦しいと言うのに、堪らないと言った様子で何度も屹立を嬲られてあっという間に快感が上り詰めていく。
先端を舌先でくすぐられ、敏感な箇所にビクリと背筋が仰け反る。
はあ、と熱く息を吐き出したら好気に溢れる視線と目が合った。
「…今の気持ちいい?いっぱいやってあげるね」
「えっ、ちょっ…っあ!」
何度も何度もそこをぐりぐりと舌で嬲られる。
コイツは焦らしたりなんかしない。
俺が少しでも気持ちいいと思えば、そこを容赦なく責め立ててくる。
堪らず俺は奏志の髪をぎゅっと掴んだ。
「待てっ、で、出るって…出ちゃうから…っ」
「はぁ、いいよ。いっぱいだして。高瀬くんの気持ちいい顔見せて」
「…っあ、あっ」
人のモン咥えながら色っぽい目で見上げられて、一気にぞくぞくと背筋に快感が走り抜けた。
我慢する間もなく甘い声をあげて、ドクッ、と頭が真っ白に弾ける。
思いっきり奏志の口の中に熱を吐き出していた。
ドクドクとイッている最中も強く吸い上げられて、腰が震えてしまう。
「――っは…はぁ、わ、悪い…」
肩で息をしながらぼんやりと奏志を見ると、うっとりとした顔で俺の出したモンを当たり前のように飲み込んでいた。
マジかよ。予想してたけどやっぱり飲みやがった。
「…お、お前って実は変態だろ…七海以上の――」
「どうして今他の人の名前が出てくるの」
どこかムッとしたような顔に再び組み敷かれる。
うつ伏せにされて、覆いかぶさりながら背筋を舐められた。
ゴリゴリと容赦なく腰に硬いものを押し付けられて、どうしたってビビる。
「な、なあ。一つ確認しておいていいか?」
「…ん、なに?」
「や、やっぱり俺が挿れられんの?」
「…へ?それ以外に他に何かあるの?」
至極当然というように言われた。
というかもうこの反応は自分が挿れられることを全く想定していないという顔だ。
「…あ、その。高瀬くんがどうしても嫌だって言うなら…そ、その…その…う…っ」
俺が嫌ならやめると言おうとしてくれているらしいが、物凄く渋っている。
少し待ってみたが、ゴニョゴニョ言っているだけで中々やめるとは言わない。
つまり何が何でもコイツは俺にぶち込みたいわけだ。
「…あーもういいよ。今更どうこう言うつもりはねえ。好きにしろって前から言ってるし」
「――あ、ありがとうっ」
あっという間に声音が明るくなる。
俺のその言葉待ってやがったくせに、現金過ぎる。
だがコイツを幸せにすると覚悟した手前、もちろん望みは叶えてやりたい。
この先長く一緒にいるなら避けては通れない道だ。
と、完全に俺の中では試練扱いになっていたが、奏志が荒く息を吐き出して着ていたシャツを脱いだから心臓がバクリと跳ね上がってしまった。
「――うわ」
分かりたくなかったが、コイツに憧れる女の気持ちが少し分かってしまったかも知れない。
曝け出された身体は匂い立つほど色気が放たれていて、適度についた筋肉は同じ男として羨ましいほどだ。
思わずぼーっと見惚れていたら、俺の視線に合わせて優しく微笑まれた。
「――好きだよ」
ギュッと心臓が締め付けられる。
いまだかつて、こんなにドキドキしたことがあっただろうか。
俺の頭の中は半パニック状態になるほどもういっぱいいっぱいだった。
7
お気に入りに追加
866
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【完結】私立秀麗学園高校ホスト科⭐︎
亜沙美多郎
BL
本編完結!番外編も無事完結しました♡
「私立秀麗学園高校ホスト科」とは、通常の必須科目に加え、顔面偏差値やスタイルまでもが受験合格の要因となる。芸能界を目指す(もしくは既に芸能活動をしている)人が多く在籍している男子校。
そんな煌びやかな高校に、中学生まで虐められっ子だった僕が何故か合格!
更にいきなり生徒会に入るわ、両思いになるわ……一体何が起こってるんでしょう……。
これまでとは真逆の生活を送る事に戸惑いながらも、好きな人の為、自分の為に強くなろうと奮闘する毎日。
友達や恋人に守られながらも、無自覚に周りをキュンキュンさせる二階堂椿に周りもどんどん魅力されていき……
椿の恋と友情の1年間を追ったストーリーです。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
※R-18バージョンはムーンライトノベルズさんに投稿しています。アルファポリスは全年齢対象となっております。
※お気に入り登録、しおり、ありがとうございます!投稿の励みになります。
楽しんで頂けると幸いです(^^)
今後ともどうぞ宜しくお願いします♪
※誤字脱字、見つけ次第コッソリ直しております。すみません(T ^ T)
王様のナミダ
白雨あめ
BL
全寮制男子高校、箱夢学園。 そこで風紀副委員長を努める桜庭篠は、ある夜久しぶりの夢をみた。
端正に整った顔を歪め、大粒の涙を流す綺麗な男。俺様生徒会長が泣いていたのだ。
驚くまもなく、学園に転入してくる王道転校生。彼のはた迷惑な行動から、俺様会長と風紀副委員長の距離は近づいていく。
※会長受けです。
駄文でも大丈夫と言ってくれる方、楽しんでいただけたら嬉しいです。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
俺のソフレは最強らしい。
深川根墨
BL
極度の不眠症である主人公、照国京は誰かに添い寝をしてもらわなければ充分な睡眠を得ることができない身体だった。京は質の良い睡眠を求め、マッチングサイトで出会った女の子と添い寝フレンド契約を結び、暮らしていた。
そんなある日ソフレを失い困り果てる京だったが、ガタイの良い泥棒──ゼロが部屋に侵入してきた!
え⁉︎ 何でベランダから⁉︎ この部屋六階なんやけど⁉︎
紆余曲折あり、ゼロとソフレ関係になった京。生活力無しのゼロとの生活は意外に順調だったが、どうやらゼロには大きな秘密があるようで……。
ノンケ素直な関西弁 × 寡黙で屈強な泥棒(?)
※処女作です。拙い点が多いかと思いますが、よろしくお願いします。
※エロ少しあります……ちょびっとです。
※流血、暴力シーン有りです。お気をつけください。
2022/02/25 本編完結しました。ありがとうございました。あと番外編SS数話投稿します。
2022/03/01 完結しました。皆さんありがとうございました。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
侯爵令息、はじめての婚約破棄
muku
BL
侯爵家三男のエヴァンは、家庭教師で魔術師のフィアリスと恋仲であった。
身分違いでありながらも両想いで楽しい日々を送っていた中、男爵令嬢ティリシアが、エヴァンと自分は婚約する予定だと言い始める。
ごたごたの末にティリシアは相思相愛のエヴァンとフィアリスを応援し始めるが、今度は尻込みしたフィアリスがエヴァンとティリシアが結婚するべきではと迷い始めてしまう。
両想い師弟の、両想いを確かめるための面倒くさい戦いが、ここに幕を開ける。
※全年齢向け作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる