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36・いつでも一生懸命で、誰よりも努力家なあなたと
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「どうされたのですか?」
アロイス様に近寄り、彼に声をかける。
すると彼はゆっくりと私に顔を向けて、口を開いた。
「いや……なに、気分転換だ」
「気分転換? それならいいのですが……急にいなくなるから驚きましたよ。せめて私に一言言ってから、離席してください」
「ああ、すまない」
口ではそう謝っているものの、いまいち歯切れが悪い。
一体……なに?
気分転換だとは言っているものの、アロイス様がこういう行動を取るのは珍しい。
彼はたとえ楽しいパーティー中であっても、終始完璧な態度と行動を貫くからだ。
完璧超人。
それがアロイス様のみんなからのイメージ。私もそれも同様だ。
小さな違和感だった。
私は考えたくない可能性に思い当たり、こう質問の言葉を紡いでいた。
「もしかして……私と結婚するのが嫌なんですか?」
「!?」
アロイス様の表情が一転する。
「マリッジブルーと言われるものがあります。結婚前や結婚後において、気持ちが沈んでしまうことです。アロイス様は私と結婚するのが、本当は嫌。王子としての義務から結婚はするだけ。私のことは──」
「違うんだ!」
慌てて、私の両肩を強い力で掴むアロイス様。
「君と結婚するのが嫌だなんて、断じて有り得ない! 君と結婚することが出来て、俺は世界一の幸せものだと思っているよ。君を不安にさせたなら申し訳ない。だが……」
「ふふっ、ごめんなさい」
その慌てっぷりが、あまりに可愛いものだったから──私はつい笑いを零してしまう。
「冗談ですよ。あなたからの愛を疑ったことはありません。ですが、こうでも言わないと、本当のことを言ってくれないと思って」
「なんだ……」
アロイス様はほっと安堵の息を吐く。
「言ってください。気分転換だなんて嘘ですよね? 別の理由がある」
「それは……」
私が問いかけると、アロイス様は言おうか言わまいか悩む素振りを見せる。
しかし諦めたように深い溜め息を吐いて、話し始めた。
「……怖いんだ」
「怖い?」
「ああ」
「一体、なにが?」
「全てだ」
即答するアロイス様。
アロイス様は完璧超人。
怖いものなんて、この世にないと思っていた。
それなのに、ここにきて「怖い」だなんて言い出すなんて……。
あまりにアロイス様のイメージからかけ離れた台詞だったので、私は言葉に詰まってしまう。
「人前に出るのが怖い。みんなが俺を見ているのが怖い。君と結婚することになって、陛下も本格的に俺へ王位を継承させようとするだろう。俺ごときが、国を引っ張っていけるのか……そう考えると怖い」
アロイス様は自分の右手を見て、さらに続ける。
「そして未来のことを考えてしまう。なにもかも上手くいかず、失敗続きの俺に君が失望してしまうんじゃないか……と。
今まで、考えないようにしていた。しかしこうして節目の式を迎えるとなると、否応がなしに恐怖が押し寄せてくる。ゆえに式場から逃げ出して、ここで恐怖をおさえていた」
「とてもじゃありませんが、信じられません。それは今のあなたを見ても……です。現に、あなたは今日も──いえ、今まで上手くやれている。恐れる必要なんて、どこにもないのですから。恐怖を感じているというのも、嘘なのでは?」
「そうか? では、俺の右手を握ってみてくれ」
そう言って、アロイス様は右手を差し出す。
私は少し戸惑いつつも、彼の右手を握る。
「え……」
そして気付く。
彼の右手が、どうしようもなく震えていたのを。
「……俺はな、君と初めて会った時からからなにも成長していないんだ」
私と初めて会った時。
あれから、年月が経過したので十四年前になろうとしている。
アロイス様は『アロー君』と名乗り、今とはイメージが重ならないほど小さく見えた。
そんな彼と、私は初めて出会った。
そういえば、今はその時とシチュエーションが同じだ。
「俺が人より上手くやれている理由は、人より努力したからだ。人が一日かけて出来ることを、俺は三日かけた。それでは時間がかかりすぎだから、三倍の労力と熱意でこなした。俺は……不器用なんだ」
「信じられませ──と言いたいところですが、なんとなく納得出来ます」
最初、アロイス様に婚約を申し込まれた頃。
同じことを言われても、信じることが出来ないかもしれない。
しかしアロイス様と再会してから、短くない月日を彼と共に過ごし、少しずつ理解を深めていった。
普通の王子なら他人に任せるようなことも、アロイス様は率先して自分から行った。
服の交渉をしに、マチアスのラヴェンロー伯爵家に向かった時も、アロイス様は自分で剣を取り、私を救いにきてくれた。
「今まで、それを誤魔化し誤魔化しやってきた。何故なら、そうしなければ民が不安になるからと思ったからだ。そしてなにより──君に嫌われると思った」
「なにをおっしゃいますか」
私はアロイス様の右手を両手で優しく包み込むようにして握り、彼の透き通った瞳を見つめる。
「私はそんなあなた──人よりも頑張り屋さんで、常に前を向くあなたが誰よりも好きなんです。私があなたの努力に気付いていないとお思いでしたか?」
「本当か?」
「本当です」
男には女にカッコつけたい時がある──そう本で読んだことがある。
だから私は気付かないふりをしていた。
でもずっと近くで見ていた──彼の努力を。
「もし、どうしても一人では怖いと思った時は、私を頼ってください。そのために私がいるんですよ。こうしていたら、勇気が出てこないですか?」
「だが……」
煮え切らない彼の態度に、私は気付けばこう声を張り上げていた。
「あなたはもっと、自分に自信を持つべきよ! もっと胸を張って、みんなの前に立ちなさい!」
あっ、やっちゃった。
少し反省して恐る恐るアロイス様の顔をよく見るが、彼はきょとんとした表情。
だが、すぐに愉快そうに笑って。
「ふっ……はっはっは! そうだな。俺はもっと自信を持つべきだ。ありがとう、ディアナ。昔、俺を元気付けてくれた君のようだ」
「す、すみません。不快な気持ちになられていませんか?」
「なってないよ。それどころか、勇気が出てきた」
そう言うアロイス様の表情は、いつもの自信に満ちていた。
「じゃあ、もう大丈夫ですよね? 早く会場に戻りましょう。みんなが心配していると思いますよ」
まあ……オレールさんはアロイス様がどこにいるか知っているようだったけどね。
それを知らせなかったのは、私とアロイス様を二人っきりにさせたかったかしら?
そんなことを考えながら、私はアロイス様に背を向けると、
「待ってくれ、ディアナ」
と彼に肩を掴まれる。
一体なに──と思い振り返ると、彼の顔がすぐ目の前にまできていた。
「──っ」
次の瞬間、彼の柔らかい唇が私の唇に触れる。
周囲が一瞬で静まり返り、私たち二人だけの世界が広がった。
突然のことだったけど、彼のキスは優しくて甘い。彼からの愛が伝わってきて、私の心に深く響いた。
全身が愛で満たされ、幸せが込み上げてくる。
どれだけの時間、そうしていただろう。
一瞬だったかもしれない。それとも三十分くらい、そうしていたかもしれない。
やがてアロイス様の方からゆっくり顔を離し、私にこう告げた。
「ディアナ、愛してる」
その誠実な瞳から、私は視線を逸らせない。
「私も……です。アロイス様」
「不器用で才能もない俺だが、一緒になってくれるか?」
「もちろんです。いつでも一生懸命で、誰よりも努力家なあなたと、私は一緒になりたい」
そう返事をすると、アロイス様は優しく微笑んだのだった。
アロイス様に近寄り、彼に声をかける。
すると彼はゆっくりと私に顔を向けて、口を開いた。
「いや……なに、気分転換だ」
「気分転換? それならいいのですが……急にいなくなるから驚きましたよ。せめて私に一言言ってから、離席してください」
「ああ、すまない」
口ではそう謝っているものの、いまいち歯切れが悪い。
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彼はたとえ楽しいパーティー中であっても、終始完璧な態度と行動を貫くからだ。
完璧超人。
それがアロイス様のみんなからのイメージ。私もそれも同様だ。
小さな違和感だった。
私は考えたくない可能性に思い当たり、こう質問の言葉を紡いでいた。
「もしかして……私と結婚するのが嫌なんですか?」
「!?」
アロイス様の表情が一転する。
「マリッジブルーと言われるものがあります。結婚前や結婚後において、気持ちが沈んでしまうことです。アロイス様は私と結婚するのが、本当は嫌。王子としての義務から結婚はするだけ。私のことは──」
「違うんだ!」
慌てて、私の両肩を強い力で掴むアロイス様。
「君と結婚するのが嫌だなんて、断じて有り得ない! 君と結婚することが出来て、俺は世界一の幸せものだと思っているよ。君を不安にさせたなら申し訳ない。だが……」
「ふふっ、ごめんなさい」
その慌てっぷりが、あまりに可愛いものだったから──私はつい笑いを零してしまう。
「冗談ですよ。あなたからの愛を疑ったことはありません。ですが、こうでも言わないと、本当のことを言ってくれないと思って」
「なんだ……」
アロイス様はほっと安堵の息を吐く。
「言ってください。気分転換だなんて嘘ですよね? 別の理由がある」
「それは……」
私が問いかけると、アロイス様は言おうか言わまいか悩む素振りを見せる。
しかし諦めたように深い溜め息を吐いて、話し始めた。
「……怖いんだ」
「怖い?」
「ああ」
「一体、なにが?」
「全てだ」
即答するアロイス様。
アロイス様は完璧超人。
怖いものなんて、この世にないと思っていた。
それなのに、ここにきて「怖い」だなんて言い出すなんて……。
あまりにアロイス様のイメージからかけ離れた台詞だったので、私は言葉に詰まってしまう。
「人前に出るのが怖い。みんなが俺を見ているのが怖い。君と結婚することになって、陛下も本格的に俺へ王位を継承させようとするだろう。俺ごときが、国を引っ張っていけるのか……そう考えると怖い」
アロイス様は自分の右手を見て、さらに続ける。
「そして未来のことを考えてしまう。なにもかも上手くいかず、失敗続きの俺に君が失望してしまうんじゃないか……と。
今まで、考えないようにしていた。しかしこうして節目の式を迎えるとなると、否応がなしに恐怖が押し寄せてくる。ゆえに式場から逃げ出して、ここで恐怖をおさえていた」
「とてもじゃありませんが、信じられません。それは今のあなたを見ても……です。現に、あなたは今日も──いえ、今まで上手くやれている。恐れる必要なんて、どこにもないのですから。恐怖を感じているというのも、嘘なのでは?」
「そうか? では、俺の右手を握ってみてくれ」
そう言って、アロイス様は右手を差し出す。
私は少し戸惑いつつも、彼の右手を握る。
「え……」
そして気付く。
彼の右手が、どうしようもなく震えていたのを。
「……俺はな、君と初めて会った時からからなにも成長していないんだ」
私と初めて会った時。
あれから、年月が経過したので十四年前になろうとしている。
アロイス様は『アロー君』と名乗り、今とはイメージが重ならないほど小さく見えた。
そんな彼と、私は初めて出会った。
そういえば、今はその時とシチュエーションが同じだ。
「俺が人より上手くやれている理由は、人より努力したからだ。人が一日かけて出来ることを、俺は三日かけた。それでは時間がかかりすぎだから、三倍の労力と熱意でこなした。俺は……不器用なんだ」
「信じられませ──と言いたいところですが、なんとなく納得出来ます」
最初、アロイス様に婚約を申し込まれた頃。
同じことを言われても、信じることが出来ないかもしれない。
しかしアロイス様と再会してから、短くない月日を彼と共に過ごし、少しずつ理解を深めていった。
普通の王子なら他人に任せるようなことも、アロイス様は率先して自分から行った。
服の交渉をしに、マチアスのラヴェンロー伯爵家に向かった時も、アロイス様は自分で剣を取り、私を救いにきてくれた。
「今まで、それを誤魔化し誤魔化しやってきた。何故なら、そうしなければ民が不安になるからと思ったからだ。そしてなにより──君に嫌われると思った」
「なにをおっしゃいますか」
私はアロイス様の右手を両手で優しく包み込むようにして握り、彼の透き通った瞳を見つめる。
「私はそんなあなた──人よりも頑張り屋さんで、常に前を向くあなたが誰よりも好きなんです。私があなたの努力に気付いていないとお思いでしたか?」
「本当か?」
「本当です」
男には女にカッコつけたい時がある──そう本で読んだことがある。
だから私は気付かないふりをしていた。
でもずっと近くで見ていた──彼の努力を。
「もし、どうしても一人では怖いと思った時は、私を頼ってください。そのために私がいるんですよ。こうしていたら、勇気が出てこないですか?」
「だが……」
煮え切らない彼の態度に、私は気付けばこう声を張り上げていた。
「あなたはもっと、自分に自信を持つべきよ! もっと胸を張って、みんなの前に立ちなさい!」
あっ、やっちゃった。
少し反省して恐る恐るアロイス様の顔をよく見るが、彼はきょとんとした表情。
だが、すぐに愉快そうに笑って。
「ふっ……はっはっは! そうだな。俺はもっと自信を持つべきだ。ありがとう、ディアナ。昔、俺を元気付けてくれた君のようだ」
「す、すみません。不快な気持ちになられていませんか?」
「なってないよ。それどころか、勇気が出てきた」
そう言うアロイス様の表情は、いつもの自信に満ちていた。
「じゃあ、もう大丈夫ですよね? 早く会場に戻りましょう。みんなが心配していると思いますよ」
まあ……オレールさんはアロイス様がどこにいるか知っているようだったけどね。
それを知らせなかったのは、私とアロイス様を二人っきりにさせたかったかしら?
そんなことを考えながら、私はアロイス様に背を向けると、
「待ってくれ、ディアナ」
と彼に肩を掴まれる。
一体なに──と思い振り返ると、彼の顔がすぐ目の前にまできていた。
「──っ」
次の瞬間、彼の柔らかい唇が私の唇に触れる。
周囲が一瞬で静まり返り、私たち二人だけの世界が広がった。
突然のことだったけど、彼のキスは優しくて甘い。彼からの愛が伝わってきて、私の心に深く響いた。
全身が愛で満たされ、幸せが込み上げてくる。
どれだけの時間、そうしていただろう。
一瞬だったかもしれない。それとも三十分くらい、そうしていたかもしれない。
やがてアロイス様の方からゆっくり顔を離し、私にこう告げた。
「ディアナ、愛してる」
その誠実な瞳から、私は視線を逸らせない。
「私も……です。アロイス様」
「不器用で才能もない俺だが、一緒になってくれるか?」
「もちろんです。いつでも一生懸命で、誰よりも努力家なあなたと、私は一緒になりたい」
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