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30・リーゼの謎
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あの日のことを考える。
学園でのパーティー、フリッツはリーゼに呼び出された。
なんでも、「人が多いパーティーには慣れない。わたしはフリッツ様と二人っきりで過ごしたい」とのことだった。
今思えば、違和感がある物言いだった。
だが、無視するのもかわいそうだ。
結果的に、そう考える自分の優しが仇となってしまった。
フリッツは中庭に向かう。
既にリーゼは一人、月明かりの下で待っていた。
月明かりに照らされるリーゼの顔は、妖艶で幻惑的な美しさを放っていた。
その美しさは通常のそれを遥かに超えており、一種の魔性を帯びていて、誰もがその視線を逸らすことが出来ないような力を持っていた。
『僕にはディアナがいるんだ。婚約者を放って、こんなところで君と会っていたなんて……他の人に見られれば、なにを言われるか分からない。悪いけど、僕はこれで失礼する』
そう言うと、リーゼは瞳が涙でほんのりと濡れた。
罪悪感に負けそうになったが、これ以上ここにいてはいけない。
フリッツはぐっと堪え、彼女に背を向ける。
『待ってください!』
しかしリーゼに呼び止められた。
『フリッツ様の言うことも重々分かります。ですが……フリッツ様のためにクッキーを作ってきたんです。クッキー、お好きですよね? せめてこれを食べて、感想を教えてほしい』
『クッキー……』
その言葉を聞くと、リーゼの作ったクッキーの味が口の中で再現される。
ディアナを放ってはおけない──そんな固い意思が揺らいでしまった。
フリッツは彼女から小袋を受け取る。中を見ると、見慣れたクッキーが入っていた。
『ありがとう。せっかくだし、いただくよ』
あの時の自分は、まだリーゼに対し僅かな恋心を抱いていた。
ゆえに、なんの警戒も抱かず、フリッツはクッキーを口の中に入れる。
なんの変哲もない味だ。
しかし、おかしなほどに美味しく感じる。
噛み締めるたびに、リーゼへの恋心が膨らんでいった。
『どうですか?』
『うん、美味しいよ。やっぱり君の作ってくれたクッキーが一番だ。どうして、僕は君を放ってディアナのところへ行こうとしたんだろう? このクッキーを食べて、自分の愚かさに気付いた』
──これは後から気付いたことだが──その時の自分は少し前と全く真逆のことを言っていた。
どうして自分でもそんなことを言ったのか分からない。
フリッツがリーゼに見惚れていると、
『ふふふ……効いたみたいね。ちょっと焦ったけど、量を増やせば問題なかったみたい。あーあ、早くこんなものに頼らなくても、魔法が使えればいいんだけど……』
彼女が小声でなにかを呟いた。
『なにか言った?』
『なんでもないですよ。そんなくだらないことは気にしないで、わたしのことをどう思っているか言ってみてください』
何故だかリーゼにそう言われると、フリッツは彼女の命令に逆らうことが出来ない。
『愛してる』
とフリッツは言い、リーゼの両肩に手を置く。
もう止まらなかった。
そのまま顔を接近させ、彼女と唇を合わせる。
彼女の唇は柔らかで、花のような香りがした。
こんな風にしていると、思考が乱れ、彼女の存在だけが頭を支配した。
『あ……』
『ディ、ディアナ! どうしてここに!?』
そして──その場面をディアナに目撃されてしまったということだ。
ディアナの顔を見て、ぐちゃぐちゃになった思考が嘘のように整う。
取り返しのつかない過ちに、フリッツは後悔の念が浮かんだ。
『ま、待ってくれ! ディアナ、話し合おう! これには重大な誤解がある!』
だが、出てくるのは取り繕うための嘘。
フリッツが呼んでもディアナは制止せず、そのまま中庭から走り去ってしまった──。
◆ ◆
「……ということなんだ」
フリッツから語られた話は、興味深いものであった。
「それって……」
「ああ、そのクッキーに媚薬が混入していた可能性が高いな」
アロイス様が私が言いたかったことを、先んじて口にする。
「アロイス殿下、僕もその可能性に思い当たりました。今思えば、僕のリーゼへの感情は異常でした。リーゼが最後、クッキーを渡そうとして僕はそれを払いのけましたが……あれにも媚薬が入ってたんじゃないかと」
私が知っている限り、媚薬は永遠に効くものではない。時間制限があるのだ。
婚約お披露目パーティー中に媚薬を口にした令嬢も──摂取量が少なかったとはいえ──時間を空けたら元に戻ったという。
フリッツはリーゼとの関わりを止め、媚薬も口にしなくなった。
そのせいで媚薬の効果が切れ始め、リーゼが彼に再接近する理由となったのだろう。
だが、フリッツはそれを払いのけ、クッキーを口にしなかった。
ゆえに媚薬の効果が切れ、こうして冷静に私たちと会話をすることが出来ている……ってこと?
「それではなにか? 『僕は媚薬を口にしていたから被害者なんだ。僕は悪くない』とでも言うつもりか?』
じゃっかん、声に怒りを含ませてアロイス様が問う。
だけどフリッツは首を横に振り。
「……いいえ。不用意にリーゼのクッキーに口を付けてしまったのは、僕の判断ミスです。媚薬のことは幼い頃から教えられてきたのに、そのことまで頭が回らなかった僕が悪いんです」
「当然だな」
「そして……ディアナへの想いがもっと強ければ、こんなことにはならなかったでしょう。所詮、僕のディアナへの愛はそれまでだったんです。婚約者を本気で愛することが出来なかった、それが僕の最大の過ちです」
「……? フリッツの言ってることは分かるけど、どうしてそういう話になるの?」
いくら私のことが好きでも、媚薬を口にしてしまえばそれが揺らいでしまう。
精神論というわけでもなさそうだし、フリッツの言い方は違和感が残る。
「媚薬はな、他に好きな人がいたら効果が薄くなると言われているんだ」
そう答えてくれるのはアロイス様。
「そうなんですか? ……いや、理屈としてはなんとなく分かりますが」
「そうだ」
とアロイス様は頷き、再びフリッツに視線を向ける。
「フリッツ、リーゼからクッキーを受け取った回数は覚えているか?」
「どうでしょう……一度や二度じゃなかったと思います。回数は二桁はいっているかと」
「それだけ摂取していれば、そう簡単に媚薬の効果も切れないだろう。だが、今の君は完全に媚薬が抜けているように思う。そうだな?」
「はい。リーゼのことは、これっぽっちも好きじゃなくなっているんで」
とフリッツが断言する。
「きっとそれは、ディアナへの想いが強かったためだろう。仮にリーゼが本当に媚薬をクッキーに混ぜていたとしたら、それが彼女の計算違いだった……ということか」
媚薬に打ち勝つためには、愛する人への想いの強さが鍵になってくる。
アロイス様の言っていることは、そういうことだろう。
「ですが、疑問があります。どうしてリーゼが媚薬を入手していたんでしょうか?」
そう疑問を発するのは私。
アロイス様に少し前に聞いたが、媚薬は魔族が作っていると言われる。
魔族から媚薬を入手するためには、多額の金が必要になる。
いくら貴族の学園に通っている『聖女候補』とはいえ、平民出身のリーゼが用意出来るものとは思えないけど……。
「魔族と繋がっている……そう考えるべきだな」
「お金もないのに?」
「なにか別の理由があるのかもしれない。なんにせよ。フリッツだけではなく、彼女に心奪われている男には全員媚薬が盛られていたと考えるべきだろう。それだけの量の媚薬を金で購入するのは、ほぼ不可能だ。国家予算並みの金が必要になる」
前の事件では、ラヴェンロー伯爵子息のマチアスが金で魔族を雇った。
しかし今回は、それとは比べものにならないくらいの規模。
媚薬は一滴手に入れるだけでも、家が一軒建つと言われているしね。
ますます平民のリーゼが買える道理がない。
「リーゼの身柄を拘束するべきだ。彼女から、詳しく話を聞かなければいけない」
「それがいいと思います」
「僕も……です」
アロイス様の言葉に、私とフリッツが賛同する。
それにしても……とんでもないことになったわね。
リーゼはただ単に、男癖の悪い女なだけだと思っていた。
私たちの推測が当たっていれば、彼女の背景にはもっと大きなものがあるのかもしれない。
だけど怖くない。
私一人だけではなく、アロイス様が味方になってくれるからだ。
彼となら、どんなことでも乗り越えられる。
そんな気がして、リーゼに立ち向かう勇気が出てきた。
学園でのパーティー、フリッツはリーゼに呼び出された。
なんでも、「人が多いパーティーには慣れない。わたしはフリッツ様と二人っきりで過ごしたい」とのことだった。
今思えば、違和感がある物言いだった。
だが、無視するのもかわいそうだ。
結果的に、そう考える自分の優しが仇となってしまった。
フリッツは中庭に向かう。
既にリーゼは一人、月明かりの下で待っていた。
月明かりに照らされるリーゼの顔は、妖艶で幻惑的な美しさを放っていた。
その美しさは通常のそれを遥かに超えており、一種の魔性を帯びていて、誰もがその視線を逸らすことが出来ないような力を持っていた。
『僕にはディアナがいるんだ。婚約者を放って、こんなところで君と会っていたなんて……他の人に見られれば、なにを言われるか分からない。悪いけど、僕はこれで失礼する』
そう言うと、リーゼは瞳が涙でほんのりと濡れた。
罪悪感に負けそうになったが、これ以上ここにいてはいけない。
フリッツはぐっと堪え、彼女に背を向ける。
『待ってください!』
しかしリーゼに呼び止められた。
『フリッツ様の言うことも重々分かります。ですが……フリッツ様のためにクッキーを作ってきたんです。クッキー、お好きですよね? せめてこれを食べて、感想を教えてほしい』
『クッキー……』
その言葉を聞くと、リーゼの作ったクッキーの味が口の中で再現される。
ディアナを放ってはおけない──そんな固い意思が揺らいでしまった。
フリッツは彼女から小袋を受け取る。中を見ると、見慣れたクッキーが入っていた。
『ありがとう。せっかくだし、いただくよ』
あの時の自分は、まだリーゼに対し僅かな恋心を抱いていた。
ゆえに、なんの警戒も抱かず、フリッツはクッキーを口の中に入れる。
なんの変哲もない味だ。
しかし、おかしなほどに美味しく感じる。
噛み締めるたびに、リーゼへの恋心が膨らんでいった。
『どうですか?』
『うん、美味しいよ。やっぱり君の作ってくれたクッキーが一番だ。どうして、僕は君を放ってディアナのところへ行こうとしたんだろう? このクッキーを食べて、自分の愚かさに気付いた』
──これは後から気付いたことだが──その時の自分は少し前と全く真逆のことを言っていた。
どうして自分でもそんなことを言ったのか分からない。
フリッツがリーゼに見惚れていると、
『ふふふ……効いたみたいね。ちょっと焦ったけど、量を増やせば問題なかったみたい。あーあ、早くこんなものに頼らなくても、魔法が使えればいいんだけど……』
彼女が小声でなにかを呟いた。
『なにか言った?』
『なんでもないですよ。そんなくだらないことは気にしないで、わたしのことをどう思っているか言ってみてください』
何故だかリーゼにそう言われると、フリッツは彼女の命令に逆らうことが出来ない。
『愛してる』
とフリッツは言い、リーゼの両肩に手を置く。
もう止まらなかった。
そのまま顔を接近させ、彼女と唇を合わせる。
彼女の唇は柔らかで、花のような香りがした。
こんな風にしていると、思考が乱れ、彼女の存在だけが頭を支配した。
『あ……』
『ディ、ディアナ! どうしてここに!?』
そして──その場面をディアナに目撃されてしまったということだ。
ディアナの顔を見て、ぐちゃぐちゃになった思考が嘘のように整う。
取り返しのつかない過ちに、フリッツは後悔の念が浮かんだ。
『ま、待ってくれ! ディアナ、話し合おう! これには重大な誤解がある!』
だが、出てくるのは取り繕うための嘘。
フリッツが呼んでもディアナは制止せず、そのまま中庭から走り去ってしまった──。
◆ ◆
「……ということなんだ」
フリッツから語られた話は、興味深いものであった。
「それって……」
「ああ、そのクッキーに媚薬が混入していた可能性が高いな」
アロイス様が私が言いたかったことを、先んじて口にする。
「アロイス殿下、僕もその可能性に思い当たりました。今思えば、僕のリーゼへの感情は異常でした。リーゼが最後、クッキーを渡そうとして僕はそれを払いのけましたが……あれにも媚薬が入ってたんじゃないかと」
私が知っている限り、媚薬は永遠に効くものではない。時間制限があるのだ。
婚約お披露目パーティー中に媚薬を口にした令嬢も──摂取量が少なかったとはいえ──時間を空けたら元に戻ったという。
フリッツはリーゼとの関わりを止め、媚薬も口にしなくなった。
そのせいで媚薬の効果が切れ始め、リーゼが彼に再接近する理由となったのだろう。
だが、フリッツはそれを払いのけ、クッキーを口にしなかった。
ゆえに媚薬の効果が切れ、こうして冷静に私たちと会話をすることが出来ている……ってこと?
「それではなにか? 『僕は媚薬を口にしていたから被害者なんだ。僕は悪くない』とでも言うつもりか?』
じゃっかん、声に怒りを含ませてアロイス様が問う。
だけどフリッツは首を横に振り。
「……いいえ。不用意にリーゼのクッキーに口を付けてしまったのは、僕の判断ミスです。媚薬のことは幼い頃から教えられてきたのに、そのことまで頭が回らなかった僕が悪いんです」
「当然だな」
「そして……ディアナへの想いがもっと強ければ、こんなことにはならなかったでしょう。所詮、僕のディアナへの愛はそれまでだったんです。婚約者を本気で愛することが出来なかった、それが僕の最大の過ちです」
「……? フリッツの言ってることは分かるけど、どうしてそういう話になるの?」
いくら私のことが好きでも、媚薬を口にしてしまえばそれが揺らいでしまう。
精神論というわけでもなさそうだし、フリッツの言い方は違和感が残る。
「媚薬はな、他に好きな人がいたら効果が薄くなると言われているんだ」
そう答えてくれるのはアロイス様。
「そうなんですか? ……いや、理屈としてはなんとなく分かりますが」
「そうだ」
とアロイス様は頷き、再びフリッツに視線を向ける。
「フリッツ、リーゼからクッキーを受け取った回数は覚えているか?」
「どうでしょう……一度や二度じゃなかったと思います。回数は二桁はいっているかと」
「それだけ摂取していれば、そう簡単に媚薬の効果も切れないだろう。だが、今の君は完全に媚薬が抜けているように思う。そうだな?」
「はい。リーゼのことは、これっぽっちも好きじゃなくなっているんで」
とフリッツが断言する。
「きっとそれは、ディアナへの想いが強かったためだろう。仮にリーゼが本当に媚薬をクッキーに混ぜていたとしたら、それが彼女の計算違いだった……ということか」
媚薬に打ち勝つためには、愛する人への想いの強さが鍵になってくる。
アロイス様の言っていることは、そういうことだろう。
「ですが、疑問があります。どうしてリーゼが媚薬を入手していたんでしょうか?」
そう疑問を発するのは私。
アロイス様に少し前に聞いたが、媚薬は魔族が作っていると言われる。
魔族から媚薬を入手するためには、多額の金が必要になる。
いくら貴族の学園に通っている『聖女候補』とはいえ、平民出身のリーゼが用意出来るものとは思えないけど……。
「魔族と繋がっている……そう考えるべきだな」
「お金もないのに?」
「なにか別の理由があるのかもしれない。なんにせよ。フリッツだけではなく、彼女に心奪われている男には全員媚薬が盛られていたと考えるべきだろう。それだけの量の媚薬を金で購入するのは、ほぼ不可能だ。国家予算並みの金が必要になる」
前の事件では、ラヴェンロー伯爵子息のマチアスが金で魔族を雇った。
しかし今回は、それとは比べものにならないくらいの規模。
媚薬は一滴手に入れるだけでも、家が一軒建つと言われているしね。
ますます平民のリーゼが買える道理がない。
「リーゼの身柄を拘束するべきだ。彼女から、詳しく話を聞かなければいけない」
「それがいいと思います」
「僕も……です」
アロイス様の言葉に、私とフリッツが賛同する。
それにしても……とんでもないことになったわね。
リーゼはただ単に、男癖の悪い女なだけだと思っていた。
私たちの推測が当たっていれば、彼女の背景にはもっと大きなものがあるのかもしれない。
だけど怖くない。
私一人だけではなく、アロイス様が味方になってくれるからだ。
彼となら、どんなことでも乗り越えられる。
そんな気がして、リーゼに立ち向かう勇気が出てきた。
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