2 / 37
2・私とフリッツの関係
しおりを挟む
私、ディアナはシュミット侯爵家の令嬢として生まれた。
幼い頃から勉強漬けの毎日だった。
たまには勉強から逃げ出したくなったけど、これも立派な貴族になるためだと自分に言い聞かせて乗り越えてきた。
そのおかげで、自分で言うのもなんだけど、どこに出しても恥ずかしくはない令嬢になれたと思う。
そんな私には十五歳の時、婚約者が出来た。
それがフリッツである。
フリッツはフィンロスク子爵の長男。
彼のフィンロスク子爵家は爵位でいうと、私のシュミット侯爵家より下だった。
最終的には子爵家が侯爵家に頭を下げる形となったが、私とフリッツの婚約が成立した。
婚約するまでフリッツとは会ったことがなかったので、最初は愛のない婚約であった。
だが、それでもよかった。
彼は優しかったから。
フリッツは私のことを常に気遣ってくれた。彼は女性とあまり接したことがなく、デートの際もしどろもどろ。だけど一生懸命私をエスコートしようという意思があって、そういうところも私的には好印象だった。
なにかある度に、私にプレゼントもしてくれた。誕生日の時に花のブローチをもらったのは、今でも良い思い出だ。
大切にしてくれるフリッツのことを、私はいつしか本気で好きになっていた。
順風満帆な人生。
大人になったらフリッツと結婚し、幸せな家庭を築いていくんだろうなとぼんやりとイメージ出来た。
雲行きが怪しくなったのは学園に入学してからだ。
この国の貴族は、十六歳になると基本的に学園に入学することになっている。
それは王族とて例外ではない。
そこに私とフリッツも入学したわけだが、まず彼は私にこう言った。
『学園となると、周りに男も多くなってくる。君は美しい女性だ。きっと他の男から注目されるだろう。だから……せめて学園にいる間は、目立たない格好をしてくれないかい?』
最初はなに言ってんだと思ってしまった。
しかし私が他の男に奪われないか、フリッツは心配だったのだろう。
思うところはあったが、これもフリッツも私のことを本気で好きだからに違いない。
だから私は彼の希望を叶え、なるべく地味な格好をすることにした。
まず魔法で髪を黒に染めた。
元々の私の髪色は赤だ。ルビーのように赤い髪はお母様譲りで、私の誇りだった。
しかし半面、私の鮮烈な赤髪はよく目立つ。
だから髪を目立たない黒に染めて、三つ編みでくくった。
さらに縁なしの大きめの眼鏡をかけた。
視力はよかったので眼鏡をかける必要はなかったが、わざわざ度が入っていない眼鏡を作ってもらったのだ。
用がなければ、極力男性に近付かないようにした。
他の男と喋っていたら、フリッツが不安がるからだ。
クラスの中心から外れ、いつも教室の片隅で本を読んでいるような令嬢。
私はそれに徹した。
その結果、教室では「地味で目立たない」という評価を受けている……と思う。
そして私とフリッツの関係がおかしくなった理由が、もう一つある。
それがリーゼの存在である。
彼女は平民ながら、類稀なる魔力量から学園の入学を許された。国としては将来の『聖女』候補として考えているらしい。
学園の貴族たちにとって、平民リーゼの存在は新鮮だった。
リーゼはどうやら学園に入学するまでは──当たり前かもしれないが──まともに貴族としての教育を受けておらず、目を顰める場面も多かった。
しかし彼女は持ち前の愛嬌で、男性たちを虜にした。ちょっと失礼なことがあっても、「平民だから」という理由で許されてきた。
一方、彼女には悪い噂がある。
それは女子生徒たちの愛する人を寝取っているという噂だ。
貴族が多い学園なので、既に婚約者がいる令嬢たちも多い。そうじゃなくても、恋人として付き合っている男女もいる。
リーゼはそんな彼女たちの男に唾を付けた。彼女たちは婚約者・恋人の行動を嗜めても、彼らはそれを嫉妬として受け取ったらしい。リーゼとの交流をやめようとしなかった。
中にはそれが原因で婚約破棄に至った人たちもいるらしい。
いつしかリーゼには『婚約クラッシャー』という異名も付けられることになった。
しかしそれは女子生徒の間だけだ。
どれだけ彼女たちがリーゼの愚行を訴えても、大半の男子生徒は耳を傾けなかった。
男どもは皆、リーゼに心奪われているのである。
こうして男子には評判がよく、女子からは嫌われている典型的な腹黒女の完成ってわけ。
そしてリーゼの毒牙にかかったのは、私の婚約者フリッツとて例外ではない。
フリッツが休み時間にリーゼと親しそうに話していたのを目にしたのは、一度や二度じゃない。
だけど私は彼のことを信じた。
きっとなにか用事があったのだろう。
フリッツは他のバカな男と一緒じゃない……って。
ぐっと我慢している間に、どんどん事態は悪化していくことになる。
他の女子生徒の証言で、フリッツとリーゼがデートに出かけていたことが判明した。
そんなバカな……と思いフリッツを問いただしたら、本当だったらしい。
私は彼を問い詰めた。
どうしてそんなことをするんだ。フリッツには私という婚約者がいるじゃないか。リーゼと二人きりで出かけたら、周りの人からなんて言われると思っている?
しかしフリッツは少しむっとした表情をして、こう言った。
『彼女とは服を買いにいっただけなんだ。どうやら彼女、制服以外にまともに私服を持っていないらしくってね。男性の意見も知りたいらしく、僕も一緒に行くことになった』
『その後はちょっと食事をして帰っただけだ。なんにもないよ? 学園の同級生と一緒に出かけただけなのに、どうしてそんなことを言われなきゃならない』
極め付けはこうだ。
『もしかして、君はリーゼが平民だからって差別しているのかい? そういう差別意識はよくないと思う。改めるべきだ』
呆れた。
私はリーゼが平民だからと文句を言っているのではない。
婚約者がいるのに、私に話さず他の女と出かける軽率さを責めているわけだ。
これが平民同士の恋愛なら許されるかもしれない。
しかし私たちは貴族だ。
常に周りの視線を意識する必要がある。
なのにフリッツの貴族意識の低さに呆れていたわけだが、その時は「ちょっと婚約者への拘束が激しかったかな」と私も反省し、それ以上はぐっと堪えた。
そして今日、私の我慢は限界を超えた。
学園のパーティーで婚約者を放って、リーゼと二人でいる? しかも口づけ?
あの光景を見て、彼への愛情が急激に冷めた。
今まで私はやりたいことも我慢して、フリッツの要望をなるべく応えてきた。
しかし今となっては、全てがバカバカしい。
目が覚めた気分だ。
もういい。
これからは良い子にするのはやめよう。
フリッツとの婚約は破棄しよう。これ以上彼との婚約関係を続けられる気がしない。
理由を説明したら、両親もきっと私の味方になってくれる。
フリッツの浮気が原因なんだから、あちらの有責になる。
私の大事な時間を奪ったのだ。そのツケ、必ず払ってもらう。
好きに生きよう。
幼い頃から勉強漬けの毎日だった。
たまには勉強から逃げ出したくなったけど、これも立派な貴族になるためだと自分に言い聞かせて乗り越えてきた。
そのおかげで、自分で言うのもなんだけど、どこに出しても恥ずかしくはない令嬢になれたと思う。
そんな私には十五歳の時、婚約者が出来た。
それがフリッツである。
フリッツはフィンロスク子爵の長男。
彼のフィンロスク子爵家は爵位でいうと、私のシュミット侯爵家より下だった。
最終的には子爵家が侯爵家に頭を下げる形となったが、私とフリッツの婚約が成立した。
婚約するまでフリッツとは会ったことがなかったので、最初は愛のない婚約であった。
だが、それでもよかった。
彼は優しかったから。
フリッツは私のことを常に気遣ってくれた。彼は女性とあまり接したことがなく、デートの際もしどろもどろ。だけど一生懸命私をエスコートしようという意思があって、そういうところも私的には好印象だった。
なにかある度に、私にプレゼントもしてくれた。誕生日の時に花のブローチをもらったのは、今でも良い思い出だ。
大切にしてくれるフリッツのことを、私はいつしか本気で好きになっていた。
順風満帆な人生。
大人になったらフリッツと結婚し、幸せな家庭を築いていくんだろうなとぼんやりとイメージ出来た。
雲行きが怪しくなったのは学園に入学してからだ。
この国の貴族は、十六歳になると基本的に学園に入学することになっている。
それは王族とて例外ではない。
そこに私とフリッツも入学したわけだが、まず彼は私にこう言った。
『学園となると、周りに男も多くなってくる。君は美しい女性だ。きっと他の男から注目されるだろう。だから……せめて学園にいる間は、目立たない格好をしてくれないかい?』
最初はなに言ってんだと思ってしまった。
しかし私が他の男に奪われないか、フリッツは心配だったのだろう。
思うところはあったが、これもフリッツも私のことを本気で好きだからに違いない。
だから私は彼の希望を叶え、なるべく地味な格好をすることにした。
まず魔法で髪を黒に染めた。
元々の私の髪色は赤だ。ルビーのように赤い髪はお母様譲りで、私の誇りだった。
しかし半面、私の鮮烈な赤髪はよく目立つ。
だから髪を目立たない黒に染めて、三つ編みでくくった。
さらに縁なしの大きめの眼鏡をかけた。
視力はよかったので眼鏡をかける必要はなかったが、わざわざ度が入っていない眼鏡を作ってもらったのだ。
用がなければ、極力男性に近付かないようにした。
他の男と喋っていたら、フリッツが不安がるからだ。
クラスの中心から外れ、いつも教室の片隅で本を読んでいるような令嬢。
私はそれに徹した。
その結果、教室では「地味で目立たない」という評価を受けている……と思う。
そして私とフリッツの関係がおかしくなった理由が、もう一つある。
それがリーゼの存在である。
彼女は平民ながら、類稀なる魔力量から学園の入学を許された。国としては将来の『聖女』候補として考えているらしい。
学園の貴族たちにとって、平民リーゼの存在は新鮮だった。
リーゼはどうやら学園に入学するまでは──当たり前かもしれないが──まともに貴族としての教育を受けておらず、目を顰める場面も多かった。
しかし彼女は持ち前の愛嬌で、男性たちを虜にした。ちょっと失礼なことがあっても、「平民だから」という理由で許されてきた。
一方、彼女には悪い噂がある。
それは女子生徒たちの愛する人を寝取っているという噂だ。
貴族が多い学園なので、既に婚約者がいる令嬢たちも多い。そうじゃなくても、恋人として付き合っている男女もいる。
リーゼはそんな彼女たちの男に唾を付けた。彼女たちは婚約者・恋人の行動を嗜めても、彼らはそれを嫉妬として受け取ったらしい。リーゼとの交流をやめようとしなかった。
中にはそれが原因で婚約破棄に至った人たちもいるらしい。
いつしかリーゼには『婚約クラッシャー』という異名も付けられることになった。
しかしそれは女子生徒の間だけだ。
どれだけ彼女たちがリーゼの愚行を訴えても、大半の男子生徒は耳を傾けなかった。
男どもは皆、リーゼに心奪われているのである。
こうして男子には評判がよく、女子からは嫌われている典型的な腹黒女の完成ってわけ。
そしてリーゼの毒牙にかかったのは、私の婚約者フリッツとて例外ではない。
フリッツが休み時間にリーゼと親しそうに話していたのを目にしたのは、一度や二度じゃない。
だけど私は彼のことを信じた。
きっとなにか用事があったのだろう。
フリッツは他のバカな男と一緒じゃない……って。
ぐっと我慢している間に、どんどん事態は悪化していくことになる。
他の女子生徒の証言で、フリッツとリーゼがデートに出かけていたことが判明した。
そんなバカな……と思いフリッツを問いただしたら、本当だったらしい。
私は彼を問い詰めた。
どうしてそんなことをするんだ。フリッツには私という婚約者がいるじゃないか。リーゼと二人きりで出かけたら、周りの人からなんて言われると思っている?
しかしフリッツは少しむっとした表情をして、こう言った。
『彼女とは服を買いにいっただけなんだ。どうやら彼女、制服以外にまともに私服を持っていないらしくってね。男性の意見も知りたいらしく、僕も一緒に行くことになった』
『その後はちょっと食事をして帰っただけだ。なんにもないよ? 学園の同級生と一緒に出かけただけなのに、どうしてそんなことを言われなきゃならない』
極め付けはこうだ。
『もしかして、君はリーゼが平民だからって差別しているのかい? そういう差別意識はよくないと思う。改めるべきだ』
呆れた。
私はリーゼが平民だからと文句を言っているのではない。
婚約者がいるのに、私に話さず他の女と出かける軽率さを責めているわけだ。
これが平民同士の恋愛なら許されるかもしれない。
しかし私たちは貴族だ。
常に周りの視線を意識する必要がある。
なのにフリッツの貴族意識の低さに呆れていたわけだが、その時は「ちょっと婚約者への拘束が激しかったかな」と私も反省し、それ以上はぐっと堪えた。
そして今日、私の我慢は限界を超えた。
学園のパーティーで婚約者を放って、リーゼと二人でいる? しかも口づけ?
あの光景を見て、彼への愛情が急激に冷めた。
今まで私はやりたいことも我慢して、フリッツの要望をなるべく応えてきた。
しかし今となっては、全てがバカバカしい。
目が覚めた気分だ。
もういい。
これからは良い子にするのはやめよう。
フリッツとの婚約は破棄しよう。これ以上彼との婚約関係を続けられる気がしない。
理由を説明したら、両親もきっと私の味方になってくれる。
フリッツの浮気が原因なんだから、あちらの有責になる。
私の大事な時間を奪ったのだ。そのツケ、必ず払ってもらう。
好きに生きよう。
227
お気に入りに追加
5,382
あなたにおすすめの小説
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します
矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜
言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。
お互いに気持ちは同じだと信じていたから。
それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。
『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』
サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。
愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

【完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。

婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる