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三章
★16・壊れた聖女と弱い勇者
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——ああ、死にたい。
彼女の心と体はとっくに壊れていたが、深い意識でそう感じた。
でももうすぐで死ねる。この体はもう少しで限界だ。
「このモンスターめ! マルレーネとか言ってたが、正体は現せ!」
「モンスターのくせに、メッチャ弱いぞ! オレ達の気が済むまでいたぶってやる!」
彼女を信者達がただひたすらに、剣や棍棒で傷つけていく。
ああ、やっとこの苦しみから解放出来る。
そう思った瞬間。
彼女はどこか遠くまで引っ張られるような感覚になった。
緊急脱出用の魔石。転移先はこの場所にいた以前のところ。
つまり彼女——マルレーネは、大聖堂に来る前の場所。王宮のエリオット達のもとに戻ってきていたのだ。
◆ ◆
勇者エリオットが部屋でくつろいでいると、いきなりモンスターが出現した。
「あははははははは! 死ねる死ねる! やっと死ねる!」
「モンスターっ? ここは王宮だぞ? どうしてこんなところにいるんだ!」
「エリオット離れてくれ。これくらい、私が倒せる。エリオットの手を煩わせる必要はないだろう」
と女戦士サラが前に出て、剣を抜こうとした。
しかしそれよりも早く……。
「あれえ? もしかしてマルレーネ?」
後ろで控えていた魔法使いフェリシーが声を上げた。
「マ、マルレーネ? フェリシーはなにを言ってるんだい」
「そんなわけなかろう! こんなモンスターがマルレーネなわけがない!」
サラが怒っている。
元々フェリシーの天然な発言を、サラは嫌いなようなのだ。
こんなモンスターがマルレーネなわけがない。
しかしエリオットはフェリシーの発言を受けて、よくよく服や装飾品を見ると、
「あれ? 確かにこの服……ネックレス……マルレーネのものだ」
「エリオットもなにを言ってるんだ……ん? 確かに……マルレーネのものといえば、マルレーネのものに見える。しかしそんなわけが……」
「いや、モンスターがこんな高級な布地を使った服を着るわけがないよ。ネックレスだって、僕が買ってあげたものだし……マルレーネ。君はマルレーネなのかい?」
とエリオットは震える声でモンスターに話しかけた。
すると。
「あはははははは! エリオット様はなにをおっしゃっているのですか! わたくしは間違いなく聖女マルレーネですわ!」
胸に手を当てるモンスター……もといマルレーネ。
ここで改めてエリオットは戸惑う。
「どうしてそんなボロボロの格好になっているんだい?」
そう——今のマルレーネ、あれだけキレイだった金色の髪が真っ黒になっているし、顔もボコボコでオークみたいだ。
しかしマルレーネの声であることは間違いない……と思うし、言われてみれば顔に面影を残しているようにも見えた。
「本当にマルレーネなのか? モンスターが擬態しているわけじゃないのか?」
サラはジロジロとした視線をマルレーネに向ける。
まだ疑っているみたいだ。
「でも……本当にマルレーネだよ! 私、鑑定スキルを使ってみたら、名前がマルレーネになってるよ! 何故だか、ステータスは低いけど……間違いないよ!」
フェリシーが手を上げて、ピョンピョンと跳びはねた。
「フェリシー、それは本当かい?」
「うんっ! ってかエリオット君も鑑定スキル持っているよね? どうして使わないの?」
「——! ひ、久しぶりだから使い方を忘れたんだ」
「そっかー! ごめん、変なこと聞いて」
無論、エリオットは【みんな俺より弱くなる】の呪いで弱くなっているので、鑑定スキルを失ってしまっているだけだ。
どうして、失ったのか?
アルフが鑑定スキルを持っていないからだ。
だが、未だに自分の身になにが起こっているか分からないエリオットは、このことを知らなかった。
「あははははは! みなさまはなにをおっしゃっているのでしょうか!」
狂ったように笑いながら、マルレーネは続ける。
「こんなに美しい人間が、わたくしの他にいるわけないじゃないですか! どうして分からないのですか!」
美しい……?
ツッコミどころは多々あったが、今は状況を把握することが肝心だ。
「でもマルレーネ。ちょっと見えなかったけど、どこに行ってたんだ?」
「フランバル大聖堂ですわ! あれ? でもわたくし、なんでまだ生きているんでしょう? 死にたいのに?」
マルレーネいわく。
悪魔審判をしている最中、悪魔が暴走してしまい少しだけ傷を負ってしまったと。
そして大聖堂に残っていた転移の魔法石で、再びこちらに戻ってきたみたいだ。
「でもどうして回復魔法を使わないんだい? これくらいの傷だったら、マルレーネだったら治せるだろう?」
「回復魔法……? どうして、わたくしがそれを使わないといけないのですか? だって! もう完璧に傷は癒えているのですから!」
もちろん、エリオットの目には未だマルレーネはボロボロである。
「エリオット……」
サラが声を潜めた。
「ああ……どうしようか。マルレーネであることは間違いないみたいだし……」
なにが起こったか分からないが、おそらくその悪魔のせいでマルレーネは混乱しているのかもしれない。
しばらくしたら治るだろう。そう思いたい。
それにマルレーネのなんでも癒す回復魔法は非常に貴重であった。
アルフみたいに追放させるとは話が違う。
「分かったよ……じゃあマルレーネ。今日はゆっくり休みなよ」
「あはははははは! 休みます休みます休みます!」
「マルレーネっ?」
焦点の定まっていないマルレーネが、制御を失った操り人形のようにして床に倒れた。
そのことに心配するよりも前に、エリオットは彼女に恐怖を覚えた。
しばらくして——。
大聖堂で暴動が起き、どうやらマルレーネはそれに巻き込まれたことを彼等は知るのであった。
……それから翌日、エリオット達は地下迷宮に出掛けたわけだが。
「痛ぁぁぁああああああい!」
「どうしたのだ、エリオット! スライム相手にどうして手こずっている!」
「エリオット君、カッコ悪すぎだよ! 暴漢にやられた傷がまだ治ってないの?」
エリオットはスライム一体にすら苦戦するようになっていた。
スライムが体当たりをして、エリオットが壁まで吹っ飛ばされる。
衝撃で肋骨の何本か折れてしまったかもしれない。
「く、はっ……! んぐっ!」
息をするにも激痛が走る。
言葉を発することも出来ない。
こうしている間にも、スライムが襲いかかってくる。
間一髪のところでサラがスライムを一閃し、ことなきを得たが。
「はあっ、はあっ……た、頼む……マルレーネ。早く治してくれ……」
「分かりましたわ!」
オークみたいな顔をした女に、エリオットはすがった。
そうだ。
いくら調子が悪かったとしても、こちらには聖女マルレーネがいる。
どんなに傷を負ったとしても、回復魔法で治してしまえばいいのだ——。
だが。
「ヒール! ヒール! ヒール! ヒール! ヒール! ヒール!」
とマルレーネが何度唱えても、エリオットの傷は癒える気配がなかった。
「マルレーネ……は、早く……使ってくれ」
「使いましたわ! これでエリオット様の傷も完治です!」
マルレーネが腰に手を当て、胸を張った。
しかし治ってない。これだけは言える。
徐々に痛みのせいで意識が遠くなっていき、エリオットは目を瞑った。
◆ ◆
結局意識を失ったエリオットを、サラとフェリシーが抱えて王宮まで戻ってきた。
王宮に控えていた他の治癒士のおかげで、エリオットの傷は治った。
そしてエリオットはベッドに寝かされ、傍らにはサラが椅子に座っている。
「エリオット。大丈夫か?」
サラが優しく語りかける。
「ああ……心配かけたね」
「何度も言うが、最近のエリオットはおかしい。もしかして悩み事でもあるのではないか?」
「……! そんなことないよ!」
エリオットが誤魔化すようにしてサラから視線を外した。
「それに……マルレーネもだ。どうして回復魔法が発動しなかったんだ?」
「……調子が悪いんじゃない?」
「調子が悪いにも程がありすぎるだろう。なあ、エリオット」
ここでサラは極めて邪悪な笑みを浮かべ、
「回復魔法も使えない、あんなモンスターみたいな顔をしたマルレーネ。パーティーから追放しないか?」
「……それは本気で言ってるのかい?」」
「ああ、本気だ。あんなのいらないだろう。それにイーディス教の不正かなにかがバレて、崩壊したというのは聞いただろう?」
「うん。だからマルレーネは死にかけみたいになってたみたいだね……」
「今のところは、エリオットが信者達を押さえているから、大丈夫だ。だが、いつ私達にも被害が出るか分からない。今のうちに追放しておくのが良いと思うんだが……」
サラは表面上は優しく諭すようにして、エリオットに説明したが、
「それはダメだ。マルレーネの回復魔法は貴重だ。それにきっとすぐに元に戻るよ」
「……分かった」
エリオットがそう言うなら、それ以上サラはなにも言えない。
——もっとも、弱くなったエリオットにとって、彼女の回復魔法がなくなることは致命的である、という思惑があるのだが。
マルレーネが弱くなっていることもエリオットは知らないし、サラは彼が優しいから追放しないのだと思った。
(チッ……折角、マルレーネがいなくなるチャンスだったのに……)
内心舌打ちをするサラ。
マルレーネがいなくなれば、エリオットが私だけのものになるかもしれない。
そうすればエリオットを独り占めして、ゆくゆくは結婚し子どもを作る。
その後は辺境の地にでも行って、ゆっくり暮らせばいいのだ。
(マルレーネ……絶対あいつはパーティーから追放する……)
エリオットを献身的に看病しながら、サラはそう決意するのであった。
彼女の心と体はとっくに壊れていたが、深い意識でそう感じた。
でももうすぐで死ねる。この体はもう少しで限界だ。
「このモンスターめ! マルレーネとか言ってたが、正体は現せ!」
「モンスターのくせに、メッチャ弱いぞ! オレ達の気が済むまでいたぶってやる!」
彼女を信者達がただひたすらに、剣や棍棒で傷つけていく。
ああ、やっとこの苦しみから解放出来る。
そう思った瞬間。
彼女はどこか遠くまで引っ張られるような感覚になった。
緊急脱出用の魔石。転移先はこの場所にいた以前のところ。
つまり彼女——マルレーネは、大聖堂に来る前の場所。王宮のエリオット達のもとに戻ってきていたのだ。
◆ ◆
勇者エリオットが部屋でくつろいでいると、いきなりモンスターが出現した。
「あははははははは! 死ねる死ねる! やっと死ねる!」
「モンスターっ? ここは王宮だぞ? どうしてこんなところにいるんだ!」
「エリオット離れてくれ。これくらい、私が倒せる。エリオットの手を煩わせる必要はないだろう」
と女戦士サラが前に出て、剣を抜こうとした。
しかしそれよりも早く……。
「あれえ? もしかしてマルレーネ?」
後ろで控えていた魔法使いフェリシーが声を上げた。
「マ、マルレーネ? フェリシーはなにを言ってるんだい」
「そんなわけなかろう! こんなモンスターがマルレーネなわけがない!」
サラが怒っている。
元々フェリシーの天然な発言を、サラは嫌いなようなのだ。
こんなモンスターがマルレーネなわけがない。
しかしエリオットはフェリシーの発言を受けて、よくよく服や装飾品を見ると、
「あれ? 確かにこの服……ネックレス……マルレーネのものだ」
「エリオットもなにを言ってるんだ……ん? 確かに……マルレーネのものといえば、マルレーネのものに見える。しかしそんなわけが……」
「いや、モンスターがこんな高級な布地を使った服を着るわけがないよ。ネックレスだって、僕が買ってあげたものだし……マルレーネ。君はマルレーネなのかい?」
とエリオットは震える声でモンスターに話しかけた。
すると。
「あはははははは! エリオット様はなにをおっしゃっているのですか! わたくしは間違いなく聖女マルレーネですわ!」
胸に手を当てるモンスター……もといマルレーネ。
ここで改めてエリオットは戸惑う。
「どうしてそんなボロボロの格好になっているんだい?」
そう——今のマルレーネ、あれだけキレイだった金色の髪が真っ黒になっているし、顔もボコボコでオークみたいだ。
しかしマルレーネの声であることは間違いない……と思うし、言われてみれば顔に面影を残しているようにも見えた。
「本当にマルレーネなのか? モンスターが擬態しているわけじゃないのか?」
サラはジロジロとした視線をマルレーネに向ける。
まだ疑っているみたいだ。
「でも……本当にマルレーネだよ! 私、鑑定スキルを使ってみたら、名前がマルレーネになってるよ! 何故だか、ステータスは低いけど……間違いないよ!」
フェリシーが手を上げて、ピョンピョンと跳びはねた。
「フェリシー、それは本当かい?」
「うんっ! ってかエリオット君も鑑定スキル持っているよね? どうして使わないの?」
「——! ひ、久しぶりだから使い方を忘れたんだ」
「そっかー! ごめん、変なこと聞いて」
無論、エリオットは【みんな俺より弱くなる】の呪いで弱くなっているので、鑑定スキルを失ってしまっているだけだ。
どうして、失ったのか?
アルフが鑑定スキルを持っていないからだ。
だが、未だに自分の身になにが起こっているか分からないエリオットは、このことを知らなかった。
「あははははは! みなさまはなにをおっしゃっているのでしょうか!」
狂ったように笑いながら、マルレーネは続ける。
「こんなに美しい人間が、わたくしの他にいるわけないじゃないですか! どうして分からないのですか!」
美しい……?
ツッコミどころは多々あったが、今は状況を把握することが肝心だ。
「でもマルレーネ。ちょっと見えなかったけど、どこに行ってたんだ?」
「フランバル大聖堂ですわ! あれ? でもわたくし、なんでまだ生きているんでしょう? 死にたいのに?」
マルレーネいわく。
悪魔審判をしている最中、悪魔が暴走してしまい少しだけ傷を負ってしまったと。
そして大聖堂に残っていた転移の魔法石で、再びこちらに戻ってきたみたいだ。
「でもどうして回復魔法を使わないんだい? これくらいの傷だったら、マルレーネだったら治せるだろう?」
「回復魔法……? どうして、わたくしがそれを使わないといけないのですか? だって! もう完璧に傷は癒えているのですから!」
もちろん、エリオットの目には未だマルレーネはボロボロである。
「エリオット……」
サラが声を潜めた。
「ああ……どうしようか。マルレーネであることは間違いないみたいだし……」
なにが起こったか分からないが、おそらくその悪魔のせいでマルレーネは混乱しているのかもしれない。
しばらくしたら治るだろう。そう思いたい。
それにマルレーネのなんでも癒す回復魔法は非常に貴重であった。
アルフみたいに追放させるとは話が違う。
「分かったよ……じゃあマルレーネ。今日はゆっくり休みなよ」
「あはははははは! 休みます休みます休みます!」
「マルレーネっ?」
焦点の定まっていないマルレーネが、制御を失った操り人形のようにして床に倒れた。
そのことに心配するよりも前に、エリオットは彼女に恐怖を覚えた。
しばらくして——。
大聖堂で暴動が起き、どうやらマルレーネはそれに巻き込まれたことを彼等は知るのであった。
……それから翌日、エリオット達は地下迷宮に出掛けたわけだが。
「痛ぁぁぁああああああい!」
「どうしたのだ、エリオット! スライム相手にどうして手こずっている!」
「エリオット君、カッコ悪すぎだよ! 暴漢にやられた傷がまだ治ってないの?」
エリオットはスライム一体にすら苦戦するようになっていた。
スライムが体当たりをして、エリオットが壁まで吹っ飛ばされる。
衝撃で肋骨の何本か折れてしまったかもしれない。
「く、はっ……! んぐっ!」
息をするにも激痛が走る。
言葉を発することも出来ない。
こうしている間にも、スライムが襲いかかってくる。
間一髪のところでサラがスライムを一閃し、ことなきを得たが。
「はあっ、はあっ……た、頼む……マルレーネ。早く治してくれ……」
「分かりましたわ!」
オークみたいな顔をした女に、エリオットはすがった。
そうだ。
いくら調子が悪かったとしても、こちらには聖女マルレーネがいる。
どんなに傷を負ったとしても、回復魔法で治してしまえばいいのだ——。
だが。
「ヒール! ヒール! ヒール! ヒール! ヒール! ヒール!」
とマルレーネが何度唱えても、エリオットの傷は癒える気配がなかった。
「マルレーネ……は、早く……使ってくれ」
「使いましたわ! これでエリオット様の傷も完治です!」
マルレーネが腰に手を当て、胸を張った。
しかし治ってない。これだけは言える。
徐々に痛みのせいで意識が遠くなっていき、エリオットは目を瞑った。
◆ ◆
結局意識を失ったエリオットを、サラとフェリシーが抱えて王宮まで戻ってきた。
王宮に控えていた他の治癒士のおかげで、エリオットの傷は治った。
そしてエリオットはベッドに寝かされ、傍らにはサラが椅子に座っている。
「エリオット。大丈夫か?」
サラが優しく語りかける。
「ああ……心配かけたね」
「何度も言うが、最近のエリオットはおかしい。もしかして悩み事でもあるのではないか?」
「……! そんなことないよ!」
エリオットが誤魔化すようにしてサラから視線を外した。
「それに……マルレーネもだ。どうして回復魔法が発動しなかったんだ?」
「……調子が悪いんじゃない?」
「調子が悪いにも程がありすぎるだろう。なあ、エリオット」
ここでサラは極めて邪悪な笑みを浮かべ、
「回復魔法も使えない、あんなモンスターみたいな顔をしたマルレーネ。パーティーから追放しないか?」
「……それは本気で言ってるのかい?」」
「ああ、本気だ。あんなのいらないだろう。それにイーディス教の不正かなにかがバレて、崩壊したというのは聞いただろう?」
「うん。だからマルレーネは死にかけみたいになってたみたいだね……」
「今のところは、エリオットが信者達を押さえているから、大丈夫だ。だが、いつ私達にも被害が出るか分からない。今のうちに追放しておくのが良いと思うんだが……」
サラは表面上は優しく諭すようにして、エリオットに説明したが、
「それはダメだ。マルレーネの回復魔法は貴重だ。それにきっとすぐに元に戻るよ」
「……分かった」
エリオットがそう言うなら、それ以上サラはなにも言えない。
——もっとも、弱くなったエリオットにとって、彼女の回復魔法がなくなることは致命的である、という思惑があるのだが。
マルレーネが弱くなっていることもエリオットは知らないし、サラは彼が優しいから追放しないのだと思った。
(チッ……折角、マルレーネがいなくなるチャンスだったのに……)
内心舌打ちをするサラ。
マルレーネがいなくなれば、エリオットが私だけのものになるかもしれない。
そうすればエリオットを独り占めして、ゆくゆくは結婚し子どもを作る。
その後は辺境の地にでも行って、ゆっくり暮らせばいいのだ。
(マルレーネ……絶対あいつはパーティーから追放する……)
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