7 / 43
一章
★7・ワイバーンにボコボコにやられる勇者
しおりを挟む
「ぐわぁぁあああああ!」
ワイバーンの尻尾に体が当たり、エリオットは壁まで吹っ飛ばされた。
「どうしたのですか? ただかすっただけじゃありませんか!」
「エリオット! 自分から壁に体当たりするような真似は止めろ!」
「そうだ! エリオット君は演技の練習をしているんだよね? 多才なエリオット君……素敵~!」
今なお、エリオットはワイバーンに苦戦を強いられていた。
もちろん、フェリシーの言う通り演技の練習なんかしていない。
その証拠に、口の中は血でいっぱいになっている。
「お、お前なんか、敵じゃないはずなのにぃぃぃいいいい!」
エリオットは泣きべそをかきながら、ワイバーンを見据えた。
ワイバーンから放たれる威圧に、エリオットの両足は知らず知らずのうちに震えていた。
「エリオット様、離れてくださいまし! フェリシーが魔法を放てないですわ!」
「戦士の私が援護に入ろうにも、そんなワイバーンの近くで遊んでちゃ、巻き込む可能性もある! だから早く離れてくれ!」
「走って走って! そんな赤ん坊の演技なんてしなくていいからさっ!」
どうやらエリオットがワイバーンから離れないせいで、他のメンバーも援護が出来ないらしい。
「グ、グゾ……もう少し、器用に技をこなせるように……してよ」
女性メンバーに聞こえないようにぼそっとエリオットは呟いた。
勇者パーティーのメンバーは確かに強い。
だが、大味な魔法や技しかなくて、他人を巻き込んでしまう可能性が高いのだ。
エリオットなら、例え足手まといがいたとしても全力で戦える術は持っているのだが……他の三人にそれを求めるのは酷だった。
「ワイバーン! き、貴様……! 後悔するんじゃないよ? 僕を本気にさせたね?」
とエリオットは腰から下げていた聖剣に手をかける。
「なっ……! たかがワイバーンごときに聖剣をお使いになるつもりですかっ?」
「止めろ! エリオット! こんなところで聖剣を使ったら、地下迷宮が崩れてしまうぞ!」
マルレーネとサラが止めようと声を張り上げていた。
しかし彼は止めるつもりもなかった。
(このままだったら殺されてしまう……!)
情けない話だ。
魔王を一発で倒したエリオットが、たかがワイバーンごときに窮地に陥るとは。
だが、贅沢なことは言ってられない。
エリオットは一気に聖剣を鞘から引っこ抜き、ワイバーンを斬り裂こうとした。
「くらえ……奥義! ファイナルスラ……重いぃぃぃぃぃいいいい!」
しかし鞘から抜いた瞬間。
その重みに耐えかねて、エリオットは聖剣ごと地面にうずくまってしまったのだ。
「なんでだ! なんで聖剣がこんなに重い!」
聖剣がそのまま両手にのし掛かっている。
もしかしたら、これで両手が骨折してしまったかもしれない。
持ち上げようにも、聖剣はびくともしなかった。
「エリオット様? 嘘ですわよね……先ほど聖剣が重いと聞こえましたが……」
「なにをしているのだ! 一度持たせてもらったことがあったが、そんなものは子どもでも軽々と持ち上げるぞっ?」
「分かった! 重いものを持って、困っているおじいちゃんの練習をしているんだ! 迫真の演技だね~。俳優になれるよ!」
マルレーネとサラは信じられないといったご様子。
そしてフェリシーは未だにエリオットが演技の練習をしている、と思い込んでいるらしい。
「グ、グゾ……僕は勇者なんだ! 神や聖剣に認められた勇者なんだ! 誰よりも強いんだぞ! なのに……どうじで、こんな簡単なことも出来ないんだぁぁぁああああ!」
そう叫きながら聖剣を持ち上げようとするエリオットは、最早駄々をこねている子どもにしか見えなかった。
地団駄を踏んでいるエリオットの頭上から、ワイバーンの足裏が容赦なく迫ってきた。
「うわぁぁぁぁああああああ!」
無論、重すぎる聖剣から手を離せないエリオット。
ワイバーンからの『ただの踏みつけ』を回避することが出来ず、攻撃を受けたのであった。
◆ ◆
その後、戦闘不能に陥ったことによって、ワイバーンがエリオットから興味をなくしてしまったらしい。
奇しくもそれが好機。
あっという間に勇者パーティーの他メンバーは連携して、ワイバーンを倒してしまったのであった。
そして王宮に帰還して……。
「エリオット様。これで大丈夫ですわよ」
エリオットは豪華な天蓋付きのベッドに寝かされ、マルレーネから看病を受けていた。
ワイバーンに踏みつけられた彼は、全身の骨が折れてしまっていたのだ。
そんな状況からでも、聖女マルレーネの奇跡の回復魔法は、彼を傷一つない体まで治してしまっていた。
「ああ、ありがとう……迷惑かけたね」
「いえ、わたくしも——エリオット様が今までわたくし達に見せたことのないようなお姿を見せていたので、焦って回復魔法を使えなかったのですわ。わたくしにも責任があります」
とマルレーネは肩を落とす。
「それにしても……どうしたのだ、エリオット? なんでワイバーンを前にあれだけ遊んでいたのだ?」
近くで寄りそっているサラがそう質問をする。
「あ、ああ……ちょっと調子が悪くってね。暴漢にやられた傷がまだ完全に癒されてないみたい」
「な、なんだと……! おいマルレーネ! 貴様、ちゃんとエリオットに回復魔法をかけたのか!?」
サラがもの凄い形相でマルレーネに詰め寄る。
「え、え? わたくしの魔法は完璧ですわよ? あの傷なら完全に治っているはずなのですが……」
戸惑った表情を見せるマルレーネ。
もちろん、彼女の言っていることは本当だ。
暴漢……というかアルフにやられた傷は、彼女の回復魔法によって完治している。
「喧嘩は止めなよ! マルレーネは悪くない! 悪いのは……全部僕のせいなんだ」
「エリオット様はお優しいのですわね……。しかしわたくしの回復魔法がいけなかったに違いありませんわ。すみませんでした」
「むぅ……エリオットもそう言っているし、今回だけは許してやろう」
吐き捨てるようにサラは言って、マルレーネから離れた。
サラが背を向けた瞬間、マルレーネが舌を出したのが見えた。
(仲悪いんだよな……この子達……)
エリオットとしては、マルレーネもサラも同様に愛したい。
やっぱり一人の女性だったら飽きるし、ハーレムを形成する器が自分には備わっていると思うからだ。
だが、二人ともエリオットを自分だけのものにしたいらしいのだ。
その結果、二人は表向きは協力関係であるものの、裏ではドロドロとした醜いものである。
それをエリオットは感じていた。
「エリオット君、エリオット君」
「ん? どうしたんだい、フェリシー」
「聖剣が重い……ってどうしちゃったの? それも怪我の後遺症ってヤツなの?」
「そ、そうだ! そうに決まっている! なんか重く感じたんだよな……どうしてだろう?」
「そうなんだっ。早く傷を治してね! 私、頑張って看病するからっ」
一体全体どうしてしまったのか。
今のところは、他のメンバーを誤魔化していられる。
しかしこんな調子が、これから先も続くとするなら——。
(いや……考えるのは止めよう)
怖くなるから。
明日には元に戻っているはずだ。
とエリオットは壁に立てかけられている聖剣を見て、思考停止するのであった。
ワイバーンの尻尾に体が当たり、エリオットは壁まで吹っ飛ばされた。
「どうしたのですか? ただかすっただけじゃありませんか!」
「エリオット! 自分から壁に体当たりするような真似は止めろ!」
「そうだ! エリオット君は演技の練習をしているんだよね? 多才なエリオット君……素敵~!」
今なお、エリオットはワイバーンに苦戦を強いられていた。
もちろん、フェリシーの言う通り演技の練習なんかしていない。
その証拠に、口の中は血でいっぱいになっている。
「お、お前なんか、敵じゃないはずなのにぃぃぃいいいい!」
エリオットは泣きべそをかきながら、ワイバーンを見据えた。
ワイバーンから放たれる威圧に、エリオットの両足は知らず知らずのうちに震えていた。
「エリオット様、離れてくださいまし! フェリシーが魔法を放てないですわ!」
「戦士の私が援護に入ろうにも、そんなワイバーンの近くで遊んでちゃ、巻き込む可能性もある! だから早く離れてくれ!」
「走って走って! そんな赤ん坊の演技なんてしなくていいからさっ!」
どうやらエリオットがワイバーンから離れないせいで、他のメンバーも援護が出来ないらしい。
「グ、グゾ……もう少し、器用に技をこなせるように……してよ」
女性メンバーに聞こえないようにぼそっとエリオットは呟いた。
勇者パーティーのメンバーは確かに強い。
だが、大味な魔法や技しかなくて、他人を巻き込んでしまう可能性が高いのだ。
エリオットなら、例え足手まといがいたとしても全力で戦える術は持っているのだが……他の三人にそれを求めるのは酷だった。
「ワイバーン! き、貴様……! 後悔するんじゃないよ? 僕を本気にさせたね?」
とエリオットは腰から下げていた聖剣に手をかける。
「なっ……! たかがワイバーンごときに聖剣をお使いになるつもりですかっ?」
「止めろ! エリオット! こんなところで聖剣を使ったら、地下迷宮が崩れてしまうぞ!」
マルレーネとサラが止めようと声を張り上げていた。
しかし彼は止めるつもりもなかった。
(このままだったら殺されてしまう……!)
情けない話だ。
魔王を一発で倒したエリオットが、たかがワイバーンごときに窮地に陥るとは。
だが、贅沢なことは言ってられない。
エリオットは一気に聖剣を鞘から引っこ抜き、ワイバーンを斬り裂こうとした。
「くらえ……奥義! ファイナルスラ……重いぃぃぃぃぃいいいい!」
しかし鞘から抜いた瞬間。
その重みに耐えかねて、エリオットは聖剣ごと地面にうずくまってしまったのだ。
「なんでだ! なんで聖剣がこんなに重い!」
聖剣がそのまま両手にのし掛かっている。
もしかしたら、これで両手が骨折してしまったかもしれない。
持ち上げようにも、聖剣はびくともしなかった。
「エリオット様? 嘘ですわよね……先ほど聖剣が重いと聞こえましたが……」
「なにをしているのだ! 一度持たせてもらったことがあったが、そんなものは子どもでも軽々と持ち上げるぞっ?」
「分かった! 重いものを持って、困っているおじいちゃんの練習をしているんだ! 迫真の演技だね~。俳優になれるよ!」
マルレーネとサラは信じられないといったご様子。
そしてフェリシーは未だにエリオットが演技の練習をしている、と思い込んでいるらしい。
「グ、グゾ……僕は勇者なんだ! 神や聖剣に認められた勇者なんだ! 誰よりも強いんだぞ! なのに……どうじで、こんな簡単なことも出来ないんだぁぁぁああああ!」
そう叫きながら聖剣を持ち上げようとするエリオットは、最早駄々をこねている子どもにしか見えなかった。
地団駄を踏んでいるエリオットの頭上から、ワイバーンの足裏が容赦なく迫ってきた。
「うわぁぁぁぁああああああ!」
無論、重すぎる聖剣から手を離せないエリオット。
ワイバーンからの『ただの踏みつけ』を回避することが出来ず、攻撃を受けたのであった。
◆ ◆
その後、戦闘不能に陥ったことによって、ワイバーンがエリオットから興味をなくしてしまったらしい。
奇しくもそれが好機。
あっという間に勇者パーティーの他メンバーは連携して、ワイバーンを倒してしまったのであった。
そして王宮に帰還して……。
「エリオット様。これで大丈夫ですわよ」
エリオットは豪華な天蓋付きのベッドに寝かされ、マルレーネから看病を受けていた。
ワイバーンに踏みつけられた彼は、全身の骨が折れてしまっていたのだ。
そんな状況からでも、聖女マルレーネの奇跡の回復魔法は、彼を傷一つない体まで治してしまっていた。
「ああ、ありがとう……迷惑かけたね」
「いえ、わたくしも——エリオット様が今までわたくし達に見せたことのないようなお姿を見せていたので、焦って回復魔法を使えなかったのですわ。わたくしにも責任があります」
とマルレーネは肩を落とす。
「それにしても……どうしたのだ、エリオット? なんでワイバーンを前にあれだけ遊んでいたのだ?」
近くで寄りそっているサラがそう質問をする。
「あ、ああ……ちょっと調子が悪くってね。暴漢にやられた傷がまだ完全に癒されてないみたい」
「な、なんだと……! おいマルレーネ! 貴様、ちゃんとエリオットに回復魔法をかけたのか!?」
サラがもの凄い形相でマルレーネに詰め寄る。
「え、え? わたくしの魔法は完璧ですわよ? あの傷なら完全に治っているはずなのですが……」
戸惑った表情を見せるマルレーネ。
もちろん、彼女の言っていることは本当だ。
暴漢……というかアルフにやられた傷は、彼女の回復魔法によって完治している。
「喧嘩は止めなよ! マルレーネは悪くない! 悪いのは……全部僕のせいなんだ」
「エリオット様はお優しいのですわね……。しかしわたくしの回復魔法がいけなかったに違いありませんわ。すみませんでした」
「むぅ……エリオットもそう言っているし、今回だけは許してやろう」
吐き捨てるようにサラは言って、マルレーネから離れた。
サラが背を向けた瞬間、マルレーネが舌を出したのが見えた。
(仲悪いんだよな……この子達……)
エリオットとしては、マルレーネもサラも同様に愛したい。
やっぱり一人の女性だったら飽きるし、ハーレムを形成する器が自分には備わっていると思うからだ。
だが、二人ともエリオットを自分だけのものにしたいらしいのだ。
その結果、二人は表向きは協力関係であるものの、裏ではドロドロとした醜いものである。
それをエリオットは感じていた。
「エリオット君、エリオット君」
「ん? どうしたんだい、フェリシー」
「聖剣が重い……ってどうしちゃったの? それも怪我の後遺症ってヤツなの?」
「そ、そうだ! そうに決まっている! なんか重く感じたんだよな……どうしてだろう?」
「そうなんだっ。早く傷を治してね! 私、頑張って看病するからっ」
一体全体どうしてしまったのか。
今のところは、他のメンバーを誤魔化していられる。
しかしこんな調子が、これから先も続くとするなら——。
(いや……考えるのは止めよう)
怖くなるから。
明日には元に戻っているはずだ。
とエリオットは壁に立てかけられている聖剣を見て、思考停止するのであった。
0
お気に入りに追加
564
あなたにおすすめの小説

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる