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第四章〈オルレアン包囲戦・開戦〉編
4.6 開戦(1)酸っぱいブドウ
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1428年9月、イングランド軍の先遣隊が現れ、オルレアン郊外にある40人ほどの小さな村を襲った。
「ついに来たか!」
城壁の外側に住む人たちは持てるだけの財産を抱えてオルレアンに殺到し、デュノワは5カ所の出入り口を開門して避難民を受け入れた。町の人口は通常の二倍、3万人に膨れ上がった。
ロワール川の北岸沿い、城壁に囲まれた細長い町だ。
城壁の厚みは6フィート(1.8メートル)、高さは18フィート(5.5メートル)だが堀の深さを含めると高低差は最大で33フィート(10メートル)に及ぶ。
分厚く巨大な城壁には、等間隔で34基の塔がそびえる。
塔と塔の間の距離は「クロスボウの飛距離」に相当する。すべての塔で弓兵が機能しているならば、攻撃が届かない死角はないということだ。
塔と城壁には突起状の仕掛けがあり、もし弓兵がいなくても、一般市民の手で投石したり、熱湯や油脂、熱々に溶かした鉛や膠(ゼラチン)を流して、城壁に取りつく梯子と敵兵を落とすことができる。
熱湯ならまだマシで、ぬるぬるした熱いものは皮膚に張り付くからダメージが大きい。簡単なわりに、エグい攻撃方法だ。
オルレアンの町には5カ所の出入り口と門がある。正面玄関と呼べるのは、ロワール川左岸(南岸)へと続く大きな石橋から入るルートだ。
美しい19のアーチで支えられ、両端が跳ね橋になっている。
5番目のアーチは中州に接していて、普段なら魚を水揚げする船が係留しているが、包囲戦に備えてちょっとした要塞に改装済みだ。
11番目と12番目のアーチの間には、金色に輝く大きな十字架「ラ・ベル・クロワ」が掲げられ、昔からオルレアンを代表する名所だった。戦時下においては、我らと同じキリスト教徒のイングランド兵に対して「十字架に弓を引くのか?」と心理的プレッシャーを与えることができる。
18番目のアーチは控え壁が張り出し、「レ・トゥーレル」と呼ばれる小ぶりの城砦が睨みを効かせている。
「ごめんください」
そこに、イングランド軍の使者がやってきた。武装はしていない。
デュノワは使者の来訪を知ると、丁重かつ慎重に迎え入れた。
「フランス軍の総司令官殿は……」
使者は、デュノワのそばに控えるブサック元帥だと見当をつけたが。
「シャルル・ドルレアンの異母弟デュノワ伯だ。オルレアン領主である兄の名代として、シャルル七世陛下から総司令官を拝命している」
「そうでしたか。では、こちらの書簡をお納めください」
「拝見する」
手渡された書簡には、総司令官ソールズベリー伯の封蝋がされていて、予想通り、「降伏をすすめる」警告が記されていた。
「危険な任務だろうに、わざわざご苦労なことだ……」
「返事をお聞かせ願えますか」
「お断り申し上げる」
返答はシンプルに一言だけだ。
使者は「敵地に長居は無用」と察して、すぐに帰ろうとした。
「では、ソールズベリー伯にはそのように伝えます」
「……少し待ってくれ」
デュノワが引き留め、にわかに緊張が走る。
イングランドとオルレアンは因縁が深い。領主のシャルル・ドルレアンは13年も幽閉されていて、デュノワは異母弟だ。積年の恨みを晴らすために、使者を捕らえたり、見せしめに処刑されても不思議ではない。
「オルレアンに来る途中、ブドウ畑があっただろう?」
「は、はぁ……」
「今年は豊作だったけど、あんたたちが来るから早めに収穫したんだ」
「そうですか……」
「今残っているのは生育不良の酸っぱいブドウだけだし、奪っても無駄だぞ」
「それはどういう……?」
使者に教養があれば、古代ギリシャの昔話『酸っぱいブドウ』を思い出したかもしれない。
せっかくだから、あらすじを紹介しよう。
飢えた狐が、たわわに実ったおいしそうなブドウを見つけた。
食べようとして懸命に跳び上がるが、果実はどれも木の高い所にあって何度跳んでも届かない。飢えた狐は、怒りと悔しさから「どうせ酸っぱいに決まっている。酸っぱいブドウなんか食べてやるものか!」と負け惜しみを吐き捨てて去っていった——という寓話だ。
「どういう意味でしょうか。我々イングランドを、『ブドウを欲しがる飢えた狐』だとでも……?」
狐は、狙っていたブドウを諦めたときに、根拠もないのに「酸っぱくて美味しくないに決まっている」と決めつけて、自己正当化した。
欲しいと望んでいるのに手に入らず、諦めた途端に「価値の無いもの」と思い込もうとする。自分の無能さを正当化・擁護するために、対象を貶めたり、価値のないものだと主張し、諦めた原因である己の能力の不足と向き合うことから逃げて、心の平安を得ようとする。
「高みにある届かないブドウ」がフランス王位・王冠だとしたら。
「自分を正当化・擁護する狐」はイングランドのベッドフォード公だろうか。しかし、イングランドの飢えた狐は、届かない果実をまだ諦めてないようだ。
話を戻そう。
デュノワは、いぶかしむ使者を残して一度引っ込んだが、すぐに戻ってきた。
「もう少し収穫を遅らせれば完熟して、さらに甘くなって、十年に一度の美酒を味わえたかもしれないのに。ああ、もったいない……」
ぶつくさ言いながら、使者にオルレアン産のワインをお土産に持たせると、それ以上何もしないで解放した。
(※)説明がくどいと感じて省略した解説文です。細部までイメージしたい人向け。
▼ロワール川の北岸沿い、城壁に囲まれた細長い町だ。
もっとも広い部分で3000フィート(914メートル)、中洲があるため短い部分で150フィート(46メートル)ほどだろうか。城壁の厚みは6フィート(1.8メートル)、高さは18フィート(5.5メートル)だが堀の深さを含めると高低差は最大で33フィート(10メートル)になる。
▼分厚く巨大な城壁には、等間隔で34基の塔がそびえる。
西側に3基、北側の森に面する10基、東側に10基、川沿いに3基、東西南北の角に1基ずつ、軍事拠点となる2基1組の巨大な門塔が東西に1つずつ。
塔と塔の間の距離は「クロスボウの飛距離」に相当する。すべての塔で弓兵が機能しているならば、攻撃が届かない死角はないということだ。
「ついに来たか!」
城壁の外側に住む人たちは持てるだけの財産を抱えてオルレアンに殺到し、デュノワは5カ所の出入り口を開門して避難民を受け入れた。町の人口は通常の二倍、3万人に膨れ上がった。
ロワール川の北岸沿い、城壁に囲まれた細長い町だ。
城壁の厚みは6フィート(1.8メートル)、高さは18フィート(5.5メートル)だが堀の深さを含めると高低差は最大で33フィート(10メートル)に及ぶ。
分厚く巨大な城壁には、等間隔で34基の塔がそびえる。
塔と塔の間の距離は「クロスボウの飛距離」に相当する。すべての塔で弓兵が機能しているならば、攻撃が届かない死角はないということだ。
塔と城壁には突起状の仕掛けがあり、もし弓兵がいなくても、一般市民の手で投石したり、熱湯や油脂、熱々に溶かした鉛や膠(ゼラチン)を流して、城壁に取りつく梯子と敵兵を落とすことができる。
熱湯ならまだマシで、ぬるぬるした熱いものは皮膚に張り付くからダメージが大きい。簡単なわりに、エグい攻撃方法だ。
オルレアンの町には5カ所の出入り口と門がある。正面玄関と呼べるのは、ロワール川左岸(南岸)へと続く大きな石橋から入るルートだ。
美しい19のアーチで支えられ、両端が跳ね橋になっている。
5番目のアーチは中州に接していて、普段なら魚を水揚げする船が係留しているが、包囲戦に備えてちょっとした要塞に改装済みだ。
11番目と12番目のアーチの間には、金色に輝く大きな十字架「ラ・ベル・クロワ」が掲げられ、昔からオルレアンを代表する名所だった。戦時下においては、我らと同じキリスト教徒のイングランド兵に対して「十字架に弓を引くのか?」と心理的プレッシャーを与えることができる。
18番目のアーチは控え壁が張り出し、「レ・トゥーレル」と呼ばれる小ぶりの城砦が睨みを効かせている。
「ごめんください」
そこに、イングランド軍の使者がやってきた。武装はしていない。
デュノワは使者の来訪を知ると、丁重かつ慎重に迎え入れた。
「フランス軍の総司令官殿は……」
使者は、デュノワのそばに控えるブサック元帥だと見当をつけたが。
「シャルル・ドルレアンの異母弟デュノワ伯だ。オルレアン領主である兄の名代として、シャルル七世陛下から総司令官を拝命している」
「そうでしたか。では、こちらの書簡をお納めください」
「拝見する」
手渡された書簡には、総司令官ソールズベリー伯の封蝋がされていて、予想通り、「降伏をすすめる」警告が記されていた。
「危険な任務だろうに、わざわざご苦労なことだ……」
「返事をお聞かせ願えますか」
「お断り申し上げる」
返答はシンプルに一言だけだ。
使者は「敵地に長居は無用」と察して、すぐに帰ろうとした。
「では、ソールズベリー伯にはそのように伝えます」
「……少し待ってくれ」
デュノワが引き留め、にわかに緊張が走る。
イングランドとオルレアンは因縁が深い。領主のシャルル・ドルレアンは13年も幽閉されていて、デュノワは異母弟だ。積年の恨みを晴らすために、使者を捕らえたり、見せしめに処刑されても不思議ではない。
「オルレアンに来る途中、ブドウ畑があっただろう?」
「は、はぁ……」
「今年は豊作だったけど、あんたたちが来るから早めに収穫したんだ」
「そうですか……」
「今残っているのは生育不良の酸っぱいブドウだけだし、奪っても無駄だぞ」
「それはどういう……?」
使者に教養があれば、古代ギリシャの昔話『酸っぱいブドウ』を思い出したかもしれない。
せっかくだから、あらすじを紹介しよう。
飢えた狐が、たわわに実ったおいしそうなブドウを見つけた。
食べようとして懸命に跳び上がるが、果実はどれも木の高い所にあって何度跳んでも届かない。飢えた狐は、怒りと悔しさから「どうせ酸っぱいに決まっている。酸っぱいブドウなんか食べてやるものか!」と負け惜しみを吐き捨てて去っていった——という寓話だ。
「どういう意味でしょうか。我々イングランドを、『ブドウを欲しがる飢えた狐』だとでも……?」
狐は、狙っていたブドウを諦めたときに、根拠もないのに「酸っぱくて美味しくないに決まっている」と決めつけて、自己正当化した。
欲しいと望んでいるのに手に入らず、諦めた途端に「価値の無いもの」と思い込もうとする。自分の無能さを正当化・擁護するために、対象を貶めたり、価値のないものだと主張し、諦めた原因である己の能力の不足と向き合うことから逃げて、心の平安を得ようとする。
「高みにある届かないブドウ」がフランス王位・王冠だとしたら。
「自分を正当化・擁護する狐」はイングランドのベッドフォード公だろうか。しかし、イングランドの飢えた狐は、届かない果実をまだ諦めてないようだ。
話を戻そう。
デュノワは、いぶかしむ使者を残して一度引っ込んだが、すぐに戻ってきた。
「もう少し収穫を遅らせれば完熟して、さらに甘くなって、十年に一度の美酒を味わえたかもしれないのに。ああ、もったいない……」
ぶつくさ言いながら、使者にオルレアン産のワインをお土産に持たせると、それ以上何もしないで解放した。
(※)説明がくどいと感じて省略した解説文です。細部までイメージしたい人向け。
▼ロワール川の北岸沿い、城壁に囲まれた細長い町だ。
もっとも広い部分で3000フィート(914メートル)、中洲があるため短い部分で150フィート(46メートル)ほどだろうか。城壁の厚みは6フィート(1.8メートル)、高さは18フィート(5.5メートル)だが堀の深さを含めると高低差は最大で33フィート(10メートル)になる。
▼分厚く巨大な城壁には、等間隔で34基の塔がそびえる。
西側に3基、北側の森に面する10基、東側に10基、川沿いに3基、東西南北の角に1基ずつ、軍事拠点となる2基1組の巨大な門塔が東西に1つずつ。
塔と塔の間の距離は「クロスボウの飛距離」に相当する。すべての塔で弓兵が機能しているならば、攻撃が届かない死角はないということだ。
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