上 下
42 / 126
第一章〈逆臣だらけの宮廷〉編

登場人物紹介:ヴェルヌイユの戦い(1424年)時点

しおりを挟む
 第一章の冒頭、ヴェルヌイユの戦いがあった1424年時点の登場人物紹介。
 死者は名前の前に「†」、後ろに享年。

 作者の力量不足で、時代考証が甘い部分もありますが、ストーリーに支障を来さないようにわざと簡略化している部分もあります。ご容赦ください。
————————————


▼フランス王シャルル七世(Charles VII/Roi de France、21歳)
フランス王国ヴァロワ王朝・第五代国王。のちの勝利王。
シャルル六世の10番目の子。第五王子だが兄たちの連続死で唯一の王位継承者となる。母妃と無怖公のクーデターから逃れて王都パリを脱出。父の死でフランス王位を継承し、逃亡先のベリー領ブールジュで宮廷をひらく。フランス南部を統治。
1403年2月22日生まれ。

▼アルテュール・ド・リッシュモン伯(Arthur de Richemont、31歳)
ブルターニュ公の弟。のちのフランス大元帥。正義公。
1393年8月24日生まれ。

▼ジャン・ド・デュノワ伯(Jean de Dunois、22歳)
シャルル七世のいとこで幼なじみ。王弟オルレアン公の庶子。オルレアンの私生児。
1402年11月23日生まれ。

▼ピエール・ド・ジアック(Pierre de Giac)
侍従長。ブルゴーニュ派からアルマニャック派に乗り換えて、シャルルに臣従。

▼ル・カミュ・ド・ボーリュー(Le Camus de Beaulieu)
厩舎長。軽薄な美男子。同性愛者(男色)だといわれているが……。

▼†狂人王ル・フーシャルル六世(Charles VI/Le Fou、享年54歳)
シャルルの父。フランス王国ヴァロワ王朝・第四代国王。
1368年12月3日生まれ。1422年10月21日没。

▼イザボー・ド・バヴィエール(Isabeau de Bavière、53歳)
シャルル七世の実母。シャルル六世の王妃。王弟をはじめ、名のある貴族たちと見境なく関係を持つため、淫乱王妃と呼ばれる。
1370年4月28日生まれ。

▼†無怖公ブルゴーニュ公(Jean de Bourgogne/Jean sans Peur、享年48歳)
フランス最大勢力の貴族。政敵の王弟オルレアン公を殺し、王妃イザボーとともに宮廷の実権を握る。王太子(シャルル七世)の家臣によって報復・殺害される。
1371年5月28日生まれ。1419年9月10日没。

▼ブルゴーニュ公フィリップ(Philippe de Bourgogne、28歳)
無怖公の息子。リッシュモンの幼なじみ。父の殺害に関わった王太子に対抗するため、イングランドと同盟を結ぶ。
1396年7月31日生まれ。

▼†イングランド王ヘンリー五世(Henry V、享年35歳)
イングランド王国ランカスター王朝・第二代国王。
休戦協定を破り、フランス王位を要求して宣戦を布告。百年戦争を再開した元凶。
1387年9月16日生まれ。1422年8月31日没。

▼ベッドフォード公ジョン・オブ・ランカスター(John of Lancaster/Duke of Bedford、35歳)
ヘンリー五世の弟。ヘンリー六世の叔父。兄の遺言でイングランド摂政となり、フランス侵攻を続ける。主にフランス北部を統治。
1389年6月20日生まれ。

▼キャサリン・オブ・ヴァロワ(Catherine of Valois、23歳)
ヘンリー五世の王妃。シャルル七世の姉。フランス名はカトリーヌ・ド・ヴァロワ。
1401年10月27日生まれ。

▼イングランド王ヘンリー六世(Henry VI/King of England、3歳)
イングランド王国ランカスター王朝・第三代国王。
1421年12月6日生まれ。

▼ジャンヌ・ド・ナヴァール(Jeanne de Navarre、54歳)
元ブルターニュ公夫人。リッシュモンの実母。ヘンリー五世の継母。
1370年生まれ。

▼ブルターニュ公ジャン・ド・ブルターニュ(Jean de Bretagne、35歳)
リッシュモンの兄。賢明公。
1389年12月24日生まれ。

▼ヨランド・ダラゴン(Yolande d'Aragon、40歳)
アンジュー公の妃。アラゴン王国の王女。シャルル七世の養母・義母。
1384年8月11日生まれ。

▼マリー・ダンジュー(Marie d'Anjou/Reine de France、20歳)
シャルル七世の王妃で幼なじみ。アンジュー公とヨランド・ダラゴンの長女。
1404年10月14日生まれ。

▼王太子ルイ(Dauphin Louis、1歳)
シャルル七世とマリー・ダンジューの長男。
1423年7月3日生まれ

▼オルレアン公シャルル・ドルレアン(Charles d'Orléans、30歳)
シャルル七世のいとこ。デュノワの異母兄。王弟オルレアン公の嫡子で、現在のオルレアン公。
1394年11月24日生まれ。

▼†王太子ルイ・ド・ギュイエンヌ公(Louis de Guyenne、享年18歳)
シャルル七世の兄。シャルル六世の第三王子。
1397年1月22日生まれ。1415年12月18日没。

▼マルグリット・ド・ブルゴーニュ(Marguerite de Bourgogne、31歳)
ブルゴーニュ公フィリップの姉。無怖公の長女。元フランス王太子妃でギュイエンヌ公夫人だったが、リッシュモンと政略結婚。
1393年12月8日生まれ。

▼†王弟オルレアン公(Louis d'Orléans、享年35歳)
シャルル六世の弟。シャルル七世の叔父。王妃イザボーと不倫関係になり、政敵の無怖公に殺される。フランス内乱のきっかけとなる。
1372年3月13日生まれ。1407年11月23日没。

▼†賢明王ル・サージュシャルル五世(Charles V/Le Sage、享年42歳)
シャルル七世の祖父。フランス王国ヴァロワ王朝・第三代国王。
1338年1月21日生まれ。1380年9月16日没。

▼†善良王ル・ボンジャン二世(Jean II/Le Bon、享年45歳)
シャルル七世の曽祖父。フランス王国ヴァロワ王朝・第二代国王。
1319年4月16日生まれ。1364年4月8日没。

▼†幸運王ル・フォチュンフィリップ六世(Philippe VI/Le Fortune、享年57歳)
シャルル七世の高祖父。フランス王国ヴァロワ王朝・初代国王。
即位前はヴァロワ伯。カペー王朝直系の男系男子が途絶えたため、フィリップ三世の男系の孫としてフランス王に即位したが、イングランド王エドワード三世(フィリップ四世の女系の孫)が王位継承権を主張し、英仏・百年戦争が勃発する。
1293年11月17日生まれ。1350年8月22日没。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】

しんの(C.Clarté)
歴史・時代
15世紀、狂王と淫妃の間に生まれた10番目の子が王位を継ぐとは誰も予想しなかった。兄王子の連続死で、不遇な王子は14歳で王太子となり、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。「恩人ジャンヌ・ダルクを見捨てた暗愚」と貶される一方で、「建国以来、戦乱の絶えなかった王国にはじめて平和と正義と秩序をもたらした名君」と評価されるフランス王シャルル七世の少年時代の物語。 歴史に残された記述と、筆者が受け継いだ記憶をもとに脚色したフィクションです。 【カクヨムコン7中間選考通過】【アルファポリス第7回歴史・時代小説大賞、読者投票4位】【講談社レジェンド賞最終選考作】 ※表紙絵は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。 ※重複投稿しています。 カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/16816927859447599614 小説家になろう:https://ncode.syosetu.com/n9199ey/

暗愚か名君か、ジャンヌ・ダルクではなく勝利王シャルル七世を主人公にした理由

しんの(C.Clarté)
エッセイ・ノンフィクション
勝利王シャルル七世といえば「ジャンヌ・ダルクのおかげで王になった」と「恩人を見捨てた非情な暗愚」という印象がつきまとう、地味なフランス王です。 ですが、その生い立ちは「設定盛りすぎ」としか言いようがない。 これほど波乱の多い生涯を送った実在の人物はいないのでは…と思うほど、魅力的なキャラクターでした。 百年戦争はジャンヌだけじゃない。 知られざるキャラクターとエピソードを掘り起こしたくて……いや、私が読みたいから! ついに自給自足で小説を書き始めました。 ※表紙絵はPaul de Semantによるパブリックドメインの画像を使用しています。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

教皇の獲物(ジビエ) 〜コンスタンティノポリスに角笛が響く時〜

H・カザーン
歴史・時代
 西暦一四五一年。  ローマ教皇の甥レオナルド・ディ・サヴォイアは、十九歳の若さでヴァティカンの枢機卿に叙階(任命)された。  西ローマ帝国を始め広大な西欧の上に立つローマ教皇。一方、その当時の東ローマ帝国は、かつての栄華も去り首都コンスタンティノポリスのみを城壁で囲まれた地域に縮小され、若きオスマンの新皇帝メフメト二世から圧迫を受け続けている都市国家だった。  そんなある日、メフメトと同い年のレオナルドは、ヴァティカンから東ローマとオスマン両帝国の和平大使としての任務を受ける。行方不明だった王女クラウディアに幼い頃から心を寄せていたレオナルドだが、彼女が見つかったかもしれない可能性を西欧に残したまま、遥か東の都コンスタンティノポリスに旅立つ。  教皇はレオナルドを守るため、オスマンとの戦争勃発前には必ず帰還せよと固く申付ける。  交渉後に帰国しようと教皇勅使の船が出港した瞬間、オスマンの攻撃を受け逃れてきたヴェネツィア商船を救い、レオナルドらは東ローマ帝国に引き返すことになった。そのままコンスタンティノポリスにとどまった彼らは、四月、ついにメフメトに城壁の周囲を包囲され、籠城戦に巻き込まれてしまうのだった。  史実に基づいた創作ヨーロッパ史!  わりと大手による新人賞の三次通過作品を改稿したものです。四次の壁はテオドシウス城壁より高いので、なかなか……。  表紙のイラストは都合により主人公じゃなくてユージェニオになってしまいました(スマソ)レオナルドは、もう少し孤独でストイックなイメージのつもり……だったり(*´-`)

華麗なるブルゴーニュ家とハプスブルグ家の歴史絵巻~ 「我らが姫君」マリー姫と「中世最後の騎士」マクシミリアン1世のかくも美しい愛の物語

伽羅かおる
歴史・時代
 15世紀欧州随一の富を誇ったブルゴーニュ家の「我らが美しき姫君 マリー・ド・ブルゴーニュ」とハプスブルグ家「中世最後の騎士 マクシミリアン1世」の悲しくも美しい愛の物語を、そしてその2人の側にいた2人の姫アリシアとセシリアの視点から、史実に基づき描いていく歴史小説です。  もともとマリーとマクシミリアンの曽祖父はポルトガルのジョアン1世で、この2人も再従兄弟(はとこ)同士、マリーの父方のお祖母様と、マクシミリアンの母方のお祖父様は兄と妹という関係だったのです。当時のヨーロッパではカトリック同士でしか婚姻を結べないのはもちろんのこと、貴族や王家の結婚は親同士が決める政略結婚ですから、親戚筋同士の結婚になることが多いのです。  そしてこの物語のもう一つの話になる主人公の2人の姫もやはり、アリシアはイングランド王ヨーク家の親族であり、またセシリアの方はマリーとマクシミリアンの曽祖父に当たるジョアン1世の妻であるイングランド王室ランカスター家出身のフィリパ(マリーの父方のお祖母様と、マクシミリアンの母方のお祖父様の母にあたる人)の父であるジョン・オブ・ゴーントの血を引いています。  またヨーク家とランカスター家とはかの有名な《薔薇戦争》の両家になります。  少し複雑なので、この話はおいおい本編において、詳しく説明させていただきますが、この4人はどこかしらで親戚筋に当たる関係だったのです。そしてマリーやマクシミリアンにとって大切な役割を果たしていたマリーの義母マーガレット・オブ・ヨークも決して忘れてはいけない存在です。  ブルゴーニュ家とハプスブルグ家というヨーロッパでも超名門王家の複雑な血筋が絡み合う、華麗なる中世のヨーロッパの姫物語の世界を覗いてみたい方必見です!  読者の皆さんにとって、中世の西洋史を深く知る助けのひとつになることを祈ります! そしてこの時代のヨーロッパの歴史の面白さをお伝えできればこれほど嬉しいことはありません!  こちらがこの小説の主な参考文献になります。 「Maria von Burgund」 Carl Vossen 著 「Marie de Bourgogne」 Georges-Henri Dumonto著 独語と仏語の文献を駆使して、今までにないマリーとマクシミリアンの世界をお届け致します!

立花道雪遺香~鎮西の片田舎で生まれた没落武士が天下の雄将へと成し遂げる行く末を見届けようと思う~

和本明子
歴史・時代
戸次道雪。その娘、立花誾(ギン)千代。 高橋紹運。その子、高橋彌七郎統虎……後の立花宗茂。 そして彼らを支えし安東、由布、十時、小野、薦野、米多比たち家臣団。 この物語は、激動の戦国時代で誰もが自身の利益と保身に走り、多大の恩がある主君をも見限り裏切ってしまえる乱世に在りて、己の『義』を貫き通し、受け継いできた者たちの、義なる物語である。

吉原お嬢

あさのりんご
歴史・時代
 鈴子は、15歳で借金を返す為に遊郭に身売りされています。けれど、ひょんな事から、伯爵令嬢に転身。社交界デビューするが…… 

紅き龍棲の玉座

五月雨輝
ファンタジー
天空を飛ぶ龍を巧みに操り、龍騎兵戦術を得意とする大陸北東の国家、ローヤン帝国。 天才的戦術家であり、人智を超えた能力、天法術の使い手でもある第一皇子リューシスは、玉座への意思が無いにも関わらず、常にその優れた器量を異母弟であり皇太子のバルタザールの一派に警戒されていた。 そしてついにある日、リューシスは皇太子派の中心人物である宰相マクシムによる陰謀にかかり、皇帝暗殺未遂の大罪人として追われてしまう。 数少ない仲間たちと共に辺境の地まで逃亡するリューシスを、マクシムら皇太子派は執拗に追い続ける。 だがまた、そのようなローヤン帝国の騒乱を好機と見て、帝国を狙う数々の敵が現れる。 強大な隣国の侵攻、かつて大陸を統治していた国の末裔の決起、政治に不満を持つ民衆の蜂起、そしてリューシスを憎悪し、帝国そのものを破壊しようとする謎の天法士の暗躍。 皇子から大罪人へと転落したリューシスは、数々の難敵に対処しながら、自らを陥れた宰相らへ戦いを挑む。 紅い玉座を巡る熾烈な戦いが始まる。 タイトルは紅き(あかき)龍棲(りゅうせい)の玉座、と読みます。

処理中です...