嵐大好き☆ALSお母さんの闘病と終活

2018年春「新生活」

ささやかな楽しみ

　病気になる前は、行ってみたいところができると、時間の許される限りよく出掛けていたっけ…

　航空券や新幹線チケットをネットで申し込んだり。
　行き当たりばったり、各駅停車を乗り継いで行ったり。
　個人旅での自由を楽しんだ。

　後悔はないけれど、今更ながら行きそびれていたところへもっと早く行っておけば良かったと思ってしまう。

　甥が、「車で何処へでも連れて行ってあげるよ」と言ってくれるので、娘にもお供を頼み、身体の動かせるうちに思い出作りに出掛けてみたい…

　そんなことを思いつつ、今は本を見て脳内旅行を楽しんでいる。
　この間の定期診察の折りに買い求めた旅の本。

　亡きホーキング博士が、「脳が筋肉でなくて良かった！」と仰ったけれど、ALSは思考力までは奪えない。

　テーブルのお花はお庭に満開のバラ一輪。

　お風呂上がりに、上の娘が母の日にくれた化粧水をシュッシュ …
　とてもいい香りでお肌もしっとり（笑）

　下の娘がくれたドイツのエッセンシャルオイルをディフューザーに数滴。
　部屋はいい香りに包まれる…

　母は、もう物は要らないし、何かを持ってくることを良しとせず。「顔を時々見せてくれるだけでいいから」と娘たちに可愛いげのないことを言っていたけれど。

「消耗品だからいいよね」
「高い物じゃないからいいよね」

　娘たちに差し出された時はやっぱり嬉しかった。
　本当にあまのじゃくの母でごめんね。