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2016年10月「ジヴェルニーの旅」

モネの愛したジヴェルニーへ

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 この病気になり、旅行をするなんてすっかり諦めていました。
 特に海外なんて思ってもいなかった・・・

 2008年6月に行った時、初夏の鮮やかな花が咲き誇るお庭と、柳の緑に覆われた日本庭園の池に咲く睡蓮。

 絵本の中に紛れ込んだかのような錯覚をするほど、まさにファンタジーの世界でした。

 次に行く時は秋のお庭を見てみたい・・・
 そんな思いに駆られ、いつかいつかと・・・

 個人旅行での行程を立てて脳内旅行をしたり、ストリートビューで画面の中で散策したり。
 その中で見付けた素敵なプチホテル・・・
 行ったらここに泊まろう、なーんて夢見てた。

 今年の母の日、下の娘が言うの。

「お母さん、今年の母の日は何もしないけど。でも、秋の誕生日にその分も含めてプレゼントするからね」

 それが、この旅行だとは思いもよらず。
 暫くしてから、宿泊客1日二組だけのそのプチホテルに予約したと聞いた時は信じられないほどビックリしたっけ・・・

 娘夫婦からの大きなプレゼント。
 すべてお任せで、時々聞かせてくれる、どういう行程で行くかの話にワクワク♪

 当初は私の願いであったパリのサン・ラザール駅から電車で目的地への予定を立ててくれたんだけど、ジヴェルニーの最寄り駅ベルノンは交通の便がよくないそうで、バスはあるけどタクシーが微妙・・・

 日本国内でも経験したけど、地方の駅でタクシー乗り場がなくて困ったことがあったもの。
 それが外国でとなったら、車椅子の私がいては冷や汗ものだから、間違いのないよう、ドゴール空港からは車で行くことにして手配をしてくれました。


 サン・ラザール駅にこだわるのは・・・




 モネがこの駅の絵をたくさん描いているから。
 そして、旅先では電車に乗るのが大好きな私だから。




 でも、一番の目的は、モネが愛した地ジヴェルニーへの訪問。



 モネの家と庭園は、もちろんだけど。
 あの日、バスの車窓から見たこの村のどこを見ても絵になる風景にすっかり魅了され、この中に身を置きゆっくり過ごしてみたい・・・
 そして、モネはジヴェルニーの村のそこかしこ、たくさんの風景を描いていて、その散歩をしたであろう、のどかな足跡を巡ってみたかったんです。

 願わくば、健脚自慢だった自分の足で歩いてみたいものだけど。
 今となっては、娘夫婦と友人に甘えさせてもらいます。



 モネの描いたジヴェルニーの風景、ほんの一部。
 積み藁の絵は、季節や時間差で光の移り変わる様を連作でたくさん描いていて本当に面白い。



 セーヌ川の支流エプト川のポプラ並木。
 これも同じ風景の季節違いの連作があり、モネお気に入りの場所だったのかな・・・




 仕事の関係で、上の娘は共に行くのは叶わず。
 今日は顔を見せに来てくれて、下の娘に私の身を託し、「気をつけて楽しんで来てね」と、帰り際にそっとお小遣いをしのばせてくれました。

 では、明日の朝の便で行って来ま~す。
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