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2016年9月「願いをひとつずつ」

ケアマネさんと会話「固い決意」

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 ケアマネさんが、福祉用具レンタルのサービス利用の明細票を届けに来てくれました。

 今、利用しているのはベッドと歩行器。
 そして、新たに折り畳み式の車椅子。

 杖だけではおぼつかないけれど、支えがあれば幸いにまだいくらか歩ける。
 一人の時は歩行器に掴まり、ゆっくり、ゆっくり・・・3歳児くらいのスピードだけど。

 車椅子は旅行の時だけよと娘に釘を刺されているの(苦笑)
 何故かと言うと、楽をしてしまうと歩かなくなる・・・
 少しでも歩けるうちは歩き、動く筋肉が衰えないようにしなきゃいけない・・・
「お母さん頑張って!」ってね。

 そんな娘とのやり取りを、ケアマネさんに話したら、

「娘さんの言う通りですよ~。娘さんにお任せしてたら安心です」

 あら~、この間の外出で味をしめた私・・・
 これからも外出は車椅子がいいな、と思っていたけど甘くなかった。

 そして、生活面での困ったこと、要望はないか、etc・・・

 訪問看護師さんとの連携ができているので、私の体調はご理解頂いているようで、胃ろうを作ることに前向きになっていることを伝えたところ、「人工呼吸器は?」と改めて訊かれた。

「装着は絶対にしない」

 私の固い決心に、「まだ年齢的にもったいない、何故?」と・・・

 人生は長さが問題じゃないと思います。
 あくまでも価値観の違いだけど、いかに有意義に、思い残すことなく生きてこそ意味があるでしょ?と、私・・・

 私が23歳の時、母が脳梗塞で倒れ、意識の戻らないまま2か月後に亡くなった。
 かかりつけ医の紹介で入院した病院が完全看護でなかったため付き添いが必要で、末っ子の私だけが独身だったからずっと病院に泊まり込み看病の日々だった。

 結婚後、同居の義母がやはり脳梗塞で倒れ、7年間の闘病で入院生活をした。
 仕事の休みの日の病院通いだけでも、数年に及ぶと本当に大変だった・・・
 それが、もし在宅での介護であったらと想像するだけでも、心が重たくなってしまう。

 もし私が人工呼吸器を装着し、呼吸は助かるとしても、他の症状は進行する・・・
 寝たきりになり何年も生きるとしたら・・・

 独身の上の娘は、介護のために退職せざるをえないでしょう。
 下の娘は、家庭と私の介護の両立でやはり大変な思いをするでしょう。

 娘たちは介護をする覚悟でいても、きっと私はいたたまれない。

 すべては自然のままで・・・
 末期の呼吸苦だけはお薬に助けてもらいたいから、その為には胃ろうが大いに役に立ってくれる。

 ALSになり、身体の自由が少しずつ失われていくけど。
 病と闘うとか、奪われていくとか、憎むとか、そういう風には捉えずに。

 今を、過ぎ去る今を、大切に生きよう。
 たくさんの素敵な思い出を作ろう。

 やりたいことを書きだして、いくつ叶えられるか楽しみです。

 そうそう、訪問看護師さんに、いつも私は楽しそうって言われた。
 はい、大好きなことがいっぱいあって、大好きな人もいっぱいいて、この病になって気付かされた幸せがたくさんあるんだもの。




 私は人工呼吸器装着を選びませんが、装着する選択も大切なことだと思います。

 足りなくなった呼吸機能を補うためのもので、まだ生きてやりたいことがあったり、家族の願いに応えるためであったり、新たな治療法やお薬ができる可能性もあり・・・

 いつかきっと難病でなくなる日がくることを信じます。
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