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2016年秋「胃ろうを考える」

9月の定期診察、胃ろうについて熟考

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 今月の定期診察日に主治医先生から、胃ろうについてお話がありました。
 メリットとデメリット、二人の娘も同席でじっくりとお話を伺い・・・
 1週間ほど悩み、考え、娘たちの意見も聞き、訪問看護師さんにも相談。
 いつか訪れるであろう現実を思い熟慮、私自身の意志で決めました。

 楽しい話題ではないので、関心のない方はこの画像をご覧になってスルーして下さいね。





 水の嚥下障害が軽く出て検査をしたことを前にアップしましたが、更に薬や固形の物も一部飲み込みにくくなりました。

 例えば大好きな野菜サラダのレタスが喉の上に張り付いたままになったり、よく咀嚼しているはずなのに、食パンが唾液を吸収するために喉の通りが悪く飲み込めなかったり、小さな錠剤の薬さえも喉の途中で止まったり、ヒヤッとすることが増えてきました。

 その為に食事メニューの注意と嚥下リハビリの必要性のお話・・・
 そして、私が拒否をしていた胃ろうを、できれば年内中につけた方が良いとの先生のお考えをお聞きしました。

 年内中!と聞いてビックリ!!

 胃ろうを導入する時期は呼吸機能が正常値内である時で、呼吸筋に麻痺が出たらできないとのこと。

 その説明をお聞きし、食事ができなくばれば自然に衰弱。
 そのまま静かに逝くのも私の選択肢の一つ。
「最小限の栄養を点滴と経鼻経管で摂取する方法はダメでしょうか」と伺いました。

 先生が仰った・・・
「喉の渇きはどうするの?」

 口を潤すことができても水分補給ができない。
 その度に点滴が必要になるし、内服薬もとれない。

 経鼻での摂取は自分ではできないこと。
 胃ろうを導入しても、食事は可能であり1年以上使わなかった患者もいる。

 そして、手に障害が出なければ自分で対応できるものであること。
 緩和ケア医院の往診もあるので、定期的に処置をしてもらえること。
 ALS患者にとって胃ろうは延命の為のものでないこと。
 末期の苦痛緩和の時にも必要になるものであること。

 手術は10分~15分程度。
 必要でなくなったらいつでも外せ、その後は自然に塞がってしまうとのこと。

 等々・・・丁寧に先生はご説明下さった・・・

 私が「お腹のピアスみたいな感じですね」とふと言ったら、「そうそう そういう感じ」と先生・・・

 娘が、「お母さん、へそピアスをするみたいに思ったら(笑)」
 そこで私も大爆笑。


 考える時間をしばらく頂くことになったのだけど、先生から念を押された。

 私は「人工呼吸器装着はしない」と一貫して変わらない気持ちでいるのを、主治医先生も、緩和ケア医院の先生も承知して下さっている。

 万が一、嚥下性肺炎や喉の詰まらせなどで、本人が意識をなくし、緊急搬送で他病院へ運ばれた時、喉を切開人工呼吸器を着けられてしまうケースがあり、ALS患者の場合は一度装着したらもう外せないのだそうです。

 過去に本人の意志に反し、家族が願い出て装着してしまったこともあったそうで、その万が一の時の対応もしっかりしておくようにと。




 娘が言った・・・

「お母さん。空腹の飢えより喉の渇きの方が、想像を絶する苦しみだと思うよ」

 そう、口を開けて眠っているのか、毎朝ひどい喉の渇きで目が覚めてしまう・・・
 痛いのも苦しいのもイヤ!
 末期の呼吸苦の緩和をしてもらえるなら、胃ろうは意味があると思えるようになった。

 それに嚥下障害があっても、手と呼吸筋に障害が出なければ何とか自分のことは自分でできるし生きて行ける!!

 めげてなんていられないね。
 頑張ろうと思う!

 最後まで読んで下さってありがとうございます
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