時を超えて彼女を救え

色部耀

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時を超えて彼女を救え

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――西暦2316年――


 俺達の出会いはなんてことはない会社の昼休憩だった。美幸と俺、お互いに日本総合理科学研究所で働いて五年経った頃、転属によって同じ部署に配属が決まった。顔合わせも兼ねたミーティングが始まる前、昼休憩という事で研究所の外にある代々木公園を歩いていた時のこと。彼女――美幸もまた俺と同じく代々木公園にいた。

 ベンチで横になっていた美幸は携帯のアラームで目を覚ますと何事もなかったかのように立ち上がって目の前にいた俺の顔を見た。美幸は俯せで眠ってしまっていた時間があったのだろう、口紅が乱れて酷い口になっていた。こんなところで女の子が寝ていて大丈夫かと心配したのも束の間、俺はその顔を見た瞬間に吹き出してしまった。


「あ! 笑ってくれましたね!」


 美幸は笑われたことを怒るでもなく、ただただ喜んでいた。笑う姿は乱れた化粧も関係なくとても綺麗で、俺は一目で惚れてしまった程に。

 そしてすかさず彼女は俺に手を差し伸べてこう言った。


「私とお付き合いしてくださいませんか?」


 意表を突かれた俺はよく分からないまま不思議な美女と交際することにした。よく分からないと言っても一目惚れした瞬間にその相手から告白されたのだ。返事など決まっている。当時は恋人などもいなかったし、当然と言えば当然だろう。

 それからの日々はひたすらに毎日が笑いに満ちていた。同じ部署の隣同士の席。美幸はよく仕事そっちのけで俺の笑いを取ることに熱意を注いでいた。何度仕事をしろと注意したか分からない。

 それでも美幸は懲りずに俺に何度も何度も笑いを供給し続けた。需要は無くても、供給されれば笑ってしまうもの。それは美幸だったからなのかもしれない。いつも全力で走っていた彼女だったからかもしれない。

 部長に怒られながら俺の方を見て笑う美幸に何度溜息を漏らしたことか。何度美幸の仕事を手伝って残業したことか――。それはたった一か月だったけど数え切れないほど――。何度も何度も笑わされ、一か月で一生分の幸せを俺に与えてくれたのではないか。世界一幸せにしてくれていたのではないか。

 俺は美幸の為に何かできたのか。何かできなかったのか?

 悔いても悔いきれない。

 美幸が死んでしまうまで、なぜ俺は何もしてやらなかったのだろう……。

 いつもお菓子の甘い香りが立っていた隣の席からは、今や百合や菊の甘い香りが立っていた――。

 パペットダウン病。何の前兆も無く糸が切れた人形の様に突然息絶える病。なぜその様な死を遂げるのか未だに解明されていない奇病。

 俺が務める日本総合理科学研究所でもその研究は行われているが、いかんせん発症する人の特定もできず、ヒト以外では発症しないため研究がなかなか進んでいない。死後は死因不明とまで言われるほどで、菌も見つからず生きているヒトをサンプルとしない限りは対策を考える事すら困難。

 美幸は昨日、出先の学会で突然パペットダウン病が発症。帰らぬ人となってしまった。

 帰宅後に報告を受けた俺はしばらく現実を受け入れられなくてそのまま眠りに就いた。そして今朝出社したところで席に着き、隣に置いてある供花で思い知った……。


 もう美幸はいないのだと――。


「えー今日の早朝ミーテは重要な話があるから少し早めに行うぞ。直ちに第一会議室に集合」


 いつもと変わらない様子の部長。同僚たちも顔色一つ変えやしない。そうか……仕事仲間なんて所詮こんなものか……。

 会議室の席に着いても誰も美幸の話を出さない。ミーティングもどうせ仕事の話だけだろう。


「パペットダウン病」


 部長の口から出た言葉に俺は心臓が飛び出るほど驚いた。


「その研究部門の提案と長野所長からの通達で我が時空研究部門が急ぎ動くこととなった」


 部長の言葉を受け、会議室の前列に座っていた人が立ち上がる。長野所長――日本総合理科学研究所のトップだ。


「皆さんに無理を言ってお願いがある。過去へ飛んでパペットダウン病で亡くなる予定の人物を日本総合理科学研究所に連れてきて欲しい。都内でパペットダウン病で亡くなる人物のリストとその所在地、過去の日本総合理科学研究所に入るための書類一式は準備してある。どうかこの中で過去へ飛んでくれる人はいないだろうか!?」


 過去へ飛ぶ……今俺達の部署で作り上げたタイムマシン――それで過去に飛ぶことはできるかもしれない。――そうかもしれない程度だ。まだ生物で実験をしたことも無い不完全なタイムマシン。

 次元をゴムのように過去へと引き延ばし、初めにかけたエネルギーの分だけ過去に留まる事ができる装置。エネルギーが切れるとその反動で現在に戻ってくる――。しかし、その反動で生体がどうなるかは分からない。

 つまり、所長はこの部署の誰かに死ねと言っているようなものなのだ。

 死ぬかもしれない……そう考えた瞬間にもう俺の右手は挙がっていた。


「おお、田中くん。やってくれるか!」


 所長が俺の名前を知っていた事には少し驚いたけど、それ以外の感情は別段存在しなかった。死んだら死んだでいいし、上手くいけば上手くいったでそれは良い。


「では今すぐ装置まで行こう。荷物は準備してある」


「今すぐ……ですか? まあ、良いですけど」


 もうどうとでもなれだ。身よりもなければこれといった友人もいない……美幸のいない世界にはもう未練はないんだ。


「このかばんの中にリストと過去の日本総合理科学研究所の受付に渡す書類が入ってる。時間制限は三時間程度だと思ってくれて良い」


 装置のことは開発に携わっているんだからよく分かってる。過去に戻っていられる時間は三時間。それを超えると現在に戻ってくる。まあ、生きていればの話だけど。


「では、幸運を祈る」


「はい……行ってきます」


 人一人が入ることができる縦型カプセルに入る。大量のコイルと加速器が部屋を覆いつくしているが実はそれだけではなく、日本の地下を削って大規模な加速器と発電施設にしている。そうまでしないと次元なんて曲げられない。

 カプセルの扉が閉じ、起動音が聞こえてくる。理論上ではカプセル内のみが過去へ遷移する為、中から見ると突然どこか外へ飛ばされた感覚になるはず。

 場所は確かこの施設の真上、代々木公園に送られるはず――。


――西暦2309年――


 一瞬――。それは目を閉じた本当に一瞬の間に終わった。あの日の――美幸と出会ったベンチの前に俺は立っていた。確か七年前に飛ばされたはず……という事は俺はまだ上京してきておらず、九州にいるころだ。美幸は……大学時代から東京で一人暮らしをしていたと言っていたので、東京を探し回れば会えるかもしれない。

 ――会ってどうしようって言うんだ。どうせ三時間しか一緒にいられないんだぞ? それに向こうにとって俺は赤の他人。気味悪がられるだけだ――。過去への余計な干渉も避けるべきだし……。そして何より……。


 俺が辛い――。


「あの……すみません。今一瞬で……」


 まずい! 見られた!


「どうかされまし……た……か?」


 振り向きざまに作り笑顔で誤魔化そうとしたが、突然現れたはずの俺を見た女性より驚きの表情を浮かべてしまっていた。鏡なんて無くても分かる。今の俺の表情は確実に引きつっている。


「どうかしましたか――って、今一瞬で現れたように見えたんですけど」


「気のせいじゃないですかね?」


「気のせい……そうですか。ならいいです。ちなみにそこのベンチ。私のお昼寝スポットなのであまりジロジロ見られると恥ずかしいです」


「そ、そうですよね」


「……恥ずかしいはずないじゃないですか。冗談ですよ。私は一之瀬美幸って言います」


「俺は……鈴木太郎……です」


「偽名……ですよね?」


「あ、は、はい」


「まあいいです。お昼寝しようとしてたのに眼が冴えちゃいました。鈴木さん、責任とってお散歩に付き合ってください」


「でも、時間が……」


 鞄の中のリストを広げて忙しい人アピールをして切り抜けよう……そう思ってリストを開くと何のことはない。あったのだ。


 一之瀬美幸の名前が――。


 死亡者リスト――。五月十七日死亡……。

 そうだ……美幸は今から七年後の五月十七日にパペットダウン病で死んでしまうんだ……。そう考えた瞬間から美幸の顔が見れなくなってしまった。


「だめ……ですか?」


 俺の顔を覗き込みながら彼女は言う――。

 運命というものがあるならば、今ほど恨んだ瞬間は無いだろう。


「仕方ないな……」


「やったー!」


「君は……近くの大学生かなにか?」


「そうですよ。距離の物理的短縮の研究をしてます。将来は日本総合理科学研究所に勤めて瞬間移動装置の開発をしたいなーって思ってます」


「そうか……頭が良いんだね」


「そんなこと無いです。ただ、自宅のベッドと昼寝ベンチを一瞬で往復したいだけです!」


「そうか……できたらいいね」


「……そんなはずないじゃないですか。冗談ですよ。……鈴木さん、もう少し笑ってください。あと、目を見て話してください」


「ごめん、性分なんだ」


「別に、目を見たくらいでセクハラで訴えたりはしませんよ?」


「そういうことじゃないんだ……」


「……だから冗談ですってば」


 俺は今死んだはずの彼女の過去に会ってるんだ。口を尖らせて不機嫌そうに歩く姿も未来と変わらない。本当なら笑えてただろう。上手い返しの一つや二つできていただろう。でも、それはできないんだ。

 顔を見ただけで涙がこぼれそうなんだ……。


「そうだ! 鈴木さんは何のお仕事をしてるんですか? 来年には企業からアプローチが来始める時期になるし、社会人の先輩からお話聞きたいなーって!」


「俺は……日本総合理科学研究所で働いてるよ」


 あ……。これは言わない方が良かったか……。


「凄いです! 鈴木さん! これは運命ですよ! 私も日本総合理科学研究所で働きたいと思ってたんですよ!」


「さっきそう言ってたな」


「そう! そうなんですよ! 言ったんですよ!」


 地面がへこむんじゃないかと思うような勢いで飛び跳ねる美幸。俺はその様子を視界の端に捉えてまた涙が溢れそうになって目を閉じる。


『さっきも言ったじゃん』


『そう! そうなの! 言ったの!』


 俺が話を覚えていると、それだけで嬉しそうに飛び跳ねてたっけな……。


「鈴木さん……? もしかして言っちゃまずい事だったんですか? すみません……聞いちゃいけないことだったなら忘れます……」


「いや、問題ないよ」


「なら良いですけど……大丈夫ですか?」


「ああ……」


 そうか……。


「一之瀬さん。良かったら日本総合理科学研究所まで散歩するかい?」


「え! いいんですか!?」


 ああ、今頃目を輝かせて俺のことを見ているんだろうな……。目を閉じているから分からないけど。


「本当に大丈夫ですか……? 何かあったなら聞きますよ? こんな小娘でも聞くだけはできるんですよ?」


 徒歩五分もかからない日本総合理科学研究所への道を歩いていると、美幸が心配そうに聞いてくれる。


『大丈夫? 何かあったなら聞くよ? 仕事はできないけど話聞くだけならできるんだよ?』


『同僚が仕事を貯め込んでて困ってる』


『なんてひどいやつだ! とっちめてやる!』


『お前だよ!!』


 ああ……また思い出す……。


「実はな……大切な人が遠いところに行っちゃってな。ショックで今まともに話せないんだ」


「そう……ですか。でも、その遠くに行ってしまった人は元気な鈴木さんでいてほしいと思ってますよ。そんな顔して欲しいなんて思ってませんよ」


 お前に何が分かる……なんて野暮な返しは無いよな。だって本人なんだから。


「絶対に鈴木さんには笑っていてほしいって思ってますよ! 私ならそう思います! 自分がいなくなることで辛い思いなんてしてほしくないです。大切な人なら自分がいなくても幸せになってほしいし、毎日笑って過ごしてほしいです」


「それでも、楽しかった日々を思い出すと……それ以上をイメージできない未来に希望が見いだせなくなったりもするんだよ?」


 大学生にいったい俺は何を言っているんだ……。


「思い出して辛くなるくらいなら忘れてください」


「え?」


「忘れてください!」


 そ、そんな事できるわけ……。


「できるわけないじゃないか」


「じゃあ、私が忘れさせてあげます」


「それは絶対にできない」


「なんで言い切るんですか!!」


 研究所の自動ドアの前で大声で叫ばれても……。だって、君がその張本人だから――なんて言えない……。


「じゃあ、私がここに入るまで待っててください! 絶対にその人との思い出より楽しい思い出を作らせてやりますから!! 私は言ったことは絶対に守りますよ!!」


「そうか、じゃあその日が来るのをずっと待ってるから」


「楽しみに待っててください」


 自分が言った事を曲げないのは昔からだったんだね――。はは……。


「あ! 笑ってくれましたね!」


『あ! 笑ってくれましたね!』


 あの日見た景色が重なる――。


「ちょっと、案内してくれる人探してくるね」


 受付に行って書類とリストを渡す。もちろん写しを取るように指示は忘れない。時間になれば未来に戻ってしまうのだから。


「あの……ハンカチ……使います?」


「いえ、すみません。大丈夫です」


 受付の女性の前では流石に我慢していた涙が零れ落ちる。未来でこの女性は人事部にいて、変わらず優しくしてくれていたのも思い出す。

 涙を拭うと自動ドアの前で待つ美幸の元へと戻った。


「仕事があるから俺はこれでさよならだ」


「絶対に待っていてくださいよ? 辛いことがあっても何があっても辞めずにここにいてくださいよ?」


「はいはい。じゃあね」


「あ、最後に」


 案内人として長野所長が現れる。今は医療技術統括部長だったか――。


「鈴木さんに会えて本当に良かったです! 私が会いに行くまで笑って待っててくださいね! 絶対ですよ!」


「ああ」


 ああ、俺の方こそ会えて本当に良かった。俺がそっちに行くまで美幸も笑って待ってろよ……。


「最後くらいこっち向いてくださいよー!」


「男は……背中で……か……たるもんだ」


――西暦2316年――


 ――起動音が聞こえてくる。

 あの後案内された第一会議室で残りの二時間弱を過ごし、ほぼ予定通り次元に引き戻された。過去に飛ばされた時と同様に一瞬。目を開くとそこは三時間前に見たカプセルの中だった。

 油圧制御独特のポンプ音と共にカプセルが開くと、俺が出発した時と同じ状態で立つ同僚たち。


「ありがとう田中くん。君のおかげでパペットダウン病はほぼ淘汰することができそうだよ」


 そう言ってくれたのは長野所長だった。つまり、過去を変えられた……ということだろう。そしてできそう――という事は、今はまだできていないという事で……。


「そうですか。良かったです」


 美幸の最後の言葉を聞けたようで少しだけ気が持ち直しかけていたけど、まだしばらく笑えそうにはない。


「田中くんご苦労様。今日は帰宅してくれていいよ」


 そう言ったのは部長だった。命の危険もある状態で実質三時間働いたようなもの。当然と言っちゃ当然か。嬉しそうに笑っているのが癪ではあるけど……。

 部下が昨日死んだところだぞ? プロジェクトが成功したと言っても笑ってられる状況じゃないだろう。もう忘れたって言うのか? 忘れろって言われたって忘れられるものじゃないだろう! 人が一人いなくなったんだぞ!


「ちょっと田中くん! 田中くん! 落ち着いて!」


 俺は気付かない内に部長の肩を掴んでしまっていた。


「疲れてるみたいだから、今日はゆっくり休んで。そうだ。コーヒーでも飲んで帰ったら良い。小林さんデスクにコーヒーとアレ運んどいて」


「はい!」


 なんだよ……小林さんまでもう美幸のことを忘れたって言うのかよ。


「じゃあ、他の人は今回のデータの解析があるから解析室に集合。以上」


 俺は他の奴らと別行動で自分のデスクに向かう。……供花の置かれたデスクの隣が俺の席だ。

 扉を開けると、百合や菊の香りが立ち込める……。それと同時に思い出す。再認識させられる。


「美幸……」


「お待たせしました」


 デスクに突っ伏していると耳元にコーヒーソーサーを置く音が聞こえる。小林さんが甲高い声色に変えてふざけている。小林さんは美幸と仲が良かったと思っていたけど勘違いだったのか……。つくづく冷めた会社だ。辛くなっても辞めるなって言われたけど、そろそろ潮時かもしれない。


「顔を上げてお礼くらい言ってもバチは当たりませんよ?」


 相変わらず甲高い声。おちょくってるとしか思えない。


「ありがとうござい……ま……」


 小林さんに渋々お礼の言葉を告げるはずだった。


「お待たせしました」


 甲高いふざけた声じゃなく、今度は聞き慣れた優しい声。


「あ……あ……」


 供花が置かれたその席に、いるはずのないあの人が……。


「ずっと……ずっと待ってた……」


「笑って待っててくださいって言いましたよね?」


 大丈夫……大丈夫だよ……これからいっぱい――いっぱい笑えるから――。


「ハンカチいります? 鈴木さん」
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